北九州市政だより

NO.1476

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令和7年2月15日号 特集

特集
北九州市の特別支援教育

子どもたちが、それぞれの花を咲かすことができる教育を

 特別支援教育は、障害のある子どもの自立と社会参加のために、一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援を行う教育です。
 北九州市では、障害の有無にかかわらず誰もが生き生きと活躍できる共生社会の形成を目指し、多様なニーズに対応した教育・支援を行っています。

市の担当課
教育委員会特別支援教育課 電話093-582-3448

就学前

  • ●保育所
  • ●幼稚園 など 

就学中

卒業後

  • ●進学
  • ●就労
  • ●福祉施設 など

特別支援教育は全ての学びの場で行われます

※就学相談については下記を参照

特別支援学校(小学部・中学部・高等部)
 よりきめ細やかな特別な教育的支援を必要とする児童生徒を対象に、一人一人の状況に応じた教育を行います。
小・中学校
特別支援学級
 特別な教育的支援を必要とする児童生徒を対象に、少人数の学級編制で教育を行います。通常の学級との交流や共同学習も行われます。
特別支援教室(通級による指導)
 通常の学級に在籍し、一部特別な指導を必要とする児童生徒を対象に、個別の指導(週1回程度)を行います。
通常の学級
 発達障害などのある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対して、特性に応じた適切な指導や必要な支援を行います。
高校 ※北九州市立高校は通級による指導を行っています

多くの職員が特別支援教育に関わっています


小倉総合
特別支援学校
村上美香さん

学校配置看護師

 呼吸や栄養などの医療的ケアの実施や日常的な健康管理を行います。

 一人一人の状況に応じた医療的ケアを確実に行い、子どもたちの安心・安全な学校生活を支えています。ささいな変化も見逃さないよう健康状態の把握と情報共有に努めています。


若園小学校
舩戸亜紀さん

特別支援教育コーディネーター

 担任への支援、関係機関との調整、保護者の相談窓口などを担当しています。

 子どもたちの実態把握やケース会議を通じて、子どもに合った支援の方法を担任の先生や外部専門家と考えます。
 子どもたちの思いに寄り添った特別支援教育を学校全体で推進しています。


広徳小学校
(小倉南区担当)
原田文子さん

特別支援教室 通級担当

 各区担当者が各小学校を巡回し自立支援を行います。

 子どもが安心感を持ちながら自分の力を伸ばせる場、ほっとできる場であるよう心がけています。

特別支援教育学習支援員

 通常の学級で授業を受けている支援が必要な子どもに付き添い、学習のフォローを行います。



若園小学校
吉岡雅子さん

 分かりやすい教材を手作りすることも。子どもとの距離が近く、「何に困っているか」気付きやすいので、担任の先生と一緒に解決することができます。



広徳小学校
近津優子さん

 授業中は横でヒントを与えたり、「手を挙げてみようか」と声をかけたりします。繊細な子ども、元気な子どもなど、一人一人に合わせたフォローを心がけています。


鳴水小学校
梅木佳菜さん

特別支援教育介助員

 肢体不自由等のある子どもに付き添い、移動介助や学習中の身体補助などを行います。

 介助するお子さんだけでなく、担任の先生や他の子どもたちとのコミュニケーションも大事にしています。子どもたちができた喜びを味わえるようサポートしています。

市長からのメッセージ

 昨年8月に小倉総合特別支援学校を訪問した際、授業や給食など、安全確保に努めながら子どもたちに寄り添い、一つ一つ丁寧に対応する職員の姿や、楽しそうに過ごす子どもたちの姿が印象的でした。
 現在、発達障害や難病を含めると日本人の10人に1人は障害があるといわれています。障害に限らず、人はそれぞれ、さまざまな個性や差がある人同士、共に生きるのがこの世の中です。「与える人」「与えられる人」に分かれるのではなく、互いに必要な時には支え合える「共生社会」を目指します。
 特別支援教育もその一つです。子どもたち一人一人がそれぞれの形で自立と社会参加していける、そんな北九州市を市民みんなの力でつくっていきましょう。

北九州市長 武内 和久


▲小倉総合特別支援学校の調理員の皆さんと

取材しました!

北九州市立特別支援学校 北九州中央高等学園

戸畑区沢見1丁目3-47、電話093-861-0112

 市内唯一の高等部単独の特別支援学校で、約80人の軽度知的障害のある生徒が在籍しています。卒業後の一般就労を目指し、「自立と社会参加」に必要な知識・技能・社会人スキルの育成に重点を置いた教育活動を行っています。

1日の流れ(例)

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月曜日
ホームルーム 8:30~ ※登校時間 8:00~8:30
1 8:50~9:40 作業学習
2 9:50~10:40 作業学習
3 10:50~11:40 作業学習
4 12:30~13:20 作業学習
5 13:30~14:20 作業学習
6 14:30~15:20 自立活動
下校 15:35
火曜日
ホームルーム 8:30~ ※登校時間 8:00~8:30
1 8:50~9:40 国語
2 9:50~10:40 情報
3 10:50~11:40 数学
4 12:30~13:20 社会・理科・外国語
5 13:30~14:20 保健体育
6 14:30~15:20 自立活動
下校 15:35
水曜日
ホームルーム 8:30~ ※登校時間 8:00~8:30
1 8:50~9:40 道徳
2 9:50~10:40 保健体育
3 10:50~11:40 音楽
4 12:30~13:20 トライ
5 13:30~14:20 職業
6 14:30~15:20 ロングホームルーム
下校 15:20
木曜日
ホームルーム 8:30~ ※登校時間 8:00~8:30
1 8:50~9:40 作業学習
2 9:50~10:40 作業学習
3 10:50~11:40 作業学習
4 12:30~13:20 作業学習
5 13:30~14:20 作業学習
6 14:30~15:20 総合的な探求
下校 15:35
金曜日
ホームルーム 8:30~ ※登校時間 8:00~8:30
1 8:50~9:40 保健体育
2 9:50~10:40 美術
3 10:50~11:40 家庭
4 12:30~13:20 職業
5 13:30~14:20 職業
6 14:30~15:20 自立活動
下校 15:35
時間割表


吉本一也 校長

 本校では「与えられる人から与える人へ」をキーワードに通常授業の他に週2日、作業学習の時間を設けています。いずれも将来の「自立と社会参加」に向けた学びです。生徒はこの学習を通して、働くことの意義を学び、人の役に立ち、感謝されることの喜びを体験します。卒業時には社会人としての挨拶やコミュニケーション力、働く力を身に付け、自信をもって卒業していきます。
 令和7年度からは、普通科を職業学科へ改編し物流コースを新設するなど、さらに力を入れて取り組んでまいります。


3年 大山龍斗さん

 1年生の時に4つの作業学習を全て経験して、2年生の時は「清掃・福祉」を選びました。体を動かすことが好きなので、将来は清掃の仕事に就きたいです。きれいになると気持ちがいいし、評価もしてもらえるからです。
 3年生の今は「パン・接遇」を学んでいます。先日、小倉北区役所でパンの販売を行った時は、対面販売が初めてだったので緊張しましたが、お客さまから「笑顔が素敵」と褒めていただいてうれしかったです。


▲販売会の様子

4つの班による作業学習

パン・接遇班
 本格的な設備を使用して、パン製造を学習します。また、作ったパンやお菓子の販売を通して、接客の基本を学びます。
事務・軽作業班
 印刷や製本、パソコン作業などを学びます。軽作業では、機械や棚の組み立て、衣服の袋詰めなどを行います。
清掃・福祉班
 清掃の基本を学び、学校内や近隣の市民センターの清掃をしています。福祉では、福祉用具の使い方や高齢者との接し方を学びます。
農耕班
 農園や温室で十数種類の野菜や花を栽培するほか、ハーブソルトや一味唐辛子などの加工品も作っています。
小倉北特別支援学校と北九州中央高等学園の整備について

 特別な教育的支援を必要とする児童生徒の増加や施設の老朽化に対応するため、小倉北特別支援学校と北九州中央高等学園を建て替え整備しています(令和7年度中に完成予定)。

問い合わせ
教育委員会施設課 電話093-582-2361

完成イメージ 作業学習・体育館棟 北九州中央高等学園棟 小倉北特別支援学校棟 小倉北特別支援学校棟

 職種の変化に対応した作業教室の整備や就労支援の充実を目的としており、児童生徒の進路選択の拡大や社会性・コミュニケーション能力の育成を図ります。

ご相談ください

特別支援教育相談センター

小倉南区春ケ丘10-2、電話093-921-2230

特別支援教育相談センターの画像

 特別な教育的支援を必要とする幼児・児童生徒、保護者、学校などに対して、専門的な相談支援を行う機関です。
※令和6年度の申し込みは終了しています。令和7年度の日程は決まり次第、市のホームページでご案内します。

早期相談
 特別な支援が必要と思われる年中児・年長児と保護者にセンターに来所していただき、就学に向けて、より良い学習環境が整うように一緒に考えていきます。
就学相談
 特別支援学級や特別支援学校への就学・転学を希望する、主に年長児・小学6年生と保護者を対象に、面談や心理検査などを実施し、相談しながら就学する学校を決めていきます。
通級相談
 通常の学級に在籍する、言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)のある児童生徒などを対象に、通級による指導が必要かどうかを判断します。
教育相談
 通常の学級に在籍する児童生徒・保護者・教職員を対象に、児童生徒の発達の過程や障害の状態などを整理し、一人一人にとって適切な指導と必要な支援について一緒に考えます。

その他の支援機関

総合療育センター


 障害のある子どもの療育と医療の中核施設。医師による診察を基に、その子どもに合った支援(リハビリ、通園など)を行います。

小倉南区春ケ丘10-4、電話093-922-5596(代表)

発達障害者支援センターつばさ


 発達障害のある人や家族などの相談に応じ、療育・就学・就労・福祉等に関する助言や、関係機関との連携による支援を行います。

小倉南区春ケ丘10-2、電話093-922-5523

子ども総合センター(児童相談所)


 子どもの心身の発達の遅れ、非行、不登校等について、児童福祉司や児童心理司などが相談に応じます。

戸畑区汐井町1-6、電話093-881-4556

この特集に関するお問い合わせ
教育委員会特別支援教育課 電話093-582-3448

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