北九州市政だより

NO.1477

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令和7年3月1日号 特集

特集
男女共同参画基本計画

左から 大淵晶博さん(市民委員) 安河内恵子さん(会長、九州工業大学名誉教授) 濱西菜々子さん(市民委員)

 北九州市では、ジェンダー平等を実感できるまちを目指して、第5次北九州市男女共同参画基本計画を策定しました。
 策定前に実施した市民意識調査の結果を基に、主に「働くこと」について、第12期男女共同参画審議会委員の皆さんに意見を聞きました。(以下敬称略)

市の担当課
総務市民局女性の輝く社会推進室 電話093-582-2405

市民意識調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」といった性別による固定的な役割分担の意識は薄れてきていることが伺えます(表1)。
 一方、家庭や職場、地域などを含む社会全体で「男女平等が達成されている」と感じる割合は全体で10.7%と低く、また男性15.3%、女性7.6%と約2倍の差があります(表2)。この原因はどのようなことが考えられるでしょうか。

表1

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「夫は外、妻は家庭」に

  • 昭和58年 肯定派 71.4% 否定派 19.3% わからない・無回答 9.3%
  • 昭和63年 肯定派 68.0% 否定派 23.9% わからない・無回答 8.1%
  • 平成5年 肯定派 64.2% 否定派 25.5% わからない・無回答 10.3%
  • 平成12年 肯定派 57.7% 否定派 34.0% わからない・無回答 8.3%
  • 平成17年 肯定派 57.5% 否定派 34.3% わからない・無回答 8.2%
  • 平成23年 肯定派 38.7% 否定派 53.8% わからない・無回答 7.5%
  • 平成29年 肯定派 26.7% 否定派 68.1% わからない・無回答 5.4%
  • 令和4年 肯定派 17.0% 否定派 77.8% わからない・無回答 5.1%
表1 「夫は外、妻は家庭」に

表2

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本当に平等になってる?

  • 女性 女性優遇 2.4% 男女平等 7.6% 男性優遇 78.9% わからない・無回答 11.0%
  • 男性 女性優遇 9.5% 男女平等 15.3% 男性優遇 67.2% わからない・無回答 8.0%
  • 全体 女性優遇 5.2% 男女平等 10.7% 男性優遇 74.2% わからない・無回答 10.0%
表2 本当に平等になってる?

ジェンダー平等の意識は大きく変化している

濱西さんの画像

濱西 両親は共働きですが、母は「お父さんは会社で頑張ってくれているから」と家事全般をやっています。一方で、姉夫婦も共働きなのですが、義兄は積極的に家事をやっているようです。母と姉の世代で少し変わってきたのかなと思います。

安河内 男性の意識は世代でかなり変わってきていると思います。どちらも働いてどちらも家事を、という家庭が増えてきていると感じます。

企業の取り組みを後押しする必要がある

大淵 中小企業診断士をしていますが、特に中小企業など従業員が少ないところは、男性が基幹的な業務を担っていると「休まれると困る」という意見が強いですね。結果的に、女性に家事の負担がかかってしまうところがあります。

安河内さんの画像

安河内 そのような現状に対して、新しい取り組みをすることもなく、ジェンダー平等の視点もない会社は、今後若い人に選ばれなくなっていくと思います。トップの考え方が変わっていくこと、そのためにも市役所が率先して取り組み、モデルケースを作っていくことが大事だと思います。

大淵 「ジェンダー平等の考え方や必要性は分かるけど大企業や特定の業種だからできること」と考えがちですよね。少しずつでも、さまざまな規模・業種のロールモデルを作って、好事例を示すような取り組みを進めていくことが重要だと思います。

安河内 業界ごとの団体のトップなどがリーダーシップを発揮することも大事ですね。

大淵 また、例えば出産した女性が復帰する際に、職場が配慮しすぎて責任の重い仕事を任せるのを避け、結果的に女性がキャリアを積む機会を奪ってしまう、という話をよく聞くんですよ。

安河内 今後男性の育休が増えてくると、男女に関係なく対応が必要になりますよね。職場復帰する際には、まず本人の意向を確認することが最優先だと思います。そういう意味では、トップだけでなく管理職の役割も重要です。

企業と学生をつなぐ仕組みが求められている

濱西 私は大学生で就職活動中なのですが、例えば女性活躍に取り組む企業の認定制度などいろいろあると思うので、そのような情報をしっかりキャッチすることが大事だと感じました。

大淵さんの画像

大淵 学生側がそういった情報を知って就職活動の判断材料にすることで、企業側の取り組みも促進されていく、という側面もあります。情報が得やすくなる仕組み、企業が発信していける仕組みを工夫する必要がありますね。

濱西 私が企画したインターン就活イベントでは、企業と学生が一緒にグループワークをすることで、その企業を深く理解するきっかけになりました。企業と学生をつなぐ分かりやすい仕組みがあるとよいかもしれません。

これからは「女性が」「男性が」ではなく「自分が」どうしていきたいか、の選択肢が広がる社会の実現が必要ですね。ジェンダー平等を実感できるまちを目指して、皆さんの選択を応援します!

市長からのメッセージ

 北九州市では今年、「女性」という観点からの政策強化を進めたいと考えています。
 日本という国はまだまだ「男社会」です。女性の力と思いと可能性が支えられ発揮できる環境に十分になっていないことは、私たちの社会にとって大きな問題と考えます。
北九州市長の画像  最終的な目標は、女性だけでなく、どんな性別や境遇や価値観であっても、人と人の間に「絆」が感じられ、「どんな人生の選択をしても受け入れられる」「誰かが見てくれて応援してくれる」と思えるまちをつくることです。誰もが尊重される北九州市をつくるために、皆さんのご協力をお願いします。

北九州市長 武内 和久

Q

性別による無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)はありませんか?

水色の服を着た赤ちゃん? 保育士さん? 単身赴任?

答えはこちら

第5次北九州市男女共同参画基本計画 さまざまな取り組みを進めていきます

安河内さん 「男性が洗濯をするCM。メディアの影響も大きいですよね」

柱1

ジェンダー平等が浸透した社会の実現

  • ジェンダー平等社会の実現に向けた理解の促進
  • 男性にとってのジェンダー平等の推進
  • 子どもの頃からのジェンダー平等の理解の促進


▲料理講座
「エプロン男子」

男性向けの講座も開催しています!

(小倉北区大手町、電話093-583-3939)

柱2

あらゆる分野の方針決定過程への女性の参画拡大

  • 企業における方針決定過程への女性の参画拡大
  • 地域における方針決定過程への女性の参画拡大
  • 市における方針決定過程への女性の参画拡大
  • 政治分野への女性の参画拡大

北九州市女性団体連絡会議 会長 大河内哲子さん

地域で女性が活躍していくために

 男性も女性もですが、地域のこと全部に関わる必要はなくて、自分の得意分野や関心のあることに参加するといいと思います。それが広がっていくことで、みんなの意識も変わっていくんじゃないかな。そこで女性にアドバイスするとしたら、いつ何を尋ねられても遠慮せず、自分の意見をはっきりと伝えてほしいということです。そして、私たち女性団体の活動でも大切にしている事ですが、どんな活動でも企画段階から男女が共に関わることが大事だと思います。

濱西さん 「やっぱり長く働き続けられることが理想的です」

柱3

女性が多様に活躍できる経済社会の実現

  • 女性の就業・起業支援
  • 女性が働き続けることができる環境づくり支援
  • 女性の再就職支援

詳細は連載コーナー
「子育て応援!ミニコーナー」を
ご覧ください

「ウーマンワークカフェ北九州」をご利用ください

子育て世代からミドル世代女性の「はたらく」を応援!(小倉駅北側(2階)、電話093-551-0092)

「Woman(ウーマン) Will(ウィル) 北九州」をご存じですか?

 「北九州市をもっと愛されるまちに」することを目指し、女性の視点から市政へのアイデアを提言してもらう新たなプロジェクトが生まれました。

問い合わせ
政策局政策課 電話093-582-2302


▲公募や推薦で決定した学生・
会社員・専業主婦などのメンバー

柱4

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進

大淵さん 「さまざまな企業の好事例が「見える化」できるといいですよね」

  • 男女が共に仕事と生活を両立できる社会の実現
  • 多様なライフスタイルに対応した子育てや介護等の支援の充実

(株)YEデジタル音成邦紀さん

新しい働き方は
「誰もが気兼ねなく使えること」で定着する

 当社では、柔軟な働き方の選択肢としてテレワークやフレックスタイムが定着しています。 おかげで子どもたちとの時間を作ることもできています ITなどハード面の環境が整っているということもありますが、特別な申請などをする必要がないため誰もが気兼ねなく利用できるようになりました。ルールさえ決めれば、社員同士のコミュニケーションもしっかりと取れます。
 時間を有効に使えるから残業も減り、オンとオフのメリハリがつくようになりました。仕事の成果はむしろ上がっていると感じています。

※(株)YEデジタル(北九州イクボス同盟加盟)は、「北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰市長賞」「福岡県男女共同参画表彰」を受賞しています。

男性も仕事と育児を両立できる社会へ

 男性の育児休業取得は、男性が育児に積極的に参画することを通して、男性自身の働き方を見直すきっかけとなるほか、職場全体の業務等の改善にもつながることが期待できます。

男性自身や自分の夫が育児休業を取得することに肯定的な考えは、男女ともに8割を超えています
男性の育児休業の取得について
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  • 男性 肯定派 80.1% 否定派 8.0% わからない・無回答 11.9%
  • 女性 肯定派 81.8% 否定派 8.5% わからない・無回答 9.6%

資料:「北九州市の男女共同参画社会に関する調査」 令和4年

表
柱5

安心して健康に暮らせる社会の実現

  • DVの防止及び被害者の支援
  • ハラスメント及び性犯罪等の防止
  • 生涯を通じた女性のヘルスケア
  • 困難を抱えた女性等が安心して暮らせる支援
  • 防災における男女共同参画の推進
身体的暴力だけがDVではありません

 近年増加するDVは、自分がDVを受けていると気付かずに、我慢してしまう人が多いといわれています。

DVの例
  • ●日常的に子どもにパートナーの悪口を吹き込む
  • ●スマートフォンや行動を細かくチェックする
  • ●生活費を渡さない など
DV被害に遭った時の相談先(複数回答)
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「どこ(だれ)にも相談しなかった」の回答が約半数!

  • 友人・知人 24.0%
  • 家族・親族 23.0%
  • 警察・相談窓口・医療従事者など 13.7%
  • どこ(だれ)にも相談しなかった 49.9%
  • その他・無回答 9.3%

資料:「北九州市の男女共同参画社会に関する調査」 令和4年

表
皆さんが一人で抱えている悩みもDVに該当するかもしれません。気軽にご相談ください。
【北九州市配偶者暴力相談支援センター】

電話093-591-1126

火~金曜日 9時30分~20時
土・日曜日 9時30分~17時

※いずれも祝・休日は除く

各区役所子ども・家庭相談コーナーでも相談を受け付けています

援助 自立支援 生活 尊重 努める 安心 SDGs ロールモデル 就業率 困難 地域 基本計画 活躍男性 ジェンダー平等 全性ヘルスケア 女性活躍 事業主 支援 女性被害 出産 裁判所 婚姻 育成 アンコンシャス・バイアス 職業 政治北九州市 男女 非正規雇用 性別による固定的役割分担意識 デートDV ワーク・ライフ・バランス ネットワーク 意識改革 ジェンダーギャップ 社会 職業選択

A
男の子とは限りません! 女性ばかりとは限りません! 夫ばかりとは限りません!
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総務市民局女性の輝く社会推進室 電話093-582-2405

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