平成9年に策定された北九州市行財政改革大綱で、「市が行っている事業で、委託化により、一層のサービス向上がはかれるもの、また、経費の低減が図れるもの、地域経済の活性化に寄与すると思われるものについては、積極的に委託化を進める」との方針が示され、委託化を推進すべき事業の一つとして学校給食調理業務が取り上げられました。
学校給食に係る経費は、民間委託本格実施直前の平成15年度で、1食あたり684円、総額では約70億円となっていました。内訳は、保護者が給食費として負担する約21億円と学校給食の管理運営に要する約49億円の公費です。
市の厳しい財政状況から、行財政改革大綱の方針に基づき、公費部分の低減などが図れる民間委託を実施することにしました。
民間委託に関するQ&A
なぜ、学校給食の調理業務を民間に委託するのですか?
民間委託のモデル事業を行ったようですが、問題はなかったのですか?
学校給食調理業務の民間委託モデル事業を、平成14年9月から平成16年3月まで、貴船小学校(小倉北区)と則松小学校(八幡西区)で実施しました。
このモデル事業を専門的な立場から評価するため、有識者で構成する「学校給食モデル事業評価委員会」を設置し、多方面から調査を行ないました。
その結果、「モデル事業は、給食の完成度(おいしさなど)、衛生管理、教育活動との連携、調理現場の管理体制について、十分な実績をあげている」「モデル事業の仕組みを安定的に運用できれば,現行の直営方式(市職員の学校給食調理士が調理する方式)と同等の学校給食の質を確保できる」との評価を受けました。
モデル事業の実施状況や評価委員会の評価などを総合的に判断し、民間委託を進めていくことに問題はないと判断しました。
学校給食モデル事業評価委員会の報告書(PDF形式:1,199KB)も併せてご覧ください。
民間委託する内容は、調理業務だけですか?食材の購入は委託するのですか?
民間委託する内容は、調理業務とそれに伴う食器の洗浄や施設・設備の清掃に限られています。献立の作成や食材の購入を委託することはありません。
これまでどおり、献立は市教育委員会が作成し、食材は公益財団法人北九州市学校給食協会が購入します。したがって、委託校においても献立や食材は他の学校と全く同じです。
民間委託によって献立や食材の質が低下することはありませんか?
民間委託後も、献立は市教育委員会が作成し、食材は公益財団法人北九州市学校給食協会が購入します。民間委託によって、献立や食材の質が低下することはありません。
今後も伝統行事食や和食の献立を取り入れ、地元農産物の使用拡大などに努めていきます。
民間委託後は給食調理の場所が変わるのですか?
民間委託業者が調理業務を行う場所は、これまでどおり各学校の給食室です。
複数の学校の給食を1箇所で調理する共同調理方式を採用したり、外部で作った弁当を持ち込むようなことはありません。
今まで市職員の学校給食調理士が行ってきた調理業務を民間に任せても大丈夫ですか?
学校給食の調理業務を民間委託しても、調理業務は、市教育委員会が作成した調理作業手順や衛生管理マニュアル(PDF形式:19,993KB)に従って行われ、委託校に専属配置した市職員の栄養士が、民間委託業者の業務内容を日々チェックを行っています。
また、委託業者には、栄養士又は調理師の免許を持った者、学校給食調理の経験者の配置を義務づけています。
民間委託は今後どのように進めていくのですか?
特別支援学校を除き、全小学校の民間委託を順次、進めていきます。
委託業者はどのように決定されるのですか?
学校や集団給食施設での調理経験がある市登録業者から決定します。
なお、「安全・安心でおいしい給食」を子どもたちに提供できるようにするため、受託業者には、
- 栄養士又は調理師の免許を持つ業務総括責任者や常勤の従事者を配置すること
- 業務総括責任者は、集団給食施設における調理業務の経験を3年以上有すること
- 学校給食調理の経験者を配置すること
- 配置従事者への十分な事前研修を実施すること
など、受託にあたって守るべき事項を定めています。
万が一、食中毒が起こったときは、誰が責任をとるのですか?
調理業務を民間委託した後も、そのようなことが絶対におこらないよう、学校給食の安全性確保については、万全の体制で臨みます。
万が一、食中毒などが発生しても、学校給食全体の運営については、これまでどおり市教育委員会が責任を持ちます。
学校給食は毎年何回行われているのですか?
給食実施予定日数は年度によって若干異なりますが、概ね192日程度です。
したがって、年間1,095回(1日3回×365日)の食事のうち、児童は約6分の1の回数、学校給食を食べることとなります。
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