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外来生物法と特定外来生物

更新日 : 2023年5月31日
ページ番号:000132672

 人間の活動等によって、もともと生息していなかった地域に持ち込まれた生物を「外来種」と言います。「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」では、海外起源の外来種を「外来生物」と定めています。このうち、特に、生態系、人の生命若しくは身体又は農林水産業に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるものを「特定外来生物」としており、令和5年6月1日現在158種類が指定されています。

外来生物法の概要

(1)規制と罰則

 特定外来生物に指定されると以下の項目について規制(原則禁止)されます。

1.飼育、栽培、保管及び運搬すること
2.輸入すること
3.野外へ放つ、植える及びまくこと  など

 

 特定外来生物は、たとえば野外に放たれて定着してしまった場合、人間の生命・身体、農林水産業、生態系に対してとても大きな影響を与えることが考えられます。場合によっては取り返しのつかないような事態を引き起こすこともありえますので、違反内容によっては非常に重い罰則が課せられます。

個人:最高で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金
法人:最高で1億円以下の罰金

(2)外来生物被害予防三原則について

 環境省では、侵略的な外来生物(海外起源の外来種)による被害を予防するための3つの原則(外来生物被害予防三原則)を提唱しています。

外来種被害予防三原則 

  1. 入れない
    悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない
  2. 捨てない
    飼っている外来生物を野外に捨てない
  3. 拡げない
    野外にすでにいる外来生物は他地域に拡げない

アメリカザリガニとアカミミガメの規制(条件付特定外来生物)

条件付特定外来生物について

 条件付特定外来生物は、アメリカザリガニアカミミガメのような従来からその生態系等への被害の大きさが問題視されていたものの、既に一般家庭などで広く飼育等されているために、特定外来生物への指定が見送られてきた種に対して、特定外来生物に指定しつつ飼育等の一部の規制を適用除外とすることで、指定による飼育中個体の放流等の生態系等への被害を回避するために設けられたものです。

 令和5年6月からアメリカザリガニアカミミガメが条件付特定外来生物に指定されますが、飼育に関する規制は除外となるため、家庭での飼育については引き続き可能です。

規制の例

手続きなしでできること

一般の方がペットとして飼育すること

飼えなくなった場合などに、責任をもって飼える人に無償で、譲ったり、譲り受けること

法律で禁止されること

生きた個体を野外に逃がしたり、放したりすること
(適切な飼育を行わずに逃げ出した場合でも違法になります)

無償であっても、生きた個体を広く配ること

 詳しい規制内容については環境省ホームページをご確認ください。

アメリカザリガニとアカミミガメ
(提供:環境省)

これまでに北九州市で確認されている特定外来生物

 北九州市では文献調査等によりこれまで(令和5年6月現在)、以下の19種類(鳥類2種類、両生類1種類、魚類3種類、植物4種類、哺乳類1種類、爬虫類2種、昆虫類4種類、クモ・サソリ類1種、甲殻類1種)の特定外来生物の生息を確認しています。

鳥類(2種類)

(1)ガビチョウ

特徴
 羽色は焦げ茶が主体で、比較的地味。大きく、複雑な音色でよくさえずる。原産は東アジア、東南アジア。

侵入経路など
 鳴き声を楽しむために輸入され飼育された。飼育個体の逃亡ないしは故意の放出などが野外に定着した原因とされている。野外では1980年代に北九州で初めて確認された。

(2)ソウシチョウ

特徴
 全長約15センチメートル程度。体色は暗緑色で、のどは黄色く、翼に赤と黄の斑紋があり、嘴は赤い。原産は東アジア、東南アジア。

侵入経路など
 姿が美しかったり、声がきれいであったりしたために観賞用として輸入され、多数の個体が飼育された。飼育個体の逃亡ないしは故意の放出が、野外に定着した原因とされている。

ガビチョウとソウシチョウ
(提供:環境省)

両生類(1種類)

(1)ウシガエル

特徴

 日本のみならずアメリカでも最大のカエルで、頭胴長は約180ミリメートルに達する。大型でみずかきが良く発達している。池、沼、湖などの止水で雄は繁殖なわばりを持ち、水面に浮きながら「ウオー、ウオー」と鳴く。原産はアメリカ東部・中部、カナダ南東部。

侵入経路など

 1920年頃、食用、養殖用としてアメリカから持ち込まれた。

ウシガエル
(提供:環境省)

魚類(3種類)

(1)オオクチバス

特徴
 全長30から50センチメートル。体側から背にかけて不規則な暗斑がある。腹側は黄味を帯びた白色。湖沼やため池、河川の中下流域に生息する。原産は北アメリカ。

侵入経路など
 1925年に釣り対象、食用として神奈川県芦ノ湖に持ち込まれた。釣り対象として人気種であり、各地で意図的な放流が行なわれてきた可能性が指摘されている。

(2)ブルーギル

特徴
 全長約25センチメートル。体側には7から10本の暗色横帯がある。成長するにつれ体高が高くなり体色は濃灰褐色から暗褐色に黒ずみ、横帯はやや不明瞭になってくる。湖沼やため池、堀、公園の池などに生息し、湖では主に沿岸帯の水生植物帯に、河川でも主に流れの緩やかな水草帯に生息する。原産は北アメリカ東部。

侵入経路など
 1960年頃に釣り魚として持ち込まれ、一部では観賞魚としても飼育されていた。それらが各地に放流された可能性が指摘されている。 

(3)カダヤシ

特徴
 全長は雄で3センチメートル、雌で5センチメートルほど。メダカに似るが、体がもっと青っぽく尾鰭が丸い。水田や用水路のほか、平地の池沼・湖、河川下流で流れが緩やかな場所に生息する。原産は北アメリカ。

侵入経路など
 ボウフラの駆除のため導入され、1970年以降各地に放流されたといわれている。 

オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ
(提供:環境省・国立環境研究所)

植物(4種類)

(1)オオキンケイギク

特徴
 キク科の多年草。高さは0.3から0.7メートル程度である。路傍、河川敷、線路際、海岸などに生育する。開花期は5から7月。原産は北アメリカ。

侵入経路など
 1880年代に観賞用、緑化用として導入された。

オオキンケイギクについてはオオキンケイギクは、「特定外来生物」です!」のページで詳しく説明してます。

(2)オオフサモ

特徴
 多年生の抽水植物。耐寒性があり、湖沼、河川、池、水路、一部の休耕田に生育する。浅水中に群生する。原産は南アメリカ。

侵入経路など
 1920年頃に観賞用として持ち込まれ、その後、国内で多く流通した。河川の自然復元事業の現場などで植栽されたこともあったといわれている。

(3)オオカワヂシャ

特徴
 一年生多年生草本。温帯から熱帯に分布し、湖、沼、河川の岸辺、水田、湿地に生育する。開花期は4から9月。原産はヨーロッパからアジア。種子は、風、雨、動物などにより伝播される。根茎で繁殖する。

侵入経路など
 1867年に神奈川県相模で採集された。侵入時期は不明とされる。本州(関東・中部地方)で野生化している。

(4)アレチウリ

特徴

 ウリ科の一年生草本で、生育速度が非常に速いつる性植物。長さ数から十数メートルになり、群生することが多い。果実に鋭い棘を密生する。原産は北アメリカ。

侵入経路など

 1952年に静岡県清水港で確認された。アメリカやカナダからの輸入大豆に種子が混入し、拡大したといわれ、近年では全国の飼料畑や河川敷で多くみられる。

オオキンケイギク、オオフサモ、オオカワヂシャ、アレチウリ
(提供:環境省)

哺乳類(1種類)

(1)アライグマ

特徴
 体重4から10数キログラム、頭胴長41から60センチメートル、尾長20から41センチメートル。白色の顔に黒色系のマスクを着けたような外見で4から7の輪模様を尾に持つ。

侵入経路など
 ペットとして人気種となり流通したが、飼育が難しいことから遺棄されたと考えられる。

アライグマ
(提供:環境省)

爬虫類(2種類)

(1)カミツキガメ

特徴
 北米産の亜種では背甲長約50センチメートル、34キログラムまで成長する。 きわめて長寿で(80年にも及ぶという説がある)、繁殖能力が高い。

侵入経路など
 数年前まではペット用に大量に流通しており、安価で販売されていた。飼育は容易であるが、大型に成長し攻撃的になるため、遺棄されたと考えられる。

(2)アカミミガメ(条件付特定外来生物)

特徴

 アカミミガメは‘‘種’’の名称で、3つの亜種(キバラガメ、ミシシッピアカミミガメ、カンバーランドキミミガメ)から成る。日本でも最もみられるミシシッピアカミミガメは顔の横に赤いラインが見える。幼体は緑化をしており、成体はくすんだ暗い色となる。雑食種で繁殖力が高く、汚れた水など悪環境条件にも耐えることができる。原産は北アメリカ。

侵入経路など

 幼体がペットとして輸入され、飼育されていた個体の逃亡ないしは故意の放出などが野外に定着した原因とされている。

カミツキガメ
(提供:環境省)

昆虫類(4種類)、甲殻類(1種類)

(1)ツマアカスズメバチ

特徴
全体的に非常に黒っぽく、腹部の先端が赤褐色。体長は、20から30ミリメートル前後である。
 営巣場所について、女王バチは越冬後、単体で茂みや低木の中、土中等の閉鎖的な環境において営巣を開始し、コロニーが大きくなると働きバチとともに樹木の上部に引越をする。

侵入経路など
国内では、2012年に長崎県対馬市にて働きバチが初めて確認された。翌2013年には、対馬上島を中心に、巣が見つかり定着が確認された。2011年には既に本種が侵入していた可能性が示唆されている。

ツマアカスズメバチについては「特定外来生物「ツマアカスズメバチについて」」のページで詳しく説明しています。

(2)ヒアリ(要緊急対処特定外来生物)

特徴
体長は2から6ミリメートル。主に赤茶色のアリ。
南米原産であるが、亜熱帯、温帯でも生息が可能なため、本邦への侵入を警戒する重要性が高い。

侵入経路など
交易にともないさまざまな物資について分布を拡大したと考えられる。

ヒアリについては環境省ホームページをご覧ください。

(3)アカカミアリ(要緊急対処特定外来生物)

特徴
体長は3から8ミリメートル。体は赤褐色、頭部は褐色である。
アメリカ合衆国南部から中米原産だが、国内では硫黄島に定着。

侵入経路など
交易にともないさまざまな物資について分布を拡大したと考えられる。

アカカミアリについては環境省ホームページをご覧ください。

(4)アルゼンチンアリ

特徴
体長は2.5から3ミリメートル。体は茶色。
南米原産だが、活動温度帯が5から35度と広く、在来アリのように冬眠はせずほぼ1年中活動する。

侵入経路など
交易にともないさまざまな物資について分布を拡大したと考えられる。

(5)アメリカザリガニ(条件付特定外来生物)

特徴

 全長が通常10センチメートル程に成長し、最大で15センチメートル。体色は、成体は赤から赤褐色、若齢個体は淡褐色、黄褐色、緑泥色。河川・湖沼・池をはじめ、農業水路や水田、ため池など、さまざまな水域に生息し、高水温・低酸素・水質汚染にも耐性があり,劣悪な水環境であっても定着し増殖することが可能。原産は北アメリカ。

侵入経路など

 食用ウシガエル養殖用の餌としてアメリカから持ち込まれた。

ツマアカスズメバチ、ヒアリ、アカカミアリ
(提供:環境省)

クモ・サソリ類(1属2種類)

(1)ゴケグモ属

特徴
 ゴケグモ属は、クモ目ヒメグモ科に分類され31種に整理されている。コンクリート建造物や器物の窪みや穴、裏側、隙間、管渠などに営巣し、人間の生活環境周辺に生息が可能である。

侵入経路など
 セアカゴケグモとハイイロゴケグモは、港湾地域又はそれに隣接する地域で多く発見されており、コンテナ等に付着して侵入してきた可能性が高い。 国内では、貨物やコンテナ、建築資材、自動車等に営巣したものが人為によって運ばれた結果、生息域が広範囲に拡大されたものと考えられる。 屋外に置かれていた傘、衣服、おもちゃ等に付着して、屋内に持ち込まれる可能性がある。

 ゴケグモ属については「「セアカゴケグモ」「ハイイロゴケグモ」にご注意ください!」のページで詳しく説明しています。

セアカゴケグモとハイイロゴケグモ
(提供:環境省)

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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