北九州モデルの実践プロセス
実証中のインタビュー調査から北九州モデルの定着までに段階的な経過が観察されました。導入直後はICT・介護ロボット等の活用を含む新たな業務マネジメントにより職員が不安や戸惑いを覚え、モデルに順応し始める後期には業務オペレーション上の細かな調整・改善が必要になりました。
実践プロセスにおいては、組織方針を施設内で共有し、業務改善点の抽出と解決策の検討を行うというPDCAサイクルの展開に有効な推進体制・会議体が重要であると考えます。
アウトソーシングにおける地域高年齢者の活用
本実証において、周辺業務のアウトソーシング先として、地域の高年齢者の活用を試みました。その結果、アウトソーシングした周辺業務は単純作業が多く、利用者との交流の時間もあまりないためやりがいを感じにくいことがわかりました。そのため、業務を単純にアウトソーシングするだけでなく、地域での役割・居場所を提供する観点から、利用者との交流機会を創出するなど現場職員や管理者からのフィードバックやフォローアップを行う必要があると考えます。
北九州モデルにおいてはアウトソーシング先を地域の高年齢者に限定していませんが、改善点を踏まえ、適切な対応をとれば地域の高年齢者の活用の可能性は大いにありうると考えます。