1.背景
本市では、昭和60年に「北九州市都市景観条例」を施行し、届出協議による景観誘導や、都心部及び門司港レトロ地区等における都市の顔づくりなどを通じ、都市景観の向上に積極的に取り組んできており、その結果、市民からも高い評価を得てきました。
しかし近年、景観に対する市民の関心やニーズが高まり、また景観法が制定されるなど、景観施策を取りまく状況は大きく変化してきており、これまでの取り組みに加え、新たな施策が必要となってきました。
2.都市計画審議会答申の概要
そこで本市は平成18年5月、北九州市都市計画審議会に対し、今後の景観施策のあり方について諮問を行いました。審議会では、14名の専門家からなる「景観部会」を設置、約1年をかけ検討を重ね、平成19年8月、「市民が誇れる北九州らしい景観づくりのあり方(PDF形式:815KB)」について答申を行いました。
この答申では、市民参加の景観づくりや、都心部など景観を重視する地区や地域での規制誘導策の強化などが提言されています。
3.「北九州市景観づくりマスタープラン」の策定
この答申が掲げる景観づくりを実践するため、本市では景観づくりの行動指針や、新たな景観誘導の指針を明示した 「北九州市景観づくりマスタープラン」を平成20年7月に策定しました。
策定にあたっては、真に市民の視点に立った行動指針となるよう、策定の初期の段階から市民や事業者等の意見を反映させるため、 学識経験者や行政に加え、市民・事業者代表が参画する策定検討委員会を組織し、計画の検討をすると共に、パブリックコメント(平成20年3月17日より4月15日)や関係事業者等の意見を聴き、広く市民等の意見を計画に反映しました。
4.策定後の取り組み
「北九州市景観づくりマスタープラン」策定後は、マスタープランを実行するため、平成20年10月都市景観条例や屋外広告物条例など関係条例等を改正・拡充し、景観に関する規制強化を図るとともに、景観づくりの行動指針に沿った市民の活動を積極的に支援するなどを行い、魅力ある都市景観の形成に努めていきます。
5.「北九州市景観づくりマスタープラン」の改定
本市では、「北九州市景観づくりマスタープラン」策定後、良好な都市景観の形成に向けた取組を進め、都市景観の向上に一定の成果をあげてきました。一方、集約型都市構造への転換や土地利用転換、観光まちづくりにおける景観資源の活用など、現状の課題等に的確に対応していく必要があります。
このたび、これらのニーズを踏まえながら、北九州市の都市景観の魅力をさらに高めていくため、北九州市景観づくりマスタープランを改定しました。
見直しの視点
(1)コンパクトなまちづくりを踏まえた景観づくり
(2)地域特性を活かした魅力ある景観づくり
(3)シビックプライドの醸成に繋がる景観づくり
(4)おもてなしの視点をもった景観づくり