「北九州市都市景観賞」は、個性的で魅力ある都市景観の向上に寄与したものを表彰することにより、景観に対する市民等の意識の高揚をはかり、美しいまちづくりを推進することを目的に、平成11年度より実施しており、今回で3回目となります。
この都市景観賞は、建築物単体のみならず、景観を構成する街並みや魅力を高める市民の取り組みや活動なども表彰の対象としています。
今回は、市民の皆様からの推薦など513通240件の応募があり、選考委員会での選考の結果、次の5件の表彰が決定しました。
第3回北九州市都市景観賞
第3回受賞作品
海峡ドラマシップ
海峡ドラマシップ(門司区西海岸一丁目3番3号)
名だたる人形職人たちが丹精をこめた歴史のひとコマひとコマが私たちのイメージを深く刺激し、回廊を抜けて最上階に出ると一転して明るい海が一面に広がります。
時と空間を結びつけた心憎い演出です。周辺の環境整備も立派なもので、門司港駅から続く海辺が気持ちのいい空間になりました。
「海峡ドラマシップ」が皆さんを、過去と現代、そして未来を結ぶ航海に誘うこと期待します。
所有者 福岡県、北九州市
設計者 環境デザイン研究所・大崎・総合設備・トーホー設備・森川設計業務共同企業体
施工者 大林・九鉄・石山特定建設工事共同企業体
完成年次 平成15年4月
ホーム・リンガ商会
ホーム・リンガ商会(門司区港町9番9号)
ホーム・リンガ商会は昭和37年(1962)の竣工で決して古い建築とは言えない。しかしながら、立面構成や装飾等のデザインは港町門司の他の洋風建築に調和したものであり、周辺の旧大阪商船ビル、門司郵船ビル、門司港駅と共に港町にふさわしい景観と界隈性を形成している。さらにこの界隈は新しい門司港ホテルと共に、門司港レトロ地区の景観を形成しており、景観形成上、重要な構成要素の1つとなっている。昨今の建築が合理的な近代建築に建て替えられる中で、建物の維持管理に努められた意義は港町にふさわしい景観保全と門司港レトロ地区の景観を考える上で極めて大きく、都市景観賞に値するものである。
所有者 株式会社ホーム・リンガ商会
完成年次 昭和37年
紫川河畔とリバーウォーク北九州
紫川河畔とリバーウォーク北九州(小倉北区室町一丁目周辺)
小倉城、神社等、白から黒の無彩色とリバーウォ-クの色味ある有彩色の組み合わせは、21世紀の交流する異文化と融合して生きていかなければならない若者達を直感的に引き付ける不思議な魅力を持つ場所である。
国際的にも十分通用する景観を創出したと言えるのではないでしょうか。散然としていた場所を、大きな塊にして、既存の建築物を活用しながら、都心の核を作る。この位、びっくりするものでなければ、これからの長い年月、中心としての役目は果たせない事と思う。紫川の河畔という地の利を得て、治水を活かした和と洋の接点となり、都心の中庭にふさわしい貴重な空間を創り出し、昼の賑わいから光の演出を楽しむ夜へと、眠る間もない元気な街になるよう人々のより一層の協力で、強い核へと育っていく可能性を秘めている場所である。
所有者 北九州市、室町一丁目地区市街地再開発組合
設計者 ザ・ジャーディ・パートナーシップ社、株式会社日本設計
総合プロディース エフ・ジェイ都市開発株式会社
施工者 前田建設工業株式会社 九州支店
完成年次 平成15年4月
ガーデンヴィレッジ平尾台
ガーデンヴィレッジ平尾台(小倉南区大字小森、小倉南区大字呼野)
自然で緩やかな曲線を描いた道の向こうにどんな家があるのか、何となく童話の世界を思い起こさせる。
既存樹を十分に活かし、公私空間を連続させたセットバックの住宅群。
周辺の自然林の中に象徴とし得る姿形良く育つ樹種を一種選び、育てておき、現存樹との交代期になった時、少なくとも各戸に一本はこれと代える計画をしておけば、やがて眺めに大切な統一感が生まれ、勝れた固有の風格ある風景を醸成することができる。そんな期待のもてる住宅地である。
所有者・管理 ガーデンヴィレッジ平尾台管理組合
総合プロデュース みくに産業株式会社
戸畑中央小学校
戸畑中央小学校(戸畑区新池二丁目5番35号)
統合によって新しい小学校が誕生した。校舎は暖かみのある色調で円窓、円柱などが柔らかいアクセントになっている。
また、見通しのよいフェンス、その外側の植栽スペースなど、周辺との融合に配慮した行き届いた工夫がみられる。また、街のなかで特に大きな空間を占める学校は地域イメージへの影響も大きいが、戸畑の幹線道路に面してランドマークとして親しみやすい、良質な景観を形成している。
かつて戸畑の中心部は人口密度がとりわけ高い活気にあふれる街だったが、今は子どもの姿は少なく小学校の存在感も薄れていた。しかしこれからは、安全に健やかに子ども達が育つのを支えるために、学校と周辺住民との関わりがもっと大事になる。またこんな学校に子どもを通わせたいと思い周辺に住む人が増えれば街も元気になる。この学校は、多くの人々に受け入れられ、地域の将来への期待を抱かせてくれる魅力を備えていると思われる。
所有者 北九州市
設計者 高橋・上田・内田共同企業体
施工者 首藤・川口・臼井共同企業体
完成年次 平成15年3月
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