ページトップ
印刷用ページ(新規ウィンドウで表示します)
現在位置:トップページ > 市政情報 > 計画・条例・選挙・人権 > 男女共同参画 > その他 > 北九州市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例
ページ本文

北九州市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例

更新日 : 2022年7月4日
ページ番号:000003487

 この条例は、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を実現するための基本となる事項を定めるために策定したものです。
 今後、この条例の基本理念に基づき、市民、事業者の皆さんと連携・協力して男女共同参画社会の形成を進めていきます。

制定の経緯

  • 平成13年6月 市長から、第10期北九州市男女共同参画会議に「男女共同参画の推進に関する条例の基本的考え方」について諮問
  • 平成13年9月 第10期北九州市男女共同参画会議が「男女共同参画の推進に関する基本的考え方」中間取りまとめを提出
  • 平成13年9月~10月 「中間取りまとめ」に対する市民意見を募集
     「中間取りまとめ」に対する市民の意見を聴く集いを市内3会場で開催
  • 平成13年12月 第10期北九州市男女共同参画会議が「提言書」を市長に提出
  • 平成14年2月 平成14年2月北九州市議会定例会に条例案を上程
  • 平成14年6月 平成14年6月北九州市議会定例会で条例改正(前文追加)

  公布  平成14年3月28日

  施行  平成14年4月 1日

男女共同参画社会の形成の必要性

男女の人権が尊重される社会を実現するため

 我が国においては、日本国憲法第13条で個人の尊重、第14条第1項で法の下の平等がうたわれ、国際的協調のもとに男女平等の実現に向けたさまざまな取組みが進められてきました。
 なかでも、昭和60年の女子差別撤廃条約の批准に向けて男女雇用機会均等法の制定や国籍法の改正がなされるなど法律面の整備は進んできました。さらに、平成11年には、男女共同参画社会基本法が制定・施行され、男女共同参画社会の実現に向けての取組みが積極的に行われています。
 北九州市においても、昭和58年の婦人対策室の設置以来、女性の地位向上を目指し、様々な取組みを行ってきました。
 しかし、社会の現状を見ると、意思決定過程への女性の参画が十分でなく、また、性別による差別的取扱いや、配偶者等からの暴力、「男は仕事、女は家庭」といった性別による固定的な役割分担が個人の自由な選択を妨げることがあるなど、多くの課題が残っています。
 性別にかかわらず、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現が強く求められています。

少子高齢化等の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現するため

 北九州市は、高齢化率が21.3%(平成16年9月住民基本台帳)と、全国平均を上回り、政令市の中でも最高となっています。
 少子高齢化の急速な進行など、社会経済情勢の変化に対応するためには、男女が性別にかかわりなく、一人ひとりが持つ個性と能力を十分発揮し、自らの意思によってあらゆる分野に参画できる社会を実現する必要があります。

男女共同参画社会の形成の推進に関する条例の本文

男女共同参画社会の形成の推進に関する条例の概要

目的 (第1条)

 個人の尊重及び法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり男女の人権が尊重される社会を実現すること並びに少子高齢化等の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに市等の責務を明らかにし、男女共同参画社会の形成の推進に関する施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進すること。

基本理念 (第3条)

 男女共同参画社会の形成について6つの基本理念を規定しています。
 これらの基本理念は、市・市民・事業者が第4条から第6条に規定する責務を果たす上で基本となる考え方です。

第1項 男女の人権の尊重

 個人としての尊厳を重んじ、性別による差別的取扱いをなくしましょう。
 男女が性別にかかわらず、能力を発揮する機会を確保できるようにしていきましょう。

 「男女の人権の尊重」は、男女共同参画社会の根底をなす理念です。
 性別による差別的取扱いや暴力を根絶し、一人ひとりが個人として尊重され、生き生きと輝いて暮らせる社会を実現しなければなりません。
 
ここでいう、性別による「差別的取扱い」とは、女性だから、男性だからという理由で直接的に差別的な取扱いをするもののみならず、いろいろな条件を設けることによって結果的に性別によって格差が生じる差別的取扱いも含まれます。

第2項 社会における制度又は慣行についての配慮

 固定的な性別役割分担にとらわれず、男女が様々な活動を選択できるように、社会制度又は慣行について見直しをしてみましょう。

 社会制度や慣行が、「男は仕事、女は家庭」といったような固定的な性別役割分担等を反映して、進学や就業その他の生活の色々な場面で、個人の自由な選択を妨げることがあります。
 自らの意思と責任により、様々な活動が選択できる社会を築いていく必要があります。

第3項 政策等の立案及び決定への共同参画

 男女が社会の対等なパートナーとして、政策等の立案や決定に共同して参画できるようにしましょう。

 この理念は、「男女があらゆる分野で利益を享受することができ、共に責任を担うべき男女共同参画社会」の基盤となるものです。
 市をはじめ、企業や労働組合、経営者団体、協同組合、自治会、PTAその他各種機関や団体でもこの理念が尊重されなければなりません。

キーワード:『参画』

 「参画」とは、単に、政策等への決定段階に参加するだけではなく、主体的に立案の段階から関わり、意見を反映させていくことを意味します。

第4項 家庭生活における活動と他の活動の両立

 家族を構成する男女が相互に協力し、社会の支援を受けながら家族の一員としての役割を円滑に果たし、家庭生活と他の活動を両立して行うことができるようにしましょう。

 現在、子の養育や家族の介護など家事の多くは、女性が主に担っている現状があります。男女が共にその個性と能力を発揮し、多様な生き方を選択できるようにするためには、家庭生活と就業や地域活動その他の活動を両立できるようにすることが重要です。

第5項 互いの身体的特徴及び性に関する理解並びに性に関する個人の意思の尊重

 男女の人権の尊重の観点から、お互いの身体的特徴や性について理解を深めるとともに、性に関する個人の意思を尊重し、生涯を通じて健康が保たれるようにしましょう。

 女性も男性もお互いの身体的特徴や性について正しい知識を得て、十分理解し合い、思いやりを持って生きていくことはとても大切です。
 とりわけ女性は、妊娠や出産、更年期など男性とは異なった健康上の問題に直面することがあります。女性が自分自身の体について正しい情報を入手し、自己決定が尊重され、生涯を通じて健康が保たれるようにする必要があります。

第6項 国際的な相互協力

 市における男女共同参画社会の形成を、国際的な相互協力の下に進めましょう。

 男女共同参画社会の形成は、国連や国際会議等における人権尊重に向けた取組と密接な関係を有しています。
 そのため、市は国際社会の一員として、男女共同参画社会の形成の推進に関する国際的な相互協力を行うことにより、市の男女共同参画社会の形成を進めることが必要です。

市、市民、事業者の責務 (第4条-第6条)

市の責務(第4条)

 男女共同参画社会を実現することは、市にとって大変重要な課題です。
 そのため、男女共同参画社会の形成を推進するための施策(積極的改善措置を含む。)を策定し、実施していくことを、市の責務とし、その責任を明確にしています。
 また、市民や事業者、国や他の地方公共団体とも様々な協力や連携を行うことを市の責務として定めています。

キーワード:『積極的改善措置』

 男女が社会のあらゆる分野における活動に参画する機会についての男女間の格差を改善するために、必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することを意味します。

市民の責務(第5条)

 地域社会全体で、男女共同参画社会の形成を進めるためには、市民一人ひとりが男女共同参画社会について理解を深め、取組を行うことがとても大切です。
 そのため、社会のあらゆる場面で、男女共同参画社会の形成に寄与すること、市が行う施策に協力することを市民の責務として定めています。

事業者の責務(第6条)

 男女共同参画社会の形成を進める上で、とりわけ雇用の分野における事業者の取組は重要です。
 そのため、雇用する男女が仕事と家庭生活とを両立して行うことができるように支援を行うなど、男女共同参画社会の形成を進めるよう取組を進めること、市が行う施策に協力することを事業者の責務として定めています。
 また、事業活動において、雇用する男女の均等取扱いや、セクシュアルハラスメントの防止なども、事業者の重要な役割です。
 条例で規定する「事業者」とは、営利、非営利を問わず、市内において事業を行う法人及び個人のことをいいます。

人権侵害行為の禁止 (第7条)

 男女共同参画社会を実現するためには、一人ひとりが、性別にかかわらず個人として尊重され、人権を侵害されることのない社会づくりが欠かせません。
 そのため、性別による差別的取扱いや配偶者等に対する暴力、セクシュアルハラスメントなど男女間において相手方に身体的又は精神的苦痛を与える行為が人権侵害行為であることを十分認識するとともに、これを行ってはならないことを規定しました。
 一人ひとりが、これらの人権侵害をしない、許さないことが大切です。
 市は、これらの人権侵害行為を防止するために、広く啓発を行うとともに、人権侵害行為があった場合の相談体制の充実を図ります。

セクシュアルハラスメントとは…

 職場、学校、地域などさまざまな分野でセクシュアルハラスメントが問題となっています。
 セクシュアルハラスメントとは、性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与え、又は性的な言動により相手方の生活環境を害することをいいます。

 「性的な言動」とは、次のようなことです。

  • 直接相手に向けられるもの
        性的関係の強要、性に関わる発言、体に触るなど
  • 間接的に相手に向けられるもの
        性的なうわさを流すなど
  • 不特定多数に向けられるもの
        多くの人の目につくところにヌードポスターを貼るなど

「配偶者等に対する暴力」とは…

 殴る、物を投げつけるなどの身体的暴力だけでなく無視をする、生活費を渡さないなどの精神的、経済的暴力も含まれます。
「配偶者等」とは、婚姻の届けを出していないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。また、元配偶者や恋人も含まれます。

基本的施策 (第8条-第16条)

男女共同参画基本計画(第8条)

 男女共同参画基本計画は、第4条に規定する市の責務を受けたもので、総合的かつ計画的に男女共同参画社会の形成を進めるための施策などを定めます。市は、この計画に基づき、市民や事業者と連携・協力し、具体的な取組を着実に行います。

施策の策定等に当たっての配慮(第9条)

 市の施策は、社会の広い範囲を対象に展開されています。
 そのため、直接的に男女共同参画社会の形成の推進に関係する施策でなくても、結果的に男女共同参画社会の形成の推進に影響を及ぼすことがあることから、市は施策を策定し、及び実施するときには、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならないことを定めています。

市民の理解を深めるための措置(第10条)

 市民や事業者の理解と協力により男女共同参画社会の形成を全市的に進めることが大切であるため、市は広報活動などを行うことを定めました。
 また、男女共同参画社会に対する理解を深めるためには、子どもの時からの教育、体験がとても重要であることから、生涯の各時期に応じた教育活動が行われるよう、市は適切な支援を行うことを定めています。

相談(第11条)

 性別による差別的取扱いや、セクシュアルハラスメント、配偶者からの暴力などで人権が侵害された場合、市は、被害者等からの相談に対し、福岡県女性相談所、警察その他の関係機関と連携を取って、適切に対応することを定めています。
 市は、北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”(旧女性センター)に、これまでの相談事業に加えて、人権侵害に関する相談窓口を開設し、(平成14年10月開設予定)市民に身近で、実効性のある相談体制をつくっていきます。

調査研究(第12条)

 市は、男女共同参画基本計画の策定や様々な施策を行うに当たって、男女共同参画社会の形成に関する国内外の動きを始め、市の施策の実施状況や実態調査など、様々な調査研究を行うことを定めています。

国際的な協力のための措置(第13条)

 市における男女共同参画社会の形成は国際社会における取組と密接に関係しています。
 また、本市は、アジアの一員であり、アジアの諸地域と密接に関連しています。
 そのため、市は、アジアをはじめとする海外の地域と情報の交換その他の相互協力を行うことを定めています。
 本市においては、全国で唯一のアジアにおける女性問題に関する調査研究機関、(財)アジア女性交流・研究フォーラムが、平成2年の創立以来女性の地位向上とアジア地域の連帯・発展を目指し、様々な活動を行っています。
 また、貧困、人口、開発などの国際社会における環境問題の解決は、男女平等や政策への女性の参画など男女共同参画社会の形成に関する問題と密接に関連しており、世界の各国が連携して取り組む必要があります。
 そのため、市は、男女共同参画社会の形成を進めるための国際協力を行う時には、これらの問題を十分考慮することを定めています。

市民及び民間の団体に対する支援(第14条)

 市民や企業、NPO、NGOなどの民間の団体の男女共同参画社会の形成に関する取組がより活発になるよう、市は情報の提供その他の支援を行うことを定めました。

男女共同参画センター(第15条)

 社会全体で、男女共同参画社会の形成を進めるためには、市民や民間の団体による取組が重要です。
 そこで、啓発、情報収集、調査研究などの施策を行い、市民や民間の団体による活動の拠点となる施設を設けることを定めました。
 この条例の制定を機に、「北九州市立女性センター“ムーブ”」は男女共同参画社会の形成を図る施設として、「男女共同参画センター“ムーブ”」へと改称しました。

年次報告(第16条)

 男女共同参画基本計画に基づく施策等が、どのように実施されているかを報告するものです。市は、報告書を作成し進捗状況を把握すると同時に、これを公表することを定めました。

北九州市男女共同参画審議会 (第17条)

 男女共同参画社会の形成の推進に関する基本的方針や重要事項等を調査審議する、北九州市男女共同参画審議会について規定しています。
 審議会の委員は、男女双方の意見を反映するため、一方の性が4割未満とならないように選任することを定めています。
 また、男女共同参画社会の形成に市民の意見を反映させるため、市民委員を置くことにしています。なお、市民委員は公募による(北九州市男女共同参画審議会規則第1条)ことにしています。

一部のファイルをPDF形式で提供しています。PDFの閲覧にはAdobe System社の無償ソフトウェア「Adobe Reader」が必要です。 下記のAdobe Readerダウンロードページなどから入手してください。
Adobe Readerダウンロードページ(外部リンク)

このページの作成者

総務市民局女性の輝く社会推進室
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2209 FAX:093-582-2624

メールを送信(メールフォーム)

このページについてご意見をお聞かせください

お探しの情報は見つかりましたか?

【ご注意】

  • 業務に関するお問い合わせなど、お答えが必要な場合は直接担当部署へお願いします。
    上の「メールを送信(メールフォーム)」からお問い合わせください。
    (こちらではお受けできません)
  • 住所・電話番号など個人情報を含む内容は記入しないでください。