この活動は隣接する三六婦人会にも広がり、煤煙発生の実態調査にあたって、専門家の指導を受けながらの調査事項・方法などの検討に加え、工場見学を実施し、公害問題への理解を深めて、生活展で発表するなど、積極的な活動を行いました。
CO2削減に向けた環境配慮型のまちづくり
まちの森プロジェクト「ふれあい花壇・菜園」
手入れの行き届いた花壇
「ふれあい花壇・菜園」事業は「まちの森プロジェクト」の一つで、街なかの緑を増やすとともに、高齢者の生きがい・健康づくりなどを進めるものです。
戸畑区においても、区内にある未利用市有地を地域の自治組織に花壇や菜園として無償で貸付を行っており、高齢者の多世代交流につながっています。
担当:コミュニティ支援課コミュニティ支援係 093-871-2335
公害克服運動の歴史と継承
1 公害克服への取組み
北九州地域は、官営八幡製鉄所の重化学工業を中心に発展し、日本の近代化・高度経済成長の牽引役を果たしてきました。
昭和初期、戸畑区の中原海岸は八幡製鐵所の拡張に伴い埋め立てられました。その後、同地に戸畑発電所が建設されますが、降灰により大気汚染など激しい公害をもたらしました。
そのような中、公害問題に対して最初に声を上げて立ち上がったのは、家族の健康を心配した旧戸畑市の婦人たちでした。
中原婦人会は、汚染の実態を調査し、工場に近いほど汚染度が高いことを確認しました。これをふまえ、旧戸畑市議会に陳情するなど働きかけた結果、工場に集塵機が設置されました。
その後、戸畑市住民全体の問題として、戸畑区婦人会協議会の組織をあげて公害問題に取り組み、学識経験者の指導による自主的な調査を行い、記録映画「青空がほしい」の製作や報告書の作成などを行いました。
これらの運動は、世間を動かす大きな力となりました。市民と企業、行政が協力して公害克服に取り組んだ結果、公害は、急激に改善し、市民が求めた青い空と青い海がよみがえったのです。
【1960年代】煙に覆われた大空
【現在】澄み切った大空
この取り組みはまさに、北九州市SDGs未来都市の原点といえます。
2 公害克服運動の継承
この公害克服活動を記念して、かつての白砂青松の中原海岸をモチーフに製作された陶板レリーフが中原公民館(旧中原市民センター)のロビーに設置されていました。これは、1981年に製作され、中原婦人会から寄贈されました。
2023年1月、かつて海水浴場を失った子供たちのために建設された仙水児童プールの跡地に、中原市民センターが移転することに伴い、戸畑区民の偉大な先人のチャレンジ精神と歴史を継承するため、陶板レリーフを市民センターの外壁に移設しました。
昭和初期まで海水浴場だった中原海岸
白砂青松海岸
陶板レリーフには歴史の経過を記した解説版も設置
中原市民センターの建設段階をはじめ、開館記念式典では、次世代に引き継ぐイベントを開催しました。今後も本市のSDGsの原点として世界的に評価された公害克服運動の継承に向けた取組みを継続していきます。
小学校の「総合的学習」公害克服の歴史を学ぶ
中原小学校生徒と婦人会が陶板レリーフを完成
陶板レリーフの移設記念イベントで地域と九州工業大学学生が持続的なまちづくりを議論
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