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RSウイルス感染症、手足口病について

更新日 : 2024年10月17日
ページ番号:000159775

手足口病の報告数が、警報レベル(警報開始基準値5)を超えています

令和6年第22週(5月27日から6月2日)の手足口病の定点医療機関あたりの患者報告数5.33となり、警報レベルの開始基準である「5」を超え、急増しています。

・この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。

・流水とせっけんによる手洗いをしましょう。おむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。

・タオルは共用しないようにしましょう。

北九州市の手足口病の定点あたりの報告数(令和6年22週から31週)
  22週 23週 24週 25週 26週 27週 28週 29週 30週 31週

5月27日から6月2日

6月3日から6月9日 6月10日から6月16日 6月17日から6月23日 6月24日から6月30日 7月1日から7月7日 7月8日から7月14日 7月15日から7月21日 7月22日から7月28日 7月29日から8月4日
報告数 5.33 6.04 7.67 9.83 7.54 10.38 8.50 8.04 9.75 10.38
北九州市の手足口病の定点あたりの報告数(令和6年32週から41週)
  32週 33週 34週 35週 36週 37週 38週 39週 40週 41週

8月5日から8月11日

8月12日から8月18日 8月19日から8月25日 8月26日から9月1日 9月2日から9月8日 9月9日から9月15日 9月16日から9月22日 9月23日から9月29日 9月30日から10月6日 10月7日から10月13日
報告数 4.79 3.71 3.33 3.67 4.04 3.46 4.58 6.08 7.50 9.50
手足口病 注意情報(定点あたりの報告数のグラフ・表)

RSウイルス感染症とは

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)によって引き起こされる「かぜ」の一つです。年齢を問わず、生涯にわたって繰り返し感染しますが、成人の場合は鼻かぜ程度の軽い症状ですむ場合が多いのに対して、年齢が低いほど重症化しやすく、肺炎気管支炎を引き起こすことがあるため、注意しなければならない病気です。

また、一度かかっても免疫が十分にできないため、生涯の間に繰り返し感染します。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の人がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。

特に注意が必要な方

感染によって重症化するリスクの高い基礎疾患を有する小児(特に早産児や生後24か月以下で心臓や肺に基礎疾患がある小児、神経・筋疾患やあるいは免疫不全の基礎疾患を有する小児等)や、生後6か月以内の乳児への感染には特に注意が必要です。

また、慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を有する高齢者も感染に特に注意が必要です。

症状

潜伏期間は2から8日(典型的には4から6日)とされています。症状としては、軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。

しかしながら、初めて感染発症した場合は重症化しやすいといわれており、乳期、特に乳児期早期(生後数週間から数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため、特に乳児期早期(生後数週間から数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。

成人では通常は感冒様症状のみですが、RSウイルスに感染した小児を看護する保護者や医療スタッフでは、一度に大量のウイルスに曝露して感染することによって、症状が重くなる場合があります。

また、RSウイルスは特に慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者において急性の重症肺炎を起こす原因となることが知られていて、特に長期療養施設内での集団発生が問題となる場合があります。

受診の目安について

機嫌がよく、辛そうでなければ、慌てずに様子をみたり、かかりつけ医にご相談ください。

ただし、呼吸が苦しそう、食事や水分摂取ができない時は医療機関への受診をご検討ください。

治療方法

症状を抑える対症療法が中心になります。他のかぜの場合と同じく、安静にして、休養をとり、特に睡眠時間を十分にとることが大切です。また、水分を十分に補給します。

喘息のようなせきや喘鳴(ゼーゼーという苦しそうな音)がある場合は、速やかに医療機関を受診して治療を受けることをお勧めします。呼吸器の症状が強い場合は、入院が必要となり、酸素吸入、輸液(点滴)、呼吸管理などの支持療法が中心に行われます。

感染経路

RSウイルス感染症はRSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込む飛まつ感染や、感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる間接的な接触感染で感染します。

予防方法

RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくても、咳などの呼吸器症状がある場合は、飛沫感染対策としてマスクを着用して0歳児、1歳児に接することが大切です。

接触感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生の励行を行います。

手足口病とは

手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。

子どもを中心に、主に夏に流行します。感染症発生動向調査によると、例年、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。

病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)で、その他、コクサッキーウイルスA10などが原因になることもあります。

症状

感染して3から5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2から3ミリの水疱性発疹が出ます。

発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。

ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。

しかし、まれですが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。(特にEV71に感染した場合には、他のウイルスによる手足口病と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが明らかとなっています。)

また、手足口病の典型的な症状がみられずに重症になることもありますので、注意が必要です。なお、近年、コクサッキ―ウイルスA6感染により手足口病の症状が消失してから、1か月以内に、一時的に手足の爪の脱落を伴う症例も報告されていますが、自然に治るとされています。

手足口病にかかった子どもの経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。

手足口病における水疱性発疹の画像(画像出典:国立感染症研究所)
手足口病における水疱性発疹(画像出典:国立感染症研究所)

感染経路

感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。

特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。

理由は、子ども達同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすい環境であることや、衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいためです。また、

乳幼児では原因となるウイルスに感染した経験のない者の割合が高いため、感染した子どもの多くが発病します。

予防方法

手足口病には有効なワクチンはなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。

治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。

また、感染しても発病はせず、ウイルスを排泄している場合があります。これらのことから、発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず、現実的でもありません。

前述したように、衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、施設内での感染の広がりを防ぐことは難しいです。

しかし、手足口病は、発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであるという意味で、感染してはいけない特別な病気ではありません。これまでほとんどの人が子どもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症です。
一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。

特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。

特におむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。

また、タオルの共用はしてはいけません。

手足口病は、治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし、また、感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。

治療

手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。また、基本的には軽い症状の病気ですから、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。しかし、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

このページの作成者

保健福祉局保健所保健企画課
〒802-8560 北九州市小倉北区馬借一丁目7番1号
電話:093-522-5721 FAX:093-522-8775

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