・麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。
・肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。
・その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
・近年はワクチンの2回接種が行われ、麻しんに感染する方の人数は減っています。
予防のポイント
マスクや手洗いのみでは予防できません。
唯一の有効な予防法はワクチンの接種によって麻しんに対する免疫を獲得することであり、2回の予防接種により、麻しんの発症のリスクを最小限に抑えることができると言われています。
麻しんの予防、感染の拡大防止には、予防接種が効果的です!
- 麻しんの定期予防接種対象者は、予防接種を受けましょう。
【麻しんの定期予防接種対象者】
1歳児、小学校入学前1年間の幼児の方は、無料で接種できます。
- 成人の麻しん患者の割合が増加しています。
医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴や接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。
(なお、上記の定期予防接種対象以外の方は任意接種となり、費用は全額自己負担です。)
(また、任意接種対象者のうち、市内児童福祉施設等従事者については、平成31年2月25日から、市で予防接種費用の一部助成を行っております(対象施設へは別途通知しています)。予防接種費用の助成を受けられる医療機関は、 風しん抗体検査(無料)と予防接種の助成についてのページをご覧ください。)
(参考)予防接種歴について
生年月日 |
麻しんの予防接種状況 |
昭和47年9月30日以前生まれ |
定期接種の対象とされていませんでしたが、自然に麻しんに感染する世代でもあるので、免疫がある人と、免疫がない人がいます。 |
昭和47年10月1日から平成2年4月1日以前生まれ |
定期接種を受ける対象になっていましたが、1回のみの接種となっています。麻しんの免疫が低い可能性があります。麻しん予防のため、2回目の予防接種を検討しましょう(任意接種)。 |
平成2年4月2日以降生まれ |
定期接種2回の世代です。母子手帳を確認し、2回接種していない場合は、予防接種を検討しましょう。 |
(注)上記の表は、あくまで参考資料です。予防接種歴は、母子手帳等で各自確認していただけますようお願いします。北九州市で平成17年4月1日以降に定期接種を受けられた方については、区役所の窓口でも接種歴を確認することができます。(要本人確認書類)
啓発ツール
市内における麻しんの予防、まん延防止のため、チラシ『麻しん(はしか)を予防しましょう!』を作成しました。啓発にご活用ください。
『麻しん(はしか)を予防しましょう!』(PDF形式:341KB)
感染経路
空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。また、麻しんウイルスは、ヒトからヒトへ感染すると言われています。
症状
・前駆期(カタル期)
潜伏期間10日から12日を経て発症します。38℃前後の発熱が2日から4日続き、倦怠感があり、小児では不機嫌になります。咳、鼻汁、咽頭痛や目の充血、目やに、羞明(まぶしく感じる)が現れ、次第に強くなります。乳幼児では8から30%に下痢、腹痛があります。
発疹が出る1日から2日前ごろ、口の中に約1ミリ 径の白い斑点であるコプリック斑(写真1)みられ、発疹出現後2日目の終わりまでに急速に消失します。
・発疹期
カタル期での発熱が1℃程度下降した後、半日のうちに再び高熱(多くは39.5℃以上)が出るとともに、特有の発疹(写真2)が耳の後ろから顔面にかけて出始め、身体全体に広がります。全身に広がるまでに発熱(39.5℃以上)が3日から4日間続きます。
・回復期
発疹が出た後3日から4日間続いた発熱も解熱し、全身状態、活力が改善してきます。赤い発疹が消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴です。合併症のないかぎり7日から10日後に回復します。