発表項目 |
月日:2022年12月23日 |
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コメント項目 |
(3)新型コロナウイルス感染症の現状等について(資料なし) (4) 今年の漢字一文字について(資料なし) |
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出席者 | 北九州市長 |
令和4年(2022年)12月23日
【発表案件】
(1)内村航平氏への特命大使委嘱
(2)北九州SDGsステーション
【コメント】
(3)新型コロナウイルス感染症の現状
(4)今年の漢字一文字
会見の動画(YouTube)
市長
今年最後の定例会見であります。よろしくお願いいたします。まず、内村航平さんに市の特命大使を委嘱する件について発表させていただきます。画面をご参照いただきます。元プロ体操選手・内村航平さんに、北九州市特命大使(スポーツ大使)を委嘱することといたしました。スポーツ大使は、北九州市の出身、または本市にゆかりのある方で、スポーツ分野における国内トップレベルの技量を持ち、特にご活躍されている方に本市のイメージアップのお力添えをお願いするものです。内村さんは北九州市でお生まれになり、体操競技におきまして、国内外の大会で輝かしい成績を収めてこられました。昨年10月、本市で開催されました世界体操選手権では、その美しい演技で、市民はもちろん世界中の人々に夢と感動を与えてくれました。今回のスポーツ大使の委嘱につきましては、内村さんのこれまでのご活躍、今後も本市のスポーツ振興にご協力をいただきたいとの思いから、本人に打診をしておりました。内村さんからは、「北九州市のお役に立ちたい」と快諾をいただくことができました。深く感謝いたしております。なお、体操分野の委嘱は初めてであります。また画面にありますように今月の30日、年末でありますが、内村さん自身が企画された初めての体操イベント、「体操展-動く芸術-」が、昨年、世界体操(選手権)が開催された市立総合体育館で行われることになりました。この体操展の記者会見では、「北九州市でやりたいと思っていた。1回目のイベントが生まれ故郷で生まれるのが感慨深い。」と、本市への思いを語ってくださいました。また一昨日も私の元にお越しいただいて、このイベントにかける思いをお聞かせいただいたところであります。私も大変楽しみにしております。委嘱式は、体操展が行われる大勢の観客の前でお時間をいただくことになりました。大きな賑わいの中で盛大に委嘱のセレモニーができそうであります。今後、内村さんにはスポーツ大使として、市と一緒に、市民がよりスポーツに親しむことができるようご協力いただいて、日本国内はもちろん世界中のファンの方々に本市の魅力を発信していただくことを期待しております。この件については以上であります。
次に、北九州SDGsステーションをスタートさせます。画面にございますが、北九州市におけるSDGsを推進するための新たなプラットフォームとしまして、北九州SDGsステーションを始動することにいたしました。画面にございますが、本市がSDGs未来都市に国から選定されて5年目となりますが、これまでSDGsのトップランナーを目指して、市民・各界の皆様と様々な取組を行ってまいりました。北九州SDGsクラブを設立しまして、市民、学校、企業などによるSDGsの活動を促進したり、未来人材の育成のために、「高校生SDGs選手権」や「SDGs未来都市アワード」といった成果発表の場を設けまして、SDGsに主体的に取り組む機運の醸成に努めてきたところであります。次の画面にもございますが、こうした活動をさらに発展させて、多様な主体によるSDGsの実践を進めるため、プラットフォームとして北九州SDGsステーションを立ち上げるものであります。このSDGsステーションは、SDGsクラブの管理運営のほか、市民からの相談対応や、またマッチング、ワークショップやイベントなどの開催、ニーズ・シーズや国内外の最新動向などに関する情報の集約・発信などを行うことで、市民、学校、企業など様々なステークホルダーの参加を促し、ステークホルダー間の連携を強める役割を担っております。次の画面でありますが、続いて、このステーションの施設を紹介いたします。拠点となる施設を小倉北区米町の新小倉ビル1階にオープンいたします。ここには、ステーションの事務局、コールセンターのほか、市民が自由に利用できる対面スペースを設置いたします。平日の9時~17時まで、相談などに対応する専門スタッフが常駐しておりますので、SDGsに関する相談、またイベントなどを行う場として、ぜひ活用していただきたいのであります。次の画面をご参考にしてください。この拠点機能を補完するためのサブステーションも併せて設置いたします。小倉駅からのアクセスがよい場所として、駅1階の西側公共連絡通路にあります民間のコワーキングスペース「DISCOVERY coworking(ディスカバリー コワーキング)」の一室を利用して、SDGsに関する相談にスタッフが対応したり、市民がミーティングなどを行える場所といたします。ここは開所時間を毎週木曜日の13時~20時までとしております。比較的遅い時間の利用にも対応できるようにしております。新小倉ビルのSDGsステーションにつきましては、来年の1月4日水曜日、小倉駅のサブステーションにつきましては、1月12日木曜日にオープンいたします。そこで12月26日、月曜の10時から、新小倉ビルのSDGsステーションでプレオープンの記念式典を行うことといたします。当日はSDGsに積極的に取り組んでおられる企業や団体、学校の皆様から、SDGsステーションを活用して今後取り組んでいきたいことなどを発表していただきます。また式典後も、12月28日まではプレオープン期間としまして、施設を自由に見学できるようにいたしますのでお立ち寄りいただければ幸いです。このステーションが、様々な主体の活動や情報のハブとなって、SDGsの達成に向けたイノベーションを生み出す場として発展させていくために様々な活動を行っていきたいと考えておりますので、注目していただければ幸いであります。
次に、コロナの感染状況についてご報告いたします。本市の新規陽性者数ですが、10月下旬以降、緩やかに増加傾向が続いております。ここ最近では増加幅が大きくなってまいりまして、先週と今週の比は約1.5倍となっております。陽性者数の増加に伴いまして、病床使用率につきましても、昨日の時点で66.6%となっており、医療への負荷が高まりつつあります。これから年末年始を迎えますが、さらなる感染拡大へと繋がることが懸念されております。そこで、年末年始の診療体制であります。画面にございますが、多くの医療機関が年末年始は休診となりますが、本市では、市の医師会とも連携しまして、医療提供体制の確保に努めております。12月30日から1月3日にかけての5日間は、夜間・休日急患センターも含めて、市内で1日当たり、概ね10から20の医療機関で診療を行うことにしております。次の画面にございますが、現在の感染状況を踏まえますと、年末年始は混雑する可能性があります。そこで、65歳未満で重症化リスクが低い、比較的症状が軽い方などは、抗原定性検査キットによります自己検査をご検討いただきたいのであります。また自己検査の結果、陽性であった方は、福岡県の登録サイトで陽性となったことの登録をお願いいたします。本市では、陽性となった方へのオンライン診療を今年の1月から提供しております。福岡県でも、今月21日から自宅療養者オンライン診療センターが開設されるなど、オンライン診療体制が強化されたところであります。陽性者登録サイトへ登録後に体調の変化などで受診が必要な場合は、これらの活用によって診療や治療薬の処方などが可能であります。発熱外来の逼迫や重症化リスクの高い方の受診機会を確保するためにも、65歳未満で重症化リスクの低い方など、条件に合う方はぜひオンライン診療を活用していただければ幸いであります。次に、年末年始の相談体制であります。体調不良や発熱などがある方につきましては、これまで同様、24時間対応、本市のコロナ相談ナビダイヤルでご相談いただけます。また生活困窮などの相談に対応するため、今回の年始も昨年同様、市のコールセンターを臨時で開設しておりますのでご相談いただきたいと思います。市民の皆様へのお願いであります。先ほど申し上げましたとおり、年末年始は多くの医療機関が休診となります。市民の皆様は、発熱などの体調不良時に備えまして、予め抗原定性検査キットや解熱鎮痛薬の購入、併せて食料品の備えなど、早めの準備をお願いしたいと思います。今後のさらなる感染拡大を防ぐため、年末年始の過ごし方が大切となります。高齢者、基礎疾患がある方など、重症化リスクのある方と接する機会や、家族での集まりや同窓会など、日頃会わない方と接する機会もあると思われます。大切な人、人生における大切な場面を守るためにも、引き続き3密の回避、適切なマスクの着用、手洗い、こまめな換気など、1人1人ができる基本的な感染防止対策の徹底をよろしくお願い申し上げます。また対象の方につきましては、ぜひワクチンの接種についてもご検討いただけると幸いであります。1日も早く、この第8波の感染拡大を抑えることができますよう、今後とも市民、事業者の皆様方のご協力をお願いいたします。
結びに今年1年を振り返っての漢字一文字のお話であります。本日が今年最後の定例会見となります。1年を振り返りますと、海外ではロシアによるウクライナ侵略、国内では歴史的な円安、物価高騰など、内外、大変厳しいニュースが駆け巡ったところです。一方で、先週まで開催されていたサッカーワールドカップにおきましては、日本が大活躍するなど、我々に希望を与えるニュースもありました。本市におきましても様々な出来事がありました。この1年の主な出来事を振り返りつつ、例年の「今年の漢字一文字」について披露させていただきます。まず今年を振り返りまして真っ先に思い返されるのは、旦過市場、そして枝光本町商店街での大規模火災の発生であります。あまりにも衝撃的な出来事でありまして、多くの市民の皆様も大変胸が痛んだところであります。しかし、この再建に向けた関係者の強い思い、また内外からの大変温かいご支援によりまして、着実に復興へ歩みを進めております。これからも逆境に負けない北九州市であることを示してまいりたいものであります。次に、社会経済活動とどう両立させるかというのがこの3年間、コロナ禍の中の大きな、世界、日本の目標であったわけであります。本市のこの1年を振り返りますと、ワクチン接種の推進など、コロナ感染症対策を進めながらも、社会経済活動との両立を目指して様々な出来事がありました。具体的には、2月に若戸大橋が国の重要文化財に指定されました。3月に日本新三大夜景(都市)に全国1位で再認定されたことは大変嬉しいニュースとなりました。また、ジアウトレット北九州やスペースLABO、平和のまちミュージアムなどの新しい施設が続々とオープンいたしました。また大規模イベントが次々と開催をされました。夏には3年ぶりの、わっしょい百万夏まつりが開催され、そして芸術花火や北九州ロックフェスティバルの大型イベントも盛り上がりを見せました。東京ガールズコレクション、また年末には魅せる体操展も開かれます。またホラシスアジアミーティングという形で、初の対面での国際会議を本市は無事に開催することができました。また来年になりますと、パリ五輪で正式種目(正しくは、追加種目)に採用されますブレイキンの世界大会が開催されることが決まっております。来年は市制60周年を迎える節目の年であります。引き続き市民の皆様が元気になるような事業を展開しまして、まちを盛り上げていきたいと考えております。次に、今、日本も世界中も脱炭素という大きな課題に直面をしております。これからの経済や社会や様々な分野におきまして、脱炭素は非常に大きな、世の中を変える原動力になりつつあります。今後の北九州市の活性化に向けた胎動が、この脱炭素の取組の中でしっかりと聞こえてきた1年でもありました。まず4月には、国から脱炭素先行地域に選定されました。響灘では、来年3月着工の予定で、国内最大級の洋上風力発電のウィンドファームが着々と最終的な準備段階に入っております。脱炭素なまちづくりに向けた取組が大きく前進いたしました。またこの響灘周辺の産業地域には、(株)EVモーターズ・ジャパンが進出することになりました。日本最初の最大級のエコタウンのある地域に、この(株)EVモーターズ・ジャパンが進出し、洋上風力の様々な事業がここで展開されてまいります。脱炭素に向けた大きな前進となりました。このほか、日本IBM(株)をはじめ、ITなど今後成長が見込まれる企業の誘致が進みました。考えてみると、この8年間の間に130社を超えるIT系の企業の投資がありました。北九州空港におきましては、貨物の取扱量が前年の1.4倍、過去最高を記録しております。11月には、ヤマトグループが東京路線・沖縄路線の貨物専用便就航を発表しました。また、ヤマトグループとJALグループが共同で東京路線・沖縄路線の国内貨物定期便を令和6年度から新規就航することを発表しております。昨日は、お手元の資料にありますように、UPSジャパン株式会社による国際貨物定期便が来年2月から新規就航することも決定いたしました。集配、航空機輸送の全てを自社で一貫して行うインテグレーターの進出は、九州・西中国地方では初めてであります。地元企業の利便性向上に貢献すると大いに期待いたしております。また、将来に向けた取組の中で、NPO法人抱樸を中心とした希望のまち推進協議会が、暴排・暴追の象徴の地に、希望のまちプロジェクトとして全世代型の地域共生施設を整備することを発表いたしました。市としましても、市議会でこのプロジェクトの支援を求める陳情が全会一致で賛同されたことなどを受けまして、整備費の一部を支援するため、クラウドファンディングを実施しております。誰一人取り残さない、SDGsの理念を形にするこのプロジェクトも動き出すなど、様々な分野で本市の明るい未来に向けた進展が見られたところであります。以上、本年の出来事を振り返らせていただきましたが、ここで本日、この1年間を表現するのにふさわしい漢字一文字を披露いたします。令和4年の(漢字)一文字はこちらであります。物事が動き出す、また立ち上がるという意味の、「起(おきる)」という言葉を選びました。今申し上げたように様々なイベント、事業が展開をいたしました。再開もいたしました。コロナ禍の賑わいを取り戻す1年が始まっております。また度重なる商店街火災、この1年振り返りまして、大変衝撃的なこの災害がありましたけれども、被災された皆さん方が活性化を目指して懸命に立ち上がろうとしております。それは、私ども市民にとりましても大きな勇気を与えてくれています。そういう意味で、この漢字を選んだところであります。私個人的にも、七転び八起きという言葉がありますけれども、課題があっても挑戦し、そして、竹は節ありて強いと言いますけれども、頑張って市民・各界と一緒にそれを乗り越えながら、まちの発展に取り組んでいくことが大切と考えておりますけれども、こうやっていろんなことがありましたが、来年もぜひ1つ1つ課題に挑戦して、皆様に明るいニュースを届けられるように頑張っていきたいと考えております。結びになりますが、今年1年、市政を推進するにあたりまして、ご理解・ご協力をいただきました市民、議会、また各界の皆様方に、この場をお借りして厚くお礼を申し上げたいと思います。報道機関の皆様方にも、今年も市政情報の発信にご協力をいただいたことを深く感謝申し上げたいと思います。それでは、ご質問を承ります。
記者
幹事社です。質問の前に記者クラブを代表しまして、今年1年間お世話になりました。市長をはじめ市の職員の皆様、来年もどうぞよろしくお願いいたします。では質問に入らせていただきます。先ほど漢字(一文字)を発表されました。七転び八起きということでしたが、市長にとって課題に立ち向かった時というのは具体的にどういったことがあったのでしょうか。もう1点ですけれども、年を明けますと、市長の任期までカウントダウンが始まります。改めて来年の抱負等を聞かせていただけると幸いです。よろしくお願いします。
市長
市政は非常に間口が広いし、様々な課題がありまして、市の職員と一緒になって、市長としてもそれに挑戦して、1つ1つ成功に導いていくというミッションを担っております。そういった意味では、たくさんの課題に挑戦してまいりました。その一端が、その中でも今後の市政の発展に大変大きな、いい影響が期待できる、そういう分野を中心に先ほど申し上げたところでありますが、様々な課題に常に挑戦する1年でありました。残る任期はあとわずかとなっておりますが、やはり何と言っても、このコロナ禍の中で、この感染症対策に自治体として最善を尽くすことと、社会経済活動との両立という意味におきまして、県ともよく連携して取り組むということが大事なことだと思っています。その上で、やはり将来の北九州市の活性化を考えますと、やはり空港の滑走路延長、物流の拠点化というのは大変大きい目標であって、そういった意味では、UPS(ジャパン)の話は昨日から今日へと、このように発表しているわけでありますが、集貨・創貨という言葉があるように、いかにして荷物を集めてくるか、これが滑走路延長の最大のテーマだったのであります。1期目当選しまして、国土交通省航空局長にお会いしに行った時に、海の中に24時間離発着のできる空港があるポテンシャルは大変大きいと、しかしながら、政府としては、滑走路延長などの新規投資というのは、新たで確実な需要というものが確認される場合に限られるということでございました。この16年間、市の職員と一緒になって、我々が営業マンになって、この集貨・創貨に全力を尽くすという、取組の期間であったわけであります。これが着実に実を結んできて、いよいよ来年の春には、私どもとしては、次の大きなステップに踏み出すことを期待しております。という意味におきまして、この空港の滑走路延長、また集貨・創貨、この体制づくりに向けて、自分の任期中、一生懸命最後まで頑張りたい、これが1つあります。それから脱炭素というのは、例えばEVバスの拠点ができるとか、洋上風力ができるとかというのがありますが、同時に水素アンモニアについても政府は動き出しております。これから国内の「我は」と思うところが手を挙げて、そして拠点をつくっていこうというふうに聞いております。この水素アンモニアの供給拠点がこの北九州にできますと、いろんな、例えば船がここに寄港するとか、この海運の世界におきましても脱炭素は求められていますので、いろんな意味での展開が可能になります。そうした意味で、この脱炭素の流れを産業の活性化にしっかりと結び付けるというのは、今が非常に大事な時だと思いますので、そこも自分の任期中、最善を尽くして次のリーダーにバトンタッチしたいという仕事があります。ITの誘致というのは、(日本)アイ・ビー・エム(株)がDXセンターをつくるというのは、この130社を超える企業投資の、我々の努力の中でも特に大変注目される大きな目標でありますが、要は市内の中小企業も含めてDX、あるいはロボット化という、生産性を上げて所得を上げると、こういう方向にダイナミックに動いていきませんと、IT企業がしっかりと、さらに大きくここに拠点をつくるということにもなりませんので、たくさんの企業が進出してきてくれていますが、今度は地元の企業もIT、あるいはDXの波の中で所得を上げていくということが大事な目標になっていて、そのためにロボットDXセンターを市はつくって、産学官でやっているわけでございますが、これも残された期間は短いわけでありますけれども、若い人たちが北九州に残って夢を叶える、そのためにビジネスチャンスを広げるということが、この16年間の大きな目標でありました。そういった意味では、頂上作戦、暴追が功を奏して、この8年間、着実に進んでいる。これは間違いなく、若者の定着や地域の活性化に直結している企業投資、誘致の事業でございますので、今もまだ取り掛かっていることもありますので、精一杯最後まで努力したいと思っています。こうしたことを頑張っていくことが自分のミッションだと思いますが、今申し上げましたのは、やはり市民の関心として、活性化と言いますか、ビジネスと言いますか、そういうことへの期待感というのがあるから、こうやって申し上げているのですが、同時に、市民の中にはソフト的な面、例えば孤独・孤立の問題であるとか、学校に行かない子どもが増えているとか、社会的な、いろんな悩ましい事案というのが増えてきております。その中で、抱樸が挑戦している新たなプロジェクトというものは、日本全国が非常に注目していることだと思うのであります。大変困っている方々に支援の手を差し伸べるために、抱樸の周りにはたくさんの社会福祉、ボランティア、NPOの人たちが結集しております。その方々が拠点として、あの地域共生の建物をつくろうとしているわけでありまして、こうした事業を何としてでも成功してもらいたい。そのために、行政としてできることは今、クラウドファンディングでお手伝いをしておりますけれども、微力ではございますけれども、これは単にこの事業に関係する方々だけではなく、日本中で生活に苦労されている、本当にいろんなことで悩んでいらっしゃる方が多い、そういう方に手を皆で差し伸べていくという温かい、素晴らしい、私はヒューマンなプロジェクトだと思っておりまして、これが北九州の心意気だと、そのように自分は思います。ぜひこういう事業を成功させるために、こうしたソフト面でできることは行政にあります。やらねばいけないことがありますから、残された期間、一生懸命頑張りたいと思います。
記者
ありがとうございます。では各社さん何かありましたらお願いします。
記者
今いろいろおっしゃっていただいたのですが、もう1つ北橋市長は子育てという面でも力を入れてこられたかと思うのですが、そういった子育ての面での成果と、来年行われる市長選、新たなリーダーに向けて何か引き継ぎたいこと等ありましたら、おっしゃっていただけると助かります。
市長
国のほうも子育てについては、中央官庁の再編も含めて、あるいは様々な政策事業の展開について踏み込んだ対応をしようとしています。その背景には、やはり産まれてくる子どもの数が非常に減ってきているということに対する危機感もあるかもしれませんが、本市としては、その人口ということとはまた別に、やはり社会の発展のためには、子育て、青少年を大事に育てるということが市民の大きなニーズであって、行政としてもできる限り応えるべきだという考えで一期目以来取り組んでまいりました。幸い、北九州には前市長の時から、子育てについてはいろいろな配慮、政策的展開がありまして、そのベースを大事に継承し発展させるというのが自分のミッションであったわけであります。そこには今申し上げるまでもなく、様々な事業を行ってきたことは、資料でも今までお示ししてきているわけでありますが、そこで1つ、さらに前進させるためには財源が必要であるということであります。前市長の時に約9千億円ぐらいの公共事業の借金をしています。そして、私の時に4千数百億円の借金をしています。30年払いです。それに利息がつきます。この払っている借金の額を私の代になって相当に絞り込みました。事業者からはいろいろと厳しいご批判もありましたけれども、財政がこのままでは成り立たないと判断して、決死の覚悟で公共投資についても自分は変革したわけでありますが、それでもなおかつ2、3割は借金の額が多いと言われています。そういう中で、公共施設のマネジメントであるとか、この事務事業の見直しだとか、財源を捻出するためにいろんな苦労を市の職員とともにやってまいりましたが、子育て支援を今後ともさらに続けるためには、どうやって財源を中長期的にしっかりと捻出していくかということが大変大きい課題だと思います。それにつきましては、大変に悩ましいことだと思います。今やっている事業というのは、その時々の議会の意見を踏まえ、議会のご承認をいただいて予算化して、多くの関係者とコラボで進めてきている事業がほとんどでございますから、それを削ったり、あるいはサンセット(時限的)で止めるということはあまりにも辛いことであります。でも、そういうことも含めて、全体としての市のこの予算の体系というものを、やはり全体として、次の世代のためにもっと使えないかということは、やはり続けていかねばいけないことだと思います。口で言うほど簡単なことではありません。公共事業も非常に大事ですし、皆それぞれの事業が大事だと思いますが、日本の国全体も地方自治体も、本当に子育て支援を着実に進めていくと、未来のために投資をするというためには、やはりもう一段踏み込んだ、この国の財政運営の根本的な在り方の見直しを求められているのだろうと思います。今回の国の中央省庁の再編ということがですね。そういうことも含めて、時には、これは国も自治体も辛い一面もあると思うのです、見直しをしていくということは。でもそれをやらないと、安定した財源をしっかりと確保することも容易ではないと思います。そうしたことを、勇気を持って次のリーダーが進めてほしいと考えています。
記者
ありがとうございます。
市長
あともう1つですね。1つは新たなこの力が期待できるというのはデジタルであります。DXが進んでいって、市民の中にもスマホを使われる方がどんどん増えていて、役所に行かなくていいということも増えるでしょう。そうなってくると間違いなく、それぞれの区役所に同じように人員スタッフを配置するというよりは、例えば東西2箇所に専門的なスタッフが常駐している。そして、大概のことはオンラインでできるようになっていけば相当程度、マンパワーというのは他の分野に向けることが可能であります。例えばそれが子育て支援であったり、子育て支援は単にいろんな事業を無償化するとか、減額するというだけではなしに、マンパワーの力によって子育てをしっかりと進めるということもたくさんありますので、そうやって、DXの進展によって余力のできたマンパワーを子育て支援、青少年育成のほうにもっと使うということが可能になると思いますから、ぜひそれも進めてほしいなと思います。
記者
ありがとうございます。
記者
まずこの1年間、そして、これまで積み上げてきたこの16年間の市政に関して、北橋市長ご自身での評価というのはどのように見られておりますでしょうか。お聞かせください。
市長
一言で言うのも簡単ではないですけれども、やはり何をするのでも、やはり経済産業の面の底上げと言うのでしょうか、力強い前進というものが非常に大事だと思います。そういうものがあるからこそ、その仕事に就くことによって家庭を持ち、ここで生活をされるわけであります。やはり100万都市になったというのは、製鉄所をはじめとして日本の経済を牽引してきた、あまりにも偉大なるこの産業群があったからだと思います。ところが、異常な円高によって、途上国の激しい追い上げの中で省力化、そして人を減らすという選択をせざるを得なかったがために、雇用の機会がだいぶ失われました。そして、しかも他の土地へ行って、新天地で新しい大きな投資をすることによって競争力の強い事業所をつくるということで、日本の企業は生きてきたのです。そういう中で、製造業は気が付いてみると、1,600万人いたのが1,000万人を割るというのが、90年代から今日まで進んだわけであります。この影響を最も受けているのが北九州市であります。従いまして、今後この子育てや年長者の福祉や、そういうソフトの分野も含めて前に進むためには、この経済の分野でしっかりとその減った分を取り返す。そういう、一言で言うと、産業構造の転換と言えば簡単ではありますけれども、皆それぞれの地域が一生懸命やっておりますので簡単ではありませんが、その都市間競争の中で勝って投資を呼び込むということが、この医療や福祉や子育てを考える上でも非常に大事な局面に北九州はあると思います。その意味で、自分はやはり治安が悪いということが、観光客の足が止まり、多くの投資家が非常に北九州への投資をためらってきたという、最大の課題だったように自分はいろんな方からも聞いたし、自分もそう思います。従いまして、この数年間、激しい闘いがあったわけであります。ただ、市民一丸となって大きな成果を上げてくることによって、確かに投資、企業誘致は進んできております。そういった意味では、新たな展開が間違いなく始まっているし、そして何と言っても、空港を軸にした新たな物流の基盤というものがあるし、世の中はこれから脱炭素で、あらゆる産業はこの課題に直面していますが、北九州には脱炭素の分野で、どこをどう取っても日本のやはり先導的な、先駆的な役割で成果を上げてきているところでありますので、脱炭素を軸にした投資の呼び込みも相当程度期待できると思います。こうしたことを着実にすることによって、若い人たちも含めたビジネスチャンスを着実に増やして、重厚長大、素材型の産業構造から、いろんなバラエティに富んだ産業構造に転換する、これが軌道に乗っていくと自分は期待しておりますし、それが自分の16年間の1つの軌跡であったと思っております。そして16年前、有識者と一緒にこの街の将来ビジョンをどうつくるかという議論をした時に、私は当時驚いたのですが、「美しい街北九州」にしてはどうかと言われたのです、美しい街。そこで、いろいろ聞いてみたのですが、大学の教授はフランスのリヨンであるとか、いろんな街の夜景を示してくれました。北九州の夜景というのは非常にいいんじゃないか、だから、「美しい街」と胸を張って市長がそれを言うべきだ、工業・工場だけではないのだということを言うべきだと言われて、その時は正直言うと半信半疑な面もあったのですが、しかし、そこからいろんな夜景を美しく演出することにお金を使うように努力しました。結構お金がかかりました。いろんな夜景のライトアップもそうです。しかし、その積み重ねがある日、日本で一番夜景が綺麗だと言われて、やっぱりあの時、美しい街を目指すべきだ、北九州はそのポテンシャルがあるのだ、工場だけの街ではないのだという、やっぱり有識者のあの時のご指摘には本当に頭が下がり、敬服しております。そういった意味で、北九州は食べるものが美味しいし、交通の便利が非常にいいし、(響灘に)25基のウィンドファームができたら、皆さん相当程度、修学旅行に来ますよ。日本人が見る光景で、秋田がちょっと小ぶりなものを先にやっていますけど、その倍ぐらい大きい規模ですから。そして身近に見えますから。そういった意味では、観光という面におきましても、賑わいづくりという面でも道が開けたと、そういうことで16年間、がむしゃらに無我夢中に、この街の地域の活性化のためにやれることは何でもやるという取組で進めてきたところでありますが、大体、今申し上げたこの1年間を振り返って、特に印象に残っている事柄に象徴されるように、道筋はつくられたものと自分は思っております。
記者
ありがとうございます。
担当者
他にはご質問はよろしいでしょうか。では以上で定例会見を終了いたします。ありがとうございました。
市長
どうもありがとうございました。
このページの作成者
市長公室報道課
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