コメント項目 |
(1) 旦過市場における火災について(資料なし) (2) 新型コロナウイルス感染症の現状について(資料なし) |
月日:2022年4月27日 |
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発表項目 |
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出席者 | 北九州市長 |
令和4年(2022年)4月27日
【コメント】
(1)旦過市場における火災
(2)新型コロナウイルス感染症の現状
【発表案件】
(3)脱炭素先行地域に選定
会見の動画(YouTube)
市長
まず旦過市場の火災についてであります。火災発生から1週間となりました。改めて被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。この旦過市場での火災は、古い木造建築物が密集した地域でありました。火の回りが早く、また屋根のトタン板、建物の壁などが障害となりまして、消火は困難を極め、4月21日にようやく完全な鎮火となりました。消防局の調査によりますと、焼損店舗数は43、うち空き店舗は2店舗であります。焼損面積は、1,821m2という大規模な焼損状況でありました。市民に愛され、そしてまた、市の観光名所でもある場所でありまして、この事態を重く受け止めております。火災原因などにつきましては、警察と連携して引き続き調査を進めてまいります。これまでの市の対応であります。この火災で店を失い、また火災の余波で営業がままならないという、大きな影響を受けておられる方々が多くおられます。本市としましては、この火災に関する様々な課題に迅速に対応するために、火災発生翌日に庁内横断的なプロジェクトチームを立ち上げております。4月20日開催の第1回会議におきましては、被災状況、被災者の相談窓口の設置など、各局が持っております情報の共有を図るとともに、今後の課題などを協議しております。情報共有する中で、市民や企業の皆様から多くの支援の申し出をいただいております。そこで、支援情報を整理して被災者との調整を図るために、「旦過市場応援相談窓口」を設置いたしました。今後の課題としまして、被災者の皆様からの要望に対する対応、また、被災を免れた全ての店舗の再開などが必要であります。被災者の声をよくお聞きしながら、しっかりと対応してまいります。そこで、クラウドファンディングの支援であります。小倉中央商業連合会の皆様方が、被災者を応援したいということで、瓦礫撤去費用などの資金調達を目的にクラウドファンディングを立ち上げ、サイトが公開されております。市としましては、このクラウドファンディングの立ち上げにつきましてサポートしてきたわけでありますが、できるだけ多くの寄附金が集まり、被災された皆様に明るいニュースが届けられるように、地元企業などに協力の呼びかけを始めております。福岡県や商工会議所にもしっかり応援していただくようお願いしております。今後も広報など、クラウドファンディング支援の呼びかけに積極的に協力していきたいと考えております。引き続き1日も早い復興のために、市一丸となって、できる限りの支援に努めてまいります。
次に、新型コロナの状況であります。このグラフは、直近1週間、「人口10万人当たり」(正しくは、「実数」)の感染状況を表しておりまして、各自治体との比較、また世界との比較におきまして、最も明快に感染状況を示すグラフであります。これをご覧いただきますと、まだ警戒が必要だと誰しも思われると思います。1日500人を超える新規感染者が確認されております。これからゴールデンウィークでありますが、この2年あまりを振り返りますと、ゴールデンウィーク、あるいは夏休み、年末年始、その期間中の後半、終わった直後に、すぐにまた感染の波がやってくることが多いわけであります。より感染力の強いと言われるBA.2への置き換わりは、約8割まで全国ベースで来ていると言われております。今後の再拡大も懸念されます。コロナとの戦いも3年目でありますが、初めて今回、移動の自粛が要請されていない大型連休を迎えます。楽しいご予定を入れていらっしゃる方も多いと思いますが、この機会にワクチン接種、そしてまた、マスク(の着用)、手洗い、うがいなど、感染症対策の基本をしっかりと徹底するように、よろしくお願い申し上げたいと思っております。体調不良の際にはキャンセルして、医療機関を受診していただきたいと思います。さて、大型連休中の診療体制について一言触れさせていただきます。多くの医療機関において休診されるところが予想されますが、本市におきましては、市の医師会とも相談いたしまして、5月3日から5日にかけまして、市内で1日当たり10程度の診療所で発熱外来を開設いたします。本市の相談ナビダイヤルにご連絡いただきますと、24時間対応で診療所をご紹介いたしますから、ご活用いただきたいと思います。市民の皆様方には、この大型連休、感染症対策に注意しつつ、楽しんでいただきたいと思います。やはりウィズコロナの時代をしっかりと前進するためには、前提は感染防止対策の徹底であります。引き続きご協力をお願いしたいと考えております。
次に、発表案件として1つ、脱炭素関係のものを申し上げたいと思います。昨日、国(環境省)から通知がまいりまして、国が募集しておりました脱炭素先行地域に、北九州都市圏域と連携した本市の提案が選定されたという連絡がありました。その内容を説明させていただきます。画面をご覧いただきますと、本市では、ゼロカーボンシティを宣言して、2030年度までの目標として、2013年度比、温室効果ガスを47%以上削減する目標を掲げております。また環境と経済の好循環、これが北九州の目指す大目標でありますが、エネルギーの脱炭素化、イノベーション推進に戦略的に取り組んでいくため、今年の2月に、「北九州市グリーン成長戦略」を策定しております。全国に先駆けて策定したところであります。次の画面でありますが、脱炭素先行地域は、地域の特性に応じた脱炭素に先行的に取り組む地域として、2025年度までに少なくとも100箇所の創出を目指すと国は述べております。先行地域におきましては、地域の再エネを最大限に活用しまして、2030年度までに民生部門の電力の脱炭素化を実現することが求められます。環境省が今年の1月から2月にかけまして、自治体からの提案について募集を行い、有識者で構成される評価委員会の審査を経て、今回、この地域の選定を受けたところであります。次の画面であります。北九州都市圏域18市町で共同の提案をしたことがこの特徴になるわけでありますが、この連携により、公共施設群とエコタウンのリサイクル企業群におきまして、第3者所有方式を活用して太陽光パネルと蓄電池を導入いたします。これによって、最速かつ最大の再エネ導入モデルの構築を我が国で目指すわけであります。第3者所有方式は、初期コスト不要で設備を導入できることから早期の導入が可能であります。またIoT(アイオーティー)を活用し、最適な運用によりまして、電力料金の低減や機器の長寿命化を実現することになります。次の画面であります。さらに、導入コストの低減に向けまして、エコタウンの企業や自動車メーカーと連携して、中古の太陽光パネルの再利用、また車載用バッテリーを定置型蓄電池に二次利用する仕組みづくりに取り組みます。加えて、企業、大学などと連携して、大規模蓄電池を導入して、再エネを有効に活用するためのシステム構築も推進します。これらの研究開発につきましては、先週4者、企業、大学との連携協定締結の記者会見の際に申し上げたとおりであります。本提案にかかります提案概要でありますが、再エネのまず導入量ですが、最大、約37MW(メガワット)を見込んでおります。そのうち、本市の公共施設におきましては、約290箇所に太陽光発電を導入いたします。計画期間は、2022年度から2026年度まで、総事業費は、民間資金活用を含めて約97億円を見込んでおります。国の交付金50億円も活用いたします。これらの取組を通じまして、再エネを低コストで導入できる第3者所有モデルを構築いたしまして、中小企業へ戦略的に展開していきたいと考えます。併せまして、風力・水素など、脱炭素エネルギーの拠点化に取り組みまして、脱炭素なまちづくりの環境国際ビジネスの取組も一体的に推進していきたいと考えております。庁内の推進本部の設置であります。次の画面をご覧いただきますように、この脱炭素先行地域、またグリーン成長戦略、これに、庁内一丸となって取組を推進するために、横断的な庁内組織であります推進本部を6月頃に立ち上げます。私自身、先頭に立って、スピード感を持って強力に取組を進めていきたいと考えております。今回の脱炭素先行地域の選定をさらなる推進力といたしまして、産官学民一体となって、環境と経済の好循環の成功モデルを目指してまいります。
結びにもう1点、本市では、いよいよ明日、「ジ アウトレット(北九州)」及び「スペースLABO」がオープンいたします。東田地域が賑わい、活性化することを期待しております。各施設におきましては、過密にならないよう、また換気に努め、感染対策を行った上で、皆様をお迎えいたします。ぜひ安心してお越しいただきたいと考えます。それでは、ご質問を承ります。
担当者
1点訂正がございます。先ほど市長がコロナのコメントの中で、新規感染者数の発生状況、グラフのほうをお示ししまして、10万人当たりのグラフということでご説明させていただいたのですけども、毎回10万人当たり(のグラフ)を使用するのですけども、今回は実数のグラフを使っておりますので、実数ということで訂正させていただきます。紛らわしくて申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
記者
まず、昨日26日で旦過市場の火災から1週間が経ちました。今の復興状況を含め、市長がどのように受け止めていらっしゃるかコメントをお願いいたします。
市長
火災の復興状況ですか。
記者
まずは1週間経ったということを受けて。
市長
まずは、完全に鎮火までに大変手間取ったということで、消火活動というのが最優先でありますが、同時に営業を再開したいという、また再開してほしいという市民の希望もありましたので、この消火・防火体制を取りながら、開店できるところについてはその対応も必要でありました。立入禁止区域にすると同時に、再開できるスペースを確保して今日に至っております。最初に関係者の皆様の様々なご要望を承る窓口をつくりまして、連日、様々な会議に市からも担当者が出てまいりまして情報収集に努めておりますが、大きいテーマとして、膨大な瓦礫の処理、解体撤去は、かなりのコストが見込まれるわけでありますが、これについて何とかできないかというご相談を受けてまいりました。これについては、本市のこれまでの対応の取組はもとより、他の自治体におきまして、基本的には事業者の負担でもって解体撤去を行っているわけであります。これは本市の場合も同じであります。そういう状況の中で何ができるかでありますが、まずは焼却工場、あるいは、最終処分場までお越しいただいたら、手数料は減免するとか、そういうことはやっておりますし、また市民の安全という面から、今後、壁をしっかり築いて、解体撤去と言っても時間は相当かかると思います。その間、安全にできるようにするために、まずアーケードが火災に遭っておりますので、大丈夫かどうかの確認も必要でありますし、壁を築いて、立入禁止の柵を解けるような段取りというものができる。これは市としても、市民に対する安全の確保という観点から当然できることだと。肝心の解体撤去のコストをどうするかにつきまして、結局、支援の申し出をされる方が出てまいりましたので、クラウドファンディングの立ち上げをサポートして、私どもも関係方面に対してご協力を呼びかけるということで、資金を確保して解体撤去に繋げるということを、今、一生懸命やっているところです。また事業者の方々に、今後どうされるかのご要望も承っているわけですが、その中で何割かの方は、できるだけ早くどこかで再開したいというご希望の方もいらっしゃいます。仮設店舗の確保、それに対しては一定の投資も必要になります。融資も必要になります。これについては、制度がございますので、今回の非常に深刻なダメージを考えますと、最大限の支援体制をその助成スキームでも取りたいとは考えておりますけれども、そういった融資なり、助成のスキームを紹介して、仮設店舗という課題に対しても、一緒にご相談に応じるようにしております。ここは再整備に向けまして、長い間、時間をかけて事業者の方々と協議を重ねてまいりまして、河川改修を含めて、安全な、快適な商店街の再生を目指して、計画を策定したところでございます。これについては、多くの関係者、市民も期待されているわけであります。これに対する影響ができるだけ小さくなるように努めたいと考えております。
記者
ありがとうございます。再整備計画の話が出たので。これは新旦過のエリアを含めて考えていくのか、どのような方向性で考えているか、今時点で、分かる範囲で教えてください。
市長
南のほうから移動していくわけであります。一番最後のところにあるのが北側の入り口の商店街、ただし、新旦過のほうの中には、それには入っていないということであります。この地域で火災が起こりましたので、今後どうするかでありますが、そもそもこの旦過の再整備計画というのは、非常に長い間、様々な意見交換、協議を重ねてこの合意に達したという経緯がございますので、それは、大変重みのある計画であるというように思います。従いまして、被災者の方々にいろんな思いがあると思います。それはよく承りますけれども、再整備の全体の計画というのが、様々な観点から長い間、協議を重ねて策定した計画であるということからいたしますと、そちらの本体への影響はできるだけ小さくしたい、そして、その被災された地域における、どうするかということは、それはそれとして、またご意見はよく聞きたいと思っております。今はそういう段階です。
記者
分かりました。先週、プロジェクトチームを立ち上げて、その各事業者の方に一軒一軒、課題などを聞いて回るというお話もありましたが、今、回ってみて現場から出ている声だったり、それを支援に繋げるという動きがあれば教えてください。
市長
メディアの報道によりまして、大変心配されて、居ても立ってもいられないと、何とか応援をしたいという方々が全国的にたくさんお声を掛けていただいているのを、私も大変ありがたく感謝しております。そうした支援をしよう、早く旦過市場の再開に向けて少しでも応援をしたいという方々と、被災者の方々をしっかりと結び付けるということが大事でありまして、それが中商連(小倉中央商業連合会)の始めたクラウドファンディングとなっております。まずは、ここで福岡県、商工会議所、いろんなところにもお願いしますし、地元経済界にもお願いを始めつつあります。とにかくご支援をいただいて、その資金をもって解体撤去をできるだけ円滑に早く実現するということが大事だと思っております。その過程で、市民の安全対策で囲いをしっかり築くとか、立入禁止になっているところを、アーケードの点検をして外すとか、いろんなことで、できることは市としても精一杯やらせていただきますし、処分場まで持ってきていただく分は減免いたします。また、仮設店舗を探したいという方については、融資と補助制度をご紹介しながら、我々も一緒になって探すために努力はさせていただきます。そういうことを、できることは、まずはご相談を、よく内容を聞いて、できる限り支援の手を差し伸べたいということで、今後とも努力したいと思っております。
記者
ありがとうございます。ひとまず幹事社からは以上で。各社からも質問があると思うので、挙手でお願いいたします。
記者
先ほど市長からお話がありました、今後の商店街なりの復興の手順なんですけど、ちょっと具体的になって恐縮なんですが、まずはクラウドファンディング等々の募金でお金を集めてから、商店街なりに壁ができたり、そのあと、瓦礫を取ったりという状況になっていくんでしょうか。それとも、危ないので、先に壁だけはつくりますっていうことになっていくのかっていうことが1つと、あともう1つは、プロジェクトチームの関係なのかもしれませんが、それらが全部まとまってから、例えばボランティアとかが受け入れとか現場に入るっていうことになるのでしょうか。何か、そういう復興に向けての手順とか工程みたいなのがあれば少し教えていただきたいのと、あと2点目が、昨日、クラウドファンディング(を始めた小倉中央商業連合会)の理事長の方が、安く見積もっても、よその例を見ると3,000万円以上かかりそうと、撤去費が、ということでしたけれども、市から見て大体、これ全部片付けたら、いくらぐらいだなっていう、大枠の瓦礫撤去概算みたいなのがある程度、もし、大枠でいいんですけれども、あったら教えてください。以上です。
市長
解体撤去に関する、いわゆる事業者の方から、非公式にどれぐらいになるだろうかというお話は聞くようにしているんですが、率直に言って、見積をしっかり取っているわけではありません。ただ、今後のスケジュール全体に関わることでありますので、どれぐらいの資金が必要になるかの把握には今努めようとしているところです。もう一時すると、その点の情報収集もかなり進むと思います。それと、やはり地権者の方や、営業されている方々のいろんな思いというものがあると思います。それも確認しながら進めることになりますので、お金が集まったから、さあスタートという、必ずしもそうではない事情もありますので、よくその辺は、お店を持たれている方々の、あるいは土地の所有者の意見も聞きながら作業を進めているところであります。いずれにしても、多くの市民が通行しているところにあるわけでありますので、まずは火事のあと、あのアーケードが安全かどうかの点検を急ぐところでありますが、これに加えて、やはり囲いをつくらないと、あのままの状況だと、いろいろとリスクがあると思いますから、これについては市としても、できるだけ早くタイミングを見計らって作業に入りたいと思っております。その中で、どれぐらいの資金が集まるかということによりますけれども、おそらく重機を入れたり、様々な形で瓦礫の撤去という手順になると思いますが、今の時点は、その準備の段階で大わらわだということであります。今後、いろんな情報を収集し、関係者の意向を確認して、方向性が固まり次第、具体的な作業手順が見えてきますので、その段階になりますと、またボランティアの方々へのいろんなご案内もできるかと思います。
記者
ありがとうございました。
記者
災害廃棄物の回収についてなんですけれども、旦過市場は高齢の方が多いというところで、中には、日明だったり響灘の処理場に直接持ち込むことが困難なんだというふうな話をされている方が多いんですけれども、何か市として近くの公園とかに仮の集積場を設けるとか、特例の措置とかで何か考えられていることはありますか。
市長
結局、焼却工場、あるいは最終処分場までお持ちいただけると、あとの手数料を減免するということで、過去の火災現場における、瓦礫問題については対応してきております。その中で、工場や処分場に持ち込めない大型の冷蔵庫、あるいは家電製品、これは別途委託していただいて、引き取ってもらうという手順になります。イメージとして、例えば熊本地震の時に、公園にいろんなものを集めて、そこで一気に撤去していきました。北九州からも車が行って。それは現時点で考えておりません。
記者
先ほど旦過市場の関係で、再整備計画に関してなのですけれども、先ほどのお話の中で、再整備計画の影響は小さくされたいという考えの一方で、被災した地域についての意見もこれから聞いていきたいというお話でしたけれども、これは旦過市場だけではなくて、再整備計画のエリアに含まれていない新旦過地区のほうも含めて再整備計画に加えていくというか、含められるという可能性も排除しないような形で意向を確認されていきたいというような意味なのでしょうか。
市長
これまで、繰り返しますけれども、長い歳月をかけて、木造、密集で災害リスクが高い、しかも神嶽川の浸水リスクもある、何とかこのリスクを下げて、快適な魅力ある商店街に再生しようということで、多くの方々のご参加をいただいて、協議を長年繰り返して、ようやく合意された計画でございますので、その進行にできるだけ影響が出ないように配慮するわけでありますが、今後、被災者の中に、例えば、今までは入っていなかったけれども、場合によってはという方も出る可能性はあります。その時は、お話は聞いてみるということです。今の段階で言えることは、そういうことであります。
記者
分かりました。ありがとうございます。それとすみません、またもう1点、別件になるのですけれども、先週、市街化調整区域の関係で、残り6区の見直し案が公表されましたけれども、八幡東区もまた縮小されたと思うのですけど、その他の6区に関しても、対象の人口が0人になる地区が4区あるなど、かなり縮小される形になったと思うんですけれども、主に未開発地区に対象地域が絞られる形となって、今後さらにまた意見書を踏まえて、さらに縮小される可能性もあると思うんですけれども、全体的にこういう形になったということについては、市長、どんなふうに捉えられていますでしょうか。
市長
区域区分の見直しという課題に関わらず、こうしたまちづくり、都市の整備にあたっては、住民の方々とよく相談して、合意して前へ進めるということが大前提となりますので、当初の計画からすると、大幅に修正したことになりますけれども、本来、まちづくりは地域住民の方々とよく相談して、合意形成のもとに進めるという原点に立ち返れば、それはそれとして受け止めるということであります。ただ行政としましては、この間、やっぱり気持ちの上で、コンパクトシティのことを理解しながらも、どうやって移るかという時に、貸家にしたいとか、あるいは財産を処分したいという声もあるわけです。そういった方々の思いに対して、適切な答えを用意していなかったということが1つあると思います。住民との、この間の対話におきまして、行政に対しても厳しいご指摘がいっぱいありましたけれども、それは1つ1つ謙虚に受け止めて、今後の区域区分の見直しというのは、私は、10年はないと思っておりますし、こういう形での、特別に国をはじめとして、コンパクトシティへ協力して移転する場合に特別の支援策、特別の税制というのが講じられない限り、これをもう一度提案するということはないと私は思っておりますが、それは私の市長の任期の時ではありません。でも、少なくとも、今回出た意見については謙虚に真摯に受け止め、今後のまちづくりの教訓とすべきだというふうに考えております。
記者
ありがとうございました。
記者
災害廃棄物の先ほどの話に戻るんですけれども、クラウドファンディングのこの資金は、目標は一応1,000万円というふうになっていますけれども、これが集まった場合とかだと、瓦礫の撤去とかで直接近くに回収に行くのかとか、何かどういったふうに使われるのかって具体的には決まっていたりはしますか。
市長
行政としては、このクラウドファンディングという手法があるということで、小倉中央商業連合会の方々が、それでは、そのノウハウなり、どういうふうな段取りでそれを立ち上げようかというご相談があって、私どもとしても精一杯、サポートさせていただきました。まずは、多くの支援の声が全国にあると思います。その方々にうまく発信して、そしてクラウドファンディングへのご寄附に繋がるように、行政としても精一杯、PRに努めたいと思いますし、とりわけ地元経済界、あるいは福岡県、また商工会議所といった団体にも、このご寄附の呼びかけというものを一生懸命やらせていただこうと思っております。やはり伝統ある商店街に加えまして、北九州の代表的な観光スポットになっている。しかも映画の制作など、あるいは学生さんなんかが一緒にこの商店街の再生活動に取り組んでいるという、いろんな意味で大変注目されている全国的に有名なスポットになっておりますだけに、我々としても地元経済界に、これは北九州の直面している大変シリアスなテーマであるけど、場所が非常に大事なところであるだけにお力添えをいただきたいということで、まずは、とにかく資金を集めることが先決だと思っています。どのように事業主体が、次の段階に踏み出す時に、どのように合意がなされて動き出すかという作業も今行われているのであって、まずは、いずれにしてもお金が必要だと思いますので、それを集めるために全力を尽くすという段階です。また、瓦礫の撤去に関しましても、いろんな事業者の方がノウハウをお持ちでありますけれども、今回のことに大変心を痛められて、商売のことは抜きにして、我々も何か手伝うことはないかという声も出始めております。旦過市場は、北九州市民の台所のシンボルでありますので、そういった意味で、いろんな方々の温かい気持ちというものが寄せられておりますので、それを皆で結集すれば大きな力になると思いますし、瓦礫の速やかな撤去にも繋がるだけの力になり得ると、このように信じております。
記者
話題が変わるんですけれども、3つほど質問したくてですね、まず今日発表された、もう既にお話しされたかもしれないんですけれども、脱炭素の先行地域に北九州市が選ばれたというところで、北九州市は以前からずっと、そういう取組に力を入れていて、北九州市がこの先行地域に選ばれた意義っていうのを、どういうふうにお感じなのかっていうのを教えていただきたいっていうことと、あともう2つはイオンモールの話で、明日「ジ アウトレット(北九州)」がオープンすると思うのですけれども、改めて、オープンすることへの期待っていうのを教えてほしいのと、あと最後に、やっぱりどうしても地元商業で、期待の声も聞こえるんですけれども、懸念の声も耳に入っていて、どうしてもお客さんが取られてしまうとか、そういう懸念の声も入ってくるんですけれども、地元商業を北九州市として、守るではないですけれども、支援するために、今後どういうふうな取組を行っていこうと考えているのかっていうのも併せて教えてください。
市長
まず脱炭素につきましては、先ほど画面でお示ししたように、政府の募集に手を挙げて環境モデル都市に選ばれた。そして、政府のほうが環境未来都市へと衣替えするにあたって再び選ばれた。現在はSDGs未来都市という形で、政府が募集して選ばれております。この間、全国の自治体、また国の機関が集まりまして、官民挙げてこうした環境、脱炭素、SDGsを進めるために協議会をつくっておりまして、この間、私がその会長を仰せつかってきております。これは、自分にとっては大変なプレッシャーでありまして、全国には様々な大学なり企業というものが成果を挙げておりまして、この北九州の地にあって、全国のトップランナーとして様々な成果を挙げていくというのは、これはなかなかきついことでありました。しかし、おかげさまで、そのプレッシャーに市の職員の皆さんも耐えてもらって、それだけに、産学官民で成果を挙げようというふうに一生懸命やってきて、それが現在の脱炭素の成長戦略プランになっているわけでございます。その意味では、率直に言って、日本の自治体にはいいところがいっぱいあると思いますけれども、私どもはこの間、低炭素から脱炭素、SDGsと至る一連の経緯の中で、トップランナーとして頑張ってきた都市だと自負して良いと自分は思っております。そういう中で今回選ばれましたけれども、まずは自分の自治体だけではなくて、周辺の自治体とも協力関係を持って、広域的な連携のもとで脱炭素という目標にチャレンジするというところに1つの特徴があります。もう1つは、第3者所有方式を一番最初に提起したのは本市であります。自分のお金で買おうとするから、そのイニシャルコストでしびれてしまうわけであります。ランニングコストだけの問題ではなかった。それを第3者所有方式で、しかも蓄電池の活用に、そこに光を当てたということであります。そこに産学官民の1つの技術力の結集を目指してきたということであります。今では第3者所有方式についても、これはなかなかいい方法だということで、広がりを見せているようでありますが、元祖第3者所有方式の提案都市だと思っております。そういった意味で、昨年来、これは、その事業内容を固めるために努力してまいりましたけれども、査定は1月、2月になっておりますけれども、我々は必ずこれについては選定されるであろうという、それだけの自負心を持って取り組んできた事業であります。それだけに、一番大きな成果を本市から発信したいと考えておりますので、ぜひまた皆様方にもこれをお伝えいただけると幸いであります。
イオンモールの件につきまして、ここは、北九州市にまだ数百件しか住んでいなかった江戸末期から明治の初めにかけて、ほとんど人は少なかったわけでありますが、ここに(官営)八幡製鐵(所)ができて一気に大きな都市になりました。そして、近代重工業発祥の地が東田であります。そしてここで、日本でも有数の公害という問題が発生をした。そして、それを見事に乗り越えたのは、この東田地域であります。そして、大胆にこの工場の壁を取っ払って、これを再開発にしたというこの意味でも、いろんな意味で、日本の歴史においてそれぞれの段階で画期的な、象徴的なこのプロジェクトを成功させてきた都市であります。ところが、スペースワールドでうまくいくと思って皆一生懸命やったわけでありますけれども、残念ながらああいうことになりまして、大きな挫折に直面したわけであります。その中で、果たして、どういうふうに次の後継ができるかに呻吟していたわけでありますが、イオングループのこの決断によって、ここで「ジ アウトレット(北九州)」の展開というようになったわけであります。ちょうどここには、私どもの文化施設が集積している土地でありますので、この東田地域は歴史的に見て、極めて重要な私どものエピソードがいっぱい詰まっているところでありますし、そこに、荒れ果てた跡地に、もう一度大きな事業を展開しようという、イオングループの熱意と相まって今日を迎えております。それだけに、成功してほしいと心から願っております。もしもコロナがなければ、もっと楽しい、エンタメを含めた屋内での楽しみをもっと感じていただける施設ができたのだろうと思います。当初、イオングループもそういう計画もお持ちでした。しかし、今、屋内で大きな投資をして人々を集めるということがなかなか思うに任せない状況でありますので、私もそういった面では残念に思っているのですが、しかしそれでも、これからコロナの克服状況によって、また新たな事業の追加も、エンタメ的な要素も含めて可能なところだと思っておりますので、ぜひこの地域には、北九州市全体に多くの人が訪れる。そして、その方々が、この地域だけではなくて、門司港レトロから、小倉の都心部から若松へと、このように周遊していくということが、私どもの大きな期待であります。そういった意味で、商店街につきましても、多くの方々がお越しになって周遊していくという中で、それぞれの地域でぜひ頑張っていただきたいと思っております。かつてのように、大きな力を持った商業関係者が進出をする時には、大店法(大規模小売店舗法)による規制がありまして、行政もいろいろと意見が言えた時代があります。しかし、それが政府の判断によりまして、大型店が進出する際の規制はしない、それをしてはいけないんだということを、全国にお触れを出したわけでありまして、今日に至っております。従いまして、今あることは、交通渋滞を引き起こさないような配慮ということは、もちろん行政は警察と一緒になって発信するわけでありますが、この既存の商業地との関係において大型店を規制するという手法ができない状況になっているわけであります。しかし、それぞれの地域に魅力があり、歴史がありますので、そこの商店街の皆さん方と、こういうふうにやってみたいという計画があれば、その提案を大事に受け止めて、できる限りの応援をするということで競争力を維持していただきたい、共存共栄に繋がるようにと思っています。
記者
ありがとうございます。
担当者
その他、各社さんいかかでしょうか。よろしいでしょうか。ではこれで定例を終了します。ありがとうございました。
市長
ありがとうございました。
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市長公室報道課
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