発表項目 |
(1)本市の新型コロナウイルス感染対策の現状について (資料なし) |
月日:2020年7月29日 |
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発表項目 | (1)保健福祉局の体制強化について (PDF:228KB) | |
出席者 | 北九州市長 |
令和2年(2020年)7月29日市長記者会見
【コメント】
・本市の新型コロナウイルス感染対策の現状について
【発表案件】
・保健福祉局の体制強化について
会見の動画(YouTube)
市長
大変厳しい新型コロナウイルスの発生状況となりました、今日からまたマスクを着用させていただきます。
まず本市の感染状況についてのご報告であります。東京都、大阪府をはじめ、全国的に感染者の数が増えております。直近1週間、10万人当たりの数というものは、その地域における感染状況を非常にはっきりと表す数字の1つであります。本市は昨日も多くの感染者が確認されまして、4.69という数字になりました。これは東京都で見ると12.69、大阪府は9.15、福岡県は8.25となっておりますが、北九州市は今日時点で4.69というふうに、増加傾向がはっきりいたしております。これまでもご報告を申し上げたとおり、20代を中心に若者の感染者の数が増加しております。また無症状、軽症の方も多く、本人が気付かないうちに周囲に感染をさせている事例が多く見られます。若者の感染拡大防止につきましては、これまでも呼びかけさせていただいておりますが、今後、無症状の多い若者から中高年、高齢者への感染拡大が懸念されております。先般も、20代がどのようにして、グラフにしますと増加しているか、それから2週間など、一定のタイムラグを置きまして、年齢が高くなっていることを申し上げましたが、また何かの機会にその辺の実情を改めてお示しをしたいと思いますけれども、このように、世代が高くなって感染が拡大していることが懸念されております。特に、重症化を引き起こすリスクのある高齢者などへ感染が拡大しないためにも、若者の、若い世代の方々には、「自分が感染者になるかもしれない」という意識を持って、他人に感染させないように、どうか行動をしていただきたいのであります。また飲食店などでの感染防止対策は、今後さらに重要になってまいります。接待を伴う飲食店、友人、家族、親戚との会食などでの感染が疑われております。まず飲食店の事業者の皆さまには、従業員のマスク着用をはじめ、施設内の感染防止対策の徹底を、改めてお願いをしたいと思います。昨日は、政府から自治体に対して「クラスターの発生のおそれのある時、またお客さんの把握が不十分な場合には、お店の承諾がなくても店名を公表する」という新たな通知が発出されております。さて、飲食店を利用される皆さまにおかれましても、特に若い方には、大声での会話、また大皿での料理の共有やお酌、感染防止対策を十分取っていないお店の利用を控えるということをお願いしたいのであります。全ての世代に共通することではありますけれども、マスクを外して会食をする、会話をする、特にお酒などが入りますと、声も大きくなる。そうした食事の時が、一番感染リスクが高くなるわけでありまして、多くの世代への感染を起こさせないために、予防対策の徹底をよろしくお願いしたいと思っております。また感染予防の啓発でありますが、これまで北九州市は「5つの行動目標」を定めまして、市政だよりやホームページ、いろんな機会にPRをしてきたところでありますが、最近の本市の厳しい感染状況を踏まえまして、今月から市内の小・中学校、高校・大学、公共交通機関におきまして、またコンビニストアにおきまして、啓発ポスターの掲示をお願いしました。また市内の大学・専門学校に対しては7月27日付で、学生さんに対する、注意喚起を依頼する文書を発出しております。さらに接待を伴う飲食店につきましては、福岡県とこれまで協議をしてまいりまして、合意をいたしました。県知事と市長との連名で、注意喚起の文書を送る準備を進めております。近く、それは発出されます。加えて、7月27日から「日本ガーディアン・エンジェルス」の協力を得まして、小倉の繁華街エリアにおいて、「5つの行動目標」や「マスクの着用」などを直接、若者に呼びかける啓発活動も始めたところであります。こうした「ガーディアン・エンジェルス」のような、直接、若者に訴える、こういうことにつきましても、メディアの方々に報道していただいて感謝しております。次に、イベント開催の制限であります。これまで申し上げてまいりましたが、北九州市は6月29日に「いわゆる第二波を抑え込んだ」と、このような認識のもとに、「今後は失われた社会・経済活動を取り戻すために、この感染予防対策と社会・経済活動を両立すべく取り組む」と、このように、この両立を目指してきたところでありますが、東京都、大阪府をはじめ、全国的に感染者が急増している状況であります。そこで、イベントの開催制限につきましては、国、県の方針を踏まえまして、「緩和を見送り、現在の制限内容を8月末まで1ヶ月継続する」ということを、昨日持ち回りで、市の感染症対策会議で決めたことを、併せて報告をいたします。今後、再拡大させないためにも、今が大変重要な時期、正念場にあります。これまで同様、市民の皆さまには、今後もマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、手指の手洗いと消毒など、「5つの行動目標」を実践していただきたいのであります。また、この中には「自分の行動を記録しておく」ということがあります。毎晩のように、私ども幹部が集まりまして1つ1つ、陽性患者の事例報告、その検討会を行っておりますけれども、陽性が分かって、ご本人も動転をされている場合もあると思います。その中を、保健師が中心になって、この濃厚接触者、あるいは感染の経路について、いろいろとお伺いさせていただくわけでありますが、なかなか、2、3日前のことならともかく、1週間、10日の潜伏期間のある病気でございますので、過去に遡って「どういう人に会ったか、どこに行ったか」ということは、なかなか思い出せない場合が多いわけであります。その点、「COCOA」というアプリを導入していただく、あるいはスマホにその行動記録を残すこともできます。また、北九州市の企業が開発した独自のアプリで、公共施設に「SUGOCA」あるいは「nimoca」、交通系ICカードをかざすと、自動的に登録をされるというシステムもつくっております。そのように少しずつ制度ができてきておりますので、それらも活用しながら、行動の記録もお願いをしたい。そのことが、このクラスターの発生を抑え込んでいくことに有益であります。感染防止の徹底をよろしくお願いしたいと思います。
次に、今日は北九州市の保健所、保健福祉局、この感染症対策を進めております中心となる部局につきまして、体制を強化するという内容についてご報告をいたします。これまで北九州市は、感染症が第一波の時から拡大をしてまいりまして、入院調整を行う医師を増員し、保健師は各区役所から73名の応援態勢を取り、そして、退職した経験豊富なOBを採用する。また専用ダイヤルの業務委託、体制強化に鋭意取り組んできたところであります。しかし、いわゆる第二波の対応をしながら、私どもはさらにこの体制を強化する必要性、課題というものを、みんなで協議をしてきたところであります。この5月23日以降起こったこと、病院、福祉施設6施設でクラスターが発生したこと、また患者、また濃厚接触者の全数検査など、検査、疫学調査、医療調整などの事務が増加をしたこと、また国の交付金対応など事務処理が増加した。このように保健所をはじめ、担当部局の職員に大きな負荷がかかってまいりました。このいわゆる第二波につきましては、国、県の応援、市民のご理解・ご協力を得て何とか抑え込んできたわけでありますが、今後を考えますと、本市独自での体制強化を図る必要があると考えました。そこで、今回の体制強化のポイントであります。8月1日付で組織体制を一層強化することといたしました。今回の強化のポイントは2つです。1つは、感染症にかかる医療対策の専門部署を設置することです。2つ目は、保健所業務の効率化のため、アウトソーシングを推進することであります。まずこの1つ目、専門部署の設置でありますが、ご案内のように保健衛生部門、これは本庁、そして、保健所においては多くの仕事に対応しております。例えば、結核では年間200件近くの新規の登録患者が発生します。またO157、麻疹、HIVなどの対応にも追われます。食中毒というのは、その時期には大変大きな仕事となります。このような対応を保健所は一手に引き受けて、また本庁の担当部署もそれらを対応して、コロナ対策と並行して行っているわけであります。今後の感染拡大に備えるためには、コロナ対策を専門的に行う部署を独立して設置をする、そして、必要な人員をそこに補強すると。このような、早急な体制強化の必要があると考えたところです。そこで、まず本庁におきましては、保健衛生部というところが対応しておりますが、そこからコロナ対策の部門を独立させまして、新たに医療政策部を設置することにいたします。また保健所のほうにおきましては、コロナ対策を専門に行う医療対策部を設置いたします。県も含めた増員の規模でありますが、本庁の医療政策部では7名増員、保健所の医療対策部では20名の増員を行います。この専門部署の独立設置によりまして、感染症に関する事務の分担・指揮命令系統が明確になって、意思決定の迅速化が期待できます。2つ目の強化ポイントは、保健所業務のアウトソーシングの推進であります。具体的に申しますと、患者、濃厚接触者、PCR検査数などの情報処理は膨大なものになります。これについては、専門のシステムエンジニアを常駐させます。次に、患者の搬送や検体の回収という業務がありますが、タクシー事業者や貨物事業者に業務を委託します。次に、健康観察につきましては、看護師などの資格を持つ方を雇用しております人材派遣会社がありますが、人材派遣会社に業務を委託します。こうしたことによりまして、職員の負担軽減が図られると考えております。今回の組織の改正で、どのように対応力が増すかについてであります。今年の6月、厚生労働省から、都道府県に対しまして通知文が出ております。タイトルは「今後を見据えた保健所の即応体制の整備について」という通知であります。その中で「ピーク時における最大需要」、つまり最大新規陽性患者数でありますが、その算定方法が示されております。これをもとに算定された北九州市の最大新規陽性患者は1日21人となります。今回の組織体制の強化は、新規の陽性患者21人が3日連続で発生したとしても、保健所、そして区役所などの、本市の職員で即応可能な体制となります。また検査能力につきましては、検体採取、検体の回収、検査機器、この3つの要素をそれぞれ強化することにいたします。まず検体の採取でありますが、新たに嘱託医師を1名採用します。夜間・休日急患センターなどの看護師13名も検体採取に当たることで、クラスター発生時にも対応できるように体制強化を図ります。次に、検体の回収であります。先ほどご説明したとおり、現在、保健所の職員が行っております検体の回収業務につきましては、貨物事業者へのアウトソーシングを進めておりまして、回収ルートを現行の3ルートから5ルートに増やすことにいたしました。これによって、これまで以上に迅速な回収が可能となります。保健環境研究所の1回当たりのPCR検査件数を増加することができます。さらに、早期の検査結果の提供も可能となります。結びに、検査機器の増強であります。この国の補助金を活用いたしまして、現在、民間検査機関、また医療機関へのPCR検査機器の導入の促進を図っておりますが、これをさらに強めます。また保健環境研究所におきまして、前処理が不要な試薬を使用するなどによりまして、民間も含めた市全体のPCR検査能力は向上します。これまでは1日約350件でありますが、今後は、現在1日約600件の検査能力を確保しております。また大規模流行時には、検査機器の稼働回数を高めることで、1日1,000件に対応できる検査体制を目指します。また、この間の技術革新には目を見張るものがあります。唾液の検査、唾液による検体採取は、感染リスクは極めて低いわけでありまして、これは相当に検体を取りやすくなります。また抗原キットも政府から認められました。新たな検査手法も取り入れていきまして、検査能力をさらに拡充していきたいと考えます。現在、北九州市医師会と協議をしておりますこと、これはPCR検査体制をより強化するために、例えば八幡方面に加えてもう1箇所、ドライブスルーの検査センターをつくってはどうかという、そういう要望がドクターの中にもあったわけであります。そういうことを含めて検討してきたわけでありますが、唾液による検体の採取ができますと、多くのドクター、医師が「自分もやってみる」というところが増えてくるのではないかと思います。そこで、この唾液による検体の採取、また抗原キットの活用を進めますと、相当にこの体制が取れますので、その体制の進め方について、現在、北九州市医師会と協議を行っておりまして、これによって、さらなる上積みが可能になると期待をしております。まとめであります。現在の国内の感染拡大状況を見ますと、組織体制をはじめ、この感染症対策の強化は待ったなしの状況であります。今後とも、柔軟かつスピード感を持って取り組んでまいりたいのであります。それでは、ご質問を承ります。
記者
昨日の感染者数の発表は16件と、徐々に件数が増えてきておりますが、もう市長としましては、この社会・経済活動の再開している最中ということでございまして、例えば市民に外出自粛を呼びかけるですとか、以前のように、人が多く集まるような施設を少し閉館するですとか、そういったことをお考えではないということでしょうか。
市長
昨日の18件(正しくは、16件)は、私にとりましても衝撃であります。特に20代の方が大変多いし、その中には、他の流行地域での飲食店などで感染をしたのではないかと。これは、確定はしておりませんけれども、そのような疑いを持たれるようなケースもかなり出てまいりました。これはやはり東京、大阪など、全国的に急増している状況が、ついに福岡県内にもかなり出てきたと言わざるを得ません。そういう中にありまして、注目しておりますのは「店名の公表」という問題であります。例えば小倉北区のスナックのオーナーは、それを公表する決断をしていただきました。それによって、お客さんやいろんなところが保健所に問い合わせをされて、今、その検査を進めるために、今、大わらわでありますけれども、このような決断をしていただくと、ずいぶんとこれは、クラスター封じ込めにとって大きな成果となります。このように「店名の公表」という問題につきまして、クラスターが発生するおそれのある場合について、国が方針を決めたということが1つあります。また大阪府知事は、「5名以上の会食は控えるように」という要望を出しました。また宮崎の県知事は、接待を伴う飲食店につきましては「協力金を用意して、営業の自粛要請を出す」という方針を明らかにされました。それぞれの地域におきまして対応が進んでおります。また、国としてはっきりとした方針は抽出されておりませんが、これまで特措法の体系、「国、県を軸として体制を取る」ということできたわけでありますが、今後は、政令市長会が強く求めておりますように、権限と財政的支援というもので、住民に身近な基礎自治体が対応できるようにしてほしいという要望をしているわけでありますが、国におきましても、それぞれの地域の実情に即したこの対応というものに理解を示し始めております。こうした、一連のこの流れというのは、この全国的な感染急増を背景にして、もう待ったなしでいろんなことが始まっていると思います。北九州市はそうした状況を、刻一刻といろんな動きが出ますので、それを追いながら「どういうことが可能か」ということをやっております。飲食店につきましては、まずは県知事と連名で「ガイドラインの遵守」を呼びかけるわけであります。そして、今後は「店名の公表もあり得る」ということも浸透していくと思います。その中で旅行、「Go Toトラベル」のような動きに対してどうかでありますが、基本的には、毎日のように「それぞれの地域でどれだけ患者が発生しているか」ということは、国民は分かっているわけであります。それを見ますと、例えば山陰の地方というのは極めて安定をしております、大分もそうだと思います。それぞれ、例えば自分の近場のところでこの機会に、ずっと2月から自粛をされていた方にとりましては予定を入れられている方もいると思います。また東京とか大阪にお住まいの方でも、年老いた両親が、具合が悪い時には、やはりこれは「自粛」とは言っておられないと思います。従いまして、一概には言われませんけれども、そういう感染状況の多いところに行くことについては、極めて慎重に警戒をすることが必要だと思います。また来られる方につきましても、それはいろんな事情があると思います。それを「全て自粛してくれ」ということは申しませんけれども、やっぱり国民はみなどこも心配をしておりますので、十分その注意をしてお越しをいただきたいと、こう思っております。会食については、大阪府知事は「家族の会食については例外である」と言いました。私どもはこのいわゆる第二波から、なぜ高齢者が、このように感染が増えるのか。別にキャバクラに行ったり、ディスコに踊りに行っているわけではないという、でも高齢者がどんどん増える。これは、やっぱり若い方々との接触です。若い方々とどう接触するか、やっぱり親しい方と会った時に会食をしたり、声をかけ合うのだと思います。そうしたことを思いますと、「家族は例外である」というのはどうかとも思いますが、今後の状況によりましては、そのような制限のあり方も考えられると思います。むしろ宮崎県のように、ピンポイントで一定の協力金、対応をしながらも一時の間、期間を定めて、営業の自粛を要請するという手法もあり得ると思います。そういったことで私どもは、こうしたいろんな選択肢を、福岡県ともよく相談をして、基本的な合意のもとに、今後迅速に対応していきたいと、こう思っております。
担当者
先ほど市長のほうから、昨日の感染「18件」というふうにお伝えしたのですけど、「16件」の訂正でございます。
記者
幹事社からは以上です。各社さまお願いします。
記者
結局、市の施設の休業とかっていうのは、今は考えていないということなのでしょうか、休業っていうか休館ですね。
市長
今日の時点におきましては、制限する方針は持っておりません。
記者
あくまで「5つの行動様式(正しくは、目標)」を、市民の方にお願いしていって、両輪でやっていくと。
市長
今後の感染状況もよく見ていかねばなりません。柔軟にスピード感を持って対応する必要があると思いますが、例えば演劇を鑑賞する場合も、演劇にもいろいろあると思いますけれども、みんなマスクをして、席を1つ空けて、手指消毒をして、体温を測って入り、静かにその舞台を見入っているわけです。ここでどうして感染するのだろうかと思います。従いまして、基本的には「5つの行動目標」を守っていれば、感染リスクは相当に下げられると思いますので、それを前提にして、市民の方のご協力をもとに、社会・経済活動もやっぱり両立は大事だと思いますので、それぞれの状況があります。一概に「演劇」と言っても、いろんな演劇がありますので、一概には言えません。
記者
特に今、10万人当たりの感染者数、昨日4.6というところですけれども、市の公共施設とかをまた再度休館するとか、イベントの自粛も8月まで方針を変えないということですけども、何か数字によって、この目安っていうのはあったりするのでしょうか、この方針を変更されるような。
市長
どういうふうにして直近の感染者が増えているか、それは20代、30代の若い世代が急増しています。感染経路は、よく今のところ掴めないケースもありますけれども、いわゆるディスコ的なこと、ダンスホール的なこと、あるいは、そういう飲食店などで感染したのではないかと疑われるケースがどんどん増えてきております。そういうことからしますと、やはりそういうところを、注意をすれば、場合によっては、ピンポイントでその感染を防ぐという対策を取れば、全体の社会・経済活動を止めるとまでは至らないのではないかと思います。感染予防は非常に大事な当面の、喫緊の課題でありますが、私たちの社会・経済活動を維持していくことも同じように大事であります。そこの両立の兼ね合いというのは非常に難しいところではありますが、現状におきましては、まず社会・経済活動をもう一段抑え込むと、そうしないと感染の拡大を防げないという状況にはまだ至ってないと思います。
記者
そして、今日は保健福祉局の体制強化ということで発表がありましたけども、改めて市長に、今後の感染拡大に備えての強化だと思うのですけども、その点について、端的に市長の意気込み、思いをお伺いしたいのですが。
市長
初めてのことの連続で、もうみんな一生懸命、仕事熱心に取り組みました。気が付いてみると、保健師の中には過労死ラインまで働いているという事例も分かってまいりまして、「これはいけない」ということで、この間ずっとみんなで協議をしてまいりました。あまりにも多くのことを1つのセクションで、あるいは保健所で引き受けているということです。その心理的な負担は大変大きいと思います。従いまして、この新型コロナ対策の部門を、保健所においても本庁においても独立して、スタッフを拡充することによって、それからアウトソーシングなど、いろんな工夫をしながら、しっかりと仕事ができるようにせねばもう持たないと、組織的に持たないと、こう判断をしたところであります。特に私どもは、この技術革新の世界において、唾液による検査が可能になったということ、これによって、この検査体制というのは劇的に変化する可能性があると見て、北九州市医師会との間に協議を続けているところであります。不運にして、不幸にして、患者が発生するのはやむを得ないかもしれません。しかしそれを、早く発見をして、とにかく検査を、徹底をして、周囲に広がることを防ぐということが、われわれに課されたミッションの1つだと思っております。
記者
検査体制を強化することによって、北九州市でも「感染拡大」というところを、もう事業分けというか、事前にある程度、狭い範囲内で抑えることができるための「体制強化」っていうところなのでしょうか。
市長
本来、早く発見をして、そして「早期検査・早期治療・(早期)隔離」という、これによってクラスター化を防ぐという本来の保健所、あるいは保健衛生部の仕事をしっかりとできるようになると考えております。
記者
ありがとうございます。
記者
市長は先ほど「20代、30代の方が増えている」ということをおっしゃいまして、確かに増えているのですけど、昨日なんかを見ますと、比較的70代ですとか、高齢者ですとか、あるいはエリア的にも、かなり広い区にわたって感染者が出ています。こういった「高齢者にも広がっている」というような認識は、今のところではあるのでしょうか。
市長
いわゆる第二波の時は、特徴は高齢者の患者が非常に多くなったと、(第)一波と比べて、ということでありました。私どもは、何とか収まって「抑え込むことができた」と思いましたが、やはりウイルスというのは潜んでいるものでありまして、そうした意味では、完全にウイルスを北九州市から撃退はできていなかったわけであります。従いまして、ポツポツと孤発的に高齢者の患者さんが出るということは、ある程度は覚悟せねばいけないと思っておりました。今現在の数字というのは、概ね2週間ぐらい前の感染の状況であります。従って、今日からいろんな取組をやって頑張るとしても、結果が出るのは2週間後、お盆過ぎであります。この時間が、タイムラグはあるわけでありますが、2週間前の時点でどうであったかということですが、やはり若い方から、会食などによって感染が、ケースバイケースでありますけれども、新たに高齢者に感染をしている場合も出てきているわけです。その点は、私ども遺伝子のいろんな、ゲノム解析であるとか、いろんなできることについては、いろんなところにお願いをしているのでありますが、まだ明確なその感染経路というのは分からないわけでありますけれども、これまだ続いていた高齢者の患者さん、それから「感染しても発症しない」という人も、このウイルスの場合は相当にあると言われております。その方が、何かの機会に免疫が弱くなるというか、何かの機会に発症している場合もありますので、それまでのいわゆる第二波の時から引きずっている方と、「新たに若い方から」というのと両方あるのではないかと思います。
記者
現在もまた数だけ見れば増えてきていますけど、市内の医療体制については、今どのような状況かというのを、認識とかありますでしょうか。
市長
重症者は2名、それから中等の方が5名だったですかね。要するに入院をして、しっかりとした治療が必要になる方はまだ少数にとどまっております。軽症者が増えてきているわけでありますけれども、現在の医療体制で対応はできます。しかし、これは東京についても議論されておりますが、今日の時点のキャパシティというか、余裕度というのは、これが2週間前の感染した方の、今、表れているわけでありまして、今が、余裕があるからと言って、「この状況が続けば、2週間後どうなるのか」というのはまた別の問題が発生します。そのことを東京の医療関係者は心配しているということでありますが、現時点で北九州におきましては、現在もこの体制を何とか抑え込んでいけば、医療提供体制は大丈夫だと思います。ただ、この点につきましては福岡県下全域で、県庁のほうでベッドの管理、あるいはホテル宿泊なんかについても対応をしているところもありまして、県庁とよく調整をしながら進めているところであります。ただ福岡県内、今急増しておりますので、そのことも考えますと、やはり本当に大丈夫かどうかは、今日の時点と2週間後に向けて大丈夫かどうかについては、より慎重な検証が必要になっていると思います。当然、福岡県庁におきましても先々を見込んで、医療提供体制が大丈夫かどうかについては検証作業を続けておられると思います。
記者
改めてなのですけども、先ほど市長は、今回の検査体制の強化について、感染症対策のところが回ってないと考えていて、「柔軟かつスピード感を持って取り組みたい」と言われておりましたけども、例えば、これというのは、もう今回の感染症の体制強化によって、何が何でも北九州市民を守っていくと、新型コロナウイルスから守っていくというような、そういうような熱い意気込みというのはあるのでしょうか。
市長
やっぱり2月から、一生懸命この対応に取り組んでまいりまして、社会・経済活動で失われたものは大変に大きいと思います。例えば廃業に追い込まれた企業の数というのは、若干のタイムラグを置いて数字となって出てまいります。そうした意味では、この2月から5ヶ月経って、この間に、社会・経済的なダメージというものは相当に計り知れないのではないかと、相当に厳しいものがあるのではないかというふうに、いろんなヒヤリングを通じて、非公式なこの数字ではあるけれども、それを痛感しております。それだけに、また経済活動が萎縮する、萎んでしまうということについては、「慎重であってほしい」という声は当然あると思います。しかし、このまま全国的な、これは誰が見ても「第二波が始まった」というふうに、数字の面でだけ見るとそう思っていると思うのですけれども、この波の中で、北九州市もこのまま進んでいきますと、大変なこの健康不安と言いますか、感染症への不安が高まり、結局、社会・経済活動が、緊急事態宣言を発動するかどうかは別にして、どんどん萎縮に向かうだろうと思います。そういった意味では、何としてでも、このお盆過ぎには、はっきりと結果が出ると。それは市民みんなが、この感染症に対して警戒をし、行動規範を守り、抑え込めるわけでありますから、それによって社会・経済活動を「また思いっきりアクセルを踏んでいくんだ」ということで、この2週間が正念場、勝負どころだと思っております。ここで踏ん張れば、間違いなく大きなステップを乗り越えて、社会・経済活動との両立が円滑に進むであろうと、そういうことを期待しています。
記者
「体制強化」と「2週間」というのは、ちょっとまた違うとは思うのですけども、この体制強化に対してはいかがなのでしょうか、もうこれもやっぱり2週間っていうところなのですか。
市長
これは、やはり医療関係者は、当初から山が来て谷が来て収まり、時には緩めたり、あるいは手綱を強くしたり締めたり、こういうことの繰り返しがあり得るということと、やはりインフルエンザが流行する秋、冬の段階が、最大の正念場になるのではないかと多くの医療関係者が言ってまいりました。そしてまた、元の生活に戻るのは、多くの方は1年とか2年とかって言われております。従いまして、この新型コロナ対応は相当期間の長期になると思っております。それを乗り越えていくための体制を、私どもはいわゆる第二波との戦いの過程で、ここをしっかりと守らないと、「市民を守る」という作業が、いろいろと無理が出てまいりますので、そういった意味では、継続をしていくものであります。
記者
ありがとうございました。
担当者
その他よろしいでしょうか。では以上で終わります。ありがとうございました。
市長
ありがとうございました。
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市長公室報道課
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