コメント項目 |
(1)本市の新型コロナウイルス感染対策の現状について (資料なし) |
月日:2020年5月14日 |
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発表項目 |
(1)医療従事者等の支援に活用する北九州市版クラウドファンディングについて (PDF:480KB) (2)クラウンドファンディング「夏に行く券」 (資料なし) |
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出席者 | 北九州市長 |
令和2年(2020年)5月14日市長記者会見
【コメント】
・本市の新型コロナウイルス感染対策の現状について
【発表案件】
・医療従事者等の支援に活用する北九州市版クラウドファンディングについて
・クラウドファンディング「夏に行く券」について
・「アーティスト等緊急支援助成金(仮称)」の創設について
会見の動画(YouTube)
市長
最初に、本市における新型コロナウイルス感染症対策の現状について説明をさせていただきます。直近の3週間の数字であります、4月23日から5月の13日まで直近3週間、PCRの検査数は694件、陽性の患者数は4人で、陽性率は0.6%となっております。また5月13日時点での入院患者の数は7人、そのうち宿泊療養施設、ホテルへの入所者数は1人、市内で確保しております病床の数、これは87床となっております。陽性患者の推移を見ますと4月29日以降は、新たな患者は確認されておりません。モニターに感染推移のグラフ、表がございます。人口の大小によりまして、市中の感染の状況というのはイメージがなかなか湧きませんので、例えば人口10万人当たり何人患者が出ているかを見るとその都市ごとの発生状況というのはよく分かります。赤で書いてあるのが北九州市でございまして、この2週間、陽性患者確認はゼロという状況になっています。一番多いのは、上は東京でございます。続いて、この急に伸びてきているのは大阪、そして、もう1つが北海道ですね、第二波と言われている札幌であります。こういう状況になっているわけであります。それから、国がこの直近におきまして、緊急事態宣言の解除という方向を出しそうでありますけれども、その過程で、それぞれの自治体におきまして、どのようにして出口を模索するかということで、いろんな基準づくりというのもこの間、行われております。それぞれ例えば大阪であるとか、いろんな県におきまして、どういう目標を持って、感染症対策を県民と一緒に頑張って解除を目指していくかということで、いろんな議論がなされている過程にあったわけでありますが、その中には新規の感染者の数だとか、感染経路は不明な人が何人いるかだとか、PCRの検査状況はどうかだとか、ベッドの数はどうかと、そういうような、具体的な項目を挙げて議論をされておりました。私どももロードマップづくりの過程におきまして、国や県のほうに、苦しい時、つまり自粛、あるいはこの営業の自粛要請が出たりして、大変に経済的に苦しんでいる方は多いわけでありますので、苦しい時も、目標があれば元気も湧いてきます。そういうことで国や県に、具体的なこの出口についての基準づくりを強く求めてきた経緯もございまして、それぞれの各県における、議論されている項目ごとに話題となっている事項ごとに北九州はどうであるかを示したものであります。これを見ていただきますと、北九州市はそうした出口戦略を議論する場におきましても、しっかりとクリアをしてきているという状況が分かると思います。改めてこの間の市民、事業者の皆さま方のご理解、そして、感染防止に向けての温かいご尽力に対して、改めて感謝を申し上げたいと思っております。ただ、東京でもかつて1週間で倍増するというぐらいの、非常なこの感染力を持ったウイルスであります、ここで決して気を緩めるわけにはいかない。多くの医療専門家は、いったん終息し得たと見られても気が緩むとそこから新たなクラスターが発生をする、第二波・第三波の感染拡大という状況は十分あり得るということを警告しているわけでありまして、お隣の韓国におきましてもご案内のとおり、あっという間に大きなクラスターができてしまって今、大変な状況であります。改めて「第二波が来る可能性があるんだ」ということを、危機感を持って今後、対処する必要があると考えております。そうした意味で本市としましては、今後も検査・医療体制のさらなる拡充というものが、クラスター対策の中でも非常に重要である、その強化に今後とも鋭意、取り組んでいかねばならないと、このように考えております。ここで新しいフリップでありますが、前にもお見せをしたことがあります。北九州市の医療・検査体制について、フローチャート図でございますが、よく言われているように「なぜPCR検査をもっとやらないんだ」ということが、国民から強いこの不満と言いますか、意見として出ていたわけでありますけれども、その中で私どもは保健所ルート以外にもう1つの、かかりつけ医から迅速に対応するPCR検査センターを設けまして、民間委託をした緊急機関で対応すると、このもう1つの検査体制というものをつくったわけでございます。また病床数につきましても、今80台でありますけれども100床を目指すということ、それから特に重症者の患者受け入れが大事でございます。現在は5でありますけれども今、陰圧工事、そしてまた人工呼吸器、品薄でございますが、その調達に全力を挙げておりまして、それを、重症患者の受け入れベッドを10にするという目標を持っております。こういうようなことで、検査・医療体制をしっかりと整備していくというのが私どもの目標でございます。さて本日、国が緊急事態宣言の解除について発表をするということであります。現時点におきまして、福岡県がそれを受けて、どのような具体的対処方針を出されるかまだ示されておりませんけれども、いずれにしても市民の皆さまと一緒に「第二波の感染拡大」という、こういう不幸な事態は十分あり得るということを肝に銘じて、いわゆる「3密」を避けるということ、そして、マスクの着用など、咳エチケットを心がける、手洗い・うがいを励行する、そして、社会的距離をしっかり取ると、こうしたことは、これからも非常に重要な行動目標だと思います。こうした感染防止対策を皆さまとご一緒に引き続き、続けていくことがこの感染症を終息させるために大事なことだというふうに感じております。結びに、先ほど連絡があったのでございますが、最前線で頑張っていらっしゃる医療の現場におきましては、医療用マスクなど、必要な医療資源が大変不足していて、大変苦労されているということであります。北九州市は中国の大連市と姉妹友好都市になって、大変長い歴史がございまして、この間、大連市当局の温かいご配慮によりまして、大連にあるこの医療資機材を生産するメーカーと直接、交渉をさせていただきました。かつて商談会を大連市で行いまして、この経済的な交流に取り組んだことが10年ぐらい前あったのでありますが、その時にも参加をしていただいている中国のメーカーにお願いしましたところ、来週、早々に医療資材が北九州の港に到着する運びとなりました。それはKN95マスク、医療用マスク2万3,000、使い捨てガウン2万3,000、フェイスシールド1万7,000であります。早速、医療関係をはじめ、そういうところに配布させていただければと考えております。以上が感染状況でございますが、続きまして、今後の感染症対策につきまして発表させていただきますと、まず北九州版のクラウドファンディング、この詳細が決定をいたしましたので発表させていただきます。プロジェクト名でございますが、いろいろ考えまして、分かりやすく「コロナに負けない、北九州の底力」と、こういうネーミングでございます。応援寄附金のプロジェクトを新設する、「あなたの想いがコロナと戦う人たちを支えます」ということでございます。5月15日の金曜日から約3ヶ月間、この寄附を募集します。目標金額は5,000万円、集まった寄附金はこの感染症対策として、最前線で働く医療・福祉関係者への支援、また経済対策への支援のために活用させていただきます。市民をはじめ、北九州市を応援してくださる皆さま方の広いご寄附を、お願いを申し上げたいのであります。これが1つでございます。次に飲食店、サービス業を支援するために、本市は独自のクラウドファンディングを立ち上げまして、先払いによる市民手作りの、応援のシステムをつくったわけでございます。「夏に行く券」という名前を付けております。第1回目、やりましたところ大変好評でございました。約9,000万円、支援の数は約5,500人の方の資金を集めることができました。大変、第1回目が好評であったこと、それから、多くの事業者の皆さまから「ぜひまたやってほしい」という要望もありましたので、第2回目を実施することにいたしました。今回は、支援金額の上限は2億円、4万口といたします。来週、19日から参加事業者の募集を行いまして、6月上旬には支援募集を開始できるように準備を進めてまいります。あともう1点であります、アーティストへの支援でございます。この新型コロナウイルスというのは、経済に対しても大変な影響を与えているわけでございます。健康、あるいは経済活動、大変な、危機的な状況を出現させたわけでありますが、もう1つ文化芸術の面でも、この感染症というのは大変に大きな影響を与え続けております。そこで、アーティストを支援していこうというプログラムであります。多くの市内のアーティストは、活動のチャンスを失っております。この文化芸術活動の支援策をどのように行うか検討してまいりまして、市内在住、または市内で活躍されているプロのアーティスト、これは国勢調査によりますと1,410名、平成27年度にそういう数字が出ているわけでありますが、非常に多くのアーティストがいらっしゃる。そのアーティストや制作スタッフなどに動画を作成していただきまして、出演料相当額として1人当たり5万円を支援するものであります。作成いただいた動画につきましては、「東アジア文化都市 YouTube Channel」などで配信を行う予定であります。5月25日から募集を開始できるよう、現在その詳細なスキームを検討中でありまして、追ってお知らせをさせていただきます。この事業によりまして、アーティストの皆さま方に、発表、また活動の機会を創出しまして、市民がイベントなどに参加できなくても文化芸術活動に触れることができるような、そういう機会を、チャンスを提供することができます。また、イベント等がなかなか開催できないという状況が続いております。「東アジア文化都市 北九州」事業の広報の一環としても取り組んでまいりたいのであります。私からは以上でありますので、ご質問を承ります。
記者
まず先ほどのクラウドファンディングのほうからお伺いしたいのですけれども、用途が「医療資材の購入など、福祉関係者への支援」と、あと、この「深刻なダメージを受ける事業者への支援」ということが書かれてありますけれども、具体的にはどういったものに使う予定なのでしょうか。
市長
これは医療・福祉関係者のほうからの、「こういう医療用資機材が不足していて困っている」とか、いろんな要望というのはこれまでも寄せられているわけでございますが、その中で急がねばならないものを優先的に考えていくということであります。また一方におきまして、この感染症対策で深刻なダメージを受けていらっしゃる事業者の方は大変多いわけですが、国・県、また本市のほうから支援策を講じておりました。1日も早い給付のために汗をかいておりますけれども、今後、いろんな立場から、いろんなご意見が出てきておるわけでございます。そうした意味で、これは予算との、全体の額との兼ね合いもありますけれども、国・県・市が一定の支援スキームをつくって対応しておりますけれども、この事業者に対する経済支援というものも、全体の額の中で配慮できるものはないかということ、これはやっぱり具体的なご提案・要望を踏まえてよく精査をする、その中で、優先順位を付けていく中で定まってくると思います。
記者
先週の記者会見の中で、医療従事者向けのクラウドファンディングを予定しているというようなお話をされていたと思うのですが、今回のこの制度がそれだということでよろしいのでしょうか。
市長
はい。
記者
分かりました。対象がこれ医療従事者だけではなくて、非常に漠としているのですけれども、こういうふうに広がった理由というのは、どういうことがあるのでしょう。
市長
議論の過程におきまして、このウイルスとの戦いの最前線は医療機関にあります。ここが崩壊を起こしますと、この戦いはゲームセットで、人類の敗北で終わりであります、立ち上がれません。そうした意味では、「何としてでも医療崩壊を食い止める」ということが最優先の戦略目標であるというふうに思います。ただ、そのために私どもいろいろやってきているわけでありまして、今後ともさらに手厚くする余地はあると思っておりますので、今回こういう、多くの方が「寄附をしたい」と、「ぜひこういう頑張っている人たちに応援をしたい」という声も実際届いておりますので、その受け皿としてこういうプロジェクトをスタートするわけでありますが、その過程におきまして、やっぱり経済的なダメージで国や県や市、そこからは、いろんな支援策はあるのですけれども、「十分ではない」という声も一部からあるわけでありまして、ですから医療・福祉関係への支援に留めるとなりますと、やっぱり寄附をされる方の中にも「頑張っている人たちにぜひ使ってもらいたいんだ」と。それは医療だけではなくて経済的ダメージだとか、それを受けている方にも「いい策があればやってほしい」という声もありましたので、そういう「寄附を考えている、いい受け皿はないのか」といった声を市役所の中で、いろいろと議論する中で、少しイメージが広がってしまうということはありましたけれども、その寄附をされる方々の思いも受けまして、こういう形で整理をいたしました。
記者
分かりました。それでは各社さん、お願いします。
記者
まずこの「ガバメントクラウドファンディングページを通じての寄附」というところですけども、この5,000万円という寄附の設定についてお伺いしたいのですけど、「夏に行く券」は2億で、こっちのクラウドファンデイングは5,000万で、でも医療崩壊を食い止めるためにはお金が必要で、何としても医療崩壊を食い止めなければいけないといった中で、「5,000万円で事業者も医療も」って何か少ない気がするのですけど、そこはいかがでしょうか。
市長
目標を挙げるということはできるわけでありますけれども、クラウドファンディングですから、どれだけの寄付が集まってくるかというのは、その過程が広く知られるわけでありまして、「よし、俺も頑張ってみよう、参加してみよう」という方も増えてくるという、そういうシステムでありまして、まずはここまで到達をしたい。例えば「夏に行く券」という、これもクラウドファンディングの一種としてスタートをしたわけでありますが、目標をはるかに上回る多くの浄財が集まって今、大変高い人気であります。それと同じようにこれで、5,000万で終わりということではなくて、それをさらに、大きく寄附が集まるように期待をしております。ただこれは、どの自治体でも寄附金制度というのがあります。ふるさと納税でありますとか、または一般の寄附もあるわけでございますが、これは個人による寄附であります。会社の、法人のほうからの寄附というのは、この対象ではありませんで、個人が寄附をしていただく、こういう制度でございます。上限はありませんし、税控除というのは、そういう恩典はあるにしましても、どの程度集まるのかっていうのは、これはなかなか予測が難しいところで、「まずは第一段階、5,000万を目標に」と、そういう期待感を持ってスタートをしたいということです。
記者
これは、クラウドファンディングを使った人に対しては、ふるさと納税であれば、市内の特産品とかがありますけど、これに対しては何か見返りみたいなものってあるのですか。
市長
返礼品はございません。これは純粋にご寄附をいただいて、それを医療支援や経済的支援に充てるということでございます。
記者
それと、あと結構前の会見の時でも「クラウドファンディングはやっていきたい」という話の中で、10万円の給付金についての使い道の話もされたと思うのですけども、今回のこのクラウドファンディングも、そういう特別給付金についてはどういうふうに使い道で、利用されていただきたいかというのはありますか。
市長
一律10万円の構想が出た時に、この所得によって支給を考えるということはしないと、一律だという話が出ました。その時にまちの声と言いますか、これはメディアを通じて全国のいろんな方の声でありますけれども、「自分はもう申請しなくていい」と、「困っている人のところにぜひ使ってほしい」という声もちらほら聞こえました、北九州市内もそうであります。それに対して某自治体の長は、自治体の職員全員にそれを、寄附をしてもらおうではないかと、こういうことを言って、朝令暮改でやめるというようなこともありまして、この10万円との関係でいろいろと取り沙汰されたわけであります。その中で私が一貫して申し上げていることは、「ぜひ申請をして受け取ってほしい」ということが1つであります。2番目に「ご自身のため、そして、地域の商工業者の応援のため、あるいは寄附をされるとか、そういうことのためにぜひ活用してほしい、受け取って活用してほしい」ということを申し上げてまいりました、そして今日に至っております。従って、10万円を受け取った方の中には、「その一部でも応援をしたい」という方もいらっしゃるかもしれません。人の善意っていうか、ご好意を私ども、この受け皿をつくって頂戴をする、そして、頑張っているところに差し上げるということでございますので、最初からその目標値をどう設定するかというのは大変悩ましかったのですが、「まずは第一段階、ここを目指して頑張っていこうね」と。こういう制度を知らないという人もたくさんいるのだろうと思います。これをいかにして知らしめるかということが私どもの目標であります。
記者
ありがとうございます。
記者
今日、確定はまだしてないのですけれども、緊急事態宣言の、福岡県の解除という方向、可能性が高まっている中で、今までロードマップづくり等、励まれてきたと思いますけれども、もし解除された場合に、県からの休業要請等もなくなるような気がするのですけれども、現段階で例えば美術館だったりとか博物館、一部の公園再開はしていますけども、そういった市の施設諸々の解除等、どういうふうな形で進んでいくのか、日程的なイメージであったりとか、そういうのがあれば教えていただければと。
市長
ロードマップづくりを指示いたしまして、頭の体操、ブレーンストーミングを開始しておりました。ただ国や県の動きがどうなるのかと、よく見えないところもありまして、私どもはだからこそ、解除をする具体的な基準について語ってほしいと要望してきたわけでありますけれども、今週になって、一気にそういう話になってきたということです。基本的には段階的に、慎重に、石橋を叩いて渡るように解除をしていくものと想定しておりました、私自身。しかし今度の場合、伝えられるところによれば一気に開放するというような、こういう話も出ております。多くの医療専門家、関係者が6月以降、夏から秋にかけての第二波の到来を非常に懸念される声が根強くある中において、一気に進めていくことに対しては、私は正直言って、「これで本当にうまく感染症対策が進むか」ということを、心配をしております。もちろんこれまで自粛、営業自粛によりまして、大変な経済的ダメージが商工業者に広がっているわけでありますから、その立場から見ると朗報だと思います。そのこと自体は、私はいいことだと思いますけれども、一方において感染症対策が仮におろそかになってしまうと、国民の間に気の緩みが生じますと、夏から秋にかけて大変な事態もあるのではないか。従いまして、では、われわれはどうするかなのですが、まずはこれまでブレーンストーミング、頭の体操、「段階的に解除をされていくであろう」という前提で、どうすれば円滑にその実務の作業ができるかということで、ロードマップづくりを始めているわけでございますが、状況はかなり飛び越して、解除という方向に一気に向かう可能性も浮上しております。そこで、国や県の方針を前にしまして、まだ全容は分かりませんけれども、今日の午後、それぞれの部局と一緒にロードマップづくりをしてきた経緯、それをたたき台にして、伝えられる国・県の方針変更を踏まえて、本市としてどう対処するか、数時間ぐらいかけて、今日はディスカッションをしたいと思っております。それをもとに明日、午前中の感染症対策本部会議を開きまして、そこで市の方針を、決定をしたいと思っております。
記者
その解除にまつわる話なのですけれども、報道とかで、解除については「一部解除されない業種もある」と。クラスターが発生するようなところとか、そういうような話もあるけれども、全面解除じゃなくて、「一部解除させない」というところで最終調整という段階については、市長はどういうふうに思われていますか。
市長
まだ具体的な対処方針が示されていないので、ちょっと申し上げるのもなかなか難しいのでありますけれども、特措法という法律があって、国会で承認をされて、改正をされて、緊急事態宣言が発出されて、県が具体的に執行しているという状況があって、その中で今話題になっているような、クラスターが発生したようなものについては、強くその営業の自粛を要請するということできております。つまり法律、国会で成立した法律をもとに、その権限に基づいて要請をしてきた経緯があります。それが仮になくなった場合に、どのように発出するのかという問題があると思います。気持ちを訴えることはできたとしましても、やっぱりそれぞれの事業者というのは、今クラスターがすでに発生をしたような業界の方のみならず、もうみんな必死なのでありまして、お先真っ暗だと。もう本当に「店を閉めるか、どうするか」というギリギリの状況に追い込まれているところがたくさん出ておりますので、これまでは法律がありました。そして、県知事の権限が与えられておりましたが、それがどのように変わるかによっては発出というか、お願いをするのもだいぶ難しくなるのではないかと思います。
記者
その「どれをどうするか」って話の中で、「福岡市とか北九州市、県議会などと協議した上で」というような方法もありますけれども、そうした中で北九州市としては、どうするのかっていうのはありますか。
市長
国・県がどうなるかというのを見極めた上で、われわれの方針を決定していくわけでありますが、確かに今までのようなやり方でいくと、経済的に完全に行き詰まっていると。そして、リーマンショック以上の経済・産業の深刻な状況が出現をするであろうと思いますので、この方針は、状況が収まったところから修正をしていくというのは正しい判断だと思います。ただ一方において、一気に緩めてしまうと、国民の気の緩み、「これで大体もういいんだな」と思って行動してしまうと、新たな危機が発生をいたしますので、そこはやっぱり慎重に、お互いに市民がこの感染症に対して戦う姿勢、自らを守る姿勢というものをお互いに確認し、共有するということが大事だと思います。これまでのような経済の測り知れないダメージ、犠牲をもとに前へ進める方策というのはもう無理だと思います。北九州はしっかりとクリアをしましたので、今日ご説明したように、他の都市と比べてもクリアをしてきている。これはまさに市民、事業者のご尽力の賜物であって、そうした意味では成果を挙げたのでありますから、今までのような、特定警戒地域のような規制というのは止めるべきだと思います。でも止めるというのは全部止めるのではなくて、そこにはやっぱりいろんな工夫があるだろうと思います。しかし、法律がなくなり、知事のそれに、法律に基づく要請が仮になくなるとした場合に、今度は私たち自身がいろんなことを学習してきているわけでありますので、自分たちのまちを守るために、自分たちの家族、自分を守るために賢く行動していくということで結束をするしかないと思います。
記者
そういった「気は緩めていくとダメだ」という話は、何回か今、しっかりと言っておかないと、っていうことは、やはり市としての、そういう解除したあとも経済界、事業者に向けて何らかの支援っていうのを考えていかないといけないと、ロードマップの中でも考えられているのでしょうか。
市長
正直言って、どの自治体も国の臨時交付金を活用したり、予算の組み替えをしたり、いろんな努力をして財源を生み出しておりますが、中でも基金を取り崩すということを、福岡市もそうですし北九州市もそうです。でも自ずから、それは限度があるわけであります。そうした中で借金は、地方自治体はできない仕掛けになっております。これは国が許可したものだけ、例えば公共事業であるとか、許可されたプロジェクトごとに借金は認められているのでありまして、借金が自由にできるのは国しかありません。従って、国は今回も思い切った赤字公債を発行して、給付金の財源をつくりましたけれども、ここはリーマンショック以上の、世界大恐慌以来の経済的破綻という危機が目の前にあるという前提に立って、思い切って赤字公債を発行してほしい、そして、それをそれぞれの地域の実情に合わせて、有効に賢明に使うという道もあると思いますから、臨時交付金の形で私たちが、さらなる手が打てるようにしてほしいと思います。もちろん私ども、財源確保のために一層の努力をしますが、規模の大きさから見るとやっぱりそこは限度がありますので、そうした意味で国には、そこは第2弾の経済対策の財源づくりはぜひお願いをしたいと思っております。
記者
ありがとうございます。
記者
明日の対策会議の中で、改めて市立の施設だったりとかの開設時期だったり等も出されると思うのですけれども、学校の再開等を含めて、たぶん一番そこが市民の方、子どもの一番の懸念になっているところだと思うので、そこら辺は明日の対策会議の中で具体的な日程だったりとか、解除された場合ですけれども、そういった話ってされていかれるとか、話の流れなのでしょうか。
市長
経済・社会活動の段階的再開を議論する時に、象徴的な、社会的関心の非常に大きなテーマが「学校の再開」であります。私どもはこれまで特別支援学校、それと高校につきましては慎重な検討ということにいたしまして、義務教育の小・中学校におきまして、分散登校のスケジュール化というものを努めてきているわけであります。ただ今後、国・県の方針がどうなるのかでありますけれども、基本的には社会的距離の大切さ、あるいはマスク着用など、咳エチケットというものも大事であります。ということは、いきなりみんなが登校して来るというのでは、それはできませんので、分散登校という形でしばらくは行くことになると思いますが、その辺も現場の学校長の意見などを今、教育長を中心にヒヤリング、そして、意見の集約に今入っておりまして、今日の午後、今日の事態を受けて、教育委員会としてスケジュールを立てておりましたけれども、それをどうするか意見が述べられると思います、それをもとに議論をしたいと思います。ただ、学校につきましては、保護者の中には2つの意見があることはご案内のとおりであります。このまま子どもが家庭の中にいるということ、それが学力・体力、そして、心のケアという意味において、「子どもにとって、このまま続くことが本当にいいのだろうか」という、感染症は心配だけれども、やっぱり、それを注意しながら再開に向けて期待をされている方も多いと思います。しかし、一方におきましては「やっぱり心配である」と、「子どもだけは感染症から守ってほしい」ということで、安易な再開には強く反対する意見もあるわけです。それだけに学校現場も大変苦しんでおります。今日はそうした現状も踏まえて教育委員会ともよくディスカッションしたいと思います。
記者
この話し合いの中で、結論まで持っていくような可能性とか。今日のこの話し合いの中で、市教委との話し合いの中で、再開の時期等まで決定するような流れになりそうなところありますか。専門家の方からお話は聞いていると思うのですけれども、それは改めて今日聞いたりとかはありますかね、再開を含めた話の内容を。
市長
専門家につきましては、医療の専門家は、複数の医療専門家、北九州における大家ですよね、その方々からお話は聞いております。いろんな機会に医師、看護師、保健師等の意見も聞いておりますけれども、やっぱりこの学校というテーマは特にそうですが、たくさんの方が関わっておりますので、いろんな意見があると思います。当初は、6月からは再開を通常にできないか、それまでは網がかかっていると。福岡県内の学校は臨時休業だと、これが続いているという前提の中で、分散登校という形で何ができるかということをロードマップづくりで議論していますが、今後その網が外れるということになりますと、そこら辺、スケジュールを前倒しするのかどうかということも含めて検討せねばなりません。いろんな意見がありますだけに、この場におきまして私から知見を述べることは、ちょっと控えさせていただきます。
記者
すみません、今日の午後協議されるということでしたけれども、緊急事態宣言、状況によっては市の休館中の施設、一斉に解除っていうことも選択肢としてはあり得るというか、検討の1つの材料としてあり得るのでしょうか。
市長
当初は報道によりましても、また非公式な県とのハイレベルの協議をずっと続けております。副知事、副市長さん、これはもう四六時中やっておりますけれども、そういうことを通じまして、美術館、博物館、図書館については、この状況のもとでも再開の道筋をつける方向というふうに見ておりました。ところが、昨日辺りから「もうちょっと広げる」という話になってきたので、まさか緊急事態宣言そのものまで外れる、私どもは、特定警戒区域というのは、少なくとも北九州市内はもういいのではないかと。だから、県全体でやっているから難しいかもしれないけれども、それぞれの地域の自主的な対応をお願いしたいということで、県との間では、教育委員会については地域の自主的な対応を黙認する、認める内容の文言が県と市の間でできていたわけでありますけれども、今回そういう状況が、大元の土台が変わるとなると一気に広がりますね。それで、だからと言って「自由に出入りできる」というのは大変感染症の面で気になりますので、今議論しているのはマスク着用をぜひお願いをしたいと、公共施設を利用される際には、ぜひ市民の皆さまは、マスクの着用をぜひともお願いをしたいと、こういうその1つの行動目標を共有したいと思っております。今、例えばある公共施設でこれがオープンになった時に、かなりの人はマスクをされて来ると思うけれども、して来ない人に対してどうするかと。その時には手づくりマスクの使い方をその場でお教えするというようなことをやれるかやれないか検討しています。そして、2メートル、そして、入場制限という、こういうのとセットにして出す方向を検討しています。
記者
3密対策も必要なので、そのロードマップ自体としてはそのまま残るというか、段階的な解除に市の施設もなってくるということでしょうか。
市長
後戻りしないためにも、石橋を叩いて進んだほうがいいと自分は思っておりましたけれども、何かもう一気にいくような雰囲気も今ありますので、最終的に国が専門家会議の方針を受けて決定がどうなるのかを見たいと思うし、またそれを受けて、県知事がどう最終的に判断されるのかを見た上で、われわれは考えるわけであります。それまでの間、想定をして議論はかなり集約していきますけれども、やっぱりそのあとの国・県の最終方針を確認して、明日の朝の会議に臨みます。若干の変化があるかもしれません。ただ、ロードマップづくりは6月に再開されるであろう、期待感を持って再開されるであろう、もう経済的ダメージの広がりは看過できないところにきたので、6月からは感染症対策をしっかりやるという大前提で、経済・社会活動再開に入るんだということを、目標を立ててやっておりましたので、それまでの間、私どもは部分的に「できることをどうするか」ということを考えておりました。従いまして、今までのロードマップの策定の土壌と言うのでしょうか、大前提というのはだいぶ変化をする形になりますので、やってきたことは生きると思います。
記者
個別の開館とかについては今日の午後ということなのかもしれませんけれども、この大きな方針として、市の施設は何日以降に順次開館していく方針だとか、現時点で何かございますでしょうか。
市長
経済界・産業界からは、かつてない経済の落ち込みの中で感染症対策をしっかりやる前提でもって、やっぱり再開してほしいという声は大変高まっております。従いまして、再開の方向性は、その皆さまには歓迎だと思っております。私どももその経済界の声、商工業者の意見というのは十分念頭に置いて対応してきたつもりでありますが、一方において第二波の、それなりに北九州が何度頑張ってもまた他の、東京や大阪のほうから始まるかもしれない、いつ始まるか分からないわけでありますから、それに対する備えということをどうするかと、例えば高齢者施設でクラスターが発生していない北九州でありますけれども、高齢者施設においてそれが、クラスターが発生しないような体制をさらに強めるためにどういう支援ができるかとか、医療機関においては、N95マスクをはじめとしていろんなことをやっているわけでありますが、本当にどういうところをさらにテコ入れをすれば、安全なこの最前線の医療体制になるか、そういうところも一生懸命やらなきゃいけないと思っています。
記者
市長、このロードマップについてなのですけれども、ロードマップはそもそも一応、個別の休館中の施設全ての分のロードマップがあって、それが計何本になるみたいなイメージなのですか。ロードマップというのは個別の、今休館中の施設の、1つ1つあるのでしょうか。
市長
そうです。例えば文化関係でもたくさん種類があります。スポーツ関係もそうですが、かなり類型化できますので、例えば「こういうパターンのもの何十種類についてはこういうふうな形」とか、そういうふうに。
記者
ある程度まとまって。
市長
そうですね、議論する時に。ただ市民にお伝えする時には、自分が行きたい施設が一体どうなっているのかというのが分かるように、これは具体的にアナウンスする必要があると思います。
記者
ありがとうございます。
記者
市の施設の再開について、さらに追加なのですけれども、例えば市の施設の中でも博物館、美術館、図書館等々ありますけれども、一方で学校は一斉に休校していて、子どもたちの外出は自粛しているっていう中で、図書館だけが先に開いてしまうと、一方で自粛を促しながらも、外出自粛をしてもらっている中でも図書館が開けば、子どもたちとか行ってしまうと思うのですけれども、施設の再開に向けて、子どもたちが関係する施設と老若男女が関係する施設では、再開の時期っていうのは分かれたりするのでしょうか。その休校と併せて、子どもたちが関係するような施設は開くけれども、それ以外の、例えばもうすでに響灘緑地のグリーンパークとかは開いていますけれども、そういうところの何か段階的な開きとか、子どもたちとの、休校の再開に併せて「開く、開かない」とか、そういう判断はあるのでしょうか。
市長
そうしたことを今日の午後、子どもたちの対応をしている部局もあり、それから一般市民を対象にしている部局があり、みんなで照らし合わせながらディスカッションをするという中で、そうした課題については取りまとめていくことになります。ただ図書館などを見ても、国や県のほうから、国のほうは早めに、「図書館については、いいんではないですか」ということを言っていて、福岡県のほうは、それは、考えはあるんだけれどもまだ慎重な扱い、ただ、ある時期、5月の中旬ぐらいから、そこについては解けるのではないかと言われていたわけです。それが今後、国・県が一気に開く可能性があるのですけれども、現場の意見としましては、いきなり全部ではなくて、例えば貸出業務だとか、その限定的なところからスタートをするというのが、今までのロードマップづくりで考えていたわけです。6月再開というのが1つの前提にありましたので、5月の行動様式というのは、全部オープンではなくて、そういう図書館がある程度オープンになったとしても、本市におきましては慎重にその出口を目指そうということであります。そういうふうに、今までそういう議論をしておりましたので、国・県の大元が変わるとなると、それを見てどうするかという議論を今日いたします。
記者
保育所の再開、段階的な受け入れなどについて、今決まっていることはありますでしょうか。
市長
保育の現場というのは、3密の典型的な環境に置かれております。もう密接というか、もう密着、もう保育士さんが小さなお子さん抱き抱えるようにしてやっているわけです。今まで若干、寒かったので、換気をすると言ってもそう頻繁にはできないし。そういう中にあって、やはり感染症予防の観点から、市長から2回メッセージを保護者に出させてもらって、今2割ぐらいになっています。まずは小さなお子様の慣らし保育というのがやはり大事だということで、しばらく保育所にいませんでした。その慣らし保育のためには、相当の時間がかかるということであります。そのスケジュールを念頭に今後考えていく作業に入っています。いきなり元へっていうのは、これはやっぱり現場は大変だと思います。まずは慣らし保育から近々考える。一応来週からスタートをするとか、そういう一応、昨日の時点で国・県の動きがよく分からなかった、入ってくる情報が二転三転したようにわれわれは受け止めている。そういう中で、どういうような発出ができるかと。どんどん来週の日程が迫ってきているという中で、1つの前提を置いて、慣らし保育からスタートということを子ども家庭局は考えています。
記者
一般的に「慣らし保育」というと、新しく例えば4月から入園される方向けとかですけども、そういったところを念頭に、段階的に再開を継続していくという考えと捉えていいのでしょうか。
市長
はい、時間をかけて。
記者
それから、先ほどありました2割ぐらいというのは、実際に定員というか、登録されているお子さんの中で、現在登園されている方が2割ぐらいという、そういう数字とお受けしていいですか。
市長
そうです。当初、国の方針で社会の維持に必要な仕事、あるいは医療関係者と具体的にありましたね、それでいくと5割弱、40何%ぐらいになるのではないかという、そういう予測もあったのであります。でも、3密の状況回避、保育の現場における感染症対策の観点から二度にわたり市長メッセージを書きまして、ぜひともお願いしたい。経営者の方に言って、「市からこう言われているので、休ませてください」という趣旨のことまで書いて、保護者がそれを持って経営者に見せて、そして、「休みをください」と言いやすいように、そこまでやったのですね。その結果、今2割ぐらいになっています。
記者
分かりました、ありがとうございます。
市長
ただ一気に戻すっていうことは、これはやっぱりできません。まずは慣らし保育から着実にということです。
記者
ありがとうございます。
記者
すみません、時事通信ですけれども、ご自身の夏のボーナス、全額減額されるようなのですけれども、このことについてちょっとコメントいただいてもいいいでしょうか。
市長
特にコメントすることは何も、特にないのですが、この対策が始まって、国会議員の自主的な削減の話があって、それから内閣の閣僚が今までいろんな経緯があってたくさんカットされているのですよね、それを踏まえてまた対応をされると。直近では福岡県知事のほうが給与カットをされたということもありまして、そういうこともあって、私どもも「どうすべきか」というのは国会の動きを見た時から感じていまして、福岡県の知事の判断によって、やはりわれわれとしてもどう考えるかということであります。給与カットというのは、条例を提出して議会の承認を必要としますが、賞与につきましては自分たちの判断で「0ヶ月」というふうにすれば、賞与は全額カットできますので、その道を、議会のお手を煩わすことなく自分たちの判断でできるということです。自分としては、これは財源として確保するためなのですが、全体の額からすると小さな額です。ただ、そういう中で一生懸命頑張っている副市長をはじめ職員の皆さんには手を触れないで、自分だけ実はカットしたかったのでありますけど、特別職みんな、「当然、一緒にやらせてください」ということであります。ただその中で、この給与カットの話を特別職の皆さんとした時に、「職員の皆さんは一生懸命頑張っているので、その点を、ご配慮を」という話があって、私からは、「職員は人事院勧告によって、民間の給与に準拠ということである」と、「今年は厳しい数字になるかもしれないけれども、そこで調整をされるものである」と。「一生懸命頑張っている職員の、そうした賞与や給与について手を触れる考えは全くない」ということを申し上げまして、それでみんなの意思を統一して決定をしたところです。わずかな額かもしれませんけれども、国民的に窮乏が進む中にありまして、われわれとしても市民の皆さんと一緒になって進んでいかねばなりません。わずかなことではありますけれども、そういうことであります。
記者
質問がないようですので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
市長
ありがとうございました。
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