3月の果実(いちご、はっさく)
いちご
いちごは12月から4月にかけて、冬から春の食卓を彩る主役とも言える果実です。春めく3月頃からは実がやや小ぶりになりますが、その分、手頃な価格で手に取りやすくなります。そのまま味わうのはもちろん、この時期のいちごを使って、春の香りをギュッと閉じ込めた自家製ジャムを作ってみるのも素敵な楽しみ方です。
いちご栽培は、毎年新しい苗を育てることから始まります。親株から伸びる「ランナー(ほふく茎)」が地面に接した場所に根が降り、新しい「子株」が生まれます。さらにその子株から次のランナーが伸びて「二次子株」「三次子株」とつながっていきますが、翌年用の苗には、親株からの病気の影響を受けにくく性質の安定した二次・三次子株を選別して育成します。
また、生産者は育苗期間中に、「夜冷短日処理(やれいたんじつしょり)」などの花芽分化促進処理を行います。これは人工的に秋の環境を疑似体験させる技術です。この工程を経て苗を畑に植えることで、いちごはスムーズに大きな花芽を形成をはやめ、開花・結実へと向かうことができます。
はっさく
はっさくは広島県が原産で、江戸時代末期に因島(いんのしま)の寺の境内で発見されたブンタン系の実生(みしょう)種といわれています。その名は、旧暦の8月1日を指す「八朔(はっさく)」の頃から食べられたことに由来すると伝えられています。偶然の重なりから生まれた、日本固有の歴史ある柑橘です。
味わいは甘みと酸味のバランスが良く、一粒一粒が独立したようなパリッとした歯ごたえが最大の特徴です。果汁は控えめですが、その分、果肉のしっかりとした食感を存分に楽しむことができます。
収穫は12月下旬から1月頃に行われますが、採れたては酸味が強いため、そのまま出荷せず一定期間貯蔵します。この「追熟(ついじゅく)」の工程によって酸味が抜けて味がまろやかになり、春先にかけて出荷の最盛期を迎えます。独特のほろ苦さと清涼感あふれる風味をご賞味ください。
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