12月の果実(温州みかん、いちご)
温州みかん
数ある柑橘(かんきつ)類の中でも、皮が薄く手軽に剥(む)ける「温州みかん」は、日本の果物生産においてトップクラスのシェアを誇る、まさに国民的な果実です。10月頃から出荷が始まる「早生(わせ)品種」に始まり、12月からは甘みの増した「普通品種」が旬を迎えます。さらに、ハウスでの促成栽培(そくせいさいばい)により5月頃から出荷されるものも含めると、ほぼ一年を通じてその美味しさを楽しむことができます。
温州みかんは本来、受粉しなくても実が成る性質を持っており、種ができないのが一般的です。しかし、近くにあるハッサクやナツミカンなどの「雑柑(ざっかん)類」と開花時期が重なり、受粉(交雑)が行われると、種ができてしまうことがあります。ご家庭で栽培される際は、種のない美味しいみかんを収穫するために、近くに他の柑橘類を植えないよう配慮するのがポイントです。
一口食べれば、口いっぱいに広がる瑞々(みずみず)しい果汁と、甘みと酸味の絶妙なバランス。ビタミンCも豊富で、手軽に栄養補給ができる冬の頼もしい味方です。旬ごとの異なる味わいを、ぜひ心ゆくまでお楽しみください。
いちご
いちごの需要は、ケーキなどで彩りを添えるクリスマスシーズンに年間最大のピークを迎えます。そのため生産現場では、この時期に合わせた収穫を目指し、温度管理や光の調整を行うなど、高度な技術を駆使して丹精込めて栽培が行われています。
日本には古来よりヘビイチゴなどの野生種が自生していますが、現在私たちが口にしているいちごとは系統が異なり、日本の野生種で食用となるのはキイチゴの仲間に限られていました。現在栽培されているいちごのルーツは18世紀のオランダにあり、北アメリカ原産の「バージニアイチゴ」と南アメリカ原産の「チリイチゴ」を交配して誕生したものです。これがその後、ヨーロッパからアメリカへと世界中に広まっていきました。
日本へは江戸時代末期にオランダ船によって伝えられましたが、本格的な栽培や品種の導入が進んだのは明治時代に入ってからのことです。
宝石のように艶(つや)やかな赤色と、口いっぱいに広がる甘酸っぱい香りは、まさに冬から春にかけての食卓の主役。瑞々(みずみず)しい果肉からあふれ出す芳醇(ほうじゅん)な味わいを、ぜひ心ゆくまでお楽しみください。
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