地方分権改革の進展
平成5年の衆参両院における「地方分権の推進に関する決議」が行われて以来、国から地方自治体へ、あるいは都道府県から市町村へと権限移譲が進み、自治体に対する規制緩和(義務付け・格付けの見直し)も進むなど、地方分権改革が進展しました。
その結果、地方自治体に対する国の関与が限定・縮小され、自治体の自己決定権が拡大する中で、自治体はどのように自己決定をして自らを運営していくのか、その基本的な方針を定める必要が生じました。
社会経済情勢の変化
少子高齢化の進展、人々の価値観やライフスタイルの多様化などにより、子育て支援、高齢者福祉、防犯、防災など様々な分野において、行政サービスに対する市民ニーズが増加するとともに複雑・多様化し、地方自治体を取り巻く社会経済情勢は大きく変化してきました。
しかし、長引く景気低迷による税収の伸び悩みや地方交付税の削減などにより、地方自治体の財政状況は厳しさを増しており、政策の選択と集中を余儀なくされ、すべてのニーズを十分に満足させることは困難になっています。
このような状況の下、政策決定に対して市民の理解と合意を得ることがますます重要になってきており、政策の形成過程への市民の関わり方についての基本的な方針や仕組みを明らかにしておく必要が生じました。
市民活動の活発化
行政サービスだけでは十分に対応できない課題を解決する活動に取り組むNPOやボランティア団体などによる市民活動が活発化し、地方自治体による直接的・画一的な行政よりも、柔軟で機動的な「新しい公共」の担い手として注目を集めるようになりました。
そのため、これまでの市政運営のあり方や地域におけるまちづくり活動のあり方を改めて見直し、時代の変化に対応した「新しい公共」のあり方を構築していくことが求められるようになりました。