福岡、北九州両市は、平成11年11月に旧「福北連携の理念」を策定し、これまで様々な連携をおこなってきました。 しかし、旧・福北連携の理念の合意から10年が経過し、その間、時代背景は急激に変化してきました。そこで、時代に沿った新しい理念を策定、平成21年7月3日の第11回福北両市長会談の中で、吉田福岡市長と北橋北九州市長が合意し、更なる福北連携の推進を確認しました。
福岡、北九州両市は、これまでアジアを意識した国際交流及び市民生活の質の向上を目指し、さまざまな連携を推進し、関係性を深めてきた。
その間、経済のグローバル化とその著しい変化、アジア各都市の急激な成長、また、地球温暖化などの環境問題の深刻化など、両市を取り巻くさまざまな環境は、我々の想像をはるかに超える規模や速さで変化している。
一方、両市の位置する地域は、九州、本州、四国、さらには成長著しいアジアとの結節点にあり大きな可能性を有している。両市が、このポテンシャルを生かすことにより、特色ある魅力的な圏域を形成し、九州・西日本の発展に寄与していくことが重要である。 このような状況を踏まえ、福岡、北九州両市は「アジアを中心とした国際交流の推進」「環境問題への対応」「地域主権型社会に向けての取組み」「市民生活の質の向上」を4つの柱として、これからの時代に求められる都市連携を目指し、「福北連携」を推進する。
1 アジアを中心とした国際交流の推進
両市がアジアに近いという地理的優位性や、これまでのアジアとの交流実績を踏まえ、観光やさまざまな産業などの分野において緊密な連携を進めることにより、国際競争力を高めるとともに、更なる国際交流の推進を図る。
2 環境問題への対応
新エネルギーの導入や省エネルギーの徹底など「低炭素社会」の実現に向けた先進的な取り組みについて研究・実践していくとともに、両市の共通の課題であるアジア諸国からの汚染物質の越境問題などについて共同で取り組み、環境問題の緩和・解消に向け連携する。
3 地域主権型社会に向けての取組み
地域主権型社会に至る過程において国と地方の役割の見直し、行政と市民の役割分担などのさまざまな課題を共に考え、共有化していく必要がある。また、近年、道州制の議論も進んでいく中、両市が連携して大都市制度のあり方を研究していくとともに、地域主権型社会における両政令指定都市のあり方について検討していく。
4 市民生活の質の向上
これまで両市が福祉、医療、健康づくり、教育、子育て、また文化交流や防災など幅広い分野でそれぞれ培った技術や経験を互いに生かすことで、それぞれの市民生活の質の向上を図り、住みやすいまちづくりを行う。
福岡、北九州両市は、これらの取組みなどを通じて、両市がこれまでに培ってきたネットワークを強化することにより、北部九州ひいては九州・西日本の発展に寄与していくことを目的とし、ここに、新たな「福北連携の理念」を締結する。
平成21年7月3日
福岡市長 吉田 宏北九州市長 北橋 健治