架空請求の手口は巧妙になってきています。脅迫まがいの通知をして消費者の不安感をあおる点は変わりませんが、いかに架空の請求はがきを消費者に信用させるか、いろいろな工夫の跡が見られます。例えば、フリーダイヤルを使ったり、公的機関を装ったりすることで信用さようとしています。
はがきを送る目的は、電話を掛けさせ言葉巧みに金を払わせることです。同じ内容のはがきがあなた以外にも何百通もばら撒かれてますので、心配することはありません。
実際のはがきを例にだましの手口を見てみましょう。
司法処分出廷要請通達書 この度ご通知致しましたのは、貴殿のご利用された「総合消費料金未納分」について民事訴訟を受けました。この通知書は初期通達ですので、ご連絡なき場合には、最終通達として裁判訴状が送られるかたちになります。 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-16-3 |
1. 分類コード 第39民事あ係
コードが××係というのは意味がよくわかりませんが、いくつかのはがきを見てみると同じ分類コードが記載されており、これ自体何の意味もないものと判断できます。
2. 総合消費料金未納分
何の請求をしているのかわかりません。請求内容確認の電話をかけさせようとしています。
3. 民事訴訟を受けました
訴訟を受け付けるのは裁判所であり、他の機関にこのような権限はありません。
4. 総合消費者民法特例法
難しい言葉を使うことで本物のようにみせかけています。実際、このような法律はありません。
5. 民法156条第1項
時効中断に関する条項で、直接差し押さえとは関係ありません。
(注)参考<民法156条>
(承認)
時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。
6. (注)身に覚えが無い方でも・・・万が一身に覚えが無い場合早急にご連絡下さい。
身に覚えが無くても連絡するよう書かれていますが、身に覚えが無い場合は無視することが一番良い方法です。総合消費料金などと言うものに身に覚えのある人はいないでしょう。このように書くことで電話をしなければ大変なことになると思わせようとしています。
(注)参考<少額訴訟を提訴された場合>
少額訴訟を提起された場合、簡易裁判所から「特別送達」と朱印された封書が送付されます。封書が届きましたらセンターまでご相談ください。
なお、市立消費生活センターに架空請求はがきに関連して少額訴訟を起こされた相談は1件も届いておりません。
7. 東京簡易裁判所裁判部第39民事執行センター
裁判所の名前を出すことで、はがきを受け取った人の冷静な判断力を奪うことを狙っています。
8. 消費者相談室
消費生活センターをイメージさせるような名称を使っていますが、消費生活センターとは全く関係ありません。