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【市指定】銅製鰐口 1口(大清水神社)

更新日 : 2022年6月24日
ページ番号:000153608
【市指定】銅製鰐口
指定区分 市指定有形文化財(工芸品)
文化財名称 銅製鰐口 1口
名称かな どうせいわにぐち
指定年月日 平成29年3月31日
所在地 北九州市小倉南区大字市丸 1041 番 大清水神社
概要

本鰐口は小倉南区南部の大字市丸に所在する大清水神社に伝わったものである。

鰐口は金鼓、 金口とも言われ仏教鳴器の一種であり、神社仏閣の堂前にかけて太紐で打ち鳴らすもの で、扁平、中空で下方半分に細い開口部がある。上部に上から吊るすための 2 つの取手 を持つ。この鰐口は氏子の記憶によれば、室内に据えられ、木槌で打って使用されてい た。 

直径 43.0センチメートル、厚さ 14.8 センチメートル、重さ 12.0キログラムの青銅製で、3 条の円線で 3 帯に分かれ、中 央に 8 葉の蓮弁撞座がある。破損はなく完形を保つ。表面は撞座の外周の左右に銘が刻 まれている。これによれば、天明 8 年に「國家安全 邑中繁栄」を願い、企救郡 小森手永市丸村の茂右衛門、清兵衛を代表として、村一同から大清水大明神に寄進され たものである。裏面に刻まれた冶工の吉村弥兵衛藤原吉次は小倉城下町の工人と推察さ れるが、史料等の確認は出来ない。

また、本鰐口は大清水神社の北側の山本地区の西大野八幡神社に所在する鰐口(市指定 有形文化財 昭和 46 年指定)と形式上多くの類似点をもつ。刻印された銘によれば、こ の鰐口は明和 2 年(1765)に 7 カ村の氏子が西大野八幡神社に奉納したものであり、冶工 は城下町の工人と推測される吉村伝右衛門安次である。 大清水神社のものは、この鰐口の 23 年後に製作されており、表面は 3 帯に区分され、 中央に 8 葉の蓮弁撞座を設ける等同様の意匠を持ち、冶工も小倉城下町の工人と推測さ れる吉村を名乗っている。類似する工房での製作を想定させるものである。

本鰐口は作柄優秀で、天明 8 年(1788)という製作年代が明確である。小倉城下町で鋳 造されたと推測されるものとしては、市指定有形文化財の慈済寺の鰐口(昭和 46 年指 定)、西大野八幡神社の鰐口(昭和 46 年指定)とともに数少ない工芸品であり、貴重である。

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