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北九州市環境基本条例

更新日 : 2022年6月22日
ページ番号:000002965

概要

 本市では、平成8年3月に本市の環境保全行政の具体的な行動計画となる「アジェンダ21北九州」を策定し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な都市づくりを推進してきました。しかしながら、近年、地球温暖化をはじめとする地球的規模の環境問題など多様化する環境問題に体系的かつ永続的に取り組んでいくため、今後の本市の環境行政の進むべき方向や市民・事業者・行政の役割などの基本理念を定めた「北九州市環境基本条例」を制定し、平成13年1月1日に施行しました。
 条例には、公害克服の経験を生かした環境国際協力や環境産業の振興などの本市の特徴的な取組みのほか、化学物質対策や自動車公害対策などの市民に身近な環境保全対策、環境教育・学習の推進など市民・事業者の自発的な環境保全活動を促進するための規定などを設けています。

条例本文

(平成12年12月13日条例第71号)

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、市民一人ひとりが、かつての激甚な公害を克服した経験を活かしつつ、自然、他の地域及び将来の世代と関わりながら生活しているという認識の下、多様化し、地球全体に広がる環境問題に取り組み、持続的発展が可能な都市づくりを進めるための基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下同じ。)に関する施策の基本的事項を定めることにより、市の自然的社会的条件に応じた施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むことのできる良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)
第3条 環境の保全は、次に掲げる基本理念に基づき行わなければならない。
(1) 環境への負荷が少ない持続的発展が可能な都市を築き、将来の市民に良 好な環境を継承していくこと。
(2) すべての市民が安全で快適な生活環境を確保すること。
(3) 豊かな自然環境と生物の多様性を保ちつつ、市民と自然とのふれあいを推進すること。
(4) 市、事業者及び市民が地球環境保全を自らの問題として認識し、それぞれが事業活動及び日常生活における環境の保全のための取組を積極的に行うこと。
(5) アジアの地域をはじめとする海外の地域と環境の保全に関する国際協力を積極的に行うことにより、持続的発展が可能な都市の構築に寄与するとともに、地球環境保全その他の環境の保全の推進を図ること。
(6) 前各号に掲げる理念を実現するため、市、事業者及び市民がそれぞれの役割を自覚し、公平な役割分担の下に、相互に協力かつ連携して取り組むこと。

(市の役割)
第4条 市は、市の区域の自然的社会的条件に応じ、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施しなければならない。
2 市は、施策を策定し、実施するに当たっては、自ら率先して環境への負荷を低減するように努めなければならない。

(事業者の役割)
第5条 事業者は、その事業活動に伴う環境への負荷をできる限り低減するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
3 事業者は、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の役割)
第6条 市民は、その日常生活に伴う環境への負荷を低減するように努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(年次報告)
第7条 市長は、毎年、環境の状況及び環境の保全に関する施策を明らかにした報告書を作成し、これを市議会に提出するとともに、市民に公表しなければならない。

第2章 環境の保全の総合的推進のための施策

第1節 環境基本計画

(環境基本計画)
第8条 市長は、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
  (1)環境の保全に関する目標
  (2)環境の保全に関する総合的な施策の方針
  (3)前2号に定めるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計
  画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、北九州市環境 審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなけれ ばならない。
5 市長は、定期的に環境基本計画に基づく施策の進ちょく状況を点検すると ともに、必要があると認めるときは環境基本計画を変更するものとする。
6 第3項及び第4項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
7 市長は、環境基本計画に基づく施策を推進するに当たって必要があるときは、 別に部門ごとの計画を定めることができる。

(具体的な施策との整合性)
第9条 市は、具体的な施策を策定し、実施するに当たっては、環境基本計画との整合性を図らなければならない。

第2節 基本施策

(施策の策定及び実施における環境影響評価の推進)
第10条 市は、環境に影響を及ぼすおそれのある施策の策定及び実施に際し、環境の保全について配慮しなければならない。
2 市は、前項の規定により環境の保全について配慮するときは、環境への影響について最新の科学的知見に基づき適正に調査、予測又は評価を行うように努めなければならない。

(調査研究の振興)
第11条 市は、環境の保全に資する調査研究の振興を図るため、調査研究体制の整備、研究開発の推進、その成果の普及その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、前項の目的を達成するため、国、他の地方公共団体、海外の地域並びに研究機関、事業者及び市民と積極的に連携を図るものとする。

(環境保全協定の締結)
第12条 市長は、事業活動に伴う環境への負荷を低減するためその他この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、事業者と環境への負荷の低減その他の環境の保全に関する協定を締結することができる。

第3章 環境の保全の個別分野における施策

第1節 環境への負荷の低減のための施策

(廃棄物等の排出抑制等の促進)
第13条 市は、市民及び事業者による廃棄物等の排出の抑制、減量化、再生利用及び再資源化並びに適正処理が促進されるように必要な措置を講じなければならない。
2 市は、施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たり、廃棄物等の排出の抑制、減量化、再生利用及び再資源化並びに適正処理に努めなければならない。

(資源及びエネルギーの効率的な利用の促進)
第14条 市は、市民及び事業者による資源及びエネルギーの効率的な利用並びに太陽熱、太陽光、風力その他の環境への負荷の少ないエネルギー(以下「自然エネルギー」という。)の利用が促進されるように必要な措置を講じなければならない。
2 市は、施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たり、資源及びエネルギーの効率的な利用並びに自然エネルギーの利用に努めなければならない。
3 市は、資源及びエネルギーの効率的な利用に資するため、耐久性、断熱性等に優れ、かつ、環境に配慮した建築物を普及させるように努めなければならない。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第15条 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように必要な措置を講じなければならない。

(環境産業の振興)
第16条 市は、環境への負荷の低減に資する技術の研究、製品の開発、役務の提供等を行う産業の振興を図るために必要な措置を講じなければならない。

(自動車公害対策の推進)
第17条 市は、自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の運行に起因する大気の汚染、騒音及び振動(以下「自動車公害」という。)の防止を図るため、関係機関との連携及び協力を図る体制を整備し、自動車公害の防止に関する施策を総合的に実施するとともに、事業者及び市民による自動車公害の防止に関する自主的な行動を促進するために必要な措置を講じなければならない。
2 事業者及び市民は、効率的な自動車の使用、環境への負荷の少ない自動車の購入等により、事業活動及び日常生活において自動車公害の防止に努めるとともに、市及び関係機関の行う自動車公害の防止に関する施策に協力する責務を有する。

(化学物質対策)
第18条 市は、化学物質による環境への影響の未然の防止を図るとともに、化学物質による環境への負荷を低減させるため、次の措置を講じなければならない。
(1)化学物質による環境への影響に関する情報収集及び調査研究
(2)化学物質による環境への影響に関する市民の理解を促進させるための措置
(3)事業者が行う化学物質の適正な管理及びその排出の抑制を促進するための措置
(4)前3号に掲げるもののほか、事業活動により蓄積された有害な化学物質の適正な管理又はその除去を促進するための措置

(自然環境の保全及び自然とのふれあいの推進)
第19条 市は、多様な自然環境の適正な保全及び創造に努めるとともに、動植物の生育環境等に配慮し、生物の多様性の確保に努めなければならない。
2 市は、市民が自然とふれあうことのできる場の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するために必要な措置を講じなければならない。

第2節 地球環境保全のための施策

(地球環境保全のための施策の推進)
第20条 市は、地球温暖化対策その他の地球環境保全に貢献するための施策を積極的に推進しなければならない。

(環境国際協力の推進)
第21条 市は、地球環境保全その他の環境の保全に関する国際協力を積極的に推進するため、環境の保全に関する情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
2 市は、地球環境保全その他の環境の保全に関する国際協力の実施に当たり、市民及び事業者がこれまで蓄積した公害の克服その他の環境の保全に関する知識、経験、技術等を積極的に活用できるように必要な措置を講じなければならない。

第4章 市民及び事業者の環境保全活動の促進

(市民参加)
第22条 市は、環境の保全に関する施策を実施するに当たっては、市民及び事業者の参加の機会を確保するように努めなければならない。
2 市は、市民及び事業者の参加の機会を確保するに当たり、性別、職業等の違いにより参加の機会の平等が損なわれることのないように努めなければならない。

(情報の収集及び提供)
第23条 市は、環境の保全に関する情報の収集に努めるとともに、市民及び事業者がこれらの情報を共有し、その適切な利用を図ることができるように必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、自ら有する環境の保全に関する情報を積極的に公開するように努めなければならない。

(環境の保全に関する教育及び学習の推進)
第24条 市は、市民及び事業者が環境の保全について理解を深め、学校、家庭、地域、職場等において、地域及び対象者に応じた内容及び方法による環境の保全に関する教育及び学習が推進されるように、環境の保全に関する必要な情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。

(民間団体等の自発的活動の促進)
第25条 市は、市民、事業者又はこれらの者が組織する民間の団体による環境の保全に関する自発的な活動が促進されるように必要な措置を講じなければならない。

(事業活動に伴う環境への負荷の低減のための取組の促進)
第26条 市は、事業活動に伴う環境への負荷の低減を図るため、事業者による環境管理に関する制度の導入等の取組が促進されるように必要な措置を講じなければならない。

第5章 施策の推進体制の整備等

(施策の推進体制の整備)
第27条 市は、環境の保全に関する施策について総合的な調整を行い、及び計画的に推進するため、体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。

(国及び地方公共団体との協力)
第28条 市は、市の区域における環境の保全を図るため、広域的な取組を必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して推進するよう努めなければならない。

第6章 北九州市環境審議会

第29条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、北九州市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。
(1)環境基本計画に関すること。
(2)前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する基本的事項に関すること。
3 審議会は、委員20人以内で組織する。
4 特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、審議会に特別委員を置くことができる。
5 委員及び特別委員は、学識経験のある者その他市長が適当と認める者のうちから市長が委嘱する。
6 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 特別委員の任期は、特別の事項に関する調査審議が終了したときまでとする。
8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

付則

(施行期日)
1 この条例は、平成13年1月1日から施行する。
(北九州市環境審議会条例の廃止)
2 北九州市環境審議会条例(平成6年北九州市条例第27号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(北九州市環境審議会委員の経過措置)
3 この条例の施行の際現に旧条例第3条第3項の規定により北九州市環境審議会の委員又は特別委員として委嘱されている者は、この条例の施行の日に、第29条第5項の規定により北九州市環境審議会の委員又は特別委員として委嘱されたものとみなす。この場合において、その委嘱されたものとみなされる者の任期は、同条第6項の規定にかかわらず、同日における従前の北九州市環境審議会の委員又は特別委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。

このページの作成者

環境局総務政策部総務課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2173 FAX:093-582-2196

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