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第8回議事要旨(平成14年5月15日開催)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000003065

会議要旨

1 日時

平成14年5月15日(水曜日) 14時-15時

2 場所

東京第一ホテル小倉 9階 アルタイル

3 出席者

会長
 小野勇一

委員
 嵐谷委員、緒方委員、古賀委員、坂井委員、豊川委員、林委員、松井委員、渡辺委員

事務局
 環境管理課(野田課長、青栁指導係長、北里企画調整係長)、廃棄物指導課(原口課長)、環境産業政策室(谷上主幹、柴田主査、津村)

事業者
 新日本製鐵株式会社

4 議題

 総合環境コンビナート複合中核施設建設事業に係る環境影響評価方法書の審査について

5 議事

 はじめに、事業者である新日本製鐵株式会社から、総合環境コンビナート複合中核施設建設事業について、その概要及び当該事業に係る環境影響評価方法書について説明があった。

  1. 中核施設概要
  2. 複合中核施設位置図
  3. リサイクル概要
  4. 施設配置図
  5. 施設断面図

 次に、事業者から、北九州市環境影響評価条例の規定に基づき縦覧が行われた方法書に対する5件の意見紹介があった。

 次に、当該方法書に係る質疑応答及び審査が、以下のとおり行われた。

古賀委員

 ガス化溶融炉は、日本あるいは外国ですでに技術的に確立されたものなのか。また、安定性はどうか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 ガス化溶融炉は一般廃棄物の処理施設として急速に普及してきており、一般廃棄物向けで建設中を含み60数施設ある。この中で、今回採用したシャフト炉式は約30施設。その内、新日鐵方式が18施設ある。産業廃棄物向けは9施設程度あるが、新日本製鐵方式のものはない。ただし、平成7-9年にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託研究により、シュレッダーダスト等の産業廃棄物の処理も、新日本製鐵の一般廃棄物処理向けの溶融処理技術により対応できることを確認している。

古賀委員

 九州での稼働実績はあるのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 九州では、飯塚市、糸島組合、八女市で稼働している。

豊川委員

 廃棄物受入貯留ヤードは(断面図がなくわかりにくいが)どのような形なのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 今回は、産業廃棄物、一般廃棄物、間口を広く検討前提として考えており、この中には、非常に湿ったもの、乾いたもの、飛散しやすいもの種々入ってくることが予想されるので、(廃棄物受入貯留ヤードは、)廃棄物の種類に応じて区画を区切り、特に湿気の多い物については、ピット形式にして汚水が流れ出ないようにする。飛散しやすいものについては、屋根・壁できっちり囲んで風が吹いても飛ばないようにし、臭いの出る恐れのあるものについては、密閉構造にして臭いが外に出ないようにするなど、(廃棄物受入貯留ヤードは、)廃棄物の種別ごとに設計して建設する。

豊川委員

 台風・地震等の突発的な出来事への対応はどうか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 基本的に、搬入トラックの出入り時以外はシャッターが開かないようにしているので心配ないと考えている。

小野会長

 今の質問は、災害時対策について考えているかという質問であるが、(災害時には、廃棄物受入貯留ヤードの)シャッターで対応できると考えているのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 通常の台風で壁が破れるということはないと思う。

渡辺委員

 調査項目、調査期間のところでお尋ねしたいが、道路交通騒音・振動・交通量調査が行われる現地調査地点は、現状において最も交通量が多いことと、施設へのアクセス道路と予測されることで選定されたと思うが、アクセス道路として予測された道路はどこか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 方法書2-16ページに搬入予定ルートの図面を提示している。黒塗りしているところが主要な道路となっており、ここを通り(廃棄物が)搬入されると考えている。補足すると、(道路交通騒音・振動・交通量調査を予定している現地の調査地点は、)交通量が多いとともに、施設から見た場合、最も住宅に近い地域であると考えている。

渡辺委員

 当該事業の騒音等への寄与については、方法書に対する意見の中にも住宅地への影響について危惧するものがあり、今回は(搬入予定)ルート上で交通量が少ない地域でも測定して、その影響を調べた方が良いのではないか。

小野会長

 交通排ガスの測定地点を増やした方がいいということか。

渡辺委員

(現地調査地点が)住宅地に近いという点は理解できるが、交通量が多ければ、騒音にしても(事業の)影響が少なくなくなるので、通常、騒音レベルが低いと考えられる交通量の少ないところでも測定を行って、施設への(廃棄物の)搬入による影響について調査した方が良いのではないかということ。

事業者:新日本製鐵株式会社

 基本的な考え方は、許容値を超えるのかどうかという点が一つの判断基準になると思われるので、交通量が多いところに対してさらに悪影響がないかという点が一番の主眼であったが、指摘された点は考えてみたい。

小野会長

 意見として参考にしたいということか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 はい。

松井委員

 選定理由の水環境-水質の項で、濁水は仮設の沈砂池等により、ある程度処分するということであるが、工事の時にどこに設置されるのか。配置図の中でどこに示されているのか。また、配置によっては、降雨時にどうするのか。降雨に対する考えは。

事業者:新日本製鐵株式会社

 建設工事中の沈砂池については、まだ図面に示していないが、工事計画の中で検討する。工事期間中は、建設用地4ヘクタールの中に仮設の沈砂池を造って対応する。

松井委員

 工事の手順が示されていないが。

小野会長

 方法書レベルの話であり、準備書の中でそれはきっちりと出てくると思われる。方法書は(環境影響評価法の)スコーピングであるから、問題点の選択だけになるので、それは準備書で書かれていないといけない。

事業者:新日本製鐵株式会社

 はい。沈砂池の位置等は準備書の中でわかりやすく表示したい。

小野会長

 廃棄物の発電施設については、熱効率はどれくらいで考えているか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 投入廃棄物が持つ熱量に、補助原料のコークスが持つ熱量を加えたものを分母として、発電機の出力端でのキロワットを熱換算したものを分子に置くと(熱効率は)20%になる。

小野会長

 コークス分の割合はどのくらいか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 分母の投入熱量のうち10%程度になる。

小野委員長

 そうですか。

嵐谷委員

 実際に施設が稼働した場合、周囲の水質等の環境に搬入される廃棄物が影響しないように管理できるかどうか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 搬入後の廃棄物の管理は、きちっと管理ヤードに廃棄物の種別ごとに貯留し、域外に出て影響することはないと考えている。

嵐谷委員

 廃棄物処理の結果生じる煙突から排出されるガスや粒子状物質は、それまでの環境に対してどれくらいの(環境中濃度への)寄与があるか。現在の若松や八幡の環境にどれくらいの影響があるのか。また、すでに同様の施設が稼働しているのなら、それらのデータをふまえてNO2、SO2、粒子状物質及び有機物質の(環境中の濃度への寄与等について)シミュレーションは行われているのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 排出ガスについては、先ほど説明したとおり評価対象にしているので、現状調査に本施設からの影響を加えて評価する予定である。

小野会長

 説明用資料の一枚目の図にクリーン排ガスと書いてあるが、嵐谷委員の質問はクリーンの度合いを尋ねるものであるが。

嵐谷委員

 住民の方から率直な形で(意見があり)、過去の北九州には色々な汚染があるので、いくつかのコメントの中で広範囲に汚染があるのではないかという心配や疑問がある。

 (当該環境影響評価の方法については、)施設の影響について、シミュレーションを行った上で検討が行われたのか。また、クリーン(排ガスを排出する)だから(影響を)ゼロと片づけるとしたら、その根拠は何なのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 (当該施設の排ガスの発生量等については、)本冊の2-12ページにも載せている各種規制法の規制値を下回るということで計画しているが、(環境への影響評価は、最大値の)規制値の数値が出た場合における影響の度合いを評価することにしている。したがって、クリーンという意味は、ゼロということではなくて、この規制値を下回った数字のものはやはり出るということであり、(環境影響評価において、)その影響を評価するということ。

坂井委員

 バグフィルターでの飛灰の回収率がわかっていれば教えて頂きたい。

事業者:新日本製鐵株式会社

 例えば、2-12ページに、ばいじん(排出量の計画値)は0.02グラム(1ノルマル立方メートルあたり)となっておりますが、(当該施設は、)これを設計値として(バグフィルターを)設計します。ただし、実際は、これよりも一桁下のオーダーで操業されることになり、実際の運転(時に行われた調査)から、こういうデータが得られている。

坂井委員

 飛灰の最終処分のところで、安全な形で管理型へ持っていくとのことだが、具体的な方法を教えてもらいたい。

事業者:新日本製鐵株式会社

 飛灰の処理は、まず液体キレートという薬品を使って、飛灰中の重金属、特に鉛等を固定し、重金属の溶出を防止し、それを管理型の処分場に持っていく。

 施設の計画として山元還元の話があったが、飛灰中の重金属を回収して、さらに非鉄の原料に使えないかということで、私どもでは研究開発しているところで、そういうところに灰を持っていけるような設備を考えている。

嵐谷委員

 山元還元については、まだ技術的に難しい面があるということであるが、だいたい、どれぐらい(のスケジュール)で計画しているのか。40ヶ月後を一つの工期に計画されているが、稼働のある程度進んだところで(施設の導入に)入るのかどうか。2-12ページにある計画した排ガス施設は、アルミ溶融炉(からの排出ガスを処理できるスペックを有するもの)であるが、このアルミ溶融炉にはその山元還元に含まれるのか。排出ガスを数値で示しているが、まだ技術的に困難な面があるのであれば、今の段階での計画数値も示す必要があるのではないか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 飛灰については、将来計画から、それに搬出口を設けているということであり、飛灰処理の山元還元の開発そのものをこの事業体が行うわけではない。そういう技術が確定して受取先が出た場合には、そちらに回せる搬出口を設けたということ。したがって、本計画では、あくまでもキレートで安定化処理して、管理型処分場に埋めるという前提でご議論いただきたい。

事業者:新日本製鐵株式会社

 アルミ溶解炉の件についても、そういう施設が将来併設された場合にそこから出る排気ガスについても処理しうる能力のバグフィルター等、排ガス処理施設を設けているということであり、排ガス量及び排出量そのものについてはその分も含んだ数値でこれについては今回計画している。ただし、直接すぐに着工するということではない。

小野会長

 (飛灰は大気に)飛ばさずに(キレートで)固定して安定処理するということで、将来はより良い処理を考えているということでよろしいか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 はい。

嵐谷委員

 パワープラント:火力発電の燃焼から出てくる飛灰についてはたくさんの文献があり、毒性についても書かれていたと記憶している。飛灰の処理については慎重にしなければならない。一般大気にこれが漏れた場合、現在の(環境中の)濃度にどれくらいの重きを置くかは計算できないけれども気になっていた。特に健康障害に関して、粒子状物質が非常に今問題となっているので、ディーゼルの粒子状物質、この飛灰の粒子状物質という形で、その辺は留意された方がよいのではないか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 ご指摘ありがとうございます。諸規制値を十分下回る数値で今回(事業を)計画し、ご指摘の点については留意して計画を進めたい。

小野委員長

 バグフィルターから出るところか。

嵐谷委員

 はい。

小野委員長

 バグフィルターから出るところを0.00のオーダーにするということであるが、なお、その中にどのような粒子状物質が、又どういうものが入っているのかということは明確にしておく必要がある。

緒方委員

 施設が稼働をしたときの評価項目の選定で、豊川委員からも質問があったが、水環境と土壌環境の評価について、今回は評価項目から外すことになっているが、廃棄物の受入場所は、雨が降ったりごみが集まった時に流れ出すものは最も多い場所であると思われるが、ここの調査及び評価をしなくていいのか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 廃棄物の貯留については屋内に貯留いたしますので、降雨によって雨水に流されて流出することはないと考えている。それから、もともと水分の多い廃棄物が入ってきた場合は、ピット形式でこれを貯留し、そのピットについては浸出のない構造にしたいと考えている。

緒方委員

 はい、わかりました。

小野会長

 ゴミ貯めではなく、これらをきちんと資源として取り扱うということか。

事業者:新日本製鐵株式会社

 ピット内で発生した汚水は、これを回収して今回の施設内で処理し、域外にでるということはないような設計にする予定である。

小野会長

 他に何かございますか。

小野会長

 ありがとうございました。工事の実施それから施設の稼働について、それぞれの評価項目付け加えるとか減らすとかいうことについては必要なかったが、当該事業実施に伴う影響に関するシミュレーションの部分は、もう少しきちんと検討していただきたい。

 それから、ご意見が多かったのは降雨に対する心配であったが、施設が出来上がってからは事業者の説明のように十分管理されると思うが、工事中においても場内に貯まる雨水の処理をうまく考えておく必要があり、この点は、やはり注意すべきではないかと私も考えている。

 他にご意見ご質問がないようでしたら、これで本日の審議を終了させていただきたいと思います。

小野会長

 最終的な答申書につきましては、皆様方のご意見等を入れまして、事務局に文章を作成していただきます。その内容を確認して、私の方で最終的に答申書を市長に提出したいと考えております。

 文書のとりまとめにつきましては、出来上がったところで皆様方にお見せいたしますが、それまでの修正は私の方にお任せいただけますでしょうか。

(承認)

 ありがとうございました。それでは、そのように処理させていただききます。

 これで、本日の審議を終わります。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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