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第21回議事要旨(平成21年4月18日開催)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000003052

1 日時

平成21年4月18日(土曜日)13時30分-15時

2 場所

ウェルシティ小倉 2F「フォンテーヌ」

3 出席者

委員
伊藤委員 上田委員 小野委員 門上委員 河野委員 川本委員 楠田委員 篠原委員 勢一委員 薛委員 辰巳委員 野上委員 樋口委員 藤井委員 森本委員 山田委員

事業者
コークス炉増設事業:日本コークス工業株式会社北九州事業所

事務局
環境局環境監視部環境保全課 (環境監視部長他2名)

4 議題

コークス炉増設事業に係る環境影響評価方法書の審査

5 議事要旨

 コークス炉増設事業に係る環境影響評価方法書の審査

 事務局から、これまで手続きとして行われた縦覧(0名)及び意見書の提出(0件)の状況について報告を行った。続いて、事業者から方法書の内容について説明があり、質疑応答及び審査が以下のとおり行われた。

小野会長
 説明ありがとうございました。これからしばらくの間ご質問ご意見を頂きます。疑問の点、よくお分かり頂けなかった点ございましたら、どの項目からでも結構ですので、ご質問ください。それではどうぞ。

薛委員
 前半で説明がありました、何が出来るかという点について、分かりにくい点がありましたので、ご質問させていただきます。
 防塵ネットを設置する場所について、スライドの9番(方法書8ページ)で絵がありました。西と東にというご説明でしたが、できればこの航空写真(方法書6ページ)で、指し示して頂けないでしょうか。

事業者
 今現在の防塵ネットは、コークス炉の南に16mの高さで、800m設置しています。
 今回、新規に建てる防塵ネットは、コークス炉予定地の西側に高さ10mの緑地帯があり、その上に建てる予定となっています。それから、東側、エコタウン側ですけども、当社の敷地側に防塵ネットを張る計画でございます。

薛委員
 分かりました。西側のマウンドの所は、一番高い真ん中にということですね。

事業者
 はい。高さ10mのマウンドがございます。そこを国にお借りして、そこの真ん中に防塵ネットを付けたいと思っております。

薛委員
 そうすると、その植樹帯の工場側半分は、ホコリにまみれることになるのですね。広く遠くを守るという事なのでしょうが、植樹帯の工場側は、粉じんから保護しないということなのでしょうか。

事業者
 自社側の植樹帯については清掃等で対応したいと思っております。

薛委員
 分かりました。ありがとうございました。

小野会長
 特にスクリーニング、スコーピングを付け加えるという意味じゃなく、中身についての質問であります。

野上委員
 大気質についてお尋ねします。SOx、NOxを予測されるわけですが、その前提として、現状どの位排出されているのでしょうか。例えば今回120万トンコークスを増やすということなので、120万トン当たり、どの位出るかという量でもよろしいのですが。

事業者
 まず、SOxの排出量ですけれども、通常の排出量で、1時間あたり5ないし6 m3Nの排出量となっております。一応、届出上の排出量はSOxで1時間あたり13.333 m3Nになっています。
 窒素酸化物については届出上1時間あたり69 m3Nになっていますが、現状は、はっきり覚えてはいないのですが、半分以下の排出量となっております。

野上委員
 ついでに、温室効果ガスについて聞きます。出てくる量で評価するということで、主たるものはCO2になると思いますけど、今どれ位出ているのでしょうか。

事業者
 2年前に1A炉団を再稼働したときに、約40万トンの年間CO2排出量がありました。ただし、同時期に、No1CDQ(コークス炉乾式消化設備)を導入いたしまして、それで約十数万トン削減して、ほぼ、再稼働前のレベルに戻っています。
 これから、No2CDQ というものが再来年に稼動を始めまして、さらにCO2排出量は減りますが、この新炉が稼働することで、実質40万トンまでまた戻ってしまいます。
 しかし、先程のNo2CDQと新たに3号機の増設に伴い、3号機のCDQ並びに、石炭事前処理設備という省エネ設備を導入することで、ほぼ30万トン近くまで下げられるのではないかと思っています。

野上委員
 すいません。もう1つ追加します。今説明頂いた、最終的には30万トン。増設してもトータルで30万トン位になるということですが、この数字はこの工場内から排出する数字ということですね。

事業者
 そうです。

野上委員
 COGガス(コークス炉ガス)は、他の事業所、主に八幡製鉄所に供給される訳ですけど、実際それ自体もまた燃焼される訳だから、その分も本当は考慮しなければいけませんよね。

事業者
 それはそうです。

野上委員
 今回はこの地域だけでということですね。

事業者
 はいそうです。

野上委員
 最後、まとめに関して、基本的にこれはCO2が増える形の案件になります。一方で、2050年までに日本全部で半分にしようとか、北九州そのものも2050年には産業界の分に関しては4割削減というような、大きな目標を出しているので、単純に増えるのではなく、蒸気等の回収性エネルギーが近隣の工場に配られること等によるCO2の削減効果についても十分吟味していただきたい。
 単純に増えるという訳ではないのでしょうけど、今回作ったコークス炉もおそらく50年間は使うということですし、今日のお話で、CDQの2号機をわざわざ作るということは、現在の炉もおそらくまだ、20年か、30年かは使うということでしょう。トータルで考えると、今回の330万トン位の体勢が20-30年は続くということもあるので、トータルとしてCO2をどこまで、単純に増やすだけじゃなくて、下げていく事にもなるよというようなことをしっかり準備書の中で、説明していただければと思います。

事業者
 はい、分かりました。

小野会長
 準備書の書き込みについての要望だと思いますので、その辺ご注意ください。他にございませんか。

門上委員
 汚染物質について、環境基準が設定されている物質を調査するとなっていますが、コークス炉は、石炭を還流するわけですから、いろいろな副生成物が出てきます。
 通常のものを燃やした時に出てくるSOx、NOxだとか、そういうもの以外にも色々なものが、副生してくると思うのですが、具体的に大気ではどういうものが副生してくるのか、また水質のではどういうものが副生しているか、というような事は、お調べになっているのでしょうか。

事業者
 大気については、ガス中にベンゼンが含まれていますので、ベンゼン等については調査するようにしています。
 排水関係については、コークス炉排水のCODの主成分がフェノールになります。また、シアン化水素、シアンを含んでいますので、そういった物質については当然調査するようにしております。

小野会長
 よろしいですか。

門上委員
 調査項目のところで言った方が良いとも思うのですが、洞海湾というのは多環芳香族炭化水素で随分汚れているのですが、私は発生源をコークス炉だと思っています。そういう基準がない未規制物質も調査されるのでしょうか。
 排水中の、もしくはコークス炉から出てくる排ガス中にどういう成分が含まれているかということを調査して頂き、生産能力が1.5倍に増設される訳ですから、多環芳香族炭化水素のような未規制物質の現在の排出量を調べて、その値を1.5した将来の排出量を示して頂きたい。

事業者
 コークス炉のガス、排水について、既存の設備でどういった物質が出てくるかというのは把握していますので、十分調査するつもりです。

小野会長
 ありがとうございました。他の点でございませんか。

河野委員
 植物について、一点質問させていただきます。
 方法書55ページの地図は植生調査の引用の図だと思いますが、若松とか戸畑にある植物よりも、島の植生の方が直線距離でいうと近いのではないでしょうか。そこはオニヤブソテツの群生地ということになっておりますので、そういうものに対する影響も調査で検討されないのでしょうかというのが一つです。

小野会長
 ちょっと離れたところまでやれという意味ですか。

河野委員
 調査対象予定のポイントがありますが、島側も近いのに、調査はされないのですかということです。

小野会長
 ご理解いただけましたか。

事業者
 島側については、今のところ調査する事は考えておりません。

薛委員
 植物の調査範囲でいいますと、植生調査をするところが敷地だけの黄色い四角(方法書154ページ)、という予定地の中だけでございましたが、普通、植生は一回り広い範囲を調べる事が多いと思います。特に西側に作られた樹林帯であるとか、一番東の海岸に、昭和40年代位に宮脇流で造られた林がありまして、これは多分25,000分の1位の図面でも幅が出る位のものですので、その辺りも、調査対象にならないのでしょうか。
 あるいはその、敷地の中だけの植生調査で良いという判断の根拠をお聞きしたいと思います。

事業者
 御指摘を受けた点は、調査の範囲を設定するに当たって当方も迷った点で、やはり、少し範囲を広げて、調査をしたいと思います。
 方法書を作った後に、緑の回廊の構想があるというような話を聞き、市でも周りの樹木、樹林は重要と捕らえているようですので、もう少し広げて調査をしたいと思います。

小野会長
 それは方法書に、調査範囲を拡大した形で書き込むということですか。

事業者
 はい。現地調査の範囲を広げて調査します。

小野会長
 それでよろしいですか、じゃあ、ご意見通りにいたします。はいどうぞ。

篠原委員
 工場の中でかなり散水をやっていたようです。今回、汚水処理の増設で1,200トン、全体では95,000トン(方法書24ページ)となっていますが、散水した水はどの位沈殿槽に入っているのですか。

事業者
 散水については、一日に1,000トン位撒いていますが、蒸発する割合が高くなっています。
 石炭ヤードを含めまして、自動散水、手動散水、散水車による散水等を行っていますが、天気のいい日はほとんどが蒸発しています。そして、ほとんどが沈殿槽に入っています。それは通常の沈殿槽で特定排水の方には行きません。

篠原委員
 行かないのですね。この1,200トンというのは特定排水の方で、散水の水は計算に入っていないのですね。

事業者側
 はい、散水の方は入っておりません。

篠原委員
 総合排水の方になっているわけですね。今度、新しく施設を作りますよね。かなりまた撒く領域が増えるんじゃないでしょうか。

事業者
 50,000平米、購入いたしますので、その一部が散水の対象地域になります。

篠原委員
 その時の対策というのは何か考えていますか。

事業者
 現在、その隣接地を石炭の置き場として利用しています。ここにも調整池を持っていますので、そこで石炭等を含んだ水は沈殿させて、上水を流す形をとります。

篠原委員
 沈殿槽の出口のモニタリングは、現在どうやってされているのですか。

事業者側
 出口で24時間体制でサンプリングして数値を測っています。SSが大部分ですが、24時間、365日やっています。

篠原委員
 分かりました。ありがとうございました。

小野会長
 他にございませんか。

森本委員
 方法書の63ページ、表の3-13に動物の重要な種とありますが、その中の鳥類については今回全部調べるということでしょうか。それとも、こういう重要な種が関わっていますよという意味なのでしょうか。
 それともう一点、方法書の61ページの調査区域の話ですが、実は鳥類の調査はルートセンサスのみという記載があったのですが、どこをどうルートセンサスを行う予定でしょうか。この斜線の部分を調査区域とするならば、現在の予定地の洞海湾側について、年何回か調査をするべきではないでしょうか。

事業者
 お答えします。鳥類の調査は158ページをご覧ください。この図の中で、四角の青いマーカーの点で調査するように考えております。直接改変を受けるエリアの中央に1点、それと埋め立て地を囲むように4地点ポイントを設定しております。こちらで一日張り付いて、4期調査行うように考えております。ですから、先程ルートセンサスとあったのですが、ポイントセンサスを実施します。
 それと重要種としてリストに挙がっている鳥類についてですが、先程申しました地点で、確認するように勤めたいと考えております。

森本委員
 はい、了解しました。

小野会長
 他にございませんか。

山田委員
 今回この工場が建っても、水環境への影響は、水温と、富栄養化の観点から窒素負荷だと思います。
 まず、水温についてですが、洞海湾の環境基準点D6では、経年的な変化として水温の上昇が見られています。この傾向があるので、D2の方、あるいは工場の敷地の周辺で経年的に水温が上がっているのかどうかの把握をされた方が良いと思います。それも表層と下層で月別の経年変化を見ても良いかと思います。
 もう一点、窒素負荷が増えるという事から、クロロフィルaも調査した方が良いと思います。これは今回の水質調査項目に加えることと、過去からの変化も押えた方がよろしいと思います。
 それと、今回の調査項目ですけど、その中から海底の底質というのが外れております。なぜそれを外されたのか、もしご説明が可能でしたらお願いします。

事業者
 D2とD6で層別に水温を測定するべきだという事ですが、経年変化についても見た方が良いということでしょうか。

山田委員
 そうです。水温の調査に関しましては、現状調査と過去からの経年調査と2つが必要と申し上げております。
 現状調査につきましては、1mごとに調査をするとのことですが、それでは精密な調査が出来ませんので、0.5mごとの調査が良いと思います。これが現状調査に対する意見です。
 もう一点、現状をより的確に把握するために、現在、洞海湾では過去から見て水温が上昇していますので、その把握をしっかりやられておいた方が良いということです。

事業者
 分かりました。まず既存データについては過去の分からデータを拾って解析したいと思います。あと水温の調査ですが、層別に船が走りながら測定する分については、センサーの高さを海面から0.5、1、2、3mと設定します。それとは別に、それだけでは細かいデータが採れないと私共も考えておりまして、定点を15地点設ける予定です。これに関しては、0.5m毎に水温の測定をいたします。

山田委員
 了解いたしました。それから窒素負荷に関することですが、やはり窒素負荷に関してはクロロフィルaを測って、モニターされた方が良いと思います。

事業者
 はい。測る方向で対応させていただきます。

山田委員
 あと3点目の海底の底質調査を外された理由はなんでしょうか。

事業者
 水底の底質調査については、ベントスとの絡みを見たいということで、生物調査の方に入っています。158ページになります。こちらにピンクのマーカーが全部で7地点ありますが、こちらで底質の調査をいたします。項目としては、COD、TN、TP、硫化物、シアンを調査する計画です。

山田委員
 粒度組成はされないのですか。

事業者
 156ページに示すとおり粒度組成も調査いたします。

山田委員
 基本的な含水率、他の項目を算出するための含水率もデータとして、記載された方が良いと思います。

事業者
 はい。

山田委員
 植物の方の調査ですけど、この方法書を拝見したところ、動物の書き方と植物の書き方が少し違っています。調査方法、例えば定量的にやるのか定性的にやるのかというところで少し書き方が違っています。どう違うかというと、植物の方は、植物相となっていますが、この植物相の調査というのは種類の提示に終わるわけですね。植物組成調査としないと定量調査が入ってこないので、151ページの調査の方法では、植物プランクトン、海藻類の出現種、分布状況となっていて、出現量というのが入っていません。出現量の調査も是非お願いします。

事業者
 はい。分かりました。

小野会長
 よろしいですか。他にはございませんか。

上田委員
 昆虫の方で一つお聞きしたいのですけど、方法書63ページの動物の重要な種ということで、4つ程挙がっていますけど、ベッコウトンボはどうして外されたのですか。

事業者
 方法書62ページに、出展資料を書いていますが、こちらであがってきたものについて、種のリストをあげております。
 実は、方法書を作り上げた後に、2002年に市が調査をして、安瀬の緑地でベッコウトンボを確認したという知見を得ました。で、今度4月末から5月にかけてベッコウトンボの出現にも適した時期になると思うので、そのタイミングで調査をしたいと考えております。

上田委員
 それでしたら結構です。特に調査時期ということに関しまして、昆虫の場合、どうしても春先の早いところが抜けてしまいますので、気をつけていただければと思います。

小野会長
 はいどうぞ。

楠田委員
 一点だけ先程の篠原先生のご質問に関して確認をさせていただきたいのですが、排水口というものが図面上にいつも出てまいります。この排水口には、いわゆる特定排水の他に先程言われた敷地内の清掃等に関る水も全部同じ排水口に出るのでしょうか。それとも2つ持っておられるのでしょうか。

事業者
 特定排水を処理した水と通常の雨水排水溝が合流したものが一箇所から出てまいります。

楠田委員
 ありがとうございました。

小野会長
 はい、どうぞ。

野上委員
 大気質の予測に関して、方法書の32ページに、気象観測および一般大気観測測定局の位置と気象概況のデータが出ています。これをみると近隣の江川、若松、戸畑の3局のデータでも、結構風向の分布が違っています。また、今回の事業所がある埋立地の突端の方では西と東の風しか吹かないということもお聞きしています。これらはどうも洞海湾じゃなくて、高塔山の方から風が回ってきていることに起因しているのではないかとも考えられます。
 戸畑観測所の少し東側には北九州観測局がありますし、更に東の方には室町測定所のデータもあるので、それぞれの観測局の特に風速、風向データも解析していただいて、その事業所で西の風が吹いていたとしても他の所ではどっち向きの風が吹いているかとかですね、そういったものを十分検討していただきたいと思います。
 今回の工場は、かなりの沖合いに位置し、場合によっては、そこで西風が吹いても、街の方にはほとんど来ないという結果が出れば、それはそれでよろしいので、是非このあたりの風向、風速の解析を十分にしていただきたいと思います。

事業者
 現地調査は、事業実施区域で測るのですが、先生が仰られたとおり、他の観測局のデータについても解析を行いたいと思います。

小野会長
 それはやってください。北九州は光化学スモッグの常習地帯でありますから、特にそういう点も含めて、連動している部分を全部押えておくことは大事だろうと思います。他に、ございませんか。

薛委員
 人と自然のふれあいの活動の場について1つお尋ねします。
 バードウォッチングの場所と釣りの場所という事で、167ページに図示してありますが、西部ガスと吉野石膏の間の三角形の敷地に市の公園じゃないかと思うのですが、そこそこの規模の公園があるわけですから、バードウォッチングの場所として選定しなかった何らかの判断があれば、その事情をお知らせください。

事業者
 あの公園の利用者は、大体がトラックの運転手です。市民の方は滅多に来られないと思われます。そういった理由で外しております。

薛委員
 分かりました。
 もうひとつ気になる点を。129ページの粉じん等の調査地点が、敷地内と敷地の境界の部分だけです。粉じん等は遠くまで飛んで、影響を及ぼしているのではないかと思うのですが、影響の及ぶ範囲という説明でここだけという理由を教えてください。

事業者
 お答えします。このアセスの方法書の手続きと並行して、エコタウンとの協議の場を事業者が持っています。そこで、もう少し降下ばいじんについて、地点を設定して調査をするようにという指摘がありまして、今はまだ検討中ですが、エコタウン側に調査地点を5地点程増やそうかと現在考えています。
 それにより、もう少し離れた場所についても調査するようにという御指摘に関しては解決できるかと思います。

薛委員
 ありがとうございました。

小野会長
 最初の質問とも関連していますね。他の点について何かご質問はありますか。

勢一委員
 景観と人と自然とのふれあいの活動の場のところでお伺いいたします。どちらも極めて市民主観的な要素が入る内容で、他の科学的なデータをとるのとはちょっと違ってくるかなと思うのですが、調査の方法が文献その他の資料及び現地調査による情報の収集等々になっています。具体的にどのような事をされるのでしょうか。

事業者
 景観に関してはですね、まずは調査地域において、一般の方々が利用できる眺望点がどこにあるのかを確認いたします。それと並行して、景観資源としてどのようなものが、例えば、自然環境保全基礎調査の中にリストアップされていますので、そういったものがないのかを確認します。その上で、主要な眺望地点から今回の事業実施区域も含めた眺望景観というものを写真撮影により把握いたします。
 眺望点については、それと並行して利用の状況についても調査します。その上で、フォトモンタージュとして重ね合わせまして、今回の事業が景観に影響するのかを解析いたします。

勢一委員
 その場合に、影響があるのかどうかの確認というのはどのようにされているのでしょうか。科学的なデータであれば、従来の基準から影響のあるなしが非常に分かりやすいのですが、景観とかふれあいの場の確保というのは、美しい美しくないとか、快適か不快かといった極めて抽象的な話になってくると思いますので、方法についてもう少しご説明いただければと思います。

事業者
 フォトモンタージュを作成いたしまして、その視野の中で、どれだけ今回の事業の構造物が占めるのかですね。あとは色彩的に違和感があるかどうか。それでも客観的なデータじゃないという時には、眺望景観に違和感はあるかどうかといった質問で、アンケート調査を行う事もあります。

勢一委員
 ありがとうございました。1つお願いですけど、今回の方法書の手続きで縦覧と意見の提出という手続きを一ヶ月やったのですが、意見件数0ということで、市民とか住民がどの位関心を持っているのかが、今の段階では分からないので、もしそういうアンケート調査等をされる場合には、その点も少し配慮していただければと思います。

小野会長
 ご注意として伺っておきます。他にございませんか。ありがとうございました。
 大変熱心なご議論いただいてきたと思います。私が最後に申しあげておきますが、屋上から覗いた時に私は、工場の敷地内の緑はみんな黒いという事をずっと言い続けておりました。あの周辺の緑の色と比べると格段の差があります。
 私は、そこが鳥がさえずる緑の回廊の工場地帯ということで市が打ち出してる場所だという事は承知しておりますが、それを考えますと、防塵ネットで直線保護するという場合、先程の薛委員の説明もありましたが、内側は守らないのかという質問が出てくると思います。やはり内側も同じ様に水を掛けるとか他の手段を講じて守るというような心得が必要なのではないかと考えております。
 新しい21世紀に作る工場でありますので、それにふさわしい工場の作り方をして頂きたいという事を私は委員長としてお願いしておきたいと思います。
 今日は、光化学スモッグどころではありません。風の回りでありますとか汚水の問題、植生その他沢山のご意見を頂きました。これを1つの方法書の仕上げという形で、中に盛り込んでいきたいと思います。皆さんの意見を踏まえた形での事務局の文章は、最終的には答申という形で市長に提出しなければならないのですが、これはお任せいただけるでしょうか。
 それでは、私が責任をもって皆様の御意見が反映されているかどうかをチェックさせて頂きます。

この後、事務局から今後のスケジュール説明及び閉会挨拶があり、終了した。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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