令和4年8月25日(木曜日)14時00分から16時00分
第54回北九州市環境影響評価審査会議事要旨(令和4年8月25日)
1 日時
2 開催方式
Web開催
3 出席者
委員
藍川委員、岩松委員、上田委員、岡本委員、河野委員、楠田会長、清野委員、武石委員、中西委員、三笠委員、村瀬委員、弓削委員
事業者等
山口県、北九州市、国土交通省
事務局
環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他4名)
4 議題
「(仮称)下関北九州道路 環境影響評価方法書」の審査
5 議事要旨
(楠田会長)
それでは審議に入ります。
事前にいただいている意見について、委員からご発言いただき、事業者等に回答していただきます。まず、私が事前に提出した意見についてです。
方法書と申しますのは準備書を準備するために、その調査項目、調査の内容、期間等について、実施の際に具体的にこうするというふうなことをお示しいただく、手法を決定する、手続きの1つであると理解しています。そういう意味では、ルート帯だけで示された場合に、例えば、橋脚がどこに位置するかということがはっきりいたしません。方法書の中に海底掘削という単語が出てきますので、どうもこの中に設置するようであるという推察までは可能ですが、それが1本なのか2本なのか、あるいはそこへのアクセスがどういう形態になっているかというのがはっきりいたしません。
私の質問でお伺いいたしましたのは、具体的に想定している道路構造施設、それに伴う調査地域について、追加の情報をお願いしますという内容でありました。それについては都市計画と同時に行うので、準備書で示していただけるというご回答をちょうだいしております。
追加の質問ですが準備書段階まで入りますと、その準備書にお示しいただきました環境情報について、追加的に求められるものが受理されることになりまして、基本的な項目の変更等は、方法書の段階で検討が終わっているということになって、受理されないのが通常であります。そういう意味で、準備書段階でこう示すと言われた時に、方法書の段階で想定していなかったものが、準備書で出てくる可能性がある。どうしても時間的、あるいは作業の流れから見て、それが非常に難しいということでしたら、最後のところでご説明ありましたように、方法書の段階で色んなケースを想定して、調査区域・調査対象・調査時間を、それらをすべてカバーするように選択していただかないと、環境アセス上は論理が通らないということになりかねません。そうなると、手数が非常に増えてしまうのですが、そういうことでよろしいかどうかというのが、今いただきました回答に対する、その次の段階の質問であります。
それから、類似の関係で、意見票に記載しましたように、動物植物に関しても陸生生物、海生生物の分類別に調査地域・調査機関等に係る追加の情報を提示していただきたいということをお願い申し上げました。それで、今いただいた方法書でいただきましたご説明によりますと、例えば、その典型種ですとか、上位種ですとか、ある種に対して調べるということになっておりますが、動物にしろ、植物にしろ、動物の場合には食物連鎖系があって、ある特定の種を保存するというときには、そのエサ、あるいは採餌行動を行う空間についても保全する必要があります。植物の場合には、ただそこに生えているというだけではなくて、その土壌の含水率、それから土壌の性状等が効いてきます。つまり、生態系としての、植物群集・生物群集としての、保全が求められることになっていまして、今のご説明いただきました方法書の内容では、個別の保存形式になっていまして、最近の環境アセスでは、そのレベルではなくてもう少し生態系保全の方に、軸足をかけた方法書の構成になっていることが多いと感じております。そういう意味で、道路アセスの技術資料という言葉がご説明の初めに出てきたような気がしますけれども、その技術資料が記載された時点っていうのが、かなりクラシックなものになっている可能性はありませんでしょうか。例えば環境省から出ているいろんな参考資料の最近の分をご参考いただきますと、国交省が使われていい技術資料は少し古い。はっきり申し上げて古いという感じがいたします。それで、併せてご検討をどのようにされるか、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いします。
(事業者等)
まずは、楠田先生から、最初にいただいた意見についてご回答します。
本事業は都市計画手続きとアセスメント手続きを併せて行う事業です。現段階では、ルート位置、道路構造は検討中で決定していないため、具体的な調査地点等を示すことは困難な状況です。現時点で決定している事業の計画は、ルート帯のみであり、そのルート帯内及び周辺の環境状況を網羅的に把握できるよう、「国土交通省令」、「道路環境影響評価の技術手法」、「県・市の環境影響評価技術指針」、 「港湾分野の環境影響評価ガイドブック」を参考に、専門家等の技術的助言を得ながら、現地調査を進めています。今後、ルート位置、道路構造が決定した段階で、これまで実施した現地調査結果を精査していく予定です。その結果は、準備書にとりまとめて、示してまいります。なお、動物相の状況、植物相及び植生の状況の現地調査については、既存文献調査で得られた結果を基に、調査地域の地形、植生や地域の生息・生育種情報、動植物分類の生態を考慮して、現段階では以下の調査項目、調査方法を想定しています。
また、現地調査地点については、調査地域に生息する可能性がある動物種、植物及び植生の生態的特徴や、地形・植生等の生息・生育基盤等を踏まえ、確認しやすい場所に調査地点又は経路を設定しており、専門家等の助言を得ながら検討しています。現地調査時期については、四季を通じた 1年の調査を基本としており、調査地域に生息する可能性がある動物種、植物及び植生の生態的特徴を踏まえ、可能な限り多くの動物種、植物及び植生を確認できる月に調査をすることとし、専門家等の助言を得ながら検討しています。
追加の質問については、先生から大きく2点質問いただいたと思っておりまして、1つは様々なケースを想定して、調査場所等を決めていくべきではないかというお話だったと思います。今回、今までご説明差し上げた通り、ルート帯しか情報としてはございません。ルート帯を考慮しつつ、先ほどの説明資料の5ページの事業特性というところも考慮しつつ、専門家の先生方に技術的な助言をいただきながら、調査箇所を網羅的に設定しています。これについて、ルートが決定され次第、今の調査箇所を精査いたしまして、準備書の段階でお示しを差し上げるというところになると思います。
それともう1つ生態系という観点で、動植物だけでなく生態系という食物連鎖を軸足においた調査予測評価をしないのかと、もし今のお示しした調査内容等々が技術手法に書かれているのであれば、その技術手法は古いのではないのかというご意見だったかと思います。説明上、生態系の部分は割愛させていただきましたが、方法書の4-1-121ページに、この地域の生態系という観点から、丘陵地・台地の生態系、低地・海岸の生態系、水域(海域・汽水域)を中心とした生態系の三つに構成されると考えています。これらの、生態系区分ごとに、上位性・典型性・特殊性の観点から注目種・群集を今の段階で選定しております。それが方法書の4-1-121に示している内容です。例えば、丘陵地・台地ではワシタカ類・フクロウ類の猛禽類、テン又はキツネ、典型性については、シマヘビ・カラ類・シイーカシ・二次林、特殊性としてはヒヨドリが生息していると考え、生態系の構成要素を食物連鎖から選定をしております。これらの生態系の種についても動植物の中できちんと調査をして、それらの結果を踏まえて、生態系の観点で食物連鎖上に問題がないのかどうかを予測評価していくということです。これについては、技術手法に書かれている内容でして、現在の技術手法の年次が令和2年に出たものです。道路環境影響評価の技術手法というのは令和2年版というのが最新です。環境省で出されているいろんなガイドブックと、生態系の予測評価は基本的には整合をとれていて、このような方法でやっていくということでご理解いただきたいと思います。
(楠田会長)
はい、どうもありがとうございます。後半の部分の生態系っていうのは、ここで使われています生態系というものの意味と学術的な生態系での意味が若干違うような感じがしますが、いわゆる学術的な用語上での生態系を確保するシステムとして調査していただければと思います。
それで初めの方のご回答なのですが、環境アセスの手続きとしては、方法書で定められた方法に従って、準備書を準備するという手順になるかと思います。その観点から、方法書の後でルート帯を決めて、そのあとで準備書を作成するっていうふうにおっしゃられたのですが、方法書で記載されていない方法も準備書の中で採択される可能性はあるのでしょうか。そうすると、いわゆる従前アセスのルールとは、方法とは少し異なってくると思いますがその点はいかがでしょうか。
(事業者等)
はい。説明資料の中に、事業特性のところで事業の概要というものをお示しさしてあげております。基本的には事業の概要については、我々変わらないものという前提で計画をしております。この概要をもとに設定したルート帯の中で、網羅的に調査項目の方を設定しておりますので、基本的には準備書段階で、追加の調査項目はないという認識で進めてございます。追加があるとすれば、追加調査とか、そういったものは、出てくる可能性はあると考えています。
(楠田会長)
わかりました。そうしますと、今日委員の皆さん方にご審議をいただく時には、ルート帯はあるが、どこのルートか分からないので、どこに行っても大丈夫なように方法書で記載することということになりますがよろしいでしょうかね。
(事業者等)
はい。結構です。
(楠田会長)
はい、わかりました。どうもありがとうございました。それでは次のご質問に移らせていただきます。武石委員お願いいたします。
(武石委員)
意見書を提出していますので、3点について読み上げます。
「方法書p.8-18の表8-3(15)での動物の調査の手法について」が一番目の意見です。この表には、本事業での環境影響評価に際して考慮されるべき動物について、どのような分類群を対象とするのかが具体的に記されていません。例えば、陸棲哺乳類、海棲哺乳類、コウモリ類、陸鳥、海鳥、渡り鳥としてのタカ類やヒヨドリ、陸棲爬虫類、海棲爬虫類、両生類などといったものです。また、調査地点については、「確認しやすい場所」や「生息する可能性の高い場所」に「調査地点又は経路を設定します」とあるだけで、対象とする分類群ごとの具体的な調査場所が記されていません。また、調査期間等についても、「生息を確認しやすい時期及び時間帯」とあるだけで、対象とする分類群ごとの具体的な時期等が記されていません。既に文献調査から、考慮されるべき動物種や動物種群がある程度判明していると思われますので、対象とすべき個々の動物種群を取り上げて、それぞれに対する具体的な調査方法を示すべきであったと思います。特に鳥類については、事業地である関門海峡は、本州、九州、朝鮮半島の間を移動する渡り鳥によって集中的に利用されていることは明らかですので、それらの渡り鳥、特にヒヨドリ、ハチクマ等のタカ類、小型鳴禽(めいきん)類等に対して、その飛翔ルートや飛び立ちのために集中的に利用される場所などについて、春と秋の渡り時の具体的な調査方法を提示すべきであったと思います。また、海鳥のカンムリウミスズメ(天然記念物等)については、最近の調査では繁殖地と越冬地との間の移動に際して関門海峡を通過することが示唆されていますので、工事による影響が懸念されるところから、他の海鳥とともに調査対象種に含める必要があると思われます。
二番目の意見です。環境影響評価のプロセスにおいて、方法書段階については、アセスメント調査の具体的な方法を記載し、それを公表・縦覧することによって、市民、県民、国民からの意見を得て、事業の早期段階で評価の項目や方法などについて柔軟な対応をしていくことが可能となり、地域の特性に合わせた環境アセスメントが行なえることが期待されます。そのためには、方法書の段階で、事業者等側から具体的な調査方法を提示することは必須の作業となっており、今回そのような具体的な調査方法が記されなかったことは極めて残念なことです。先ほど、会長からの意見に対してお答えされた際、いろいろな動物種について、種々の調査方法、ご提示ありましたけども、この場で出すのではなくて、方法書の段階でそういうものを記載していただいて、それを皆さんに市民の方々に提示して、こんな方法でいいのかとかこんな種群でいいのか、こんな時期でいいのかというのを、その地域に詳しい方から意見を経て、いろいろ調査の方法を、変えていく適切な方法にしていく。そのための方法書ですので、今いろいろと出されていらっしゃいましたけど、それをもっと前の段階で、本来方法書の段階で、出していただきたかったという意味です。
三番目の意見は修正していただきたいという意味で記載しました。「メグロについて」ですが、方法書のp.4.1-71の上から14行目と、p.4.1-75の表4.1-32(3)重要な動物種(鳥類)に、国指定特別天然記念物のメグロが掲載されていますが、この種は小笠原群島の固有種ですので、何かの間違いと思われ、削除をする必要があると思われます。以上です。
(楠田会長)
はい、ありがとうございます。それでは、事業者等から回答をちょうだいいたします。
(事業者等)
先生にはご最もなご意見をいただいております。ありがとうございます。
一番と二番の質問に関しましては、先ほど楠田先生への回答と同じになりますので、そこは少し割愛させていただきたいと思っております。
既存文献の「第 3 回自然環境保全基礎調査動植物分布調査」(昭和 63 年、環境庁)では、当該地域に生息する鳥類として、メグロが記されているため、方法書では記載しています。なお、準備書では、ご指摘を踏まえるとともに、専門家等の助言を得た上で、修正を検討します。以上でございます。
(武石委員)
ありがとうございます。付け加えますと、先ほどご説明のときに、今回はその都市計画とアセスを両方合わせた事業のため、ルート帯のみを示していて、それ以上詳しいことを示すといろいろ差し障りがあるというようなお話をされていましたけども、鳥類、哺乳類、海棲哺乳類もそうなのですが、ルート帯が、わかっているから、そこのなかの詳しいことわからなければ、調査ができないというわけじゃなくて、もちろん海棲哺乳類やコウモリ類、鳥類もそうですが、関門海峡という環境は、調査に関しては関門海峡全般を調査していただきたいわけですよね。ですからルート帯がどこを通ろうと、ルート帯の中でどこに道路が通ろうと細かい点では影響がある鳥類や哺乳類がいるかもしれませんが、全体的にどういう影響が懸念されるのかというのを調査するため、ルート帯内及び周辺の環境状況を網羅的に把握されるという形でかなり一生懸命網羅的把握されるようですから、関門海峡の全体に渡ってもそういう動物種群がどのように利用しているのか。季節や気象条件とかその他の条件でどのようにどうしたりするのかというのを調査することは、当初の段階から可能だと思うのですよね。ルート帯がどこであろうとも。そういう意味で、今回方法書の中で詳しい計画を出されていないことの1つの理由として、都市計画道路事業が含まれているからという意味合いのお話がありましたけども、方法書段階での環境影響評価を調べる方法書段階での調査項目を提示することは、十分可能だったのだろうなと思うのですよね。
そういうことで繰り返しになりますけど、本来の方法書のアセスメント環境影響評価プロセスにおける、方法書本来の役割は果たされていないだろうなと私は思うわけですね。以上です。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
武石委員がおっしゃられたところの、後の方の追加項目は、追加調査を強くお願いされますか。
(武石委員)
当然いろいろ追加項目出していただきましたので、私が把握できるのは鳥類・哺乳類・両生類・爬虫類の分類群の範囲ですけども、先ほどご提示していただいた中にはまだ調査期間とか調査場所とかいうのは示されていないでこれから検討するという話でしたけども、現場の状況詳しい方とか専門家の意見をよく聞いて、調査をしていただきたいと思います。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
今のご意見を踏まえまして事業者等から、回答いただけますでしょうか。
(事業者等)
地域特性を、よくご理解いただいている専門の方に、技術的助言をいただきながら、調査の方を進めて参りたいと思います。ありがとうございます。
(楠田会長)
それは調査項目を増やされるということなのですかね。
(事業者等)
調査項目というか、調査箇所であったり、そういったところを必要に応じて、増やす可能性はあります。
(楠田会長)
調査箇所だけで調査対象が増えるわけではないのですね。例えば鳥類の影響とかいうのは、箇所だけが増えるだけで内容は増えないということですか。
(事業者等)
内容と言いますと、先ほどの説明では内容では足りないということですか。
(楠田会長)
武石委員がおっしゃられたのは専門家のご意見を踏まえながら、より調査を徹底していただきたいということだったのですが、ご回答は調査箇所だけを増やすというお話のように聞こえたのですが。
(事業者等)
関門海峡全域をというようなご意見をいただきました。基本的には今のルート帯と、それにプラス250メートル、これは技術指針に則り調査範囲を決めているのですけども、先生方とご相談させていただいて、必要に応じてそれより外であったりですね、こういったところも対象に調査は考えていきたいなと思っています。
(楠田会長)
わかりました。調査地域の拡大がありうるという理解でよろしいですか。
(事業者等)
はい。そうですね。
(楠田会長)
武石委員、ご意見はありますか。
(武石委員)
念のためですが、鳥類の調査をするという意味合いでは、ルート帯の周辺250メートルはあんまり意味をなさないわけですよ。例えば市民の方の意見書の中にもありますように、また響灘洋上ウィンドファームの準備書作成の際に行われた調査でも、ハチクマ等のタカ類は、気象条件によって通る場所は変わるのですよね。関門海峡を通過する。タカ類はですね。それは関門海峡全般の間、一部はより西の響灘の方の島と、本土との間とかですね。そういうふうに、いろんな環境条件によって通る場所が変わる、変動するわけですよね。当然、常識的に言って鳥類の調査では、ルート帯プラス250メートル幅っていうのは、意味をなさないので、そういう意味で先ほど私言いましたように関門海峡全般での調査をしていただきたいと言ったわけなので、そこはそういう範囲で、調査を実施していただきたいということです。
それから、方法書についての意見で、市民の方々からいろいろ、鳥類に関してですが、ご意見出されておられますからその意見も、それは鳥類に詳しい方が意見書出されたと思いますから、その意見書の内容をよく取り入れて調査をしていただきたいということです。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。事業者等より回答をお願いします。
(事業者等)
鳥類につきましては250メートルではなくて、基本的には行動範囲が広いですので、広げてやっていきたいと思っています。ただ事業影響というのは、ルート帯の中で事業ができるのでこの中だけはしっかり把握できるように、調査をして、そして広域的な広がりや飛翔の空間を基本的には調査していきます。ですので、何キロというところはないのですがどこまでというところは範囲はいろいろとありますけども、専門家の意見を聞きながら250メートルから大体1キロメートルとか2キロメートルとか広げた形での調査を考えていきたいと思っています。
また渡りのルートになっていて気象条件にも左右されるというハチクマ等も把握をしておりますし、ヒヨドリについての春秋の渡りの傾向も、いろんな先生に聞きながら把握をしております。どこから飛び立つというところもいろんな情報も聞きながらやっております。そういったところの調査地点をいろいろと設定しながらですね、全体的な傾向を把握していきたいというふうに思っています。ただ、ここに調査地点があると示すと、その位置に通るのねとか、その位置が高架構造になるのねとか、そういうことまで推測されてしまうので、調査地点は今は示せないということもご理解をいただきたいと思います。
(武石委員)
その調査地点に関しては、鳥類や海棲哺乳類については何か考え過ぎのようなご心配はどうなのかなと思いますけども。
(事業者等)
おっしゃる通りで今の渡りというところについては関門海峡を渡ってくるので、関門海峡でどのような行動をしているのかというふうに考えれば、一般論からすると、山口県側と福岡県側の両岸の地域、そこの地点で視野が見渡せるところ、そういうところで調査はしていきたいと考えております。その他の小型鳥類だったりとか、そういういうものについてはある程度、定点のポイントをしめしていったりすると、ルートの位置だったりとか、そういうものがわかる可能性があるので示せないということでご理解をいただきたいと思います。
(武石委員)
はい。よろしくお願いします。
(楠田会長)
はい。どうもありがとうございます。それでは続きまして弓削先生お願いいたします。
(弓削委員)
景観に関してです。まず、方法書(要約書)5-5ページに、案1から案3のルート案があるのですが、方法書(要約書)5-7ページによれば、この景観への影響はすべてほぼ同じというふうに、表現されているのですが、いずれのルートでも同様の影響であるという結果に若干違和感を覚えました。方法書4-1-122から4-1-125に、いろんな眺望点が示されているのですが、その眺望点として案3のルートに非常に近いところがあります。案3になると眺望点が近接しているので、最も景観に対する影響が多いのではないかなと思いますが、すべての案で景観への影響が同様というのは、どのように理解したらいいのか教えていただければと思います。以上です。
(楠田会長)
はい。事業者等の方から回答いただけますでしょうか。
(事業者等)
配慮書の内容に関する意見と判断します。配慮書段階での調査・予測・評価の手法は、概ねのルートの位置や基本的な道路構造等を検討する段階における、事業計画の熟度や検討スケールに応じて、環境配慮を適切に実施できる手法を採用しています。景観の予測評価にあたっては、計画段階における環境配慮が必要な検討対象として景観資源を対象とし、その改変による影響の程度を予測評価しており、いずれのルート帯も景観資源である関門海峡、老の山を通過する可能性あるため、同様な影響があるとしています。以上です。
(弓削委員)
眺望点に関して質問していますが、それに対するご回答がないように思うのですがいかがでしょうか。
(事業者等)
配慮書の段階では位置関係からの影響を見るために景観資源への改変の影響について比較評価をしたということでございます。眺望点から見える状況というところは、ルート帯の中から今設計を進めておりますけども、これが出来た段階で、予測評価するということで、準備書の段階で行うことを考えています。配慮書の段階では眺望景観は対象にしていないというということです。
(弓削委員)
今後対応いただける、予測されるということでよろしいですか。
(事業者等)
はい。
(弓削委員)
はい。わかりました。以上です。
(楠田会長)
事業者等側に教えていただきたいのですが方法書の段階で、考えていないことが準備書の項目に入ってくるという理解でよろしいでしょうか。
(事業者等)
配慮書の段階では、複数ルートの比較検討のため、景観資源を対象に改変の状況を予測評価しました。その次に方法書の段階で、ルートが1つになり、ルート帯というのが決まったのですが、そこに道路構造として、今考えられるのは高架構造であったり盛土構造が考えられるところまで熟度が進みました。この熟度が進んだ段階で景観については、眺望景観を項目として選定しております。準備書の段階で、これから調査をして予測評価を準備書の中で示していくということになります。方法書では選定しております。
(楠田会長)
弓削先生よろしいでしょうか。
(弓削委員)
今後の方針については承知しましたが、今回の方法書で景観の評価というのは、どこにもないということですか。
(事業者等)
はい。方法書の段階では調査予測手法を示す段階なので、まだ影響評価をしておりません。
(楠田会長)
項目は入っているのですか。
(事業者等)
項目は入っています。
(楠田会長)
弓削先生、項目は入っているということなのですがよろしいでしょうか。
(弓削委員)
はい。項目に入れていただいているのであればいいと思います。ただやはり方法がちゃんと示されてないというのは、情報不足なのかなという印象は受けました。今後しっかりどのような方法を採るのかということを十分検討いただいて、最終的には申し分ない予測をしていただきたいと思います。以上です。
(楠田会長)
はいありがとうございます。というお話ですので準備書の段階で不足であれば、追加もあり得るっていう理解でよろしいでしょうか。これは事業者等の方への質問なのですが。
(事業者等)
知事意見等が出るのであればというところなのですけども、先ほどパワーポイントで説明した、調査の方法等で、これで抜け漏れがあるということであれば、追加はしていきたいというふうに思っています。パワポ資料48ページに、調査すべき情報と手法ということで、調査すべき情報として大きく3つです。1つ目は眺望点というのはどこにありどういう状況なのかということ。2つ目は見られる側の景観資源がどういう状況かということ。3つ目は、眺望点からどんな状況の景観なのかということです。この三つを調査します。調査の手法は、聞き取り調査をしたり、現地に行って写真撮影をしたりして、その景観の状況は確認をします。調査地域というのは3キロメートルの範囲ということで、人間が視覚的に見える範囲ということで3キロメートルを目安に設定をしております。調査地点というのは3キロメートル以内にある眺望点から、対象道路が見える位置を選定していきたいと思っております。次のページに行きますと、その3キロメートルというところを示しておりますが、三角の地点というのは、今、眺望点として既存文献で得られているところです。この位置からルート構造が決まりましたら、見えるのか見えないのかを全部精査して、その上で見える地点を、三角の中から選定をしていきたいというところでございます。また、聞き取り調査を行いまして、この三角の位置だけでは、まだまだ不十分な点もありますので、関係機関と聞き取り調査をして、この点追加した方がいいよ、あの点追加した方がいいよということも踏まえて、三角の地点は追加していきたいというところを示してございます。調査の期間というところは、自然的特性等を考慮して代表的な期間というふうに書いてありますが、基本的には、自然的特性は四季によって変わりますので、四季というところのそれぞれの状況を確認していきたいと考えているところです。この点で追加があるなら追加の調査もありうると思っています。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。弓削先生、いかがでしょうか。
(弓削委員)
はい。わかりました。ありがとうございます。
(楠田会長)
はい。それでは、次のご質問に移らせていただきます。岩松先生、お願いいたします。
(岩松委員)
私から景観について、そして住民の方々の意向調査について、意見を述べさせていただきますけど、まず1つ目が社叢景観についてです。海側から見た、下関側に設置するところの沿岸に、福浦には社叢の大きな群落があるのですが、こちらの社叢は植物群落としての記載はあるのですが、景観資源の中にはリストアップされていないように思いまして、こちらも歴史的な価値や景観的な価値を考慮して景観の評価をお願いできたら良いかなと考えております。実際にそのルートの中からは、最も真ん中に位置しておりまして、眺望できる立地だと考えておりますが、この点はいかがでしょうか。
(楠田会長)
はい。事業者等からご回答いただけますでしょうか。
(事業者等)
景観資源は、道路環境影響評価の技術手法では、「景観として認識される自然的構成要素として位置づけられるもの」と定義されており、要素としては、山岳、高原、湿原、湖沼、渓谷、滝、河川、岩石・洞窟、里地・里山等が例として示されています。方法書では、この道路環境影響評価の技術手法に基づき、これらの要素の中で、法規制及び景観構想計画等で指定された景観資源を整理しています。福浦金刀比羅本宮・福浦稲荷神社社叢については、関係機関に聞き取り調査を行い、準備書の段階において、身近な自然景観を形成する景観資源として必要に応じて追加を検討します。以上です。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
(岩松委員)
今のご回答では必要に応じてということで、お尋ねしたいのですが、現在、インターネット上では、下関北九州道路のパンフレットを見ることができまして、令和4年7月に両県両市のまとまりの団体から発行されているパンフレットなのですが、そこにイメージ図というのが書いてありまして、既にこの社叢の山腹あたりにかなり大きなサービスエリアのようなショッピングゾーンが描かれている図なのですけれども、現在まだルートが決まっていない段階で、ルートの想定されるようなものは出されないということなのですが、そのパンフレットの中ではかなり山肌のところに、造成開発がされているような図なのですけれども、そういったイメージ図というのは、本来、景観の評価がされずに出しては、問題もありそうな図だと思うのですけれども、これに関連してお尋ねしてもよろしいでしょうか。
(楠田会長)
まずはそのパンフレットの位置付けを事業者等の方から教えいただけませんでしょうか。
(事業者等)
民間のJAPIC(一般社団法人日本プロジェクト産業協議会)という組織があるのですけどその取り組みの1つで、下関北九州道路のイメージ図として、民間事業者等の方が作られたものであります。景観として、イメージを載せるのが早いのではないかっていうご指摘もあるかとは思うのですが、あくまで民間の方が想定されたものであって、取り組みとして紹介をさせていただいたものです。
(楠田会長)
それは山口県が許可を出されているということではないのですね。県は関与されていないという理解でよろしいのですね。
(事業者等)
そうですね。景観図の作成等について一切関与はしておりません。
(楠田会長)
パンフレットの出版、発行することについて県は許可されているのですね。
(事業者等)
パンフレットは山口県、福岡県、北九州市、下関市で出していますので、載せることについては承諾しているのですが、そのイメージ図がいいとか悪いとかっていうことについては、議論は特にしておりません。
(楠田会長)
異議も申されてないのですね。
(事業者等)
そうですね。特段異議は申しておりません。
(岩松委員)
そうですか。この図でいくと橋梁・橋脚の、北側のところに大きな造成が行われていますので、今回の評価前にこれが出てしまうということについての疑問だったのですけれども、これは単なるイメージということですね。
(事業者等)
民間のイメージ図を参考に載せました。
(岩松委員)
はい。そうですか。そうするとこの総景観の下が3分の2かそのぐらいは、商業地になっていたので、そのあたりは評価の後でしっかりとされるということでよろしいですかね。
(事業者等)
もちろんです。ルートはまだ決まっておりませんので。
(岩松委員)
それから、今の質問に関連しましてルート帯の中心のところに福浦港(下関市)があります。入江になっていまして、両側に森林地域があります。海から見ますと、この両側の森林が、景観としてはかなり大きく入ってくるのではないかと思いますし、また漁港にとってもこうした自然の中を入っていくという地形、その価値というのがもうこのエリアでは、残された、もう僅かな希少な景観になっていると思われますので、こうした景観にどのくらいインパクトがあるのかも評価をしていただけたら、幸いと思っています。
(楠田会長)
はい。事業者等の方からご回答いただけますでしょうか。
(事業者等)
関係機関に聞き取り調査行い、準備書の段階においては身近な自然景観を形成する景観資源として、必要に応じて、追加検討を行っていきたいと考えております。以上です。
(岩松委員)
はい。具体的にはそこのルート帯の真ん中の辺りですので、その漁港の上が大きく影響を受けるのではないかなと考えられますので、また景観とともにこれからルートの選定にあたっては、地元の産業なども考えた上での評価をお願いできればと思っています。ありがとうございます。
(事業者等)
了解いたしました。
(楠田会長)
岩松先生、次のご質問ございませんでしょうか。
(岩松委員)
次なのですが、陸上に至りまして、陸上ルート、山口県側は森林がまとまってあります。確かに山口県の下関市は、森林面積が多い、山林がほとんどであるという、方法書にも書かれているのですが、この沿岸の地域は市街化されていまして、唯一沿岸部分に森林が残っている希少な森林地域と考えられますので、こちらに関しての保全、特に希少な種というだけではなくて、このエリアの中では貴重な森林であるということを考慮した上での評価というのをお願いできればと思っています。そして、次の質問も関連するのですが、この森林地帯は、東西に谷筋の集落が入った形をしておりましてそれが三つぐらいの島状に立地しております。今回の道路は、南北に谷筋の集落をくし形に、抜けるようなルートになると想定されますので、そういったかなり景観に対しては逆らったような形の、造成が行われると考えられまして、この影響についても住民の方々の意識とともに、景観と意識面でも評価をお願いしたいと思います。それからこの道路ができますとこの森林地帯を、分断してしまうということで、森林管理をするためのルートがなくなってしまうことが懸念されると思いますので、所有者さんたちがどのような所有者ですとか管理者が、どのようにこの森林にアクセスできるのか、ということもその道路の構造とあわせて、事前に把握していただいた方が、後々の森林荒廃などに繋がらないのではないかなと考えますのでよろしくお願いします。
(楠田会長)
はい。それでは事業者等の方からご回答いただけますでしょうか。
(事業者等)
今後のルート・構造の検討にあたっては、本事業の目的を勘案しつつ、森林地帯の保全に配慮し、また分断にも配慮し関係所有者や管理者と協議調整を十分にして準備を進めてまいります。
(楠田会長)
はい。岩松先生いかがでしょうか。
(岩松委員)
はい。労力はかかってしまうと思うのですけれどもよろしくお願いします。
(楠田会長)
はい。それでは残りの質問を合わせてお願いいたします。
(岩松委員)
次は、日常景観、近くの景観についての評価についてなんですが、やはり下関市長様からのご意見等でも可能な限り生活景への影響を回避及び低減するようにということもあります。地元住民に親しまれてきた身近な景観を含めてというような提言もありますので、実際、近景でこの道路を見る人たちがどのような景観を見ることになるのかというようなモンタージュの評価を行っていただきたいということと、今回住民の意識調査をされているのですけれども、具体的にその住民というのはいろいろなタイプがあると思います。この当該市町の広い住民にとってこの道路はどう利用できるのかというような意識のほかにこの調査、区域またはルート帯の実施区域というような様々な、その規模によって、住民の意識は大きく変わると思いますので、単に住民ということだけではなくて、どの当事者なのかということをお考えになった上で、人々にご説明されないと、これが本来の集めるべき住民意見ではなくなってしまうことを懸念していますので、よりきめ細かな、住民への対応をお願いしたいと思います。以上です。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは、事業者等からの回答をちょうだいいたします。
(事業者等)
景観の予測評価にあたっては、主要な眺望点、主要な眺望景観の他、地域の人々が日常的に利用している愛着のある場所や地域の人々に古くから親しまれてきた身の回りの身近な自然景観を含めて行います。その身近な自然景観については、関係機関に聞き取り調査を行った上で眺望点等を選定し、フォトモンタージュ等により予測評価を行います。環境影響評価法に基づき準備書説明会を行う予定であり、その際、環境影響について、分かり易く、丁寧な説明を行い、地域住民の皆様の意見聴取に努めてまいります。以上でございます。
(楠田会長)
はい。岩松先生よろしいでしょうか。
(岩松委員)
はい。今後ルートが決まっていくに従って、それに対応した説明をよろしくお願いします。
(楠田会長)
それでは、事前に頂戴しましたご質問以上ですので、今日ご出席くださっています委員の皆様方からご意見、ご質問をちょうだいいたします。それでは挙手をお願いします。村瀬委員お願いいたします。
(村瀬委員)
海域を対象とした調査についてもう少し詳しくお聞きしたいと思います。全部で5点あります。
まず1点目は、調査地点についてです。具体的な調査地点が示すことができないということでしたけれども、橋がかかる陸側、それから橋の下や橋脚が設置される地点、それらの周辺の関門海峡や瀬戸内海、響灘に複数の地点を設ける必要があると思うのですがそういう理解でよろしいでしょうか。
2点目です。調査手法について、先ほどの説明では直接観察と言われていましたけれども、通常は陸から沖方向に測線を設定して観察するライントランセクト法を用いていられることが多いです。そのような方法などを検討しているのでしょうか。
3点目です。海域に分布する動物と植物についてです。網羅的に出現する海域生物を調査すると理解しています。このうち、特に橋がかかる陸側では、橋の下が影になると想定されます。自然海岸だけでなく、人工護岸であっても、この潮間帯に生息するカニ類や貝類などが付着していて、またヒジキなども着生しています。海面下には、ワカメやアカモクなど漁業対象となる海藻類などが生育しているので、それらの影響を評価する必要があると思います。なお、ワカメにつきましては、漁業対象種に加えて、歴史的には、北九州市と下関市の両市の和布刈神事に用いられている重要な種であるので、関門環境全域での、ワカメ生育状況の確認というのは必要かと考えています。さらにワカメというのは冬から春、せいぜい5月ごろまでに生育する種であるため、冬の調査が不可欠です。方法書のP8-19の表8-3(16)植物の調査手法の欄の調査期間などでは春夏秋の三季調査としていますので、冬の調査を加える必要があると考えています。
4点目です。橋の下は、瀬戸内海と響灘などをつなぐ関門海峡になります。多様な魚類や希少種であるスナメリ、これは福岡県のレッドデータブックにも掲載されていますが、これらが行き来している報告があるので、これらの種を対象種とすべきであり、車両の通行による騒音とか、夜間の橋の照明による影響などを含めて、考える必要があると思います。
最後5点目です。橋脚の有無についてまだ不明ですが、橋脚がある場合には、船舶の航行に影響を及ぼすため、流れの変化のシミュレーションとともに、動植物の分布の影響などを調査する必要があると考えています。以上です。
(楠田会長)
はい。どうもありがとうございます。それでは、ただいまのご質問に対しまして事業者等から回答を頂戴いたします。
(事業者等)
それでは5点について回答いたします。
まず1つ目が、調査地点について、海域の調査ですね。動物植物の調査で橋脚の周りの調査は、影響があるからするだろうと。それに対して、響灘の方まで広域的にというふうに言われておりました。これについては、我々どもとして海域を改変する可能性があるところというは、橋脚を立てるところということで考えており、その辺周辺とともに、やはり流れの影響がありますので、響灘までは行くかどうかはありますが、広域的に調査は進めていきたいというふうに考えていきます。
2つ目が、調査手法について直接観察と言っていましたがトランセクトはという話なのですが、先ほど会長の質問に対する回答でもお示しした通り、海生哺乳類とか鳥類につきましては、トランセクト法をもって調査もしていきたいと考えています。
3つ目について、海域の動物植物っていのは潮間帯のようなところでも自然度が高いところがあったり貴重な植物と動物がたくさんいます。例えば藻場とか、ワカメについては、冬の調査が必要なので三季はというところでございますが、はい。基本的には干潟等が、この辺の地域もありますのでその辺周辺潮間帯については、調査を進めていきたいと思います。それと、冬の調査三季というと、冬の調査を入れて三季ではないのではないか四季が必要ですということについては、基本的に海の調査については四季をやっていきたい。冬を入れてやっていきたいというふうに考えています。
4つ目のスナメリというのは橋脚の位置のところ、ないしは影になる等々がいろいろあるので、ということできちんと調査をされているのかということについてですが、これについては、海生哺乳類、スナメリも含めてですね、この辺の行き来というところは、既存文献でわかっておりますので、様々な専門家のご意見をいただきながらですね、調査を進めている、進めていきたいというふうに考えているところです。
それと5つ目は、海底の掘削をすることによって流れがどう変わるのか、それと濁りがどのように拡散するのかを、水環境の中でシミュレーションして、予測評価します。この結果を踏まえて、海の動植物については、予測評価をしていきたいと考えています。以上5点になります。
(村瀬委員)
はい。ありがとうございました。最後のところで、海底掘削で濁りが出るという部分でお話されましたので、その件に関してもこの関門海峡を中心とした動植物への影響というのを調べていただければと思います。以上です。
(事業者等)
はい。ありがとうございます。そちらの方もしっかりとやっていきたいと思います。
(楠田会長)
今のご質問では、橋脚が海域の部分に立つかどうかっていうのは明示されませんでしたけれども、海域の中に立つケースの場合には、水質調査だけでなくて、構造物の存在としての流況の変化が起こりますし、そうなった場合には、その流況の変化についても調査されるという理解でよろしいでしょうか。
(事業者等)
はい。そのとおりで、そのようにご理解でよろしいかと思います。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは村瀬先生よろしいでしょうか。
(村瀬委員)
はい。ありがとうございました。
(楠田会長)
それでは、河野先生よろしくお願いいたします。
(河野委員)
植物に関して、植物の調査と動物の調査と生態系の調査に関しての整合性についてお伺いします。
現地調査を行う範囲が、植物の場合は100メートル前後、見せていただいた図Cではルート帯の周囲100メートルを含めた、1キロメートル幅プラス100メートルで200メートル幅、1200メートル幅の場所を調査されるというようなことかと思います。というふうに理解しました。それで動物の場合は、周囲に250メートルということなっております。それで生態系の調査は、動物の知見と植物の知見を利用するということでした。となると、生態系の調査の場合は、せっかく動物で250メートルの知見がありながら、重ね合わせた場合100メートル分の知見しか利用できません。そういう場合、植物も動物も生態系のあり方を見る場合には、同じ地域で調査をしていただく方が、その後の生態系調査にも利用可能なので、そのようにしていただくことは可能でしょうかというのが、1つです。
もう1つは、植物の調査を文献調査等も含めて、例えば、重要な種がいるかいないかということをされると思いますけど、重要な植物種がいるかどうかという場合と、重要な動物種が食べる食草の分布があるかないかは、必ずしも文献上一致しないと思いますので、希少な植物種という探し方と、貴重な動物種が依存する植物の分布、両方カバーしていただけていただけるとありがたいと思っています。この2点ですけども、よろしくお願いします。
(楠田会長)
はいありがとうございます。それでは、事業者等からの回答をちょうだいいたします。
(事業者等)
まず植物が100メートルそして動物が250メートル、そうすると生態系は両方を使うとなると整合がとれてないのではないのかというお話でございます。同じぐらいの幅で調査すべきとのことでございますが、植物の影響というのは改変があった場合100メートル程度の影響があるというふうに、技術手法で言われています。動物については鳥類等、適宜拡大するものがありますけども、行動範囲が狭い種等々については250メートルとしています。生態系については、基盤となる植生が重要になってくると思っていまして、その基盤となる植生については、100メートルではなくて、250メートルの範囲内で我々は把握していきたいと考えております。ですので、生態系の食物連鎖というのはそれらの情報で、整合が図られて整理ができるかなというふうに思っているところでございます。
それと、2つ目については、重要な種との中で、食物連鎖を考えたときに、一般種とかいろいろある中での全体的な食物連鎖をちゃんと整理すべきだと、そういうご意見かとは思っています。我々どもとしましては、調査結果を踏まえて、この地域全体の生態系がどのような食物連鎖があるのかというのを、重要種、一般種を含めて整理をしていきたいというふうに考えています。以上です。
(楠田会長)
はいありがとうございます。河野先生よろしいでしょうか。
(河野委員)
はい。ありがとうございます。ということは現地で例えば、現地調査でギフチョウのような山口県の東にいそうな貴重な種が、たまたま観測されると、その食草のカンアオイがいるかどうかとかそういうこともご検討いただけるということですよね。
(事業者等)
そのとおりです。
(河野委員)
はい。わかりました。植物調査は100メートルですが、植生の配慮に関しては250メートル幅で、ご考慮いただけるという理解しました。はい。結構だと思います。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは藍川先生お願いいたします。
(藍川委員)
私の方から2点ほど確認をさせてください。
表8-2なのですけれども、環境影響評価を行う項目及びその選定理由、大気質が出ているところです。その中で、工事の実施の「建築機械の稼働」及び「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」について、二酸化窒素と浮遊粒子状物質のところに丸がありませんが、これについては、ある一定の基準判断基準に基づいて、ある要件を満たしているので、そのことを確認した上で選定していないというふうに、理解をしてよろしいでしょうかというのが1点目です。
もう1点目は、表8-3の(1)の中で、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の手法の中の予測手法1のところで、プルーム式及びパフ式の拡散式により、年平均値を予測しますとありますが、その右側で評価の手法の中で、基準または目標との整合性の検討という中で、環境基準と比較するという記載がありますので、恐らくは年平均値を予測した後に、その予測した年平均値をもとにさらに二酸化窒素であれば、98%値、浮遊粒子状物質であれば、2%除外値というのを、ある近似式を基に、98%値2%除外値をさらに予測することになると思いますが、その理解でよろしいでしょうかという2点です。よろしくお願いします。
(楠田会長)
はい。それでは事業者等の回答をちょうだいいたします。
(事業者等)
1つが、建設機械の稼働に対する二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の不選定理由についてかと思います。先生がおっしゃる通りでございまして技術手法においては、建設機械の稼動と工事用車両の運行に対する浮遊粒子状物質の項目の設定の考え方が示されておりまして、これについては、住居等の保全地域が存在して、なおかつ、現況の濃度が環境基準を超過していると、高い場合に選定するとされておりまして、本地域につきましては、今日説明簡単に申し上げましたが環境基準に達成しておりますので、選定していないということでございます。
それと2つ目の予測の手法について年平均値を予測して、評価は2%除外値と98%値になるので、その換算はするのかという、そういうご意見かとは思います。技術手法の通りですね、プルーム式及びパフ式で出てくる結果は年平均値でありますので、その結果までは計算で求めて、そのあと回帰式がございまして、その式をもって換算し環境基準との比較を行っていきたいと思います。
(藍川委員)
はい。わかりました。ありがとうございます。以上です。
(楠田会長)
はい。藍川先生どうもありがとうございました。それでは、岡本先生お願いいたします。
(岡本委員)
確認させていただきたいのですが、まず騒音についてなんですけれども、方法書8-8の自動車騒音の予測についてなんですが、まず予測の方法の箇所の予測地点について、高さ方向に関する言及があるのですが、平面的にも複数で設置すると理解してよろしいでしょうかっていうのが1点目です。
あと2点目ですが、騒音の予測対象時期がその下に書かれているのですが、計画交通量の発生が見込まれる時期というふうにされているのですけれども、計画交通量について見落としているかもしれないのですけれども、これは具体的なルートが決定した後に設定するということでよろしいでしょうか。以上2点です。
(楠田会長)
はい。ご回答お願いいたします。
(事業者等)
まずは予測に対しまして面的な広がりを持って予測をするのかというご質問かと思います。
1つ目については、ルート構造は検討中ですけども、接続する位置で決定しているのは、起点側が彦島有料道路、そして終点側が、北九州市の都市高速と接続することまでは決まっています。この辺については、縦断線形もいろいろと複雑になり、そして面的な広がりが出てきますので、こちらのところについては平面的に予測を行って、環境基準と比較評価を行っていきたい。それが1点目です。
2つ目の予測対象時期というところで計画交通量というのは、今、ルート構造を検討中だと言いましたが、まだインターチェンジの位置がどこになるのかというところも中間インターチェンジがどうなのかとか、いろいろ検討中のところです。その検討が終わりましたら、交通量推計というシミュレーションを行いまして、この道路が何台通るのかというところが決まってきます。その交通量推計というのは、計画交通量が今後最大になる時期というところで、推計をしますので、その時期で予測評価をしていきたいという、これから推計をして、その推計結果を用いて予測評価をすると。そういうふうにご理解ください。
(岡本委員)
分かりました。ありがとうございます。
(楠田会長)
それでは続きまして、上田先生お願いいたします。
(上田委員)
方法書の8-6です。その中に、騒音の項目があるのですけども、調査地域は影響範囲内における住居等の保全対象は存在する、あるいは将来の立地が見込まれる地域としますという中に、北九州市側は入っていますでしょうか。
(楠田会長)
はい。事業者等から回答を頂戴いたします。
(事業者等)
この調査地域、騒音の調査地域に北九州市側が含まれているかということですね。それにつきましては、含まれます。北九州市側にも、基本的には集落は工業地帯といっても都市高速側の方には住居がございます。その地域等々がありますので、含まれるということでございます。
(楠田会長)
上田先生よろしいでしょうか。
(上田委員)
はい。ありがとうございました。
(楠田会長)
はい。それでは岩松先生お願いいたします。
(岩松委員)
基本的なことで申し訳ないのですけれども、今回の審査会は、北九州市側ですが、下関市側では、アセスメントの審査会はあるのでしょうか。
(楠田会長)
はい。事業者等から回答をお願いいたします。
(事業者等)
下関市でも環境審議会を開催しておりまして、既に2回実施しております。以上でございます。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。岩松委員よろしいでしょうか。
(岩松委員)
はい。ありがとうございます。また、その情報とかは、ホームページでも拝見できるのでしょうか。
(事業者等)
そうですね。環境部局の方がホームページにアップしておりますので、この情報はご覧になれると思います。
(岩松委員)
はい。ありがとうございます。
(楠田会長)
ありがとうございます。はい。それでは次のご質問を頂戴いたします。挙手をお願いいたします。よろしいでしょうか。ご質問がございませんので、これで仮称下関北九州道路に係る環境影響評価方法書の審査を終了させていただきます。
このページの作成者
環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196