令和3年10月12日(火曜日)14時00分-16時00分
第52回北九州市環境影響評価審査会議事要旨(令和3年10月12日)
1 日時
2 開催方式
Web開催
3 出席者
委員
藍川委員、伊藤委員、岩松委員、上田委員、岡本委員、大石委員、岡本委員、河野委員、楠田会長、武石委員、竹松委員、豊貞委員、中西委員、三笠委員、村瀬委員、弓削委員
事業者
国土交通省大阪航空局、国土交通省九州地方整備局
事務局
環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他4名)
4 議題
「北九州空港滑走路延長事業に係る環境影響評価方法書」の審査
5 議事要旨
(楠田会長)
それでは審議に入ります。先程、申し上げましたとおり、今回は方法書の審査になります。環境アセスメントは、事業者が4段階の図書を作成していく中で、広く市民の意見や審査会の答申を踏まえた市長意見を受けて、実行可能な範囲で、より環境に配慮した事業計画を策定していくという手続きでありまして、方法書はその2段階目の図書ということになります。方法書は、事業の実施が環境に与える影響について、どのような方法で調査・予測及び評価を行うかを記載した図書です。
本日は、方法書に記載された調査手法などが適切なものであるか、ご審議いただければと思います。
それでは、審議に入りますが、始めに、委員の皆様から事前に頂戴しましたご意見につきまして、事務局より紹介し、事業者からご回答いただきます。その後、追加のご意見・ご質問がございましたら、ご発言をいただきたいと考えております。
始めに、大石委員よりご意見をお預かりしておりますので、事務局より紹介をお願いします。まず、委員の皆様方から事前に頂戴しております、ご意見がございます。
事務局から紹介していただき、事業者からご回答をいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
(事務局)
それでは、大石委員からのご意見を紹介いたします。
ご意見につきましては、お手元の資料1の3をご確認ください。
(1) 6-8ページ (表6.2-1) NOxの予測の基本的手法
環境保全措置は可能なものは予測に反映して、予測への反映が困難なものは別途記載して評価するとありますが、現時点でどのような要素(措置法)を想定されているのでしょうか?
(2)6-13ページ(表6.2-3(1)) NOxの調査期間
航空機の運航については春冬の年2回各7日、飛行場の施設供用(6-16ページ)では春夏秋冬の年4回各7日とあります。浮遊粒子状物質(6-24ページ)も同じく年4回各7日とされています。これは航空機の運航が春冬に多いということでしょうか?
以上でございます。
(楠田会長)
それでは、事業者の方から回答をお願いいたします。
(事業者)
はい。それでは事業者の方から、回答申し上げます。
1点目につきましてですが、環境保全措置のうち、計算条件に組み込むことが可能な措置、例えば、排出ガス対策型建設機械等の使用、こういったものが考えられますが、これらは燃料使用量が明らかになっていますので、予測条件として、定量的な予測計算に反映することが可能であるというふうに考えております。
一方で、効果等の定量化が困難である措置、例えば、建設機械の整備・点検の徹底の促進ですとか、アイドリングストップの励行、こういったものについては効果等の定量化が難しいというふうに考えておりますので、これらについては、環境保全措置としての採否ですとか効果の程度、実施主体等を明らかにして参りたいと、このように考えております。
続きまして2点目についてです。
航空機の運航による大気質の影響予測につきましては、予測計算上必要となる現況の大気質濃度は、空港周辺に自治体において設置されている常時監視測定局、一般環境大気測定局での通年の測定結果を活用することを考えております。
その上で、空港島内での現地測定につきましては、空港島内には事業所や宿泊施設が立地しており、従業員の皆様ですとか利用者の方の健康保護の観点から、空港島内の大気質の状況についても把握すべきでないかという専門家のご意見をいただきましたことから、現地調査地点を空港等内に設けておりますが、ご指摘の調査時期につきましては、空港周辺の常時監視測定局の測定結果を確認させていただいて、他の施設よりやや高い値を示している春及び冬の2季節に調査を行うことといたしております。
(楠田会長)
はい、ありがとうございます。それでは大石委員、ただいまの回答でよろしいでしょうか。
(大石委員)
2点目は他のところの観測値を使うということで、わかりました。
1点目なんですけども、この予測っていうのは非常に重要になるものなんですけど、結局数値的に表すことができなければ反映ができないということなんですが、想定できない、反映できない整備とかアイドリングといったものについては、どのようにすれば反映できるかっていうのを次のステップ、いわゆる準備書で示していただくことは可能なんでしょうか。
(楠田会長)
はい。ただいまのご質問に対しまして、事業者の回答を頂戴します。
(事業者)
はい。ご指摘ありがとうございます。
可能なものについては、もちろんできる限り計算の中に反映させていきたいと考えておりますが、なかなかアイドリングストップの効果というものがどの程度かというところについては、正直なかなか定量的に予測することが難しいと考えておりますので、可能な限りわかるものについては数字の中に反映していきたいと思いますけれども、可能な範囲でということでご理解いただければと思います。
(大石委員)
ありがとうございました。
(楠田会長)
大石委員、よろしいでしょうか。
(大石委員)
はい。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
それでは次のご質問に移らせていただきます。続きましては弓削委員からお預かりしておりますご意見です。ご紹介を事務局からお願いいたします。
(事務局)
それでは、弓削委員のご意見についてご紹介いたします。
6-6ページ、水質・水の汚れについて。
防除氷剤について、「その使用量は気象条件に左右される」と記載されていますが、なぜそのことによって「水の汚れに影響を及ぼすことはない」と断定できるのでしょうか。気象によっては、過去よりも防除氷剤の使用量が増加することもあり得るのではないでしょうか。
2-4ページにあります通り、2040年度には国内線および国際線とも発着回数が現在よりも増加することが予測されています。その場合、防除氷剤の使用も現在より多くなって水質への影響も増す可能性があるのではないでしょうか。
続きまして、6-6ページ、水生動物・水生植物について。
曽根干潟を始めとする周辺の水域には多くの水生動物が生息しているようですが、飛行機の運航に伴う騒音などによってこれらの動物に影響はないのでしょうか。
1番目の指摘に関連しますが、施設供用後の水質の影響を過小評価しているのではないかと思われる点があります。施設供用後の水質が変化すると、水生生物にも影響が生じると思われますが、どのようにお考えでしょうか。
以上です。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
それではただいまの意見に対しまして、事業者から回答を頂戴いたします。
(事業者)
はい。ご回答いたします。
まず1点目についてです。
防除雪氷剤ですが、航空機が十分に揚力を得て安全に離陸するために、航空機の機体ですとか翼に付着した雪や氷の除去及び滑走中の雪や氷の付着防止を目的として、航空機の機体に散布するものです。防除雪氷剤による水質への影響につきましては、方法書、お手元のオレンジの冊子の3-81ページにお示ししておりますとおり、令和2年2月に水質の調査を実施しており、防除雪氷剤散布後の海域における化学的酸素要求量CODの測定値は、周辺海域のCOD濃度と大差なく、周辺海域の水質に著しい影響を与えているものではないと考えております。
また、将来的に航空機の離陸の回数は、説明中にもございましたが、年間発着回数1.9万回から2.4万回に増加すると想定しているところです。これは1日当たりに換算いたしますと、離陸の回数は1日26回から32回程度と、約6便の増加になるということを想定しているところですが、1回毎の負荷量が増加するものではございませんので、海域のCODの濃度は現状と同程度と、著しく上昇させることにはならないというふうに考えております。
それから、2点目のご質問ご意見に対するご回答です。
まず、一般的に空気中を伝搬する音は、煤質の異なる水中にはほとんど伝わらず、水面で反射されますので、空中を飛行する航空機の騒音による水生動物への影響が生じる恐れはないというふうに考えております。
さらに、曽根干潟周辺につきましては、お手元の方法書、オレンジ色の冊子の2-6ページに、航空機の飛行ルートが図示されておりますが、北九州空港を離陸後、海の上を旋回して、北九州空港の上空を通過するわけですけれども、滑走路付近の上空で、高さ3,000フィート以上、900メートル以上まで上昇してから、曽根干潟の上空を飛行いたしますので、水生生物への影響ということもないだろうというふうに考えております。
また、滑走路延長後の施設供用後の水質の影響につきましては、空港内に降った雨水が海域に排水されますので、現在と同様、冬期に防除雪氷剤の混入が想定されるところですが、先ほど申し上げました通り、海域のCOD濃度の現状と同程度で、水生生物に影響を及ぼす恐れはないだろうというふうに考えておるところです。回答は以上です。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。弓削委員、よろしゅうございますでしょうか。
(弓削委員)
はい。今のご回答でよくわかりました。どうもありがとうございました。
(楠田会長)
はい。ありがとうございました。
それでは、今日ご出席くださってます委員の皆様方から、ご質問或いはコメントを頂戴いたします。それでは、順番にお願いいたします。まずは藍川委員お願いいたします。
(藍川委員)
要約書の6-8ページに、予測の基本的な手法というのが上から6つ目ぐらいにあると思います。その中で、二酸化窒素排出量を予想してという表現がありますが、これは二酸化窒素で間違いないでしょうか。窒素酸化物ではないでしょうかというのが1点目の質問です。
次が、6-13ページです。これの調査地点の、先ほどご質問いただいた中で、現地調査については空港島で働いている人もおられるからそこでの調査をしますというご回答があったと思います。それはしていただく方がもちろんいいとは思うんですね。
それと関連して、次の6-14ページで、予測地点というのがあると思います。
その中で的確に把握できる地点、と書いてあるんですけれども、これは今の時点で、どこを想定されているかというのがわかれば教えていただきたいです。質問の趣旨は、現地調査とか文献調査をする観測所、常時監視測定局2地点と、現地調査を行う合計3地点で行われる予定をされているのか。或いはそのどちらかなのか、或いはまだ決まっていないのかというのを教えていただけたらと思います。
続いては、6-23ページです。6-23ページの上から二つ目のところに調査の基本的な手法というのがあって、ここは大気質の浮遊粒子状物質に係る調査予測手法等ですが、その中で、現地調査というところに、「二酸化窒素に係る環境基準について」に基づく二酸化窒素の濃度測定及び測定結果の整理とありますが、これは正しいでしょうか。浮遊粒子状物質のところについて書いてありますが、この記載で間違いないでしょうかということが1つ。以上3点です。よろしくお願いいたします。
(楠田会長)
はい、ありがとうございました。それでは事業者から回答お願いできますでしょうか。
(事業者)
はい。ご回答申し上げます。
まず1点目の6-8ページについてですけれども、ご指摘の箇所については、おっしゃる通り窒素酸化物を予測いたします。その後最終的には二酸化窒素に換算をいたしますが、予測はご指摘の通り、窒素酸化物を予測するということでございます。
(藍川委員)
わかりました。
(事業者)
続きまして、6-14ページのご指摘についてです。予測を的確に把握できる地点というところですが、今回の予測については、面的に予測を行います。コンターというか、影響の範囲を平面的に表現させていただきますので、そのような形で予測をしたいというふうに考えておるところです。
(藍川委員)
ということは、どこでも評価ができるという理解でよろしいですね。
(事業者)
はい。影響が最も大きくなると考えられる地点が、最大着地濃度が出る地点ですので、そちらを予測の代表的な地点ということで表現させていただきたいと思いますが、予測は平面的に行うということでございます。
(藍川委員)
わかりました。
(事業者)
それからもう1点、6-23ページ。こちらは、浮遊粒子状物質の調査予測手法を示すべきページですが、ご指摘の通り、二酸化窒素の濃度の測定並びに調査結果の整理というふうにお示ししているところでしたので、ここは修正をさせていただきたいというふうに考えております。
(藍川委員)
はい、わかりました。ありがとうございます。
あと1点軽微な点で、6-14ページで、左の環境要素の区分の窒素酸化物のところ、1文字空いているので詰められた方がいいと思います。
(事業者)
大変失礼いたしました。ありがとうございます。
(藍川委員)
以上です。ありがとうございました。
(楠田会長)
はいどうもありがとうございました。
それでは、続きまして、武石委員お願いします。
(武石委員)
武石です。最初に一つお聞きしたいんですが、バードストライクについてなんですが、方法が書いてあるところにですね、予測の基本的な手法として、定性的に予測する方法とすると書かれているんですが、バードストライクに関しては、定量的に予測しないとなかなか危ないんじゃないか、大変なんじゃないかと思うんですけども、これはバードストライクに関する調査は、今回のアセス書の中での調査以外に何か今後行う予定はおありなんでしょうか。それをちょっとお聞きしたいんですけれども。
(事業者)
はい。ご回答いたします。バードストライクに関する調査という意味では、まず国交省の方で、鳥衝突調査というのを継続的に実施しております。バードストライクが生じてしまったときにどのような状況だったかということを集計するというものです。これは全国で実施しており、北九州空港でも継続して実施するということになります。
今回のアセスの中では、現地で調査員を配置して、航空機の飛行経路周辺でどのような鳥が飛んでいるかということを確認するための調査というものを実施して参りたいというふうに考えているところです。以上です。
(武石委員)
その上でなんですけれども、鳥類調査に関してですが、ここは曽根干潟に近接しているわけでして、曽根干潟には、方法書にもリストがありますけれども、非常にたくさんの種類の鳥が、1年を通じてですね、繁殖する鳥、春・秋に渡るだけの鳥、夏も越夏する鳥、それから冬に越冬する鳥、といろんな時期、1年を通じてですね、いろんな種類が入れ替わりになって生息しているわけですね。その中で、干潟の環境に生息する鳥類というのは、もちろん潮の干満に左右されて、その影響を受けて、えさを取るとか休息するとか、移動するわけですね。それで、現実の観察されたところからは、曽根干潟での干潟の干満に応じて、周辺の、例えば、松山の埋め立て地とかですね、空港島へも移動することが見られているし、移動することが十分予測されるわけですね。そういうことから言いますと、1年を通じて、曽根干潟を利用する鳥類が、どのように空港島を利用しているかを詳細に調べる必要があると思うんですね。それは特にバードストライクの関係が非常に懸念されるので、そういう意味での定量的な調査をしておく必要があると思うんですね。で、そのような場所としては空港島の中で言えば、今回の場所である南部の湿地帯、それから、北西部に土砂処分場がありますけども、それも大分土砂がたまっているようで、現地を見られた方からのお話では、干潟状になっている部分もあって、そこにクロツラヘラサギが10数羽休んでいるとかですね。
曽根干潟側、苅田町松山側を利用している鳥類、特にクロツラヘラサギが、北西部土砂処分場も利用していることが見られているわけですね。
それから、一般的に空港島の護岸でも、満潮時には、曽根干潟を利用している鳥類がそこに休むために移動するということも十分あり得るわけですね。
そういうことからしますと空港島での調査につきましては、この方法ですと、選んだ時期で、1日だけというような記述があるのですけれども、そもそも、1年を通じてということではないようですので、クロツラヘラサギとかチュウヒとかハヤブサのような重要種や、それ以外の一般鳥類もバードストライクのことを考えますと、1年を通じた調査をしていただきたいということですね。月に複数回くらい実施するような形でお願いしたい。特に、大潮のときの満潮時と干潮時では、当然、鳥類が移動するわけで利用度も違うでしょうし、それがどの程度幅があるのかというのは、小潮の時の満潮時干潮時のデータもないとですね、空港島へ曽根干潟を利用する鳥類がどのように移動しているのかということを把握する必要があると思うんですね。
とりわけバードストライクの懸念があるわけなので、それをしていただきたいということです。
追加をすれば、クロツラヘラサギについては越冬する鳥なんですが、それでも夏、越夏する個体が見られているということですし、また渡来時期も冬になってから真冬になってからということじゃなくて、9月から早く来る場合もあるし、一般的には10、11月だそうですが、それでも、先ほど言いましたように、ほぼ1年通じて、毎月調査することを組み込んでおく必要があると思うんですね。
チュウヒにつきましても、環境省のチュウヒ保護の進め方に沿っておやりになるということが書かれてありますけども、その中で、6月までの調査ということが方法書に書かれてあるのですけれども、巣内での育雛期ですね、ヒナに餌を運ぶ時期、それから、巣外にヒナが飛び出してもその後でもしばらくの間、親から餌をもらっています。そういうのは7月、8月にありますので、技術委員会の指摘もありますけど、チュウヒが繁殖しているんじゃないかということも言われていますので、そういう7月、8月も含めた調査もするということなども考えますとね、1年を通じて、毎月、複数回調査をしていただきたいと思うわけです。そのところはどうでしょう。
それで、特に北西側の土砂処分場については、先ほど写真をお示ししていただいた中には入っていなかったんですが、センサスルートには土砂処分場の南端側に定点がありますけども、土砂処分場の長軸方向は大体1500メートルぐらいあるように思うんですが、そういう中での鳥類も把握したいので、大型鳥類ですと南端から見れば、そこそこ種類の識別はできるかと思いますが、シギ・チドリ類とかについては、識別も難しいと思うので、土砂処分場の中の干潟状部分に生息する鳥類、利用する鳥類を見るためには、もうちょっとその定点のところよりも滑走路沿いに入ったところで、定点をとっていただいて、土砂処分場の中での鳥類の利用度を調査していただきたいと思いますが、大ざっぱに言うとそんなところですがいかがでしょうか。
(楠田会長)
ありがとうございます。
それでは、事業者から回答を頂戴いたします。よろしくお願いします。
(事業者)
はい。ご回答いたします。
鳥類の調査につきましては、まずは空港島及びその周辺でどのような鳥類が利用しているかということを、網羅的に把握したいというところを考えておりまして、バードストライクの調査以外に、一般鳥類の調査あるいは猛禽類の調査というものを実施する中で、設定をしているところです。ですので、まずは今の案で、全体的にどのような状況か、どのような鳥類が利用しているかということを把握するための調査ということで、他のアセスの事例などを参考にしながら設定させていただいておりますので、この案で進めさせていただきたいと考えております。
ご指摘の、環境省のマニュアルですとかそういったものは、参考にさせていただきながら、設定をさせていただいておりますので、そのように考えているところです。
回答としては以上になります。
(武石委員)
一つ、場所についてはですね、この方法書の中では苅田町松山の埋立地のところは調査区域に入ってないんですが、曽根干潟と空港島だけになっているんですけども、特にクロツラヘラサギについては、苅田の新埋立地で休息したりするものが、空港島に移動したりするというのを観察されている方がいらっしゃるので、今年の9月には10数羽ぐらい、そこから、全部じゃないですがそこからの一部が、10数羽空港島に移動してるというのを観察されていますので、具体的には、苅田町側の新埋立地の方も、一般的な鳥類調査の際に、観察する範囲に入れていただきたいんですが。
それと、この案でやりたいというお話ですけども、先ほど言いましたように、曽根干潟にいる鳥は潮の干満の影響を受けて移動するので、干潟の鳥ですから、干潟に依存する鳥ですから、当然、大潮の満潮干潮時、小潮の満潮干潮時に、空港島での鳥類の利用度がどう変わっているか、どんな種類がどの場所を利用するかをやはり調べておく必要があると思うんですね。
それで、今回の方法書に書かれているだけでは、曽根干潟という重要な鳥類渡来地に近接している場所でのアセス調査としてはどうしても不十分だと思うんですよね。とりわけ、潮の干満の影響を考慮した調査を入れないとまずいと思うんですよね。そこを入れていただきたいということですね。どうでしょうか。
(楠田会長)
はい、事業者の方から何か回答ございますでしょうか。
(事業者)
はい。まず、潮の干満につきましては、今回のバードストライク調査におきまして、24時間の連続の調査をかけるつもりでございますので、一応潮の満ち引きのところについては、ある程度動き方がどうなってるのかというところについては把握ができるものと考えております。
(武石委員)
調査日数の制約がおありかもしれませんが、とりわけ大潮の満潮と干潮を含む調査は必ず必要だと思うんですよね。
それと、1年を通じた中で、曽根干潟を利用する鳥がどう移動するか、とりわけ大潮の満潮と干潮で、どう空港島を利用するかというところの視点は、きちんと入れておかないとまずいと思うんですよね。
だから、とりわけ潮位の変化、特に大潮と、できれば比較するために小潮の満潮干潮を入れて、最低2日間ですよね。それをできれば毎月やっていただいた方が、後々、バードストライクに関して定量的に、何らかの影響がどの程度あるのかということを把握するためにはどうしても必要だと思うんですね。
それで、その上で、バードストライクの状況がとても懸念されるのであれば、曽根干潟という重要な生息地の、とりわけ満潮時にそこを利用している鳥類がどこへ避難するか、空港島へ来てもらっちゃ困るんであれば、その近接した地域に何らかの場所をセットして、満潮時に鳥類にそっちに移動してもらって空港島に移動しないようにするとかですね、いろんな方策を考えることになると思うんで、そのための前提として、まずは、一般調査においても、とりわけこういうふうな潮の干満を考慮に入れ、1年を通じたことも考慮に入れた調査をしていただきたいんですけどね、私としては、そう思います。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。
事業者側から何か追加のご回答がございますでしょうか。
(事業者)
はい。ありがとうございます。ご意見として承りました。
(武石委員)
それともう一つ簡単にちょっとお願いしたいんですが。
バードストライク調査で、鳥がどの高さを飛ぶかはレーザー距離計を使うということなんですが、最近レーザー計測システムといって、レーザー距離計と角度計を合わせて、かなり正確に、バックが空で背景が全くない場合でも、正確にその高度、位置が測定できるレーザー計測システムが出てきているようなんですけど。それをお使いになるんですかね。それ以外の従来のレーザー距離計を使うんですかね。要は、新しく出てきているやつを使って、正確に定量的に判断していただきたいということですけど、これはお願いしたいんですけど。
(楠田会長)
はい。事業者の方から回答をお願いいたします。
(事業者)
はい。ご意見ありがとうございます。
今回に関しては、従来型のレーザー測定器を使って、調査を行いたいというふうに考えております。ご意見として参考にさせていただきます。
(武石委員)
はい。ありがとうございました。
(楠田会長)
それでは、武石委員、追加はございませんですよね。
(武石委員)
はい。鳥については、一応あらかた、いいです。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは続きまして、河野委員お願いいたします。
(河野委員)
はい。動物、植物、生態系の調査についてちょっとご質問をさせていただきます。
動物、植物、それぞれ重要種を主にトレースしてということですね、今回ちょっと特に注目したいのは、生態系の調査で、この方法書を読ませていただきますと、動物調査と植物調査のデータをできるだけ活用するという記載がございます。
動物の場合、重要種、例えばチュウヒなんかをとりあえず追跡されると思いますけども、植物、陸上植物に関して、それほど重要なものが実はないかもしれません。
その場合に、生態系で例えば、食物連鎖等を反映した調査が、あまり動物及び植物の調査で重要種以外の生き物がカバーされてない場合はその関係が見えづらいんではないかとちょっと思いますので、生態系の調査、つまり重要種の挙動を見ようと思った場合には、重要種以外の小動物、また小動物が生育するのに必要な植物の生育環境を、できるだけ肉眼で見える範囲であれば可能な限り網羅的に調査の対象に含めていただくということが確認いただければ、生態系の調査の精度がある程度担保できるのかなと思いますので、その辺、調査対象生物の種の範囲に関して、ご説明をいただければと思います。
(楠田会長)
事業者から回答頂戴いたします。
(事業者)
まず植物と動物につきましては、こちらは重要種への影響というところを予測して参ります。生態系につきましては、先生のご指摘の通り、人工的な環境ですから、植物ではおそらく重要種的なものが出てこない可能性があるであろうという想定もございますので、いわゆる環境の類型区分をした上で、当該地域に見られる典型種ですとか、あとは、そういった、いくつかのマークになるような種を抽出いたしまして、それぞれ食物連鎖の中で、どういう具合に変わっていくのかといったようなところについて、予測の方をしていきたいという具合に考えております。重要種だけで全てを判断するというような考え方にはなってはおりません。
(河野委員)
はい。ありがとうございます。その方向で、幅広い生物種、幅広いといいますか、ある程度モデルとなるものでも結構ですので、評価ができるサイズの調査をよろしくお願いいたします。
(事業者)
はい。ありがとうございます。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは岩松委員お願いいたします。
(岩松委員)
岩松です。よろしくお願いします。
基本的な質問になると思うんですが、滑走路の延伸部分で、照明の計画についてお尋ねしたいんですが、照明灯の明るさの規模ですとか、照明灯の本数ですとか、その明るさの調査といいますか、ご計画についてお尋ねします。
(楠田会長)
はい。事業者から回答をお願いいたします。
(事業者)
ご回答を申し上げます。航空灯火につきましては、飛行機の着陸の際の安全性を確保する観点から、一定程度の、当然基準を満たした形での強さ、明るさの光が要求されるところでございますので、それを下回るようなものであってはいけないというレベルがございますので、そういう形での明かりを設置していく形になります。
実際に現状、この延伸部分のところにつきましても、航空灯火はあるわけでございますけれども、それが滑走路500メートル延びることによって、その位置が500メートルほど南の方にずれるということになって参ります。
(岩松委員)
ありがとうございました。
(楠田会長)
それでは、岡本委員お願いいたします。
(岡本委員)
はい、大分大学の岡本です。よろしくお願いします。
騒音に関わるところなんですけれども、要約書の6-29の航空機の運行のところでですね、予測地点が書かれていないんですが、現時点でどのようにお考えかをご説明いただきたいと思います。
(楠田会長)
はい。事業者からお願いいたします。
(事業者)
はい。航空機騒音の予測につきましては、国土交通省で開発しております、モデルに基づきまして、コンター図として面的な広がりを持って、予測の方をいたしてまいります。ですので、先ほどの大気のご質問と似たような形になりますけれども、騒音の影響が最大になる地点というところとの比較という形になっております。
(岡本委員)
はい。わかりました。ありがとうございます。そのことを表の中でも明記していただけたらわかりやすいかなと思います。
(楠田会長)
はい。ありがとうございます。今のお願いは事業者の方はよろしいでしょうか。
(事業者)
はい、承知いたしました。
(楠田会長)
はい、ありがとうございます。それでは武石委員お願いいたします。
(武石委員)
武石です。ちょっとお聞きしたいんですけども。資料の1の4で市民の方々からの意見の概要が出されているんですけども、その中で、カブトガニについての意見が4点あるんですけれども、これに対する回答は、どんな具合でお考えになっておられるか、ちょっと聞きたいんですけども。
(楠田会長)
はい。それでは事業者の方から回答をお願いいたします。
(事業者)
はい。一般の方からのご意見については、まだ、いただいたというところで、こちらに対する見解ですとかにつきましては、今後の準備書の段階までの間に整理させていただいて、準備書に掲載するような形でお示ししたいと考えております。現在、方針については検討中というところでございます。
(武石委員)
今回はカブトガニについての調査は、なさらないということですか。
(事業者)
はい。今回の北九州空港に隣接する、新門司沖2期土砂処分場のアセスを実施してるわけでございますけれども、こちらの環境監視調査の中で、カブトガニについては調査しているというふうに認識をしておりますので、そちらを活用というか参考にさせていただこうと現時点では考えているところです。
(武石委員)
その調査の結果は、準備書の段階で入ると思ってよろしいんでしょうか。
(事業者)
その時点の段階での最新の調査結果を、参考にさせていただきたいと考えております。
(武石委員)
ありがとうございました。
(楠田会長)
それでは、ご発言をすべて頂戴しましたので、これをもちまして、北九州空港滑走路延長事業に係る環境影響評価方法書の審査を終了させていただきます。
どうもありがとうございました。
このページの作成者
環境局環境監視部環境監視課
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