平成31年2月13日(水曜日)14時00分-16時00分
第43回議事要旨(平成31年2月13日)
1 日時
2 場所
ホテルクラウンパレス小倉 9階 ヴェガ
3 出席者
委員
藍川委員、荒井委員、伊藤委員、岩松委員、上田委員、大石委員、岡田委員、岡本委員、河野委員、楠田会長、武石委員、豊貞委員、原口委員
事業者
北九州市(環境局施設課)
事務局
環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他4名)
4 議題
(仮称)新・日明工場建設事業環境影響評価準備書
5 議事要旨
(楠田会長)
ご説明、どうもありがとうございました。それでは、説明いただきましたので、審議に移らせていただきます。
今回は、環境影響評価準備書でございます。環境アセスメントは、事業者が4段階の図書を作成していく中で、広く市民の意見や審査会の答申を踏まえた市長意見を受けて、実行可能な範囲で、より環境に配慮した事業計画を策定していくという手続きでありまして、準備書はその3段階目の図書ということになります。
2段階目の図書である方法書において、予測の項目、手法等は確定してございますので、今回は、事業者が行った環境影響の予測及び評価の内容についてご審議いただければと思います。
それでは、ただ今のご説明に関しまして、ご質問ご意見を頂戴しようと思いますが、まずは説明内容についてのご質問から先に頂戴いたします。そのあとで、ご意見を頂戴します。もう少し説明が必要な点、あるいは分かりにくかった点等ございましたら、お願いいたします。
(伊藤委員)
特に問題があるというわけではないのですが、大気質の調査の予測というのが幾つか出ているのですけれども、それと15ページに、現況の大気質の濃度の現況というのがあります。予測はあくまで予測ですが、実際に観測されるというのは、この工場以外の影響というのも一緒に混在されるわけですね。そうすると、予測された結果というのを証明する手段がなかなか難しいのではないかと思います。比較されているときに、そこら辺の区別をどうされるのか、お考えをお聞かせ願いたいです。
(事業者)
こちらの予測の前提としております計算式がいろいろありますけれども、今回、現況濃度をバックグラウンドとしておりまして、こちらには実際、現・日明工場の排出した寄与濃度も含まれているという前提もあります。そういった意味で、確かに予測結果としまして出ている数字等の確認する方法というのは、なかなかないのですけれども……。
(事業者)
拡散後の、要するに実態調査で、ここからどれだけ出ているかという濃度把握というのは難しいと思うのですけれども、実際に法的にも発生源の測定を毎回ずっとやっていっていますから、その辺の管理というところで、実際、それよりもかなり高濃度が出ていれば、そこに対する対策みたいな形での対応になると思います。
実際の予測は、先ほど言ったように、バックグラウンドに現工場からの寄与分も入っていますから、今、そこの部分の安全サイドで予測をしているので、実際にそういう寄与濃度だけを測定できたとしたら、これはあくまでも予測ですけれども、もう少し低い数字になるはずです。だから、実態で拡散後を把握するというのは、なかなかやはり難しいと考えています。
(楠田会長)
よろしゅうございますか。
それでは、次のご発言、お願いします。
(藍川委員)
何点かあるのですけれども、今の伊藤委員のご質問の確認ですけれども、寄与濃度のことを言われたのではないですか。寄与濃度は、発生源からの拡散について、発生源をその発生源だけであると仮定して、そこから出たものが拡散していった濃度を計算しているのではないですか。
(事業者)
計算はそうです。
(藍川委員)
自分の質問に移ります。
1つは、廃棄物焼却炉なので塩化水素が非常に特徴のある項目になるかと思いますけれども、この塩化水素の濃度を予測するときに、排出をどう見積もっておられるのかというのを、まず1点、教えてください。つまり、廃棄物の組成が分からないとどれだけ排出されるか分からない中で、廃棄物の組成をどう考えておられるのかということです。
あと、資料の中で、これはお願いですけれども、塩化水素についてだけ、単位がmg/立方メートルとppmが混在しているので、どちらかにそろえて表記していただけると、資料を見るときに直接比較できて見やすいと思うので、お願いしたいと思います。
次に、1点目と関連しますけれども、今回、処理方法を乾式に変えられるということで、そのことが塩化水素の濃度に対して、どういうふうに影響を及ぼす可能性があると想定されているかを教えてください。
加えて、今回、処理方式を見直されたことによって、排ガス量が減るというご説明があったかと思いますが、なぜ処理方式を変えることによって排ガス量が減るのかを教えてください。処理方式を変えても、排ガス量がそんなに変わるとは思えず、一方、資料を見ると、酸素濃度が全然違います。現段階は15%くらいあるので、かなり空気で薄まっているのではないかと思いますが、それが6%くらいになるので、空気で薄めていない排ガスが煙突から出ているのではないかと思います。それが処理方法を変えたという表現と、どう関連があるのかというのを教えてください。
以上です。もし時間があれば、細かなところを伺わせていただければと思います。
(事業者)
まず、塩化水素の発生の見積もりについて、方法をお答えいたしますが、計画ごみ質というのは設定しております。こちらの計画ごみ質というのは、現工場で搬入されている搬入物に対して分析を行いまして、その結果に応じました外部組成等を分析しております。これを用いまして、塩化水素発生量を換算しているところでございます。
(藍川委員)
それはどこかに示されていますか。
(事業者)
本資料の中で、事業計画の概要の8ページのところに、計画ごみ質を示させていただいています。こちらは、現工場で分析した結果を基にしてあります。
処理方式を変えたということで説明しておりますけれども、排ガス量が減っている中では、ご指摘いただいたように酸素濃度条件も大きく関与しております。こちらに関しましては、新しい工場が約7.2%の酸素濃度となりますけれども、現・日明工場は倍近い15.2%。こちらで排ガス量自体も減っているというところも、正しいところになっています。
(事業者)
追加させていただきますと、今回、新工場のほうで排ガスの再循環というものも検討しているところでございます。こちらは、排出する排ガスをもう一度炉内に吹き込みまして、大気に出すガス量を減らすための技術でございます。こういったものを組み合わせることによって、最終的に外に出る排ガス量が大きく削減できているものと考えております。
(藍川委員)
どれが一番効いているのですか。酸素濃度が15-17というのは相当大きな数値だと思うのですけれども、現状はすごくどこかで空気が吹き込まれていて薄められているのではないかと思います。その効果が、要するに空気を吹き込んでいるので排ガス量が増えるということで、それがなくなるが故に排ガス量が減るというのが大きいのではないですか。15.2というのはほとんど16なので、ほとんど大気中の濃度と一緒です。なので、どれが一番効いているのかなと思ったのです。もちろん、循環方式でも最新の処理方法等に入れられて結構なことかと思います。
あと1点、塩化水素の排出実態が処理方式を変えることによって影響を受けるかどうかを、どう想定されているかというのを教えてください。
(事業者)
まず1つ目の、排ガス量のどちらが寄与が大きいかというので、誠に申し訳ないのですが、ただ今どちらのほうが大きいかというのを持ち合わせておりません。確認させていただきます。
2つ目の、排ガス処理方式を変えたことによる塩化水素への影響という点でございますが、現状では、その検討は細かくはしておらず、申し訳ございません、困難でございます。
(藍川委員)
具体の数字を、今、頭にあるわけではないですけれども、湿式のほうが塩化水素は圧倒的に水に熔けるので乾式よりも効率がいいのではないかと思うので、もしかして同じ効率だとすると、現状の見積もりが甘いほうに出ていないかなという心配を少ししました。ただ、濃度自体は基準とされている濃度に比べれば断然低い濃度なので、これが何十倍になるということは多分ないと思いますから、問題ないとは思いますけれども、考慮はされたほうがいいかなと思いました。
(楠田会長)
それでは、ご意見を含めまして、次、ご発言を頂戴いたします。
(豊貞委員)
スライドの26番について教えていただきたいのですけれども、先ほどの処理方式を、脱硫を湿式から乾式に変えることで、飛灰が増えるけれども排水が9割減るというところがあったと思います。この9割減った分は、温室効果ガスの排出量などでプラスがいい方向に評価できるのではないかと思うのですけれども、何か評価に加えられていますでしょうか。
(事業者)
排水の量と温室効果ガスの影響については、細かくは具体的にこれだからこれだけ削減量が出るという傾向までは出しておりませんが、おっしゃられるとおりに、活動量等が圧倒的に減るものだと考えております。温室効果ガスに多少なりとも寄与はあるものと考えております。
(豊貞委員)
排水処理は、場外施設か何かがあって、そこでされているのですか。
(事業者)
排水処理は、場内に設備を設けております。
(豊貞委員)
そこで電力消費などが恐らくあると思うのですけれども、そこをマイナスで恐らく温室効果ガスのほうでは算定できると思います。
(事業者)
今の質問に対して、回答の補足をさせていただきます。温室効果ガスの算定につきましては、それぞれ現工場・新工場行っておりますけれども、新工場につきましては電力の使用とか、こういったものも新工場の処理方式の中で必要なものを算定しておりますので、基本的に排水処理にかかる部分については、それぞれ含まれていると考えていただいて結構かと思っております。
(豊貞委員)
既に入っている。
(事業者)
既に入っているという形です。
(楠田会長)
それでは、他にご発言はございませんでしょうか。
(伊藤委員)
なかなか難しい質問であるかと思いますけれども、今、現状の規模が1日508トンということで想定されているのですけれども、現状ではこれが適切だと想定されるのですが、これから30年間使われるということですので、多分、北九州の人口は30%くらい減るとか、ごみの質、今廃プラスチックの問題が大きく取りざたされて、環境省でも大きく取り組もうとされているかと思いますけれども、その時代になればそういうものが大きく変化するとか、あるいは大人用の紙おむつが増えて水分の大きい低質ごみが増えるとか、いろいろ今までやってきたマネジメントとは違って、ここから先はかなり難しい話になってくると思うのです。そういった場合に、炉の24時間運転が、変な話、ごみが少なくなることはいいことですけれども、連続運転が難しくなるという想定もあろうかと思います。そういったときに、どういうふうにこれから考えていけばいいかということを、考えておられるか、あるいは意見としてしっかり考えてくださいというか、どちらか分かりませんけれども、もしご意見があればお聞かせ願いたいと思います。
(事業者)
今ご意見をいただきましたとおり、確かに30年間の長期のスパンでいきますと、この1工場だけで考えると、そういった恐れがあるというのは間違いないお話だと思います。ただ、本市に全部で3工場焼却工場がございまして、およそ10年置きくらいに施設の建替えが発生している状況でございます。
ですので、現工場を稼働して10年間たった後に、また次の工場の見直しという時期もございますので、大きくごみの量が変動するだとか、そういった状況になりましたら、また次期工場での見直しが可能だと考えております。これに応じた市内の適切な処理量というのは、適宜見直していく予定です。
(伊藤委員)
エリアを変えていくということですか。可能性としてはということですね。
(事業者)
可能性はございます。
(伊藤委員)
分かりました。
(楠田会長)
他に。
(原口委員)
スライド14ですけれども、下のほうに風配図が入っているのですが、日明臨海公園という所で新たにこの調査をしたということですか。この風配図は1週間の平均値と書かれていますけれども、季節的に風の方向が変わるというようなことはなかったのでしょうか。
(事業者)
まずこの調査の実施した場所ですけれども、こちらは事業実施区域です。要は、現・日明工場の所に風速計を設置しまして、そちらで計測した結果になっております。
もう1つの質問というのが日数のお話ですか。
(原口委員)
日数は述べ28日と書いてあるから、1つの季節で1週間ですか。
(事業者)
この風配図の気象に関しましては、そちらの資料の下のほうに、地上の左側のほうが1年間連続で測定しております。高層気象として行っています右側の分については、冬期の分も示しておりますけれども、夏と冬期でそれぞれ1週間という形で行っております。
(原口委員)
分かりました。そうすると、左側の地上のほうの分は1年間の平均値ですね。
(事業者)
1年間の平均値というか、1年間の累積の頻度です。
(原口委員)
特別、季節によって変動があったという感じではなかったと。特徴的になっていなかったということですね。
(事業者)
こちらのほうで部分的な状況を示しておりますけれども、こちらの右側の1,500mの部分につきまして、夏と冬等で同様な状況が確認されているというのを確認しております。
(原口委員)
この資料だけの質問ですか。
(楠田会長)
いえ、どうぞご自由に。
(原口委員)
そうしたら、この要約書の中の悪臭の件についてですが、53ページの臭気指数、臭気濃度で、これは官能法で出した結果ということですね。
(事業者)
そうです。
(原口委員)
ほとんど測定値も、基準値をはるかに下回っていたということですよね。
(事業者)
そうです。
(原口委員)
しかしながら、環境保全措置として脱臭装置等、エアカーテン等を稼動するということなのですが、脱臭装置というのはどういうものを考えられているのですか。
(事業者)
まず、エアカーテンに関しましては、ごみを貯留するピットの所にエアカーテン等を設置いたしまして、扉が開いても中の悪臭が外に出ないような配慮をいたします。また常時、中を負圧にしておりますが、工場の停止時、修繕中はそこが負圧になりませんので、それを負圧にするために脱臭装置を回すのですけれども、例えば活性炭等で脱臭を行って負圧を保ちつつ、かつ活性炭で臭いを除去するという設備を検討しております。今現在も、そういった設備を設けております。
(原口委員)
分かりました。
(楠田会長)
よろしゅうございますか。
藍川委員、残された数多くの質問のほうは。
(藍川委員)
点火・着火のときに灯油から重油に替えるのですか。
(事業者)
今回、プラントメーカーに技術提案募集をしたときに、一部重油を使う可能性があるというところで、今回は最も影響が深いものとして重油を……
(藍川委員)
安全サイドを見て、重油で計算したということですか。
(事業者)
はい。実際には重油を使うとは限りません。
(藍川委員)
そういうことですね。ありがとうございます。
それが1点と、あと資料の書き方というか、気がついたところでもいいですか。要約書の中に事業主というところがないと思います。私が見落としているだけかもしれません。多分、北九州市さんだと思うので書いていただいたほうが良いという気がしました。
(事務局)
承知いたしました。
(藍川委員)
あと、多分この準備書の要約版も含めて、次にまた続く書籍を作られるときに使われると思うので、気がついたところで申し上げておきます。準備書の要約版の52ページ、3)Aの2つ目、ここは振動のことを記載していると思いますが、「騒音」になっているので、これをそのまま次に図書で使われるとそのまま残ると思ったので、申し上げておきます。
細かいところで、同じく要約書の24ページです。騒音と振動の間の大気環境というところが区切られているのですけれども、この区切りは要らないと思います。
あと、図書全般というか、その一部ですけれども、例えば要約書の46ページの、下のNO2と浮遊粒子状物質の予測結果というのが、数値は記載されているのですけれども、ぜひ単位を書いておいてください。書いてあるところもありますが、所々抜けているところがあって、大気を専門で扱っている人は大体分かりますが、そうではない人はすぐ分からないと思うので、ぜひ書いておいていただけると分かりやすいと思いました。
(楠田会長)
ありがとうございます。あとの方、よろしゅうございますか。
(事業者)
ご意見ありがとうございます。今ご指摘いただいたところは、修正を行います。
(楠田会長)
それでは、次のご発言を頂戴します。
(河野委員)
質問ですが、温暖化ガスの評価に関しまして、CO2以外の、例えばメタンとかN2Oは、CO2に換算して21とかを掛けるということでしょうけれども、旧工場と新工場で同じ量のごみを処理するから、同じ量が発生するのだという想定をされると思いますけれども、本来、N2Oとかメタンを対象にしていない処理ですと、例えば脱硫処理が、今回湿式から乾式に替わるという、結構大きな処理がある場合に、出てくるN2O、メタンは同じ量なのでしょうか。
それと、このN2Oは大気中の窒素に由来するものではなくて、ごみに由来するものだと思っていいのでしょうか。この2点をお願いします。
(事業者)
まず湿式と乾式の方式の違いによる発生量の違いというものは、先ほど藍川委員からご質問をいただいたとおり、細かい検証をしていないため、現在データを持ち合わせてございません。検討させていただきます。
(事業者)
2つ目の、N2O・メタン、これらの由来ですけれども、これはごみに由来するものとなっております。
(河野委員)
今回は、大気中の窒素を燃焼のときに巻き込んで、発生するようなN2Oというのは計算には全然出てこないのですね。
(事業者)
そうです。
(河野委員)
分かりました。
(楠田会長)
他に、ご発言ございますでしょうか。
(岡本委員)
測定されていたら教えていただきたいのですが、現在の日明工場のほうは、騒音・振動レベルはそれぞれ基準値を下回っているのかということ。
スライドの23番、施設の寄与騒音レベル、振動レベルを予測されていますが、それぞれ誤差は何デシベルくらいを見込んでいるかということ。あと、寄与騒音レベルを算出する際に、まず建物の構造と透過損失をどの程度見込んでいるかというのを教えてください。
(事業者)
まず建物の透過損失については考慮しております。建物の透過損失につきましては、コンクリートがメインになってございますが、おおよそ30dB程度が中心となっているかと思います。周波数によって部材の透過損失がそれぞれ異なりますので、それに準じて検討しております。予測の幅というところですが、おおむね、基本的には、設備的には平常的なものかなとは考えているところにあって、最大限の騒音レベルを与えて予測したような状況でございます。
(岡本委員)
今の予測から、プラス側には出ないと考えていていいということでしょうか。
(事業者)
おおむね出ないということです。
(岡本委員)
ありがとうございます。
(事業者)
現工場の部分につきましては、スライドの21ページ……
(事業者)
現工場で定期的な測定というのは特に行っておらず、なおかつ今回現況調整を測ったのも、稼動していないタイミングを狙って測っておりますので、クリアしているかどうか現状分からない状況でございます。
(岡本委員)
分かりました。ありがとうございます。
(楠田会長)
他に、ご発言ございますでしょうか。
(上田委員)
説明のスライド6ですけれども、そこに排ガスのいろいろな項目が書いてあるのですが、水銀だけが今の現工場は基準よりも高いし、今から30年間つくっていく工場の中でも水銀の基準というのは公的な基準と同等くらいですよね。技術がないのか、どうしてなのか。例えば、分別して入れないようにするとか、そういう策は取れないのですか。
(事業者)
まず新工場の水銀の基準についてですが、水銀につきましては新しく基準が設けられた項目でございまして、水銀については今後の社会的な情勢だとか、国内の法令の変更とか、早々に除去技術の動向をまだ踏まえている段階でございます。動向を確認しながら、他の既成値と同様に、30に限らず設定は考えていく所存でございます。
(上田委員)
よく分からないのですけれども、今でも30以下には落とせるけれども、一応基準レベルにするということですか。
(事業者)
現工場ですけれども、水銀の基準というのが、今手元に資料がないのですが、ここ数年のうちに決められた基準でございます。それが30でございます。設置された時期によって、30を必ずしもクリアしなくてもいいものという説明がございまして、それが現在の工場でございます。新しい工場は30以下となっていますけれども、当然30ぎりぎりでいいということではなくて、先ほど委員がおっしゃいましたように、ごみの持ち込みチェックとかいうことも、当然今までもやっていますけれども、この対応をやっていきたいと考えております。これからより詳細な設計も行いますので、もっと下げた形で対応可能であれば、それでいきたいと考えております。
(上田委員)
あともう1つ、焼却灰ですけれども、今、焼却灰は最終的に埋め立てるということですけれども、活用する可能性はないのでしょうか。
(事業者)
一部、セメントの原料にしたりということも現在取り組んでおります。この先、全量、ほとんどは正直埋め立てているのですが、将来的にはリサイクルも含めて検討はすべき事項だと考えておりますが、一部セメントの原料としてリサイクルは進めております。
それと、先ほどの水銀の値ですけれども、今現在の分析の値ですが、日明工場の値として全て10以下の値となっております。必ずしも、30とか50とかぎりぎりの値で運転しているということではございません。
(上田委員)
ありがとうございました。
(楠田会長)
他に、ご発言ございますでしょうか。
(河野委員)
先ほど、これを見やすい書籍にするためということで、藍川委員からも単位とか、あとは書式についてご意見があったかと思います。私も自分の専門以外のところも見ようと思っていろいろ見たときに、見にくいなと思うところが何カ所かありました。そのうちの1つが、藍川委員が言われたように単位のところが気になりました。例えば、今日の説明の資料ではデシベルの説明欄があって、「単位dBというのはデシベルです」と書いてあるのに、この準備書のほうでも全部見ますとデシベルが半角カタカナで書いてあるのが非常に見にくいのです。なので、多分、そういうのを共通の単位で統一されると見にくさが減るかと思いますし、もしカタカナで書かれる場合でも、半角カタカナ・点だけ1つのマスをしているので、非常に見にくいので、その辺を統一していただくと、急いで見るときに分かりやすい資料になるかなと思いましたので、伝えさせていただきました。
(楠田会長)
事務局、よろしゅうございますか。今の修正の点を。
(事務局)
半カナの表現の使い方を含めまして、全て確認させていただいて修正させていただきたいと思います。
(楠田会長)
他にご発言は。
(大石委員)
先ほどの上田委員のご質問の続きというか、追加のような感じですけれども、処理方式が乾式に替わったことで廃棄物の質と量が若干変わっています。1%くらいが増加する、飛灰が増えて主灰が減るということですけれども、先ほどのご説明とか、今日頂いた資料の中に、飛灰の再利用を考えているということだったのでした。こういう廃棄物の質が変わると、やはり再利用するにも前処理というか、そういうものが若干必要になってくると思います。現段階でほとんど埋め立てられているとお聞きしましたけれども、主灰と飛灰とでは再利用の仕方というか、どちらがやりやすいのでしょうか。ほとんど、飛灰からセメントとか路盤材に使われておりますけれども、再利用の仕方はどちらがコストがかからないとか。やはり1%といっても年間を通せば相当の量の廃棄物になってくると思うのです。結果的に処理方式を変えたから変わったのであって、廃棄物もこちらのほうがメリットがありますということなのかと思ったのですけれども、いかがですか。
(事業者)
まず、処理方式で飛灰が少し増えたということで、当然、飛灰が増えると主灰とは処理の方法が異なります。例えば、重金属の安定をするためにキレート処理をするとか、そういった薬品費というのは当然かかってくるものでございます。今回、その増えた分を考慮したとしても、その他で削減される量、コストの面から、総合的に勘案してコスト上まず効果があるだろうとは判断しているところでございます。
あと、再生利用について違いがあるかというお話ですが、私どもが把握している範囲では、一部の成分においてはダイオキシンがいくら以下とか、そういった基準もあったようには記憶しておりますが、それ以外のところで細かくは影響があるだとかいうのは伺っておりません。再生利用に対して、飛灰が増えたからより困難になるのではないかということは、ないのではないかと考えております。
(大石委員)
ありがとうございました。
(楠田会長)
岩松委員、お願いします。
(岩松委員)
スライド36のところで、景観についての予測結果と保全措置のところがあるのですけれども、こちらの景観を、主に遠くからの眺望ということでご検討されてきているのですけれども、工業地域の内部の美しい景観といいますか、新しい工場になったときの敷地内の緑化の計画ですとか、そういう少し楽しさのあるようなデザインというのを、どのようにお考えで計画されているのかということをお聞きしたいと思います。
(事業者)
まだ敷地内における緑化率の制約というものは、本施設においてはないものでございますが、一般的には20%程度とかいわれております。当然、本市としても環境未来都市として誇れる施設というところで、見学者を配慮した、例えば予熱を利用した展示施設だとか、構内にも緑地帯とか、そういったものを積極的に設けていきたいとは考えています。具体的にこういうのがあるという計画まではまだございません。
(岩松委員)
分かりました。航空写真を見ていると、周辺と比べてこちらの緑のつながりというのがとても少ないようにも見えますし、周辺の一般の方が入れる所の施設とのつながりというのもつくっていただけたらいいかと思います。
(事業者)
検討させていただきます。
(楠田会長)
それでは、藍川委員。
(藍川委員)
1点は自分の発言の修正です。酸素濃度15.2なので、ほとんど空気ですよねと、先ほど申し上げたと思いますが、21あるいは20と比べれば低いので、ほとんど空気であるということはないです。ただ、空気が相当量入っているという気はするので、希釈効果は働いているかなと思います。
そのことと、上田委員が言われたことと関係しますが、排ガス量が半分くらいになっている中で濃度も下げる設定になっていると思うので、規制は濃度でかかるので、規制値の濃度値をクリアするというのは当然ですし、さらにそのぎりぎりのところではなくて、もっと低いところを目指しますというのはもちろんおっしゃったことで、目指していただきたいと思います。
それに加えて、排ガス量が減った上に濃度も減っているので、排出する量自体はさらに著しく減っていると思うので、一層そういう方針で進めていただければと思います。
(楠田会長)
ありがとうございます。それでは、まだご発言ございますか。岡田委員。
(岡田委員)
先ほど景観の質問があったので、ついでにさせていただきます。以前、報告書の時に、本市は関門景観条例ということで、関門の景観に配慮した景観形成をしているので、ぜひとも下関からの景観も評価してほしいということを申し上げました。
それで今日、準備書を拝見すると、ほとんど中景と遠景からの評価で近景がないのです。臨海産業景観形成誘導地域にこの地域は入っておりますので、やはり近景の評価が必ず要るだろうということと、関門海峡というのはご存じかと思いますけれども、1日700隻くらいの船が行き来しておりますので、海からの景観というのは非常に重要だと思っております。やはり、下関が遠いのであれば、海からの景観も評価してほしいなと思っております。
この準備書を拝見すると、視認できないから影響ないという書き方になっていますが、景観に関しては他の要素と違って、視認できないからいいわけではなくて、新たな景観形成を創出するような発想で評価してほしいと思っております。近景は必須かなと思っております。
(事業者)
特に近景の景観に際しましては、おっしゃられるとおりだと思っております。具体的に、私どもとしても、事業の計画がより進んだ際には、北九州市内の景観アドバイザーとか、いろいろ組織もございますので、そちらの意見も十分に反映させつつ、近隣の良好な景観の醸成に努めていきたいと考えております。
(岡田委員)
あと、準備書には全然そういうことが配慮されていなかったので、評価書の中にはきちっと入れていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
(事業者)
検討いたします。
(楠田会長)
それでは、よろしゅうございますでしょうか。特段大きな問題がございませんでしたので、これで(仮称)新・日明工場建設事業環境影響準備書の審査を終了させていただきます。
このページの作成者
環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196