平成27年5月21日(木曜日)13時30分~15時00分
第32回議事要旨(平成27年5月21日)
1 日時
2 場所
ホテルクラウンパレス小倉 9階 ヴェガ
3 出席者
委員
穴井委員、上田委員、大石委員、岡田委員、門上委員、河野委員、
楠田議長、薛委員、野上委員、原口委員、山田委員、弓削委員
事業者
株式会社響灘火力発電所
事務局
環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他2名)
4 議題
「響灘火力発電所(仮称)建設事業環境影響評価方法書」の審査
「響灘火力発電所(仮称)建設事業環境影響評価方法書」の審査
楠田議長
評価方法についてのご説明を頂きましたが、まずはご質問がございましたら、先に頂戴いたします。そのあと、ご意見を頂戴しようと思います。どうぞ、門上委員。
門上委員
直接、評価方法に関しての質問ではないのですが、先行したアセス事例でこれと同じような施設を響灘地区にもう1基つくる環境影響評価をしておりますが、規模などがほとんど同じです。このような施設は、ある意味ではパッケージとして販売されているのですか。
例えば新小倉発電所のように、特別にデザインをしてそれ用につくるということではなくて、既にある既設の製品を持ってくるような形でしょうか。
事業者
最近は、10万キロワット級のボイラーというものは各社、標準化が進んでおりまして、今回の響灘のボイラーにつきましては、ほとんど同じパッケージでつくっております。ですから、そういう意味では、10万キロワットのボイラーは、今、日本でつくられるものは、ほとんど同じような仕様で出来ていると思います。ただ、環境関係の部分は、各地域によって、特に北九州市は非常に厳しい規制値になっていますので、その辺の環境設備については、かなりその規制値が守られるような設備になっております。
楠田議長
よろしいでしょうか。それでは、次にご質問がございましたら、上田委員、お願いいたします。
上田委員
洞海湾に向かってつくる排水口についてなのですけれども、排水口の位置と、それをつくるときの工事中の影響というのはどれくらい出るのですか。
排水口の位置は表面ですか。
楠田議長
水深のことですか。
上田委員
そうです、水深度です。どうしてこのような質問をするかといいますと、その排水口の位置や排水口をつくるときの工事等の海洋の生物への影響について、選定項目はプランクトンや水質だけです。海底環境や生物が全く与えられていないのですが、そういうものに影響を及ぼさないのかどうかです。
それから、ここは漁業権があります。平松が今、エビ、カニ、シャコ、クルマエビなどをいろいろ捕っていますから、そういうものに対する影響が全くないのかどうか。
この評価の手法の中では、影響はないというふうに言っているのですけれども、それは何を根拠に影響がないと言っているのか。確信があるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思ったのです。
事業者
まず、排水の位置ですが、洞海湾のほうに流すことは決まっておりまして、北九州市が持っている排水口に入れさせてもらうか、あるいはそのすぐ隣の所に新しく新設して排水するかというところを、検討中でございます。
今、上田委員からご指摘がありました海生生物の現状でございますが、方法書4-38ページ以降に既存の調査地点図がございます。この海域はオリックスさんとか、北九州市が現地調査を行っておられます。
方法書4-39ページが底生生物の調査地点図です。このように、プランクトンだけではなくて底生動物の調査もこの排水位置周辺で多々行われておりまして、その次の方法書4-40ページが付着動物調査位置図で、護岸に沿って全域行われております。
動物のほうも調査が行われておりまして、方法書4-54ページがその結果、重要な動物の種のピックアップを総合的に行ったものです。排水位置が洞海湾のこの護岸の所ですが、オレンジの点が、一番ランクの低いところですけれども準絶滅危惧種のメナシピンノが排水位置の大体400mくらい離れた所で1個体だけ確認されています。それから、1kmくらい離れた少し左手にある青の点が、これは情報不足という選定ですけれども、ヒメムツアシガニが1個体確認されているといった状況であるということが分かっております。
上田委員
では、この結果をどう見るかですけれども、全く影響がないから、工事中、それから工事後に確認調査をしなくてよろしいのですか。
事業者
まず、排水口の所は直立護岸で、貴重な生き物というのがまずいない状況です。
上田委員
ベントスについてはどうですか。
事業者
周辺の底生動物ですね。これは配慮書段階で検討いたしましたけれども、排水温の予測をやってございます。最大の影響範囲で、39mで1℃の変化というのが出てございます。そういうところから、影響範囲は非常に限定的であるというふうに予測評価しております。
上田委員
排水口の位置とか工事するときには、39mと今おっしゃっている所よりまだ少し外れた所につくるのですか。
事業者
排水口ですか。
上田委員
そうです。例えば通常の海域で、自然が本当に豊かな所では影響ないだろうというのは、そういうこともあるかもしれませんけれども、洞海湾というのは死の床からようやくよみがえってきています。そういう所で、ナメクジウオがいるというのは、非常に珍しいというか貴重な場所なのです。そういう所に影響が出るかどうかは分かりませんが、全くないというふうに最初から言ってしまって果たしてよろしいのかと。
私としては、せっかく生息していたのにいなくなってしまうと、もったいないなと思っていて、今、意見を言っているところです。項目の中に全く影響ありませんと書かれていますが、そのように言い切っていいのでしょうか。それは事業者もそうだし、市の姿勢もそうです。どうなのでしょうか。
事業者
まず、今、沖合のほうに排水口を伸ばして沖合を工事するようなことはございませんで、護岸の部分から直接放流になりますので、海底の工事はございません。それでいて、方法書6-12ページの排水点の状況の写真で、穴が空いた排水口が北九州市の排水口なのですけれども、こちらを使って、ここに30cmの管を接続して、既設のこの排水口から流すことをまず最優先して、今、検討をしています。
上田委員
ぜひ、そうしてください。お願いします。
楠田議長
それでは、よろしいですか。それでは他のご質問を。野上委員、お願いいたします。
野上委員
大気質について質問、確認事項があります。方法書2-9ページに、ばい煙に関する諸元が出ていて、既に配慮書段階で、簡易モデルで硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんを上限値は大体抑えており、これからより詳細なモデルでやっていくということなのですけれども、先ほど先行事例のバイオマス混焼の話が出ましたが、基本的には煙突の高さも、出てくる硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんも全く同じ、隣接地なので気象条件もほとんど変わらないはずなので、短期予測で、風向きだけが多少違うくらいだと思います。基本的には同じ答えが出てくると考えてよろしいということですよね。
事業者
基本的には同じです。ただ、少しだけ位置がずれていますので、風向きなどで少し変わるかもしれませんけれども、我々の所も先行事例も住宅地には隣接していないので、住宅のほうに影響するということはなかろうかと思っています。
野上委員
はい。もう1点。先ほど、パッケージされているという話もあったのですが、温室効果ガスについて、二酸化炭素排出量を極力下げるように努力しますと。今後、実際にアセスしている間でも、より下げるような装置が出れば入れていただきたいと思うのですが、それに関係して1点だけ確認したいのが、もともと発電量は全く一緒なので、残りのばい煙の諸元も一緒なのですが、排出ガス量が先行事例のほうは45万N立方メートルで、こちらのほうが55万立方メートルと、発電量が一緒なのに排出ガス量が2割多くなっています。この違いは何なのでしょうか。
事業者
今の数値は、取りあえず計算値で出しております。実際の運転中の排ガス量というのは、使用します石炭の種類によって少しずつ変わります。環境のいろいろな要件を考慮して排ガス量の計算をした結果、今、55万N立方メートルという値を出しているのですけれども、実際の運転中はこれよりもかなり下がると思いますので、今の記載値は計算上のものということでご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。
野上委員
むしろ、上限値みたいに捉えてよろしいということですか。
事業者
これよりは必ず下回ると思います。
野上委員
実際の実績で、例えば1年間稼働したときの量で考えると。
事業者
45万N立方メートル以下になると思います。
野上委員
そういうことですね。分かりました。
楠田議長
他にご質問がございましたら、どうぞ。大石委員、お願いします。
大石委員
先ほどの放流口のことなのですけれども、配慮書でシミュレーションされているのは大体、「放流方式(鉛直位置)は決定していないが、海底への水中放流方式として計算した」となっていて、水深4m以下で計算してあるのですけれども、A案の洞海湾へ放流するということを検討されているようですけれども、このA、B、C案は全部同じ位置に放流すると仮定して計算された値なのでしょうか。
事業者
配慮書段階では、鉛直方向の放流口の付け方がまだ決定しておりませんでしたので、その時は海底放流が有力で、海底放流として計算をいたしましたが、海底放流でなくなりましたので、今回、方法書では表層放流として計算をやり直すことにしております。
大石委員
そうしたら、方法書4-58、59ページの値の影響範囲というのは変わってくるわけですね。
事業者
厳密には変わってきます。海底ではなくて、表層放流での結果に差し替わってきます。
大石委員
そうすると、配慮書では海中でというお話があったと思います。その配慮書でのシミュレーションの結果を見ると、A、B、C案で、ほとんど影響がないという結果を出されていますけれども、海面放流になりますと、また計算し直し、洞海湾(A案)以外になる可能性があるということでしょうか。
事業者
それはもう、ないです。
大石委員
では、洞海湾へ海面放流をするということで、影響の範囲というのは変わってくるわけですか。
事業者
そうです。予測は順次、段階でやり直します。
大石委員
分かりました。ありがとうございました。
楠田議長
他にございませんでしょうか。河野委員、お願いします。
河野委員
参考までにお聞きしたいのですけれども、木質ペレットというのは、CO2の発生に関してはカーボンニュートラルでカウントしないのでしょうけれども、種類によっては、排ガスの組成に影響があると思います。どういうものを、年間を通して同じものをずっとばらつきなく使用するのかとかなどが分かりましたら教えていただけますでしょうか。
事業者
バイオマスは、今、木質のペレットを海外のほうから調達しようと考えております。なかなか国内で協力していただける会社がございませんので、大体3割混焼するとして年間10万トンくらいを海外から調達してこようと考えております。主に、北米と東南アジアを候補として、今、業者に当たっていて、どういった形で調達するのかを検討している状況でございます。
河野委員
東南アジアだと、パーム由来の絞りかすのバイオマスということになりますか。
事業者
そうです。木質のバイオマスです。
河野委員
北米だと、いわゆる木材そのものということですね。
事業者
はい。
楠田議長
他に質問を。どうぞ、穴井委員。
穴井委員
騒音・振動から、質問です。配慮書段階では評価項目に選定されていなかったのですけれども、今回、加えていただいたようで、よろしいことだと思っています。しかし、振動のほうだけ、施設稼働時の評価に入れられていないのですが、その理由を補足いただければと思います。特に規制、基準値が存在しないから外したという理解でよろしいのでしょうか。
事業者
通常、ボイラーの振動というのは、回転機械から出る振動が結構あるのですけれども、実は、ボイラーは非常に回転機械からの振動に気を遣っていまして、もしボイラーの設備の中で回転系機械から大きな振動が出るということになると、ボイラーそのものが稼働できないという状況になります。したがって、蒸気タービンだとかファンだとかそういう振動がいろいろあるのですけれども、それは発電所の中の基礎の設定だとかその辺で、非常に気を遣って設計しておりまして、外部への振動というのはほとんど出ません。
ということで、あまり発電所の中の振動というのは気にしていません。
穴井委員
分かりました。結構です。
楠田議長
他にございませんでしょうか。どうぞ、弓削委員。
弓削委員
水質の調査方法について教えていただきたいのですが、まず1点目、確認として、水温の方法については、定性的と記述されていて(方法書p6-33)、口頭で定量的な方法も併用しますということだったのですが、これはこの方法書の4-55ページに記載されているような方法でされるという理解でよろしいのでしょうか。
事業者
今のところ、それが一番有力でございます。
弓削委員
私も、やはりこれは定性的ではなくて、定量的な評価が必要ではないかと思っていたので、ぜひ検討していただければと思います。
それともう1点、水の濁りのところが定性的な手法で評価しますとなっているのですが、これはやはり定量的な手法である必要はないのでしょうか。
事業者
今回は、海岸や海底の工事がございませんで、陸域で基礎の掘削などを少し行うだけですので、直接的な海の濁りは発生いたしません。大雨が降ったようなときに流出するものがあるくらいですので、きちんと現場で流出しないような防止対策等の濁水対策を十分に取っているかどうかをチェックすることで、評価を行ってまいりたいと思っております。
楠田議長
よろしゅうございますか。他にございますか。
私のほうから1点お教えいただきたいのですが、水温の拡散予測のヨーゼフ・ゼントナー式は、少し記憶がはっきりしないのですけれども、浮遊源型の拡散計算ではなかったですか。固定源型の拡散計算でしょうか。
計算のおおもとの前提条件です。海域のものは、ほとんど浮遊源型ではないかと推察しているのですけれども。
事業者
どちらかというのは、私も記憶が定かではないのですが。水温のお話ですか。
楠田議長
水温でも何でも、全て拡散計算のときに浮遊源型と固定源型がありますね。それによって拡散係数の与え方が違い、浮遊源型のほうが小さくなりますよね。もし浮遊源型でこれをやられると、流向を勘定しながら確率計算を全部やっていただかないといけなくなるのです。固定源型だと、普通の拡散係数で幾らと計算していただいていいのですけれども、流れの条件は固定源の場合には入ってしまっている。浮遊源の場合には入っていないので、波間に漂ってざーっと水塊が行くことになる。その結果としての拡散になっている。どちらですか。
事業者
今のお話で言えば、固定源型になろうかと思います。
楠田議長
固定源型だと、流速の関数を与えないといけなくなる。
浮遊源型になると、流れがどこへ行くかによって値、拡散域が変わるので、その流れの方向を確率的に計算するか、あるいはリアライゼーションを何回も重ねて計算しないといけなくなる。
方法論をご提示いただくことは結構なのですけれども、その原理が、計算しようとしているものに合っているか合っていないかというところのご確認を一番初めにやっていただきたい。前提条件の違うケースの場合の計算方式を持ってこられると、最後の評価書でその結果が、原理が違っていると指摘されることになる。その辺の確認をよろしくお願いいたします。
事業者
ありがとうございます。
楠田議長
それでは、引き続きまして、ご意見、質問。薛委員、それではお願いいたします。
薛委員
市長意見に対する事業者見解のところで、少しお聞きしたいことがあります。方法書p5-4の表についてです。この案件全般に、自然環境、陸上生物については大きな問題はないということで進んでおりますし、私からの質問は市民感覚的と捉えていただいてもいいのですけれども、冷却塔からの水蒸気白煙について、参考項目にはないけれども、意見があってやりますということになりました。その意見の見解に書いてあるのが、水蒸気白煙による影響は交通の安全と自然景観と自然とのふれ合い活動の3点である。気になるのは、交通のことであるのでこれを調べるとあります。
いずれにしても、ここにはミサゴだとかチュウヒだとかハチクマだとかが、配慮書段階で飛翔していて、ひょっとしたら餌を取っていますというような結果が出ていて、この水蒸気白煙が、そういった鳥の生活に全くここで触れられていません。結論的には、多分、飛ぶ季節と白煙が出る季節は違いますとか、高さとか拡散範囲とかで影響はありませんということになるかもしれませんけれども、この見解の中で空を飛ぶ鳥について何も触れていないというところに、根拠があったのでしょうか。そこのところをお聞きしたいと思います。
事業者
結論から申しますと、鳥の影響に対する視点で選定ということをやったわけではございません。経済産業省が出されている冷却塔の予測方法のアセスの考え方のガイドラインがございまして、その中でこういった人の見た目とか交通障害とかがないように配慮することと、評価対象はそういったことが書かれておりまして、それを参考に今回、選定するかどうかという判断をいたした次第でございました。
楠田議長
それは一般論で、いわゆるローカルな条件の下での影響というのが同じになるという前提に立っていますよね。それは妥当なのでしょうか。
事業者
今、薛委員にご意見を頂いたところを受けまして、動物についても予測した結果からそういった評価に加えることも検討してまいりたいと思っております。
楠田議長
ありがとうございます。よろしゅうございますか。検討してくださるということです。
薛委員
調査自体は一緒だと思いますので、それが今生活している鳥にどれくらいの影響があるかということにも最後には触れていただければと思います。
楠田議長
ありがとうございます。それでは、今後の調査に対しますご意見とご要望等ございましたら頂戴いたします。門上委員からお願いいたします。
門上委員
冷却塔の白煙に対してですけれども、煙突が80mと比較的低くて、ばい煙発生施設の排ガスの温度も65℃くらいで比較的低いのですが、これは両方が重なって白煙がひどくなるということも可能性としてはあると思います。今でも、朝見ると新小倉発電所の煙突から白煙が出ていますから、65℃では結構出ると思うので、併せてシミュレーションできるかどうか分かりませんけれども、ご検討いただきたいというのが1点です。
もう1つ、こういうのは年間平均ではなくて、白煙がひどい時期というのは、毎日出ます。例えば2週間連続して出るとなると、印象的に非常に悪いということになるので、季節ごとの計算ができると思うので、そのようなデータも出していただきたいと思います。
それと、こういうパッケージで、日本の国内で既につくられているなら、そういう所の実情などが分かればと思います。シミュレーションというのは今無いからシミュレーションするのであって、あれば別にシミュレーションしなくてもいいと思うのです。類似の施設を見て、問題ありませんでしたというのは、一番説得力があると思うので、ぜひそういうデータも集めていただければと思います。
楠田議長
ありがとうございます。それでは、次のご意見を頂戴いたします。山田委員、お願いします。
山田委員
今から申し上げることは、今回の事業のみではなく、北九州市へのお願いになるかと思います。火力発電所で見てみますと、排水温度が27~35℃、こういう発電所が何個もこれから建設されるとなると、個々の発電所のみのシミュレーションではなくて、響灘埋立地に建設される事業所全部のシミュレーションが必要になってくるかと思います。ここでは問題ないないかもしれませんが、トータルとしてはどうなのかということを、ご検討をお願いしたいと思います。
事務局
今のご意見でございますけれども、後発の事業につきましては、逆に言いますと先発である程度、諸元が分かっている、計画が分かっているような事業は勘案して、それにプラスした形での環境影響を予測評価するという形で今後指導してまいりたいと思います。今日こういうふうな響灘火力発電所のスペックがある程度出ています。その次、また別の事業者が出たときには、このスペックも存在しているものという前提で、この予測評価にまたプラスした形でやっていただくということを、我々の方としても求めていこうと思っております。
山田委員
心強いご発言を頂きました。よろしくお願いいたします。
楠田議長
はい、野上委員、お願いします。
野上委員
関連して、要望としては既存の製鉄所や既存の工場の規模が全く違うので、そこから出ている温水は100倍とか200倍のレベルです。先日、産業遺産に行ったら、鉄の1トンを作るのに水が100~200倍、100~200トンいると。今、製鉄所は、実際は90%リサイクルできていて、逆に言うと10%は今でも蒸発も含めて外に出ていっているのです。今、八幡製鉄所は大ざっぱに言うと1日1万トン作っているはずです。そうすると、蒸気や温排水で、1日10万トンの水がどこかに行っているわけです。そういうこともあるので、難しいかもしれませんけれども、ここの工業地帯で、既存の設備のどこに排水口があって、どれくらいのレベルで排出しているのかどうかということも、位置は大体分かると思うので、水の量など、ぜひ調査をしていただきたい。やはり全体を把握できているほうが、この1個の事業だけで、このような議論をやっていても、他のところの影響は全く分からない状態では、そこだけを計算をしても、この狭い湾だったらなかなか正しいことは分からないので、ぜひお願いしたいと思います。
楠田議長
貴重なご発言ありがとうございます。現在の環境影響評価そのものは、現時点に対して変化が幾らあるという変化量を求めるのが基本的な考え方になっています。それが積算したときに幾らになるかということは、今、あまり問わない。今、ご発言がお二方からあった分については、2通りのものがあって、積算していったときの影響というか上限値、水温上昇とかをどこで設定するかという問題そのものと、野上委員のほうは全体の大きなベースが別なところにあるときに、比較的小さなものに対して強い制約をかけるかどうか、あるいは大きいほうで少し減らすという手もあるという、トータルの考え方、2通りのご発言がありました。
他にご意見、お願いがございましたら頂戴いたします。穴井委員、お願いいたします。
穴井委員
騒音・振動について簡単なお願いをさせていただきます。騒音・振動の調査をされることになっておりますが、そのときの使用機材は、ぜひ最新の規格に沿ったものを使っていただきたいのです。方法書の6-18ページから、使用するサウンドレベルメーターあるいは振動計の規格が記載されていて、6-18ページには「JIS C 1502」に準拠したものを使うと書いてありますが、この「C 1502」は2005年に廃止されています。最新は「C 1509」になっています。それから、振動計については方法書6-25ページに「C 1501」と書いてあるのですが、振動レベル計の規格は「C 1510」です。チェックをよろしくお願いします。
楠田議長
ありがとうございます。他にご発言がございましたら、お願いいたします。はい、薛委員、どうぞ。
薛委員
意見ではないのですが、施設配置計画の中で、道路際と隣接区の境に5~10mの植栽帯を取っていただくご計画ということをお聞きしまして、大変良いことだと思っております。緑の回廊計画において、沿道に緑地を設けることを推進しているわけですけれども、十分に幅を取っていない所もあります。立地した所で、敷地に沿ってこういう配慮が重なっていくことで実現することでありますので、大変良いことで、ありがたいことであると申し上げておきたいと思います。以上です。
楠田議長
他にご発言はございませんでしょうか。
それでは、ご質問含めて全体的に、他にご発言ございますか。
それでは、ご発言がございませんので、これで審査を終了させていただきます。
このページの作成者
環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196