平成26年11月28日(金曜日)13時30分~15時30分
第28回議事要旨(平成26年11月28日開催)
1 日時
2 場所
北九州市役所本庁舎 5階 特別会議室A
3 出席者
委員
小野会長、上田委員、大石委員、門上委員、河野委員、川本委員、楠田委員、
近藤委員、薛委員、竹松委員、野上委員、原口委員、森本委員
事業者
響灘火力発電所(仮称)建設事業 : 株式会社響灘火力発電所
バイオマス混焼発電施設整備事業 : オリックス株式会社
事務局
環境局環境監視部環境保全課(環境監視部長他2名)
4 議題
(1) 「響灘火力発電所(仮称)建設事業計画段階環境配慮書」の審査
(2) 「バイオマス混焼発電施設整備事業に係る環境影響評価準備書」の審査
5 議事要旨
(1)「響灘火力発電所(仮称)建設事業計画段階環境配慮書」の審査
小野会長
ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問をお願いいたします。
門上委員
本日の審査案件の1つであるオリックスも非常に近い所でできるということですが、以前にも、この響灘地区で、コークス炉のアセスをやっております。その一つ一つは軽微な影響でしょうが、全体としてどう評価されるのでしょうか。
これはアセスの仕組み自体が問題なのだと思いますが、一つ一つのデータであれば、既存の若松の環境に対して、そう影響はないのでしょう。しかし今後もまた増えてくる可能性がありますので、少なくても既に公表されて、アセス書となったものについては、例えばそれを上乗せして、トータルで影響を評価する必要はないのでしょうか。
もう1点、付近では貴重な鳥やトンボが確認されております。オリックスもそうですが、煙突が低く、排ガスが非常に低い温度で、白煙として、大量に出てくる時に、鳥や野生生物に対しての影響がわかりません。これはどう評価されているのですか。
事業者
1点目のご意見ですが、累積影響につきましては、環境省もそういうところも必要だという議論もしているようですので、北九州市からご指導を頂きながら、今後のアセス書でどう反映していくかということは考えていきたいと思っております。
煙突の高さは80mで、出てくる温度が低いのではないかという話ですが、我々が今考えていますのは、排ガスは湿式スクラバーで冷却されることになると思います。実際に出てくる温度としましては、冬と夏で少し変わるかもしれませんけれども、大体、出口の温度で50℃くらいになろうかと思います。
門上委員
私の質問は、煙突だけではなくて、クーリングタワーの事でもあります。
恐らく付近の2つの会社が同じようなやり方で蒸気を大量に出してくる。大量の蒸気が出ることで、人間の健康や生活環境に対しては、そう影響があるとは思いませんが、景観の問題もありますが、野生生物が嫌って逃げていくという事はないのでしょうか。これまで経験がないことなのでどうなのかと、非常に心配しています。
事業者
ゼロということはないと思うのですが、今、この冷却塔から出る温度というのは、実際の大気温度よりもプラス5℃くらい高くなると思います。5℃から7℃くらいになるかもしれませんが、それが拡散して、非常に遠くの場所まで行くというのは、まずないと考えています。
門上委員
遠くの生活環境であったり、人への影響のことではないのです。
付近の2つの会社から大量に蒸気が、白煙として出てきます。
高い煙突から出るのなら、鳥などには影響はないのでしょうが、非常に近い所に出る蒸気に、生物がどのような反応を示すのかが分からないので、事例があったら、ぜひ教えていただきたいということです。
事業者
実は、今の冷却塔に関しましては、なるべく蒸気が見えないように、少し熱を加えて蒸気を消すようなことも考えています。最終的にどういう格好になるか、まだ決めてないのですが、その辺の配慮を、冷却塔からの蒸気は、夏場はあまり見えないと思うのですが、冬場の大気の温度によっては、少し蒸気に温度を加えてやって蒸気を目立たないようにすることも、今、検討中です。
小野会長
ほかの点で、はい、薛委員。
薛委員
事務局へのお尋ねになるかもしれませんが、先に確認します。敷地配置の複数案があり、北側か南側かの選択があります。残りました、今回この敷地に充てない土地は将来どうなるのですか。
事務局
今のところは開発計画がございませんので、何とも言えないところなのですが、基本的には国有地ですので、産業用地として使う可能性はあります。いつか、ほかの事業者が開発して工場などを建てるということはあり得るかと思います。現段階では決まっておりません。
薛委員
意見ですが、この計画段階配慮書の中に敷地配置の複数案を検討するということがあるのは、定まった敷地の中に、選定に必要な施設面積、建築面積、オープンスペースを加えて、その中でどういう配置が最も影響が少ないか、ということでないかと思っております。
この場合、南側に取ろうが北側に取ろうが、残りの土地というのが分からないのであれば、どちらが良いかという選択が非常に難しい。その事をどうやって判断しているのかを見ると、今、貴重な陸生動物の生息環境がある。その生息環境をどれだけ壊すのか、その面積がどちらが大きいのかを、つまり、どちらが余計に生息面積を侵すのかということが、表に整理されていて、少ない方が南側だろうという結論です。
残りが全部残るのであれば、そういう判断でもよいでしょうが、必要としている敷地配置の複数案の検討、設定というようなこととは、若干ずれているのではないでしょうか。
敷地配置について、本当にこのような処理でよいのかどうか、事務局の考えを聞きたいと思います。
事務局
まず、配慮書で複数案を設定する場合に、事業官庁によって考え方が違うのですが、例えば、国土交通省の道路の案件であれば、道路のルートの複数案を示すという形で、用地選定から複数案を示すことが、主務省令で出ているのですけれども、発電所の場合は、民間事業なので、基本的に事業実施区域を決めてしまって、その事業実施区域内のレイアウトなどで配慮するというような主務省令になっているのですが、今回は、民間事業ですから用地選定の複数案はやらないのが一般的なのですが、あえてこれをやっているというパターンだと思います。
現段階で他に開発計画がないので、こういう配慮書になっているのですけれども、用地選定という、より早い上位の計画の段階で配慮するという位置付けでやっているのではないかなと思います。
小野会長
何か、言うことありますか。大体、お答えになっているように思います。では、原口委員。
原口委員
先ほど、門上委員のご質問にもあったのですが、冷却塔だと、大量に蒸気が出るのでしょうから、レジオネラ菌がよく問題になります。周りには、確かに民家はあまりないのですが、作業員や希少生物に対する対策が必要ではないかと思います。
工業用水を使われるとなると、原水が遠賀川でしょうから硬度が高く、何回も循環させるということは厳しいと思いますし、スケール等を取るような薬剤等を使うとすれば、今度はそれに対する排水対策等を考えないといけないと思います。
小野会長
ご質問の趣旨は分かりますが、次の準備書の内容です。今回は、まだその前の配慮書の段階のです。何かお答えになることありますか。
事業者
今後の課題として、前向きに検討させていただきます。
川本委員
先ほどのご説明で、人への影響について、国土交通省の住居地域を示されて、2-3km離れているから影響はほとんどないという評価でしたけれども、白い所((注)準工業地域、工業地域、工業専用地域)に住居がないということでよろしいのでしょうか。
事業者
こちらは、都市計画図から拾ってきたものでございまして、一応、ないということを確認しております。
((注)審査会終了後、事業者より、発言の訂正があり。実際は住居を確認。)
川本委員
そうですか。では、そこで止めさせていただきます。
小野会長
ほかにございますか。
大石委員
排水口の場所が、A案、B案、C案、どこに設置しても、今の評価ですと、A案、B案、C案、いずれでもOKと考えておられるのですか。
事業者
環境面では、どちらでも同じという評価でございます。
大石委員
調査、予測及び評価結果のところに(配慮書p5-49表5-2-11)拡散の沿岸方向と沖合最大到達距離の記載があります。また、ここに(配慮書p5-44、p5-45)存在する種の分布状況がありますが、例えば、鉛直方向で、1℃温度が上昇する幅が書いてありますが、これは底のほうの生物にも引っ掛からないということでしょうか。1℃上昇する方向の中に、ここに記載された生物には影響しないということですか。
事業者
まだ排水口の位置が決まっていないのですが、この点はここだけにしかいないということではなくて、既存資料では、ここで調査をしていて、この調査地点で採泥をした時に、その中にナメクジウオがいたということですのですので、広く海域にはいると思われます。 30mくらいの範囲で1℃上がりますので、そこにもいる可能性は当然高いのですが、影響幅は極めて小さく、重大な影響がおよぶことはないだろうということで予測をしております。
大石委員
これは、水深4mで、ボトムから排出されるということですか。
事業者
そうです。そう想定した場合には、30-40mくらい最大で1℃上昇します。
大石委員
そうすると、ここの生物が存在する所は、この温度上昇は影響がない位置ということでしょうか。
事業者
30mないしは40mの所で1℃以上、上がりますので、そこに対しては、何らかの生物への影響は考えられます。
大石委員
そうすると、先ほどの分布状況図を見ると、一番影響がありそうなのがC案ですよね。狭いテトラポットから防波堤の間に、海生生物の確認地点が密集していますが。
事業者
安瀬のほうですか。ここは、安瀬側で、タテホ化学工業さんが事業をされていて、前回、ここで検証、調査をたくさんされています。
調査をたくさんなさっているものですから、それだけ重要な種も見つかる点が多かったということで、洞海湾側は調査地点が少し少ないものですから、こういう分布図になっています。
大石委員
そういうことは、影響がある可能性が大きいということですか。
事業者
そうです。北側のほうにも重要な種は生息しております。
大石委員
そうすると、今の段階ではA案、B案、C案、どこでもOKということだけど、一番影響がなさそうなのは、B案ではないかなと思ったのですが。
事業者
B案の関門海峡側は、調査地点が既存資料では少なくて。
大石委員
既存資料が少ないからないわけですね。ということは、ここでは、既存の資料ではこういう生物分布をしている、ということを示しているということでよろしいのでしょうか。
事業者
そうです。
大石委員
分かりました。
小野会長
ほかにございますか。はい、どうぞ。
野上委員
バイオマスは混焼ということですが、割合が正確に分からないところもあったので、そこを確認させていただきたいと思います。
配慮書2-5ページ(表2-1)では、「混焼率30%(熱量ベース、重量ベース)」という書き方がされていて、配慮書2-6ページ(表2-2)では、今度は重量で数字が出ていて、「石炭:21-36万トン」「木質ペレット:3-12万トン」と書かれています。普通、この幅があるときに、最大値だけを見れば、例えば、石炭36万トンに対して木質ペレットは12万トンと読んでしまうと、これは重量ベースで3分の1が目標というふうにも読めます。 そうすると、カロリーベースで30%だと、重量ベースは恐らく50%程度でしょうか。確かオリックスもそのような数字だったと思うのですけれども。まだそこのところは完全に決まっていないのかもしれませんが、この計画段階配慮書で、二酸化炭素に関しては、バイオマスを入れるのだから考慮しなくていいという書き方を本文でされていたと思います。実際は、本当にどこまで目指しているのか、今の数字の読み方で正しいのかどうかも含めて、目標を具体的に教えてください。
事業者
ご指摘のとおりで、バイオマスのカロリーは4,000キロカロリーくらいで考えています。
それから、石炭は今、オーストラリア産で考えていますので、重量ベースでいわれると、ペレットの重量比率は30%より多くなると思います。そのため、幅を持たせていますが、正確に、何トンかということは、現時点ではお答えしにくいところでございます。
野上委員
木質ペレット12万トンが最大くらいとしたときの石炭は、36万トンくらいですか。
事業者
いえ、そこまでいきません。
野上委員
それは、いかないと。例えば、石炭は24万トンを目指すということでいいですか。
事業者
はい、そうです。ペレット12万トンで、石炭使用量はカロリーにもよりますが、おおよそ全体重量の3分の2以下で、今のところ考えております。
小野会長
その辺の数値は、方法書や準備書の段階で。
事業者
はい。実際は、我々が調達できる石炭のカロリー、調達できるペレットのカロリーを考えた上で、ではどこまで混焼できるのか。その辺を考えた上で、その数字は最終的な数字になると思います。
したがって、現段階ではペレットを30%くらい混焼したいという、今の目標というか、計画でございます。
野上委員
それはカロリーベースでということですか。
事業者
はい、カロリーベースです。
小野会長
配慮書の段階ですから、その辺のところでよろしいのではないかと思っております。はい、どうぞ。
近藤委員
先ほど底生生物の話で、私は専門ではないのであまり言えないのですが、この様に調べたものについては、調べた結果として存在します。それに対して、ここは同じであろうからというのは推測です。
推測で、環境影響はみんな同じになるというのであれば、調査そのものがナンセンスなことになってしまいます。
絶滅種はどこも同じであると推測すれば、調査結果は考慮しなくていいという話になると思いますので、そのように推測をされるのであれば、推測の根拠になるデータ等を示すべきではないかと思います。
何か議論の仕方として、少し乱暴ではないと思いますので、もう少し丁寧に、議論していただくといいかと思います。
しかも関門海峡ですから、海流が流れている所があります。ですから、海の底質は違うであろうことは、素人が見ても分かります。それをどこも一緒であると評価されるのは、少し乱暴のように思います。少し考慮してください。
事業者
今のご意見を踏まえまして、今後検討してまいります。
小野委員
ありがとうございました。
それでは、響灘火力発電所建設事業計画段階環境配慮書の件につきましては、これで審議終了ということにさせていただきます。
(2)「バイオマス混焼発電施設整備事業に係る環境影響評価準備書」の審査
小野会長
それでは、ご意見をどうぞ。
上田委員
発電所の燃料となる木質ペレットや石炭の保管方法についての説明がありませんでしたが、きちんと倉庫の中に入れて、拡散を防ぐ等の対策は考えていらっしゃいますか。
事業者
ご指摘いただいたとおり、倉庫やサイロにおいて拡散を防ぐよう計画をしております。
上田委員
倉庫やサイロで完全密封していただけるのでしたら、粉じん等については大丈夫だと思いますが、もしそうでなければ、事業実施区域は非常に風の強い所ですので、粉じん対策についても考慮しないといけないと思います。
小野会長
他に質問は。はい、原口委員。
原口委員
先ほど、冷却塔のことで話しましたが、同じように冷却塔から大量の蒸気が出るため、準備書3-33頁の表2-15「冷却塔の管理方法」に、レジオネラ菌に対する対策について記載していただきたいと思います。
同時に、工業用水を使うということですが、遠賀川の水は硬度が非常に高いため、おそらくスケールが溜まりやすく、レジオネラ菌等を発生させるようなバイオフィルムがたくさん形成されるのではないかと思いますので、スケール除去剤等も含めて、何らかの対策を取っていただきたいと思います。
もう1点、脱硝装置でアンモニアを使うと書かれていますが、アンモニアが過剰に投入された場合などに、排ガスとして大気中にアンモニアが出る可能性があるのではないかと思います。アンモニアは悪臭防止法で規定される悪臭物質の1つにもなっていますので、排ガス中のモニタリング物質にアンモニアも入れていただければと思います。発電施設の脱硝装置については、自動でアンモニアを測定する装置なども販売されているようですので、ご検討いただければと思います。
小野会長
最初の質問に対する答えは。
事業者
ご意見、ありがとうございます。レジオネラ菌対策についても、ご指摘を踏まえて、今後メーカーと協議していきたいと思っております。
小野会長
他にございますか。はい、野上委員。
野上委員
まず大気質についてですが、方法書時点の計画ではSOx、NOxの排出量が非常に高かったのですが、それは今回見直していただき、数分の1程度に下げていただいているので非常に結構と思っています。
それから、準備書の6-1-46頁に記載があります短期的評価では、通常の状態ではない大気条件として「逆転層出現時」「ダウンウォッシュ時」「フュミゲーション時」について詳しくシミュレーションしていただいており、非常に結構です。ただし、これらの大気条件に対する言葉としての「大気安定度不安定時」という言葉の表現が、読んでいて混乱しました。これは、おそらく逆転層などが出現していない状態、要するに通常時という意味で書かれていると思いますが、一方で、大気安定度については、A(強不安定)等のABC段階で示しているため、一瞬、読んでいてどちらを使っているのかが分かりづらかったです。
不安定という言葉の意味が分かりにくいので、分かりやすくするためには、書くとしたら、例えば「通常時」と書いていただき、一番高い濃度が出る条件は、Aの時と明言していますがそれは強不安定なので、その時は図のほうにも強不安定と書いていただいた方が良いかと思います。この辺りを少し書き換えるなり、誤解を招かないように表現していただければと思います。
もう1つ、これは質問です。実際、寄与濃度として一番高い数値が出る条件は、風速1mの大気安定度不安定時で、例えば逆転層が出た時だと思うのですが、実際にそれが起こる頻度というのは1%を当然切るわけですから、恐らく1年に1回、出るか出ないかというような理解でよろしいのですか。
事業者
最初のご意見につきましては、もっと分かりやすく記載するよう修正したいと存じます。
それから、2つ目のご意見は、おそらく書き方の問題かと思います。「大気安定度不安定時」と「逆転層出現時」というのは、基本的には別のケースとして計算しております。もちろん、ただその中で、「逆転層出現時」の「大気安定度A」ということにつきましては、確かに出現頻度という意味では珍しいケースだと思いますが、前提としては、先生が通常時というふうにご指摘をされました「不安定時」の計算と、「逆転層出現時」の計算とは、それぞれ別のケースとして位置づけて予測を行っております。その中で最大の影響が出た場合、それが「強不安定A」だったというものでございます。この辺りも含めまして、誤解のないような書き方で修正させていただきます。
野上委員
もう1点だけ、準備書6.1-46頁の表6.1-21の見方としては、「逆転層出現時」においては、様々な大気安定度を計算していると思いますが、その時の最大値を示した時の大気安定度は、やはり同じAだったということなのでしょうか。
事業者
そうです。
野上委員
それで、私の質問は、大気安定度がAであって、逆転層が出現する頻度というのは、実際、どれくらいあるのかということです。
ほとんどないのではないかと思ったのですが。
事業者
はい、ほとんどないです。
野上委員
では、ほとんど起こらないような稀なケースまで含めて、計算して、それでも最大値は十分低いということですか。
事業者
そうです。
小野会長
いいでしょうか。はい、門上委員。
門上委員
日本に、本案件と同様の11万キロワットで、石炭でバイオマスを燃やすというような施設はほかにあるのでしょうか。
事業者
現在、全国で、計画は色々あると思いますが、バイオマスの比率が多い計画としては、日本にあるかと言われると、今のところあまりないかなという認識でおります。
門上委員
私は、先程の響灘火力発電所でも質問しましたが、いわゆる冷却塔で冷却するということと、80mという比較的低い煙突から低い温度の排ガスを出すと、冬場は非常に大量に白煙が発生すると思います。また、場所が響灘ですから、北西6mくらいの風がよく吹いており、それがちょうどビオトープの方向に流れてくるため、生態系にも関係する可能性もあると思います。
その辺りは、実際に施設が稼動している際に、どれくらいの臭い等が発生するのかどうか等を確認していただきたいと思います。火力発電所ではないのですけれども、私も近くに工場があって、やはりとても臭いがすることがありますので。
白い蒸気が大量に来るかどうかは、実際、同様の規模の火力発電所であれば、一目瞭然ですから、アセスなどしなくても見たら大体分かるので、そのようなデータはお持ちなのでしょうか。
事業者
ご指摘のとおりで、冬場の寒い時期においては、白煙という形で可視化されることがあります。一方で、臭気の問題については、ほとんどないといってよろしいかと思っており、極端な話、煙突に顔を近づけて臭いを嗅がないと分からない程度のものだという認識でおります。
門上委員
そういうことならばいいのですが、北西の風が強いので、ビオトープに直接白煙が来ることがあると心配です。確かに工場地帯ですから、私達もないと思うのですけれども、白い蒸気が大量に出ているとなると、景観上も問題ですので。もしそのようなことを調査している他の事例があれば、その写真を載せて、影響ないのであればないと書いていただければいいかと思います。ぜひ、ご配慮いただきたいと思います。
事業者
はい。
楠田委員
計算方法の結果のところで、2点、お教えいただければと思います。
まず1点目は、準備書6.5-52頁の潮流楕円について、E-7がかなり外れていますが、どうしてそのようになるかということがお分かりでしたらお教えいただきたいです。
2点目は、準備書6.5-71頁のT-Nの年平均水質の推定結果について、洞海湾の中の地点では全部計算値の方が大きくなっていますが、その根拠についてお教えいただければと思います。
事業者
1点目の潮流楕円のE-7ですけれども、卒直なところといたしましては、前の方の調査地点が、準備書6.5-48頁の図6.5-33に潮流・潮位の調査地点を書いております。そのE-7というのが、今回の調査範囲の中ではかなり西寄りであり、実際、予測を行う上での、要は海峡界の部分にかなり近いというところがございます。ですので、ここはなかなか、やはり安静定時というのが難しかったというところでございます。
あと、2点目ですけれども、準備書6.5-71頁、T-Nの現況再現、計算値が高めに出ているというところですが、実際、予測を行うにあたっては、淡水流入量、流入負荷量が潜んでいるわけですが、今回のこの例に限らず、やはり洞海湾の中というのは、どうしても予測するとかなり高めになってしまうケースがよくあります。そういう推計された負荷量の調整といいますか、その辺りの問題かなと考えているところです。
楠田委員
それは、現況再現の時に調整、チューニングはされていないのですか。
事業者
負荷量そのものは、基本的にはそのまま与えるということで計算しております。
小野会長
ほかにございますか。森本委員。
森本委員
ビオトープへの影響の有無について、2点お尋ねします。
まず、1点目に、一番心配なのは騒音だと思われますが、騒音は準備書に記載されているように環境基準以下ということなのですが、ビオトープの所では検討されたのでしょうか。
24時間操業の予定と聞いていますので、工事中以外の騒音の点はどうお考えでしょうか。環境基準以下なので大丈夫ということなのでしょうか。それとも何か考慮していらっしゃるのでしょうか。
2点目は、先程から先生方が言われる冷却塔の白煙その他による影響について、できたら教えていただきたいです。風の方向で、どの方向にいくかということは検討されていたのでしょうか。
事業者
まず、工事中の騒音については、予測値として敷地境界において83dBという数値が出ております。そこからビオトープまでは、さらに100m程度ありますので、騒音レベルとしては、20dBから30dB程度の距離減衰によって低下が見込めますので、おそらくビオトープにおいては遠くの方で聞こえるという程度になるかと考えております。
大気質につきましては、環境基準は当然満足しますが、一応、現状に比べても1%以下ということで、ビオトープの生態系に属する生物への影響、また、来場者への影響というのは、今のところは極めて影響は小さいのではないかと考えております。
白煙につきましては、白煙の影響という面ではなかなか難しいところはあるかと思いますが、一応、景観の中では白煙が冷却塔から20m程度出るということで準備書には記載しております。ただ、やはり距離がありますし、そして、手前の建屋に隠れてしまって、今回のプラントからは、おそらく白煙は視認できないのではないかと考えております。
小野会長
ありがとうございます。これで1部は終了いたします。
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