2月の水産物(サワラ、マガキ等)
サワラ
晩秋から初春の産卵期に沿岸で漁獲されるため、魚偏に春と書いて「鰆」の字があてられている。
北海道中部以南から東シナ海にかけて広く分布し、特に瀬戸内海に多い。
成魚は、体長1m、体重4kgほどになる。サワラは成長するにつれて名が変わる出世魚で、関西地方では、50cmくらいまでの大きさを「サゴシ」、70cmくらいまでを「ヤナギ」、70cmを越えると「サワラ」と呼ぶ。
体は細長く側偏していて、頭は小さい。背部は灰青黒色で、背部から体側にかけて青緑色の小斑点が走っている。
癖のない味で、塩焼き、照焼きなどにして食べられることが多いが、鮮度の良いものは刺身にしても美味しい。身が柔らかいため、粕漬け、味噌漬けに向き、特に白味噌に漬けた西京漬けの焼き物は有名である。
マガキ
日本沿岸の岩礁に普通に見られるカキで、大きさは殻長5cm、高さ10cm、幅5cmほどに達するが、巨大なものは、その2倍くらいになることもある。
カキの貝殻は左側が膨らみ、右側が偏平となっていて、殻の表面には、淡灰黄色、灰褐色、濃紫褐色の放射帯がある。
市場に流通しているほとんどは、養殖されたものである。
カキは肝臓の働きを促進するグリコーゲンを多量に含み、「海のミルク」と言われるほど栄養に富んでいる。旬は秋から冬で、この時期にグリコーゲンの量が最も多くなる。
生食してもよく、焼きガキ、カキフライ、スガキ、カキ鍋などにして賞味されている。
シジミ
シジミには数種類あるが、ヤマトシジミ、マシジミの2種類が一般的なものである。
ヤマトシジミは、河口や海水の入り混じる湖などの汽水域に生息する。殻長4cmほどで、表面に黒く光沢のある殻皮をかぶっている。夏が旬で、「土用シジミ」と呼ばれるのが本種である。北海道から九州に分布し、産地は島根県の宍道湖などが有名である。
近隣種のマシジミは、殻長4cmほどで、色は黒味を帯び、ヤマトシジミによく似ているが、光沢がやや弱く、殻表の輪肋がはっきりしている。冬が旬で、「寒シジミ」と呼ばれている。
シジミは、コハク酸を多く含み、これは汁にすると旨味成分となるため、昔から味噌汁にして食することが多い。また、ビタミンB12を多く含み、古くから黄疸によいとされる。
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