10月の水産物(マサバ、カマス等)
マサバ
マサバは世界中の温帯海域に広く分布し、産卵や餌を求めて回遊するほか、越冬のため適温を求めて広い範囲を季節的に南北に回遊する。水温15~23℃で産卵し、日本近海での産卵は3~8月となる。
背側に青黒色の虫食い状の斑模様があるが、腹側は銀白色で斑模様はない。体長約50cmで、体重約1.1kgとなる。
旬は秋から冬で、ことに「秋サバは嫁に食わすな。」の言葉があるくらい秋は脂が乗って、その味がピークとなる。これは、春から秋にかけて産卵を終えたサバが、体力回復のため旺盛な食欲でイワシやアジ等を食べるため、秋にはちょうど程よく脂が乗るためである。なかでも、腹に薄い金色の横帯が浮かんでいる秋サバは特に味がよいといわれている。
非常に鮮度のよいものは、生食されるが、一般に酢でしめた「シメサバ」や「鯖鮨」・「バッテラ」が有名。塩焼き、味噌煮、竜田揚げにしても美味しい。サバ節は出汁がよく出るので、各種料理に使われている。
また、マサバは、脂質が極めて豊富で、EPA、DHAの含有量が青魚の中でも群を抜いて多く、動脈硬化、脳梗塞などの生活習慣病の予防や脳の活性化に効果がある。
カマス
カマス類は、サンマに似て細長く、頭部が尖っており、胴部が長い。口が大きく裂けている特長を持っている。
日本近海では、アカカマスとヤマトカマスの2種がよく獲れるが、一般にカマスといえば、アカカマスをさすことが多い。アカカマスは、北海道南部から南シナ海にかけて分布。背側に赤みのある黄褐色で、腹側は乳白色。体幅が大きく、細長い円筒状に近い体形で、全長約50cm。藻場を好んで住み、刀状の鋭い歯でイワシ類やエビ、カニなどを食べる。
肉は白身で、淡白な味であるが、やや水っぽい。鮮魚の塩焼きも脂が乗ってうまいが、開き干しにしたほうがより美味である。
ヒラメ
ヒラメは千島列島から南シナ海までの水深10~200mの砂泥底に生息し、魚類、イカ類、硬殻類などを食べ、ほとんど1年中漁獲される。
体は長い楕円形で平たく、眼は体の左側にあって、カレイに比べて口が大きく、犬歯のような鋭い歯が一列に並んでいる。表側は暗褐色で白色の小斑点と黒色小点が全身に散在しており、体長は80cmを超える。
ヒラメは、タイ、マグロ、ブリと並ぶ高級魚であり、特に近海ものの活魚は価格も高い。俗に「寒ブリ、寒ムツ、寒アンコウ、寒ビラメ」というように、旬は冬。脂が乗って、身がキリリとしまっている。
肉質は白身で淡白で、光沢と弾力に富んでおり、代表的な白身魚のひとつ。高級品として刺身やすし種として使われ、和・洋風の各種料理にも向く。また、背ビレと尻ビレに沿った身の部分は「縁側」と呼ばれ、脂が乗り、すこぶる美味で刺身やすし種として珍重されている。
ヒラメは、アミノ酸組成のバランスがよく、良質なタンパク質を含んでおり、「縁側」にはコラーゲンが含まれている。また、ビタミン類では、エネルギー代謝を促進する働きがあるナイアシンが多く含まれている。
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