9月の水産物(サンマ、タチウオ等)
サンマ
日本から北アメリカにわたる沿岸部に分布。背びれと尻びれが後方部につき、尾びれとの間が非常に離れている。全長約35cm。水温15℃から18℃の水域を好み、プランクトンを食べて生活している。1年で成熟し、数回産卵した後に死亡する。
サンマは、1腹に1万から2万の卵を抱卵するが、これを一度に産卵するのではなく、3回から4回に分けて生み出す。卵生の沿岸魚としては、イワシの7万粒から8万粒などに比べ、抱卵数は少ない。それは、サンマの卵が流れ藻に産みつけられ、しかも、その卵の表面についている細い糸によって海藻に絡みつくため、外敵に食べつくされるケースが少ないからだと考えられている。
塩焼きにして大根おろしを添えて食べるのが最高で、刺身、なます、押し寿司、開き干し、みりん干しにしてもよい。魚体に鱗のたくさんついているものほど鮮度がよく、尾びれの黄色いものはよく脂がのっている。
また、サンマの脂質にはビタミンB12やビタミンA、DHA、EPAなどが豊富に含まれ、ビタミンB12は貧血に、ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にし、眼精疲労を防ぐなどの効果がある。
タチウオ
体形が刀のように平たくて長く、体色が銀白色なのでこの名がある。
世界の暖い海に生息し、日本では、北海道南部以南に分布。 海中では、体を垂直にして立って泳いでいる。
日本近海での産卵期は春で、夏から秋にかけて脂が乗ってくる。4年ほどで全長80cmくらいになり、最大で1.5mくらいに達する。
肉は白身で柔らかく淡白な味。生食は昆布じめにし、加熱料理は、塩焼き、照焼き、バター焼き、ホイル包焼きなどにすることが多い。煮付けにする場合はから揚げしたのちに煮付けると美味しい。高級練り製品の原料ともなる。
マサバ
マサバは、世界中の温帯海域に広く分布し、産卵や餌を求めて回遊するほか、越冬などのために適温を求めて広い範囲を季節的に南北に回遊する。水温15℃から23℃で産卵し、日本近海での産卵期は3月から8月となる。
背側に青黒色の斑模様があるが、腹側は銀白色で斑模様はない。成長すると体長約50cm、体重約1.1kgほどになる。
旬は、秋から冬で、ことに、秋サバは嫁に食わすな、の言葉があるくらいに秋は脂が乗って、その味がピークとなる。なかでも、腹に薄い金色の横帯が浮かんでいるものは特に味がよい。
非常に鮮度によいものは生食されるが、一般的に酢でしめたシメサバ、鯖鮨、バッテラが有名。塩焼き、味噌煮、竜田揚げにしても美味しい。
また、マサバは脂質が極めて豊富で、EPA、DHAの含有量が青魚の中でも群を抜いて多く、動脈硬化、脳梗塞などの生活習慣病の予防や脳の活性化に効果がある。
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