6月の水産物(マアジ、ヤリイカ等)
マアジ
太平洋・大西洋の温帯から熱帯にかけて広く分布し、成魚は群れを成して、春から夏にかけては北方へ、秋から冬に南方へ移動する。
体は側偏した紡錘形で、尾部に「ぜんご」又は「ぜいご」と呼ばれる硬い鱗があり、背部が鮮青黒色、腹側は白銀金色をしている。体長30~40cm。
マアジのエキス分にはアラニン、グリシン、グルタミン酸などの遊離アミノ酸が多く含まれ、これらのエキス成分と脂肪が混ざりあって、独特の旨味がある。漁獲量も多いため、世界中で食されており、日本では、刺身、すし種、たたき、塩焼き、干物などにされ、諸外国でもフライ、マリネイドソテー、レモン汁でしめたセビッチェなどとして賞味されている。
また、アジは粘膜組織を正常にしたり、目を健やかにする働きがあるビタミンAを豊富に含んでいる。
ヤリイカ
本州、四国、九州から朝鮮半島にかけて広く分布。胴体は、細長い円錐形で先端がとがっており、槍の穂先を思わせることからこの名がある。
春から夏にかけて、産卵のため沿岸に寄ってくるところを定置網や釣りで漁獲する。
肉質はやわらくて、独特の甘みがあり、新鮮なものは刺身、すし種として、スルメイカよりも珍重される。また、ヤリイカで造る「笹スルメ」は、「ケンサキスルメ」と並んで最高級品とされている。
イカ類には、生体機能調節に必要なEPA、DHA、タウリン等が含まれ、動脈硬化の抑制、肝機能の増強、眼精疲労の回復、抗菌性などの効用が知られている。
マゴチ
日本の中部以南、朝鮮半島南部からアフリカ東海岸、オーストラリアにかけて広く分布し、水深2m~50mの沿岸の砂泥底に住んでいる。秋に水深50mほどの深場に移動。冬の間は砂泥底に身をうずめて冬眠し、4~7月に沿岸に近づいて産卵する。全長50cm。
身はしまって、ややかたく、歯ごたえがある。薄く造った刺身は、フグなみに美味で、さっと熱湯に通して氷水につけ、霜降りにしたあらいは、スズキのあらいに劣らない味がする高級魚である。特に夏が美味。
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