※ 以上の紹介文は、認定当時のものです。
第6回認定者(2010年度)
秋月 隆 (あきづき たかし) さん
築炉 <自営>
若い頃より製鉄所などの窯炉設備の新設、メンテナンスで築炉作業に携わる。
平成7年の製鉄所脱ガス設備天蓋部の築造作業では、ほとんどの煉瓦が切削施工で手加工の高度な技術を要し、しかも4日間しかない工程の中、たった4人で不眠不休で作業を敢行し、製鉄所担当者から絶賛される。
現在では、トピードカー(溶銑運搬貨車)のメンテナンスにおいて、煉瓦の張替え修繕作業に携わっている。特に大規模な修繕では、現場で指揮を執ることが多く、10年間溶銑漏れゼロを継続している。
平成21年に全国でも珍しい女性の築炉1級技能士を合格させるなど、多くの技能検定合格者を輩出している。1954年生まれ。
桑原 三代子 (くわはら みよこ) さん
婦人子供服仕立職 <アトリエ田中 裁断及び縫製指導>
昭和27年より洋裁学校に勤務し、以降洋裁店を経営するなど、職場を変えつつ、婦人子供服製造に従事する。
型紙作成裁断の技能においては、注文服を着用する人の体型や布の風合を生かして、「着心地よく」をモットーに、どのようなデザインでも自由自在に展開していく。中でもドレープ表現では、立体、平面ともに裁断できる技術を保有する。平成7年、婦人子供服技能検定特級を取得。
最近では、体型が変わったり、身内や友人から譲り受けた服を、その人の思いを含めてリフォームする仕事にやりがいを感じている。職業訓練指導員として数多くの育成に取り組み、業界で大勢の人が活躍している。1933年生まれ。
坂元 久文 (さかもと ひさふみ) さん
理容師 <ヘアーライブ フィール オーナー>
首筋の髪を剃って、剃り跡が残らないように刈り上げる技術はなめらかで、墨絵のようにきれいな色彩を出すことができる。高分子ケラチンを毛髪に握り込ませ、毛髪をシルクのような質感にする技術は全国でもトップレベルと言う定評がある。
独自の創意工夫で、薬液処理において従来パーマやカラーをした場合に出るダメージを抑え、髪質を改善する技法をあみ出す。またカットにおいても、ハサミを使い分けることで髪の質感を変化させ、ヘアースタイルが長い時間まとまる技法をあみ出す。
平成20年、全国理容競技大会優勝。クラシカルカット・イブニングスタイル部門では九州勢では45年ぶりの快挙となる。1972年生まれ。
廻本 高見 (まわりもと たかみ) さん
塗装 <旭塗装 有限会社 世話役>
昭和21年より塗装の道に入り、以来60年以上塗装一筋の道を歩む。小規模な塗装などでは、現在でも現場での目測調色(色合せ)技能が必要とされているが、微妙な色合いを出せる数少ない職人の1人。色見本に対して、この色を出すには原色のどれとどれを調合するのがよいか、素早く判断して短時間のうちに調色を行う。
後進育成では、自社から1級技能士を5名輩出したほか、北九州塗装協同組合においても指導者として全幅の信頼を得ている。一つの作業でも色々なやり方があり、ベストな作業の仕方というものはその場その場で違っていることから、そのときにできることをいろいろな経験を積み上げた中から考え出すように指導を行っている。1930年生まれ。
水野 貞明 (みずの さだあき) さん
樹木医 <株式会社 水野文化園 代表取締役>
平成17年度の市内206本の保存樹の生育調査、平成19年の小倉城周辺の124本のソメイヨシノの生育調査、さらには308本の街路樹プラタナスの調査など、市内随一の樹木診断本数を誇る樹木医。
樹木とその周辺環境、植栽基盤、土壌の重要性に早くから着目し、理化学性のみならず、土壌生物の役割、物質循環まで含めた診断技術の確立に尽力。
後進育成では、若手樹木医や樹木医志願者を指導・育成し、樹木医の診断技術・樹勢回復技術の普及・向上に寄与するとともに、ビオトープ研修会を開催し、樹木とその生育環境を生態学的見地から考察、物質循環・土壌生物の重要性について説く。1948年生まれ。
村上 寿恵 (むらかみ ひさえ) さん
和服仕立職 <あさい和裁塾 塾長>
和裁専門学校の講師として、個性的でおしゃれな着物の製作に取り組む。防寒用に袖口が狭く、襟の曲線や角度が変化している変わり襟コートや、独自の工夫により、帯の位置から裾まで着物に吸い付くような美しいラインの着姿の羽織を考案した。また、リメークにも力を入れており、平成21年には、留袖を「袴の上下」にした作品が、京都で初めて開催されたリフォーム・リメークきもの作品展、「きもの裁・彩」で第1位に輝く。
後進育成では、技能検定、職業和裁技能検定試験において毎回合格者を輩出しているほか、技能グランプリや技能五輪、全国和裁技術コンクールにおいて上位入賞者を多数輩出している。1961年生まれ。
森田 順夫 (もりた のぶお) さん
寿司職人 <寿司 もり田 代表>
供される寿司2貫のうちの1貫は江戸前の伝統的な出し方によって、もう1貫はアレンジされた創作寿司として出す。トロを炙ることで、新たな食感と旨味を引き出す手法を編み出し、全国的に広がる。薬味として山葵だけでなく、生姜、葱、塩、紅葉下ろし、また柑橘系を絞りかけるなど、それぞれの魚の旨味を引き出すための工夫を加えた。新鮮な食材であれば良しとするだけでなく、江戸前の寿司に培われた「下ごしらえ」の調理を正しくほどこし、それぞれの食材の味をさらに引き立たせることにも傾注している。
現在でも創作のアイデアを求め、時間あるごとに全国各地に足を運んでいる。1935年生まれ。
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