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第6回認定者(2007年度)

更新日 : 2022年7月1日
ページ番号:000004696
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日吉 研二(ひよし けんじ)さん

ステンレス転炉精錬 <新日鐵住金(株)八幡製鐵所勤務>
日吉研二マイスターの画像

 転炉のオペレーターとして、自動車用高度部材等として使用される高級クロム系ステンレスの製造に従事。
 1,800度近くになる転炉内で金属成分(クロム)を正確に測定できる機械はない。そのため、独自のデータ蓄積と長年に渡る経験・勘により、世界中から納入された成分の異なるクロム原料や石灰、ケイ素の投入量など様々な操業条件を絶妙に調整し、高品質のステンレスに精製するための精錬技能を保持している。
 後進育成の面では、若手を集めて定期的に検討会議を主催し、ステンレスの精錬反応やクロム酸化のメカニズムについての教育を行うなど、自らが経験してきた鉄造りの魅力の伝授に精力的に努めている。
中間市在住、1951年生まれ。

※転炉とは・・・製鉄所の高炉で産出された銑鉄中の炭素を取り除く精錬に用いられる設備

山本 國丸(やまもと くにまる)さん

熱間圧延 <日鉄住金テックスエンジ(株)勤務>
<元・(株)住友金属小倉>
山本國丸マイスターの画像

 1,000度以上の鋼塊を圧延機にかけ自動車用高級部材を製造する分塊工場で、現場で培った知識、技能、経験をフル活用、コンピューター導入による圧延ラインの品質・操業管理システムを構築し、効率的生産体制の確立に寄与した。
 また、鋼塊搬送台車の保温化や均熱炉クレーンの火バサミと火バサミ用掴み冶具の改善により、安全性、省エネ、作業効率を向上させた。
 特に、分塊圧延機運転の省力化では、分塊圧延機操作デスクを飛行機のコックピットの様に改良した結果、機能性に優れ、しかも独創性があると高く評価された。
 さらに、鋼片圧延機のロール冷却方法やロール孔型への鋼片誘導金物の改善、クレーンへの電磁石吊具の導入等、安全性や生産性を上げる数々に貢献した。
 自動化・コンピューター化が進むなか、手動操作が現場の原点であることに着目し、分塊圧延機やクレーン操作のシミュレーターを考案した。
 平成18年度には厚生労働大臣表彰「卓越した技能者表彰(現代の名工)」を受賞した。
小倉南区在住。1948年生まれ。

古川 誠喜(ふるかわ せいき)さん

溶接 <高田建設プラント(株)勤務>
<元・(株)高田工業所>
古川誠喜マイスターの画像

 世界最高レベルの安全性や技術力が求められる原子力関連の配管工事において、ジルコニウム配管溶接施工法を開発。その工法は、当時の科学技術庁が「溶接品質レベルが日本一」と認めたほど。
 また、同施設のタンクの溶接をする際に溶接部から空気を取り除くことが必要で、自転車チューブからヒントを得て、内部との空気遮断空間をつくる技法を開発し、高品質な溶接を提供した。
 若手溶接士の育成にも尽力し、社内外に約2,000名の弟子がいる。その中から日本溶接協会溶接競技大会の全国大会で優良賞を5回、九州大会で1位を2回輩出するなど、抜群の指導力を誇る。
 また、高い溶接技能を有するだけでなく、溶接物の性質を理解し、それに適した溶接施工法を設計する技術者であり、治具等を開発する発明家でもある。
八幡西区在住。1949年生まれ。

上野 芳昭(うえの よしあき)さん

非破壊検査 <元・日本鋳鍛鋼(株)>
上野芳昭マイスターの画像

 原子力・火力など世界の発電所において、高温・高圧の環境下で高速回転する発電用タービンロータなどの大型鍛鋼品の非破壊検査に従事。
 ロータ全長約6~16メートルに渡って貫通孔を開けた後に行う「中心孔検査」では、欠陥の集中しやすい製品軸心部をボアスコープ(内視鏡)により検査し、肉眼で判別できる限界の0.1~0.2ミリの超微細な欠陥を検出する。
 半日から1日を費やすこの検査には集中力と根気が不可欠。加えて「不適合品を世の中に出さない」という信念、感性の高さ、そして長年の経験にて培った世界トップレベルの検出能力を有する日本鋳鍛鋼(株)の品質の番人である。
 500トン鋼塊から製造する発電用タービンロータの製造メーカーは日本鋳鍛鋼(株)を含め世界で2社だけである。世界屈指の製造技術・技能を維持していくために、この検査技術・技能は欠かせないものとなっている。
若松区在住。1947年生まれ。

木下 易之(きのした やすゆき)さん

金型研削加工 <(株)三井ハイテック勤務>
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 入社以来、一貫してモーターコア打ち抜き用超精密金型の製造に従事。
 この超精密金型の部品は1ミクロン単位の精度が要求され、機械精度だけでは出せない領域であり、人間の五感を最大限に駆使し、金型の心臓部ともいうべき、パンチ、ダイと呼ばれる超合金製の打ち抜き用刃物を精巧に加工し、サブミクロン(1ミクロン未満)の精度で仕上げる能力を持つ。
 非常に厳しい基準の「ハイブリッド車」にも搭載されるモーター金型の製作になくてはならない存在で、その技能は業界からも絶賛されている。
 後進育成の面では、現場のレベルアップのために技術・技能者の多能工化に取り組んでいるほか、「改善や工夫をし、楽に仕事ができるようにすること」をモットーに後輩の指導にあたっており、上司や次代を担う若手社員からも大きな信頼を得ている。
八幡西区在住。1959年生まれ。

梶原 定二(かじわら じょうじ)さん

煉瓦の手加工 <黒播築炉(株)勤務>
梶原定二マイスターの画像

 製鉄所の高炉、熱風炉などの建設用煉瓦の加工や、加工した煉瓦の出荷前の仮組みセット作業に一貫して従事。
 ドーム状の熱風炉はその部位により、複雑な形状の煉瓦が組み合わされて形成されるが、個々の煉瓦面には、グラインダーを用いた手作業により、巧みに曲面加工が施されている。
 大型熱風炉では、部分仮組みされる部位の煉瓦積み上げ高さは直径4メートル以上にも及ぶが、精密な手加工曲面仕上げによりその誤差を1ミリに保つ技能を有し、20年以上に渡る熱風炉の安定稼動に貢献している。また、その加工スピードは中堅クラスの1.5倍を誇り、築炉工期短縮にも大きく貢献している。
 近年では、煉瓦加工、仮組みセットの作業手順を標準書類や写真、ビデオにまとめ、自らの「職人技」を若手に継承する活動に注力している。
中間市在住。1949年生まれ。

 ※ 以上の紹介文は、認定当時のものです。

このページの作成者

産業経済局地域経済振興部雇用・産業人材政策課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2419 FAX:093-591-2566

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