第12回認定者(2023年度)
第12回認定の9人の達人を紹介します。各達人の紹介文下部のリンクテキストからYouTubeに移動し、動画を再生できます。
一田雄二(いちだゆうじ)さん
自動車整備士 【北九州日産モーター株式会社 営業本部 サービス部 次長】
電気系統の整備を得意とし、高い技術力と経験を持っており、日産自動車販売会社整備士の最高資格である「日産マスターテクニシャンHITEQ」を15年連続で更新している。
また、所属する北九州日産モーター株式会社は、日産自動車が隔年で開催する「全国日産販売会社技術競技大会」において九州代表の常連である。一田氏は出場選手のトレーナーを務めており、平成27年には全国優勝にも導いている。
新型車の技術の発展は目覚ましく、常に技術や知識の更新が求められる中、お客様に安心して安全にクルマに乗っていただくことをモットーに社内の整備士教育を担い、日々指導を行っている。
社外では、自動車整備士養成校で、EVなど新技術の講師としても活躍しており、後進育成に尽力している。
1969年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):一田雄二さん
奥博文(おくひろふみ)さん
グラフィックデザイナー 【有限会社ナウイデザイン(NAWI) 代表取締役】
グラフィックデザイナーとして市内で37年の実績を持つ。アナログとデジタルをまたいだハイブリッド世代の強みで、膨大な物件数で蓄積された深みのある知識を持ち、生来の器用さも相まって、発想から制作にかかる時間の早さに圧倒的な力を持つ。本人いわく「2次元デザインとはいえ、命が宿り、それはアナログの柔軟な発想から生まれる。それを高速で視覚化してくれるのがデジタルであり、今でもPCは単なる便利な“画材”にすぎない」と言う。
常に世代のデザイン傾向を注視しており、地元のクライアントとの信頼も厚く、長年の取引が続いているほか、地域のイベントのポスター制作などにも尽力している。また、若い世代に「自身の中にデザイナーの“タネ”がある」ことに気づかせる機会を模索している。
現在も本業以外で全国コンテストに積極的に挑戦し、数多くの賞を獲得し続けている。
1960年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):奥博文さん
門脇幸子(かどわきさちこ)さん
洋裁 【リフォーム洋裁 講師】
1959年から洋裁に携わり、基礎の縫製からカッティング、デザイナー、パタンナーと、洋裁全般に関する多くの知識や技術を習得してきた。
1992年には工房かどわきを開業。優れた技術により顧客の信頼も厚く、オーダーメイドやリメイク、リフォームを手がけてきた。多くの経験により、メジャーを使用せずに自分の感覚で依頼主に合うよう採寸できることは、大きな強みである。また、難しいとされるセットインスリーブの袖付けにおいて、美しく仕立てる独自の方法を生み出し、後進にも広く伝授してきた。
現在は洋服のリフォームやリノベーションに力を入れており、古くなったものでも永く大切に着られるよう工夫を凝らし、講師としてもその技術を伝えている。
そのほか、洋裁体験教室において小学生や地域の方に教えるなど、洋裁の魅力を積極的に伝えている。
1941年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):門脇幸子さん
重松司(しげまつつかさ)さん
調理師(西洋料理) 【Base Café オーナーシェフ】
調理師学校卒業後、ホテルにて宴会やレストラン料理等に携わる中で、ジビエ料理の面白さに目覚める。
その後、食品加工会社、ビストロなどで経験を重ね、独立開業し、ジビエ料理も扱うレストランカフェのオーナーシェフとして、気軽に楽しめるジビエ料理の美味しさや魅力を多くの方々に広めている。
ジビエは天然物であり、個体が生まれ育った場所、性別、年齢などによって、味も香りも千差万別である。食材に対しての深い理解で良い状態を見極め、食材に合わせた調理方法を実践することで、食材の魅力を最大限に引き出す技術を持っている。
北九州市料理検定の検定委員や各種コンクールでの審査員のほか、料理講習や勉強会を通じて若手の育成に努め、市内の高校で非常勤講師として活動するなど、積極的に技術知識の伝承に取り組んでいる。
1972年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):重松司さん
立石三稔(たていしみつとし)さん
造園師 【株式会社白翠園】
自然の庭造りを心がけ、借景を取り入れた平庭づくりは雲の流れや日光の差し込みまで考慮し、樹木と周辺の景色を一体化させ、絵画のように作庭する芸術的な感性の持ち主である。
近年は難しいとされる壁面緑化の管理、維持に力を注いでおり、先駆者となるべく試行錯誤を重ね、積極的に取り組んでいる。
また、厚生労働省認定のものづくりマイスターとしても活躍しており、若年者への実技指導では、技術のみならず職人としての誇りや労働災害防止の重要性なども伝えている。技能五輪全国大会では、出場選手に道具の選び方から個々に合った実技指導まで、きめ細やかなサポートを行ってきた。現在は技能検定委員を務めるなど、業界の技能及び資質向上に大きく貢献しており、若手従事者からの信頼も絶大である。
1962年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):立石三稔さん
德永日出登(とくながひでと)さん
調理師(日本料理) 【株式会社古仙 調理部 料理長】
技能の強みは包丁さばき。特に鱧の懐石料理や河豚の鉄刺の鶴仕立てを得意としている。日本料理は「だし」が命であると考え、江戸時代から伝わる「水塩」を使用して素材のうまみや香りを引き出し、食材と調和させるなど、味付けにこだわりを持っている。
また、日本料理の基本である包丁の技術に感銘を受け、鍛錬を続けて、室町時代から約670年続く日本庖丁道大草流の師範として日本料理の神髄となる儀式を習得している。現在も稽古に励みつつ、数多くのイベントでその技能を披露している。
全国の熟練技術者が日本一を競い合う技能グランプリ日本料理部門で敢闘賞(全国4位)、日本料理技能展金賞など、数多くの受賞歴を有する。
真颯館高等学校で非常勤講師として後進の育成に努める他、親子地引網の体験を通して、子ども達に「命をいただく」大切さを教えている。
1971年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):德永日出登さん
久富浩史(ひさどみこうじ)さん
美容師 【TRIBE.DREAD&EXTENSION 代表】
2001年頃から日本でクリッパーアートを始めたパイオニア。(注)クリッパーアートとは、バリカンを使って頭に模様を入れるヘアースタイルのこと。
デザインの独創性があり、下書きなどはせず頭の中でイメージを組み立て、切りながら作っていくスタイルは他者には真似できない。髪の毛は場所によって生えている方向が違い、ズレが生じるので、思ったとおりの線を描くのが難しい。また、軟毛やくせ毛など難易度が高いどんな髪質でも対応できるのが強みである。
現在はシンガポールを中心としたアジア全域で、ヘアーショーやワークショップを行うほか、大会審査員を務めるなど、海外でも技能を惜しみなく発揮している。
斬新なスタイルを追求するヘアーサロンとして、国内外のメディアで紹介されており、成人式やお祭りの時期は予約が絶えない。
1978年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):久富浩史さん
古森弘一(ふるもりこういち)さん
建築家 【古森弘一建築設計事務所 代表取締役 博士(芸術工学)】
これまでに数多くの設計作品を発表しており、代表作である「福岡県弁護士会館(福岡市中央区)」「西法寺(八幡西区)」「明圓寺(福岡県飯塚市)」など一連の作品において、それぞれの地域環境を深く読み取り、その場所に即した新たな建築のあり方を提示している。
また、自然素材や自然光を用いた設計手法には定評があり、数々の受賞歴がある。(環境設備デザイン賞最優秀賞・建築九州賞(作品賞)・福岡県美しいまちづくり賞大賞・JIA環境建築賞優秀賞)
市内の大学において非常勤講師を務める他、建築を学ぶ学生や建築設計に従事する若い社会人に向けた「あさの建築塾」という勉強会を定期的に主催し、後進育成に尽力している。
1972年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):古森弘一さん
道原浩二(みちはらこうじ)さん
建具製作【有限会社道原建具 代表取締役】
お客様からの要望に応え、形にすることを大切にしており、機械の精度を上回る手先の感覚で、現場のわずかな歪み等にも合わせて建具を調整し、寸分の違いも出さない。
福岡県知事賞を受賞したドアの作品は、組子の中でも高い技術が必要となる本捻組という技法で複雑かつ美しい組子を行う。また、変わり材を用いており、造形の美しさもさることながら、強度にも優れており、負担がかかる場所に設置しても長く使用できるものである。
他にも、五面体と六面体を合わせた球体の照明など、非常に高い技術とアイデアを兼ね備えた作品を数多く制作し、高く評価されている。
また、子ども向けのおもちゃを制作し、地域の幼稚園や小学校等に寄付するなど、木製玩具の良さ、ものづくりの楽しさを普及しつつ、地域貢献も行っている。
1956年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):道原浩二さん
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