第11回認定者(2021年度)
第11回認定の8人の達人を紹介します。各達人の紹介文下部のリンクテキストからYouTubeに移動し、動画を再生できます。
兼竹剛史(かねたけつよし)さん
かわらぶき 【株式会社北部屋根総業 代表取締役】
かわらぶき現場作業に平成7年から従事し、現在は瓦施工会社を経営している。
和型かわらぶきは特に瓦の割付けが大変重要で難しく、その優劣が屋根の品質にかかわってくるが、長年の経験と知識に基づき、大型台風や地震にも耐え得るかわらぶきの実現する技能を有している。また、通常の瓦施工だけでなく、近年では施工できる職人が減ってきている寺や神社の屋根修理にも取り組んでいる。平成28年には、(一社)全日本瓦工事業連盟主催の全国の1級かわらぶき技能士が参加する「全瓦連技能グランプリ2016」に、初出場で優勝(国土交通大臣賞受賞)した。この大会で九州内の職人が優勝するのは初の快挙となった。
同業者の技能検定試験の実技指導や若手後継者の現場指導を通して技能伝承を図るとともに、大学や高校での出前授業などに努めるなど、後進の育成にも取り組んでいる。
1977年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):兼竹剛史さん
坂本マスオ(さかもとますお)さん
写真家 【有限会社坂本写真事務所 代表取締役】
市内でコマーシャルフォト(商業写真)を専門として、長年に渡り第一線で活躍している。フィルム時代に経験したあらゆる被写体の表現技術を、現在のデジタル時代の撮影に豊かに活かし、特に写真の光の使い方、独創性を強みとしている。
また、市内の場所・日時・気候によって撮影できる写真を熟知しており、これまで、本市の観光名所や風景、行事等の都市の移り変わりを記録し続け、写真展も多数開催するとともに、いつも違った視点で新しい表現の写真を発表し続けている。
一般向けの写真教室の開催も含め、幅広い分野の人に対して、写真撮影の指導を行うなど、後進の育成にも取り組んでいる。
1943年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):坂本マスオさん
三宮洋(さんのみやよう)さん
樹木医 【株式会社三宮造園土木 代表取締役】
「樹木医として樹木保全の視点」と「街路樹診断士として樹木の危険度の視点」の双方を駆使して活動している。本市を中心に九州各県において活躍し、活動場所は市街地にとどまらず、ロープクライミング技術(ロープを使用し木に登る技術)により、郊外の高木や災害現場など作業車が入れない場所にも広がっている。
樹木の危険度診断技術と樹勢回復技術の向上により、樹木のみならず、これを取り巻く自然生態系を保護・保全・再生・創出し、健全な状態で次世代へ引き継ぐことを目指している。
また、樹木に関係する様々な資格を有し、後輩樹木医、街路樹診断士の技術向上や街路樹剪定士の剪定指導など、後進の育成にも取り組んでいる。
1966年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):三宮洋さん
野口芳廣(のぐちよしひろ)さん
建具工 【ノグチウッド工芸 代表】
昭和38年から木工の街、大川市で建具製作に従事し、更なる技術向上を目指して昭和43年に北九州市へ。建具製作では、素材となる木材の選定に始まり、創造性、美観、耐久性などを考慮した緻密な設計、長年の経験と勘に裏付けられた手作業による独特の味わいと温もりを醸し出す高い加工技術が求められる。
木材のみの建具だけでなく木材と竹を組み合わせての引き戸や地元の水車の製作など、依頼があれば、違う素材を組み合わせての建具製作や建具以外も受注し製作することを強みとしており、発注者の高い評価から、指名での製作依頼が後を絶たない。
また、長年の職務を通じ、多くの建具職人を輩出するなど、後進の育成にも取り組んでいる。
1946年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):野口芳廣さん
林淳司(はやしじゅんじ)さん
バーテンダー 【raisin(レザン)オーナー】
カクテルのデコレーションやフルーツ作品に対する独創的なアイディアやフルーツカッティングの技能に優れ、バーテンダーの九州大会での上位入賞やフルーツ部門優勝を始め、全国大会への出場歴を持っている。カクテル作成の際には、茶道で培った無駄のない所作で、一杯入魂の如く神経を集中させ、見ているお客様が思わず黙ってしまうほどの空気感が漂う。
バーテンダーの大会における審査員をはじめ、九州の若手バーテンダーへの技術指導に力を入れ、若手の技術向上に努めるなど、後進の育成にも取り組んでいる。また、地域の活動にも積極的で、長年、地元商店街の飲食イベントに参加し、カクテル文化の啓蒙に努めている。
1969年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):林淳司さん
森山真一(もりやましんいち)さん
調理師(日本料理) 【株式会社食彩アシストMORIYAMA 代表取締役社長】
調理の独創性と包丁さばき・盛り付けの調和の技能を強みとする。
全国の熟練技術者が日本一を競い合う技能グランプリ日本料理部門で第2位入賞や、厚生労働大臣表彰など、数多くの受賞歴を有し、その技能は業界内外に認められている。
また、傷みが速く保存が難しかった魚である鮟鱇(アンコウ)の保存食「鮟鱇の肝の味噌漬け」を考案し、地産地消の逸品に仕上げるなど地域産業にも貢献している。
日本料理の基礎技術が出来れば、おのずと独創的にできるようになる、との思いを胸に、職人の育成に努め、技能五輪全国大会出場者へ料理指導や日本料理の講師を行うなど、後進の育成にも取り組んでいる。
1955年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):森山真一さん
山口彰(やまぐちあきら)さん
左官 【神田工務店 代表】
左官としての技能、経験、見識ともに同業者から高い評価を得ており、平成26年、ものづくりマイスター(左官)の第一回目の認定を受けている。左官として、特に塗り壁の技能に優れており、コテの技術力だけでなくモルタルや漆喰等を塗っていく際の気候等を考慮して材料の柔らかさを調整して施工している。加えて、伝統工法を用いた修復などの技能も有し、市内の文化財の修復を手掛けるなど、業界の中でも貴重な存在となっている。
また、長年、左官従事者に対し、現代工法から伝統工法まで幅広く実技指導するだけでなく、福岡県内の高等学校で技能検定の実技指導を行うなど、熱意を持って後進の育成に取り組んでいる。
1958年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):山口彰
山本辰雄(やまもとたつお)さん
造園師 【小嶺造園 代表】
造園施工の基盤となる石組・石積みを得意とし、手作業で石を割る・削るなどして、自然石の表情を巧みに組み合わせ、様々に変化する雲の形を取り入れた城積みの技法は落ち着いた風情を醸し出し、自然の景観造りに成功している。
入念に計算されて積み上げる石積み技法は熟練の技術技能を必要とし、全国の石の種類にも精通している。
平成12年の国土交通大臣顕彰状受賞や平成29年の「ものづくりマイスター」の認定、令和2年の福岡県知事表彰受賞など、多くの受賞歴を有する。
長年、造園技能検定業務に携わるほか、勉強会を開催するなど、造園業界の技術向上はもとより、高校や大学での実技指導など、後進の育成にも熱心に、取り組んでいる。
1954年生まれ。
技能紹介動画(外部リンク):山本辰雄
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