第9回認定者(2016年度)
小長光 証(こながみつ あきら)さん
バーテンダー<バール・デ・小長光オーナー>
この道40年。トラディショナルスタイルの継承者である。
時代は変われど、カクテル、シェイキング、所作などバーテンダーとしての普遍的基本動作を貫き続けている。
お酒の知識はもちろん、カクテルの技術や歴史等豊富な知識と経験に裏づけされた信頼は、お客さまのみならず、バーテンダー協会からも「北九州の小長光」として全国に名を馳せる。
大人数のお客様が来店された場合も、注文されたメニュー、作業の段取り、工程を考え、ほぼ同時にカクテルを提供する。また、お客様との短い会話の中から好みを読み取り、好みに合ったカクテルを提供できる。
バーテンダーの九州大会、全国大会に多くの出場歴を持ち、全国大会創作カクテル部門第3位は、近年において北九州支部では最高位である。
後進の育成や地域の活動にも積極的で、月1回の講習会や地元商店街でのイベントでは中心的役割を担っている。1955年生まれ。
島田 暄子(しまだ はるこ)さん
婦人服仕立職<洋装しまだ 店主>
昭和42年より洋装しまだを開店し、オーダーメイドの洋服とドレスを中心に製造・販売の傍ら後進の育成を行なってきた。
生地の扱いに卓越しており、特に生地の「地の目」を大切にし、平面の生地から立体の洋服を起こすことで、サイズ直しや年齢に合わせたデザインへのリフォームが可能で、永久的な洋服にすることができる。
また、大きなサイズの洋服の製作を得意とし、パターンメイキングの工夫により生地をフル活用し、通常よりも大幅に少ない用尺で作製する事ができる。
作製時間の短縮、裁断・縫製ルールを改良し、顧客の体の動きや呼吸の幅を考慮し、着心地の良い洋服を作る「島田流」と呼ばれる独自の技法を考案するなど、常に創意工夫を凝らしている。
全日本洋裁技能コンクールでの東京都議会議長賞を始め、数々の賞を受賞。現在、プロを目的とする後進を指導している。1933年生まれ。
平 成孝(たいら なりたか)さん
調理師(西洋料理、氷彫刻)<アートクレフクラブ 総料理長>
調理師学校を卒業後、大阪で西洋料理の業界に入る。以来各店で修行し、また渡仏して本場のフランス料理に触れて見識を広め、現在はアートクレフクラブ総料理長として活躍している。
宴会の華やかな演出である氷彫刻の魅力に目覚め、長年に亘り、独自の表現方法を模索しながら技能を高め、全国大会、九州大会では上位入賞の常連となり、世界大会にも出場した経験を持つ。
人物をモチーフとした優しい彫刻を得意とし、特に顔の表情を作る技能については、他の追随を許さない表現力を有している。
大会は屋外で行なわれるため、特に夏の大会では、気温、風などのコンディションに応じて、どこまで彫り込むかを判断し、ギリギリの所まで攻め込んで彫っていく。
社内の調理師はもとより、市内の調理師に対しても積極的に指導を行い、後進の育成に努めている。1968年生まれ。
久恒 揚吉(ひさつね ようきち)さん
畳工<久恒畳店 代表>
大阪の畳店で、美しく丁寧に仕上る技術を徹底的に学び、細かい部分にも手を抜かず綺麗に仕上げる技能を身に付けた。
機械による作製が中心になった現在でも、卓越した昔ながらの手縫いの技能を活かし、寸法取り、縫い付けなど全ての工程で綺麗に仕上げる技能を有している。
特にゴザの張り、い筋の通し、縁の仕上がりの美しさは他の追随を許さない。
一見真っ直ぐに見える部屋でも僅かに歪んだ形をしている事が多く、隙間なく畳を張るために、新品の畳はもちろん、表替えだけの場合でも確実に寸法取りを行うなど、美しい施行への拘りを見せる。
若手の頃は、各種コンテストや技能大会に出場し、優勝を含む上位入賞も数多く受賞している。
技能検定の検定員も務め、永年の経験により培われた技能の全てを出し惜しみせず、後進指導の際に教え込んでいる1935年生まれ。
三重野 直(みえの なおし)さん
調理師(西洋料理)<ステーションホテル小倉 総料理長>
ステーションホテル小倉一筋で西洋料理の調理師として活躍。現在は総料理長を務めている。
ホテルという特性から、披露宴など大人数に対し一度に美味しい料理を届けるための特別な工夫とこだわりを持つ。
作りたての料理をお客様にお届けするため、サービススタッフと連携をとり、厨房から会場裏まで運び、あらかじめ温めておいた皿に素早く盛付け提供する。
本格的なフレンチのソースはもちろん、日本独自の調味料である塩や醤油、味噌を使い味に深みをもたせている。
また、肉料理には塩やパウダーのソースなどを使い、時間が経過しても美しさや味を保つ工夫を随所に凝らす。
料理の味はもちろん、オードブルの盛り付け、飾りなど、パーティー料理全体のバランス、美しさは卓越している。
優れたフランス料理人に与えられる栄誉称号「エスコフィエ・ディシプル章」や全日本司厨師協会主催の「料理アカデミー」銅賞など多くの受賞歴がある。1959年生まれ。
村山 幸穂(むらやま ゆきほ)さん
ピアノ調律師<(株)ヤマハミュージックリテイリング 技術者>
約250件の個人顧客のピアノ調律を担当するとともに、市内外のホールのピアノ調律を担当。
正確な調律に加え、会場の音響、当日の演奏曲目、演奏者の要望に合わせた音作りが出来る調律師をコンサートテクニシャンと呼び、村山氏の調律技能は、国内外の著名なピアニストからも信頼が厚く、約15年前から優秀なコンサートテクニシャンと広く認知されている。
ピアノの調律作業は、整調(アクション)、調律(音階)、整音(弦のあたり方とクッション調整)の調和で構成され、音階の構成以外にも、鍵盤の高さや深さ、ハンマーの高さや動き、硬さなど細かな調整を行い、弾き心地や音の響きを変えている。これには、コンマ数ミリでのジャック(鍵盤可動部の部品の一部)の隙間の調整やスプリングの強さの調整など、7工程の中から、無限大の組合せで、演奏者からの繊細な要望にも応え、求められる音を作っていく。1954年生まれ。
幸 縁(ゆき ゆかり)さん
和服仕立職<あさい和裁学院 教師>
あさい和裁学院の教師として勤めるとともに、和服の仕立に従事している。
和裁の基本である「運針」の技能が卓越しており、特に「ぐし縫い」と呼ばれる、上衿、立て褄、裾、袖口、内揚げの、折山から5mmの所に白糸でステッチ状の縫い目を入れる技能の早さ正確さは他の追随を許さない。
中表で縫った縫い代を、縫い目から左右に割って折り返す「割縫い」は、運針を細かく真っ直ぐに縫わなければならず、高度な技術と高い集中力が必要で、和裁上級者にしか出来ない技能である。この「割縫い」を駆使した「切りばめ」では、直線箇所だけではなく、曲線など好きな形を好きな場所に自由自在にはめこむことが出来る。
また、技能グランプリや全国和裁技能コンクール等において、優勝者や上位入賞者を多数輩出。自らも平成27年度に全国和裁技能コンクールで優勝するなど、多数の上位入賞歴を持つ。1974年生まれ。
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