第8回認定者(2014年度)
岩見 照美(いわみ てるみ)さん
婦人子供服仕立職 婦人服修理工<岩見洋裁研究所 代表>
創意工夫とアイディアにより布地や衣類を蘇らせるリフォームに長年取り組み、特に、和服のリフォーム技能は卓越している。
繊細な糸で織られた反物を利用した一枚仕立てのコートや帯の刺繍や絵付けの模様を活かしたロングドレスなど、和服生地の特性や柄を活かしながら「立体裁断」や「キルト」など様々な技法を駆使し、着る人の体型や個性に合わせた独創的なデザインを施すことができる。
そのデザイン性と裁断技術は、平成25年全日本洋裁技能コンクールにおいてカッティング賞を受賞するなど高い評価を得ている。
「ゆとり」を基本とした着脱しやすいデザインとお洒落を意識した造形美を加味した障害のある方向けの洋服制作においても評価が高い。
洋裁研究所を自営するかたわら「リフォームアドバイスクラブ」の主宰として市内各地域で洋裁技能の指導とリサイクル活動に取り組んでいる。1939年生まれ。
岡田 哲哉(おかだ てつや)さん
フラワーデザイナー<(株)リアン 花工房おかだ 代表取締役>
アレンジメントの種類や大きさ、設置場所など与えられた状況や顧客のニーズ等に応じて、花の美しさを最大限引き出す表現力は見る者を魅了し、数々のコンテストで優勝や入賞を重ねている。
花の素材だけでなく、副資材・素材の特性を活かしたデザインには定評があり、特にディスプレイを得意としている。
イベントを通した花文化の普及に努めており、小学生を対象とした花のコンテストや親子ガーデニング教室の開催など、花を通して子ども達の感性を育む活動にも取り組んでいる。
様々な分野に積極的に挑戦する姿や日々技術を磨く努力を惜しまない姿勢は、後進を大いに刺激していると業界からの評価も高い。
平成20年「九州花卉装飾選手権」内閣総理大臣賞、平成19~21年「福岡県フラワーデザイン品評会」連続優勝、平成23年フジテレビフラワーネット日本花職杯全国大会優勝など。1971年生まれ。
小松 奈津子(こまつ なつこ)さん
樹木医<(株)西日本緑化 代表>
市内の街路樹を中心に樹木医として診断や治療、各種樹木調査に携わりながら、1級ビオトープ施工管理士や自然再生士など多数の資格を取得し、生態系全般を考えた樹木の保護に取り組んでいる。またNPO活動に参加し、自然体験学習や小学校への出前授業といった子ども達を対象にした環境学習事業にも力を入れている。
第一線で活躍する県内唯一の女性樹木医であり、小倉南区の国守神社の大杉や苅田町南原のヤマザクラ古木など、樹齢200年をゆうに超える保存樹の調査、樹勢回復事業に携わり、地域の人々が大切にしてきた古木の次代への継承にも大きく貢献している。
失われた自然生態系の回復が住みやすい安全なまちづくりの基盤につながるとの信念をもって技術の向上や後進の育成にも力を入れている。1957年生まれ。
坂本 雄一(さかもと ゆういち)さん
造園師<(有)第一園芸 代表>
豊富な経験と高度な技能の持ち主で、造園修景に綿密な施工計画を立てた庭は、空間のまとまりや色彩感覚において業界の注目を集めている。また伝統的日本庭園はもとより、洋風建築物になじむ雑木の庭、ガーデニングなどをいち早く導入した現代建築様式と融合する庭造りの技法や創造性は高い評価を得ている。
各種技能研修会や剪定ボランティアなど若手造園業界の活性化策の企画をはじめとして、造園技能検定といった専門性や技能を高めるための免許、資格の取得指導など後継者育成に永年にわたって積極的に取り組み、多くの有資格者を生み出している。
植木祭では、来場者のガーデニングや植物の育て方などの相談に気軽に応じ、人と緑をつなぐ活動を続けている。1955年生まれ。
中田 薫(なかた かおる)さん
調理師(西洋料理)<ビストロ・ブッフドール 店主>
平成22年に優れたフランス料理人に与えられる栄誉称号「エスコフィエ・ディシプル章」、平成23年には全日本司厨師協会主催の「料理アカデミー」銀賞など数多くの受賞歴を持つ正統派のフランス料理を守る調理人。北九州の洋食発祥の地・門司港で修行を積み、洋食の歴史にも精通している。
開業当初(1983年)からの常連客の高齢化を契機に、食事制限のある方も食べられるアンチエイジングの考えを取り入れた、身体にやさしいフレンチを考案。味も見た目もフランス料理をベースに和食の味や手法を加味して作り出した独自の料理は、多くの方の支持を得ている。
また、生産者の顔が見える地元食材に強いこだわりを持って地産地消を推進しており、調理師対象の講習会や専門学校での実技指導など後進育成にも取り組んでいる。1954年生まれ。
南部 栄司(なんぶ えいじ)さん
タイル張工<(有)デガワ 職長>
平成24年、優秀な技能・技術を有し、後進の指導育成などに貢献する建設技能者に贈られる「優秀施工者国土交通大臣顕彰」を市内のタイル工として初めて受賞。
民間ビルや公共施設など大型工事のタイル張り工事部門の職長として多くの現場に携わり、元受業者から「優秀職長賞」を授与された数少ないタイル工でもある。
タイルの浮き(剥がれ)を防止する施工技術に定評があり、仕上がり(タイルの目地や横から見た並びに美しさ)とタイルの接着の強さに対するこだわりは業界屈指。鏝の技量だけでなく墨打ちや水糸などの道具も手際よく使いこなし、日々研鑽を怠らない。
技能検定制度の啓蒙推進や講習会を通じて若手職人の技能向上に尽力しており、後進育成面においてもタイル工事業界への貢献度が高い。1957年生まれ。
林 香(はやし かおる)さん
左官<(有)林技建 代表>
昭和38年に左官の道に入り、左官職として今日まで一筋に従事。現場では常に仕事の段取りや工夫に思いを巡らせ、その塗りの速さ、仕上げの美しさは群を抜く。
また、従来から使われているコンクリートや珪藻土、漆喰はもとより新素材についても、材料のクセや特性を熟知し、季節や天気などの環境の変化に応じて最も美しく仕上がる材料の最適な状態を見極めることができる。多くの経験、知識、技術に裏打ちされた実績を見込まれ、開発途中の左官材料についての試験依頼やアドバイスを求められるなど、材料メーカーからの信頼も厚い。
職業訓練指導員として活躍するとともに、伝統工法・在来工法の研修会など後継者育成にも熱心に取り組み、着々と実績をあげている。1948年生まれ。
村本 裕作(むらもと ゆうさく)さん
木製建具製造工<(有)村本建具製作所 取締役>
修行先の家具産地・大川市で、建具技術の中でも最高峰である組子細工の美しさに魅せられ、独学で組子技術を習得。より細かく繊細な技術には定評がある。
「組子細工が和風住宅の減少に伴う建具需要の減少の歯止めになる」として和洋を問わないデザインの作品を提案している。
また繊細な様式を生かした雑貨や現代の生活にも取り入れやすい大型モチーフの作品も製作し、「小倉組子」としてブランド化。地域ブランドMOZIDECOの一員として海外の見本市に出展するなど「小倉組子」の魅力を国内外に発信する一方、市民センターなどで講習会を開催するなど組子細工の普及や後輩への技術指導にも積極的に取り組んでいる。
全国の職人が競う「全国建具展示会」では、「伝統的な技術を最高に駆使した工芸的木製建具」の部門に出品できる市内唯一の職人として入賞を果たす(平成24・26年)。1976年生まれ。
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産業経済局地域経済振興部雇用・産業人材政策課
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