食肉センター内の検査施設では、消費者に安全で衛生的な食肉を供給するため、一頭一頭詳しく検査します。
また、食肉に抗生物質や合成抗菌剤などが残留していないかどうか検査を行っています。さらに、と畜場内の施設・設備及び各処理工程における微生物制御に重点を置いた衛生指導を実施し、食肉の衛生確保に努めています。また、対象となる牛がと畜された際にはBSE対策としてELISA法によるスクリーニング検査を行います。
生体検査
家畜が生きている状態で、病気や異常の有無を検査します。と畜場搬入時に、けい留所において体表・歩行などに異常がないかチェックします。
生体精密検査
生体検査で判断できない場合、試験検査室で細菌検査、病理検査を行い、病気の診断を行います。
解体検査
と殺・解体後に枝肉及び内臓が食用に適するかどうかを肉眼的に検査します。解体検査は、内臓検査と枝肉検査の両方が連絡をとり合い、総合的な検査を実施しています。ここで異常が認められれば、部分廃棄もしくは保留といった措置がとられます。なお、保留となったものについてはさらに精密検査で微生物検査、病理検査、理化学検査などの詳しい検査を行います。
内臓検査
解体後、心臓、肝臓、肺などの臓器や各種リンパ節に異常がないかを1頭ずつ検査します。
枝肉検査
枝肉、腎臓や各種リンパ節に異常がないかを調べます。
頭部検査
解体された頭部の肉も1頭ずつ検査します。筋肉や舌、各種リンパ節に異常がないか検査します。
精密検査
解体検査で異常を認め保留処置になったものは、精密検査を行うことによりさらに詳しく検査されます。
細菌検査
病気が疑われるものについて、細菌培養を行い原因菌を調べます。
また、解体処理の工程で枝肉や内臓などの食用部分が細菌で汚染されていないかについても定期的に検査します。
病理検査
解体検査において肉眼で判断できない場合、組織・細胞レベルでの検査を行います。
理化学検査
家畜に使用される合成抗菌剤、抗生物質などの残留有害物質の検査を行います。
また、血液、尿、筋肉、内臓などの理化学成分を測定し、尿毒症や黄疸の判定をします。
BSE検査
BSE検査は、異常プリオンが高濃度に蓄積される牛の延髄の閂(かんぬき)部分を取り出して検査材料とし、ELISA法(異常プリオンを直接検出する方法)により、プリオンに吸着する抗体で反応させてその抗体に色素を反応させることでプリオンの存在を証明する方法で、このELISA検査法は、正常プリオンがタンパク分解酵素で分解するのに対し、異常プリオンは分解されずに残ることを利用しています。