波多野文書
更新日 : 2023年6月15日
ページ番号:000010033
所在地 藤田一丁目10番44号 春日神社
市指定有形文化財(昭和58年2月21日指定)
豊山八幡神社、春日神社両社の宮司波多野家に伝来する中世末から近世にかけての文書です。
具体的には、
- 豊山、春日両社が中世を通じて北九州の有力武士麻生氏と深い関係を持っていたこと、特に春日神社は麻生氏の氏神社として崇敬されていたこと。
- 麻生氏は戦国時代特に中国の毛利氏と密接な関係にあったこと。
- さらに麻生氏は同じく北九州の有力国人であった宗像氏と連合あるいは敵対関係にあったこと。
- 豊臣秀吉の島津征伐の際、秀吉の先鋒部隊となった毛利氏、黒田氏は麻生氏としきりに交渉を持っていたこと。
などがわかります。
以上のように、北九州で中世以来の伝統を持つ有力豪族麻生氏が、戦国の争乱から徳川幕藩体制の成立の過程で大名家臣団へ再編成されていった姿が断片的ながらたどりうることができ、また麻生氏と春日神社との関係いわゆる西遷御家人の土着化に伴って現れてきた彼等の族的団結のあり方を示す資料として貴重です。
また、この文書は福岡市に所在する麻生文書を補うものとしても貴重です。
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