八幡西区は本市の西部に位置し、遠賀川を望みつつ、直方市、中間市など2市3町3区と境を接しています。北九州市域の中でも比較的平坦な地形を有しており、本市では最も人口の多い区となっています。
黒崎地区は、八幡西区の中心市街地であり、本市の西部地域における広域集客拠点として副都心に位置付けられています。江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、近代には洞海湾沿いに工業地帯が形成され、都市化が進みました。鉄道や路線バス、幹線道路が通る交通の要衝であり、直方・飯塚や遠賀・宗像地域を商圏として発展してきました。近年では、マンションの建設や生活利便施設、医療機関の集積により、「住みたいまち」としての魅力が高まっています。黒崎駅から続くペデストリアンデッキや黒崎商店街では、国家戦略特区の認定を受けたまちづくり団体等により、一年を通じて様々なイベントが行われています。また令和2年6月に日本遺産の認定をうけた砂糖文化を広めた長崎街道(シュガーロード)にある市指定史跡の「曲里の松並木」や、県指定文化財の「黒崎城跡」など、貴重な歴史的資源も多く存在しています。
折尾地区は、大学、短期大学、高等学校などが集中し、学園都市として発展を続けています。鹿児島本線、筑豊本線の分岐点にあたる折尾駅周辺では、折尾地区総合整備事業の実施により、学園都市の玄関口にふさわしい地域拠点として再整備が進んでいます。令和3年1月にJR折尾駅新駅舎の供用が開始され、令和4年3月には鉄道高架化が完成しました。また、地域の特性を生かした祭りなども盛んであり、駅からのびる学園大通りのにぎわい創出を目指し、地域の大学や自治区会、商連、まちづくり団体等が連携した取り組みも行われています。令和元年に歴史の道百選に選定され、令和3年1月には開削着工から400年を迎えた堀川周辺域には、多くの史跡が残っており、歴史を身近に感じ学ぶことができます。
永犬丸・沖田・上津役地区は、瀬板の森公園や金山川などの身近な自然と、筑豊電気鉄道の開通や土地区画整理事業の実施により開発された良好な住宅地が共存したまちづくりが進んでいます。金山川沿いでは、河川愛護団体の花を植える活動により、春はチューリップ、秋はコスモスを楽しむことができます。
八幡南地区は、藤の名所・吉祥寺や市内有数のほたるの飛翔地・黒川、森林浴を楽しめる畑貯水池などの豊かな自然に恵まれています。木屋瀬エリアでは、長崎街道宿場跡の古い町並みが多く残されており、歴史を活かしたまちづくりを展開しています。また、長崎街道木屋瀬宿記念館は、貴重な郷土の資料を保存展示しており、地域文化活動の拠点にもなっています。
八幡西区では、このような地域の特色や資源を活かしながら、歴史と文化に彩られたにぎわいあふれるまちづくりを進めていきます。