発表項目 | なし | 月日:2020年1月15日 場所:北九州市役所 |
---|---|---|
出席者 | 北九州市長 |
令和2年(2020年)1月15日市長記者会見
【発表案件なし】
会見の動画(YouTube)
市長
今日は発表案件ありませんから、早速、ご質問を承ります。
記者
1つだけ質問させていただきます。IRに関するお尋ねをさせていただきます。市の質問に対する、事業者からの回答状況について教えていただけますでしょうか。
市長
提案のあった3社から、質問に対する回答がありました。それぞれの回答の詳細につきましては、まだ事務方から報告は聞いておりませんが、現在、IR庁内調査チームにおきまして、提案の具体性について見極めているところであります。その結果を踏まえて、市の考え方を整理した上で、市議会や経済界のご意見を伺いながら、遅くとも年度内には最終的な判断を行いたい、そのように考えております。また、公開ということについて、積極的な方も消極的な方も、非常に関心が高いテーマだと思います。公開を前提に考えておりますが、事業者が非公開を希望する部分もあり得ると思います。それについては柔軟に対処していきたいと思います。現在、IR事業者に対して、公開の可否を確認しているところでありまして、月内を目途に回答の概要を、市議会も含めて公開できるように準備を行ってまいりたい、このように考えております。
記者
ありがとうございます。この関係で何かご質問があれば、よろしくお願いします。この関係でもそれ以外でも、質問があればよろしくお願いします。
記者
IRに関してなのですけれども、詳細な報告は上がっていないということですけれども、14項目に対しての回答というのは全ていただいているっていう、外形的にいただいているのでしょうか。
市長
そうですね。1社は英文で、締め切りまでに提出をいただいたのですが、今、翻訳作業中でありまして、3社の提案全てを見ているわけではありませんが、概ねそれに対して、考えていることについてはご披露いただいております。
記者
3社のそれぞれの提出日を教えてください。
市長
事務方からよろしいですか。
担当者
提出日につきましては、先週末の金曜日、1月10日の時点で、3社とも回答のほうがございました。ただ1社、市長が今、申し上げたとおり、まだ英文の状態のものがありますので、こちらにつきましては、また翻訳版の再提出という具合になっていると思います。
記者
英文は夕方、提出だったと思うのですけど、4時過ぎに。他、2社は午前中だったっていう理解でいいのですか。
担当者
記憶の限りですけれども、大体、昼前後ぐらいで2社、出てきたように記憶しております。失礼しました、1社は朝です。もう1社が昼前後で、最後は夕方と、そういうような感じです。
記者
市長が東京に行って会われた方のところも、かなり詳細なプランを詰めて返したというふうには聞いているのですけども、それについてはまだ目を通されてないのですか。
市長
経済界、また議会のほうから、日程的には厳しいとは聞いているけれども、ぜひ北九州の将来の活性化ために、お話は聞いてほしいという強い要請があったことを受けまして、3社の方にはお会いしましたが、それぞれ大変短い時間でありまして、具体的な質問をさせていただく時間的余裕もあまりなかったのでありますが、それなりに、いろいろと検討をされているのだなと感じました。ただ、お客さんが本当にたくさん集まって、採算が取れる集積、IRとなるのかどうかにつきましては、やはり世界の各地のこうした状況を踏まえて、それぞれの会社が、やはり経験があるわけですね。やっぱり北九州は、交通の便が非常によいということ、アジアに近いロケーション、そしてまた、観光コンベンションにつきましても、まちで熱心に取り組もうとしているという、そういうところの評価、また魅力をご披露させていただきました。そして、あまりにも国の基準が巨大な規模を、ローカルな都市については、かなりの大規模な要件を定めておりますので、どこに、どのような規模の施設をつくるか、お客さまは来るか、採算は取れるか、そして、もしも不幸にしてうまく回らない時の、その場合、どうするかというリスク、こうしたことを中心に、若干の対話をしたということでありますので、詳しく、それ以上のことをいっぱい、自分は聞いたわけではありません。
記者
今お聞きしたのは、11月8日に来庁された、最初の事業者の提出された文書に目を通されたかどうかっていうことなのですけども。
市長
ざっとお話を聞き、ざっとでありますけれども、目は通しております。
記者
市長ほどの理解力だったら、ざっと目を通しただけで大体、ポイントはご覧になっていると思うのですけども、ご覧になった上での感想はいかがでしょうか。
市長
世間では、このギャンブル依存症に対する懸念というのは、女性や中高年齢の方に、不安はかなり大きくなっております。カジノそのものが全体の3%以内という国の基準もありまして、このIRの構想そのものは、立派な魅力的なホテルがあって、そして、スポーツやコンベンションの、非常に現代的ないろんな魅力を備えたものをドーンとつくるということが非常に印象に残りました。カジノというのはほんの一部であるということです。ただ、収益を見ると3社とも、カジノによる収益というのを、かなり多く見ているということであります。実際、私ども、観光コンベンション、一生懸命でありますが、どれだけの、それぞれの事業者が利益を得ているかという、これはそう簡単なことではありません。やっぱりカジノというものが、こうした巨大な施設を運営していく時の大きな要因になっているということを改めて感じました。また、「世界中からお客さまを」という、その意気込みは3社から聞いているわけですけれども、日本人がかなり多くなるだろうというようなお話でありました。「1人6,000円、月間10回まで」という、政府のほうもいろんなことを考えているようでありますが、その中でやっぱり、北九州にはボート、競輪、競馬とあります。しかも全国的にパチンコがあるわけでありまして、果たして、6,000円を払って、そこに来られる日本人というのが、どれだけいるのかなという思いはいたしました。
記者
前の会見の時に、そもそも、「ミクスタ」とは、はっきりおっしゃいませんでしたけど、事業者の計画を見ると、ミクスタを壊して諸々、施設をつくられる、当初の絵だったと思うのですが、それについて市長は、施設を利用されている方の思い等々もあるので、そこら辺を重視していくようなおっしゃりようだったと思うのですけども、今回の提出されたものの中で、そこら辺の公共施設・既存施設等をどうされるのかというのは示されていたのでしょうか。
市長
規模感はそれぞれの提案の中で、具体的な設計に近い形では提案されていなくても、これぐらいの広さのコンベンション施設があったり、あるいはホテルであったりということで、スタジアムだけではなくて、新幹線口にある公共施設がいくつかありますけれども、かなりの部分を更地にして絵を描かないと、収まらないような感じはいたします。その点は今、庁内チームにおきまして、それぞれの専門家が詳しく分析をしながら、今、評価をしている最中にあります。
記者
市長は、そのポイントについては特に、ご覧になって何か思うところがあったのでしょうか。
市長
スタジアムにつきましても30億円の、このサッカーくじ(スポーツ振興くじ)の関係で、中央の振興協会のほうから貴重な支援を受けておりますし、できてまだ間もないところであります。それをもう一度、全天候型の、本当に、日本にいくつあるのだろうかと思うような、素晴らしいアリーナに振り替えるという、そういう発想であります。そのこと自体は、全天候型の、そういうスーパーアリーナのようなものができるとなれば、それはそれで魅力はあるとお感じの方もいると思いますが、貴重な税金と、30億円の国政府機関からの助成をいただいて、つくってまだ間もないということ。また、その周辺にはAIMビル、あるいは磯崎新先生の作品があるわけでありまして、これまた非常に利用者、関係者からは「優れた建築物」という評価も高いわけであります。そういうことを考えていきますと、丁寧に提案書というのはよく読んで、具体的に何が変わるのかという、その1つの未来の絵姿も大事でありますが、今、現に頑張っている公共施設、あるいは、その近くには民間の事業者もいくつかありますので、そういう方々の共感を得られるか、市民の共感を得られるかというのが大きいテーマだと感じました。
記者
今「丁寧に提案書を読んでいる」とおっしゃったのですが、いつまでに丁寧に読んで、いつまでに向こうに追加の質問をして、最終的にどこら辺を締切りとして調整されていくのか。
市長
全体の検討のスケジュール感については、先ほど申し上げたとおりでありますが、当初から、国のほうが申請の期限を定めていて、いろんな諸般の事情に鑑みて、4ヶ月を延長いたしましたが、「令和3年7月30日に間に合うのか」という、この議論は最初からあったわけであります。しかし、状況は厳しいことは分かっているけれども、北九州でこのように、観光コンベンションでたくさんの人が賑わうように、地域経済や地方財政の好影響も考えて、「ぜひお話はやっぱり聞いてほしいのだ」という、こういうたっての要請を受けて、「状況は厳しいのだけれども、お話はしっかり承ろう」ということで、昨年の秋以来、今日に至っているわけでありますが、やはり経済界を巻き込んだ地元機運をより高めるということ、また、何と言っても、市民の理解を促進できるかという、また、自治体がリスクをどのように負担するのか、それをいかに最小化するのかと、こういう多くの課題を1つ1つクリアする必要があります。これには相当の時間がかかるというふうに想定されるわけであります。また、先ほど申し上げましたように、予定地には既存の施設がありますから、そこを利用される方や地権者、周辺住民の理解・合意は得られるか、採算面・リスク面で本当に問題はないかどうか。こうした課題は、よく精査をしておかなければいけない課題であります。従いまして、国の申請期限に間に合わせるということにつきましては、日程的に厳しい面がありますが、まずは、質問に対するご回答をいただいておりますので、その提案の具体性について見極めたいと考えております。
記者
最後、1つお聞きしますけども、令和3年7月30日に間に合わせるための必須条件としては、外部のコンサルに発注して、きちんと精査するっていうのが、これは必須条件として考えているのでしょうか。
市長
他の自治体で、この問題に熱心に取り組んでいるところは、巨額の投資に関わることであり、そして、自治体にとっても地方財政のメリットの一面、リスクという問題もあります。外資系の企業との大きな契約になりますので、そうした国際的な投資に専門的な、法律家をはじめとする専門家の方々に意見を聞いて、かなり詳細な契約書の作成に、時間と労力と予算をかけてきている事情にあります。だからそういう、他の都市の先行事例を見ても、今、お話があったように、専門的な機関に、一定のテーマについてお諮りをするということが、実際にこのIR事業を進めるためには必要であるというように思います。ただ、そこに至るまでは、まずその事業の具体性について、今申し上げたような諸点について、しっかりと精査をしておくということが必要だと考えております。必要に応じまして、民間のコンサルタントから意見を聞くということも今後、あり得ます。
記者
その他、ご質問ございますか。
記者
別件ですけども、門司港レトロ地区に、旧JR九州本社ビルがホテルになるということですけども、その辺について所感をお願いいたします。
市長
これはかなり前から、この門司港駅のリニューアルオープンが、大体のスケジュール感がありましたし、多くの方々にお越しいただけるように、例えば、海峡ドラマシップのリニューアル事業を県庁と一体になって行ってきたとか、そういう過程で、すぐお隣のこのビルをどうするかということについては、随分いろんなところにもお話をしましたし、誘致活動というものもそれなりに行ってきた経緯があるわけです。しかし、外装もそうでありますが、中の、いろんなリニューアル工事というのは、かなりの予算が必要となりますし、なかなかそれにチャレンジしてみようというところが見つからないし、また行政としても、いかに大事だからと言って、あそこを公共施設にするにも、いろんなハードルがあるなということで、本当に悩んできたところです。そこに対して、門司港レトロ地域に、さらに集客が可能であるし、特に宿泊の施設が、かなり少ないということから、やってみようという事業者が現れたことは大歓迎であります。中を使えるかどうかということで2度、3度、私自身も見ておりますけれども、相当程度の決断ではないかというふうに思います。ぜひ成功してほしいと願っておりますし、これが完成いたしますと、門司港レトロ地域というのは、さらに魅力がバージョンアップすると思います。特に、屋上から、鉄道が入って来る、放射線状に広がって入ってくる、この光景を、ちょっと上のほうから見られる。これは鉄道マニアからすると、絶景になるのだそうです。これが見られるということも含めて相当程度、また観光客をお招きできるんじゃないかと期待しています。
記者
ありがとうございます。
記者
今日から始まる上下水道料金のスマホ決済について2点、お伺いしたいのですが、政令市で8番目、県内では初めて水道料金のスマホ決済が導入されるということで、北九州市ではどういった経緯、狙いでの導入となったのかという点が1点と、他の自治体では、行政文書の交付費用をスマホ決済にしたりとか、さまざまなケースがあるのですが、市として、キャッシュレス化をさらに推進するという展望がおありなのかという、その2点をお願いします。
市長
キャッシュレス決済への関心というのが、最近の消費税値上げ以降、非常に高まっていると思います。また、それ以前からも、例えば市議会におきましても、こういう公共料金について「キャッシュレス決済を考えてはどうか」という、積極的なご意見もいくつかいただいていたところでありまして、他の都市の状況もよく見ながら、その制度の信頼性を、私ども非常に関心を持って見守ってきた経緯があります。消費税の改定以降は、市民の利便性を向上させること、支払い手段をそのために増やすということで、(上下水道料金の)スマホ決済を導入したところであります。他の公共料金、他の自治体でも、制度の信頼性は確保されているように考えております。今後でありますけれども、市民の利便性向上のために、市県民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険料納付につきまして、令和2年度中にスマホ決済を導入する方向で、具体的な検討を進めております。また、導入にあたりましては、システム改修時の初期費用を軽減するために、既存のコンビニ収納用のバーコードを活用する方式を予定しております。以上です。
記者
ありがとうございます。
記者
その他、ご質問ございますか。
記者
洋上風力の関係で、白島の付近に何か計画されているものが、野鳥の生息域と被るということで、いろいろ懸念が挙がっているみたいですが、この件について市長、どのようにお考えでしょうか。
市長
今、市が官民一体になって進めている港湾区域の外で、いわゆる一般海域で、この風力発電事業を行いたいという事業者に関わるテーマであります。そもそもバードストライクの問題は、ヨーロッパにおいて洋上風力を進める時にもテーマの1つとなっておりまして、その影響をできるだけ小さくするための保全対策が必要と、このように一般論として考えております。白島の付近で計画されている事業でありますけれども、事業者もこの鳥類への影響をいかに小さくするかということに関心を持って、検討をするというふうに聞いております。環境アセスメント法に基づく手続きを進めているところでありますが、市もその段階に応じて、意見書を出すわけであります。また、専門家で構成されるアセスの審査会があります。そこの意見を聞く。鳥類については現地調査も行って、適切に予測の評価を行うよう、事業者に意見をしているところであります。今後、事業者から、より具体的な環境配慮の計画が提示されることになりますが、市としましては、環境保全の観点から、しっかりと意見をしてまいりたいと考えております。
記者
その他、ご質問ございますか。ないようですので、ありがとうございました。
市長
よろしいですか、ありがとうございました。
このページの作成者
市長公室報道課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2235 FAX:093-582-2243