発表項目 | なし | 月日:2019年5月23日 場所:北九州市役所 |
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出席者 | 北九州市長 |
令和元年(2019年)5月23日市長記者会見
【発表案件なし】
会見の動画(YouTube)
市長
今日は早速、ご質問を承りたいと思います、よろしくお願いいたします。
記者
では、幹事社から。予算の、本予算案が発表されましたけれども、改めて、本予算にかける思いと意気込みをお願いします。
市長
その予算会見の時に申し上げましたようにですね、北九州市の現状はですね、住みよさ・暮らしやすさというのが各方面から評価を高めつつある、そのことは、市民のこれまでのさまざまな取組が評価をされているということなので、誇りに思ってよいと思っております。その上で、やはり経済成長、これからは、若い世代はもとよりでありますが、魅力のある仕事の創出に全力を挙げまして、経済の一層の活性化、いわゆる「経済成長戦略」をですね、市政の大きな柱、基本というふうに改めて認識をいたしまして、いかにしたら企業の投資が集まるか、また観光客など、人が集まるか、そういうことに注目をしつつ、まちの活力を高めていきたいということであります。そうやって、誰もが住みよいまちを目指すと。「誰もが住みよいまち」という点におきましては、世界的にSDGsという17の開発目標というものが公に認識をされたわけでありますので、日本政府も一生懸命でありますが、これからは、日本政府はもとより、それぞれの自治体、それぞれの企業や構成する各団体、人がですね、「このSDGsの目標に向かって頑張ることが、よりよい社会を築くことだ」と、そういう認識をさらに高めていく必要があると思います。そういうことで予算を、編成をしているわけでありますが、とりわけ、この経済成長という意味におきましては、洋上風力発電の、初めての国内での拠点化という事業に着実に進むということ。それから、若者、外国の高度人材の定着の一層の促進、そして、まちの魅力を高めるためにも「東アジア文化都市2020」、そして、スポーツの事業を成功させるということ。そして、災害に強いまちづくり、安全・安心、こうしたことに引き続き、努力をする。そういうところに、重点的に取り組むということを念頭に置きました。人や投資の流れを呼び込む、日本一住みよいまちづくりを進めると、そういう柱に沿って編成したところであります。
記者
ありがとうございました。他に各社さん、質問があればお願いします。
記者
すみません。(総)本部事務所の撤去についてですね、本年度予算では、撤去に向けた予算計上は見送られているということなのですけれども、現状とですね、予算見送りになったことについての受け止めとか、そこら辺の所感をお願いいたします。
市長
工藤会本部のお話ですか。相手側の代理人とですね、具体的な交渉に入っておりまして、ボールは引き続き、向こうにあると、この認識をすでに述べております、変わりません。被害者の賠償スキームはどうなったのかというのが、関心があると思いますが、相手側の代理人から提示を受けたわけですが、調整中であり、具体的な中身の公表は差し控えさせていただきたいということも変わりません。ただ、スキームの提示を受けて、市はどのような対応をしているのかについて一言触れますと、スキームの内容が法的に履行可能かどうか、被害者に確実に渡るのかどうか、それを顧問弁護士など、税務署や法務局も入ってまいりますが、顧問弁護士などと協議をしまして、その結果を相手側代理人に伝えているという状況であります。以下、調整中ということでありまして、今しばらく時間を貸していただきたい。期限は設けておりません、あらゆる選択肢を慎重に検討しているところであります。
記者
今回、本年度予算では、計上はされてないということですけど、これに関して何かないですかね。
市長
これは本市にとりまして、企業の投資や人を呼び込む時の、非常にこの間ですね、まちのイメージダウンになってですよ、「何とかこれを乗り越えねば」ということで、市民、総力を挙げて取り組んできたのが、「安全・安心なまちづくり」であります。その中でも非常に象徴的な、大きな目標というのが、この暴力団本部の事務所を撤去するということであります。そのために私ども、あらゆる努力を傾注したいという思いで取り組んでおりまして、これが具体化していきますとですね、必要なこの予算など、それは直ちに、いろんな形で実行に移したいと思っておりますので、当初予算にあるかどうかということをもってですね、この事業の進捗に影響があるとは思っておりません。とにかく、相手のあることではありますが、動き出せれば私ども、最大級のこの目標の達成でありますので、あらゆる努力を惜しまないと、そういうことであります。
記者
ありがとうございました。すみません、ちょっと再び。工藤会事務所とはちょっと話が変わるのですけど、社会動態についてちょっとお伺いしたいのですけれども、社会動態は2018年がですね、マイナス700人、プラス目前まで迫る中で、この前、発表された1月から4月、このまま、こういうふうに、ちょっと若干、転出超過が2倍程度増えて、若干、ブレーキがかかった市長公約実現についてですね、伺いたいのですけども、実際その1月から4月の数値を見られた時の受け止めをちょっとお伺いしたいのですけど、お願いします。
市長
人口減にどう歯止めをかけるかということは、全国の自治体でみな直面する、大きな問題意識を持って取り組んでいることだと思います。その場合、その自然増減につきましては、高齢者については健康寿命を延ばす努力もありますし、また「子どもを産んで育てよう」という、ご家庭に対する支援をさらに強める。また、若い世代が増えれば増えるほど、それだけ出生率は、出生者は上がりますので、そうした努力は当然でありますが、大きなまちの目標としてですね、自然動態に着目をした目標値の設定というのは、やはり馴染まない面もあります。やはり「産めよ、増やせよ」というふうに取られる方も少なくないと思いますし、実際「元気発信!北九州」プランという、12年前、着任をして最初の、取りかかった仕事は、基本構想・基本計画の計画づくりでありましたが、その時も女性の審議会のメンバーは、多くの方がですね、「人口という問題を、これからのまちづくりの目標に設定すべきではない」、あるいは「消極的である」という方が大半だったように自分は記憶しております。そこで私どもは、行政としても全力投球ができるテーマでもありますし、これは市民・各界のお力添えが不可欠でありますけれども、社会動態というものに注目をして、これをプラスに持っていくことをですね、市の重要な目標に設定をして、今日に至っております。少しずつ、少し長めのトレンドを見ますとですね、マイナス1,000人という時代が続いて、マイナス2,000人ぐらいになって、あともう一歩でプラスに転じることが可能だと判断をいたしまして、それを、プラスに転じるということを、市民・各界とともに大きな目標に設定をして取り組んでおります。一進一退の面がありますけれども、さまざまな取組によってですね、プラスに向かうという、いろんな仕掛けと言いますか、努力というものは今後、反映されていくものと期待をしたいと思います、一層の努力が必要だと思っております。私どもも、先ほど「経済成長戦略は、これからのまちづくりの非常に重要な柱になる」と申し上げて、予算編成のお話をしましたが、洋上風力というのは、すぐに着工はしないのですね。すごい長い間、あらゆる面での準備という期間がありますし、まだこの面で、若い世代が関心を持ったとしても、雇用の場というのはなかなか生まれないわけであります。ロボットは、内閣府を含めて国が、日本で唯一のモデル地域に指定をしまして、ロボットの普及・開発という、そういう地域に指定されておりますけれども、研究開発は進んでおりますが、雇用という面で生まれるにはまだ少し時間がかかります。ただ、明らかにこの観光客が増える、あるいは空港の利用客が増えてきているようにですね、いろんな面で明るさが出てきておりますので、ぜひとも、若い世代が魅力を感じるような仕事がいかにして増えていくかということに、さらに私ども一生懸命、取り組んでいきたいと思っております。
記者
その件で、ちょっと追加で。社会動態をプラスにするには、やはり先ほどもおっしゃられたように、外国人留学生とか高度人材の活用・定着だったり、あと若者のU・Iターン就職なりのところが非常に効果的であると思われるのですけども、新規事業でもこういった形で、外国人学生の日本就職を希望されている方をターゲットに絞った新規事業だったりとか、あと外国人の定着を図る施策とか、多数、盛り込まれていると思いますけど、それに対する市長の思いというのをお伺いしていいですか。
市長
100ほどの専門学校、工業高校、大学、九州・山口一円のほうに、顔の見える関係をつくりまして、私自身、北九州の企業のPRを兼ねて、プロモーションに動き出しているのですが、早速、いろんなところからですね、やっぱり今の若者気質からして、1箇所にずっと定住して仕事をするというよりは、かなりの人がですね、別の仕事を探すという、そういう若者気質も強くなっているということで、例えば、北九州の学校関係者にとっても、卒業生が首都圏に行ったけれども、最近また戻って来たいとかですね、そういう相談を受けたとかですね、そういう、このU・Iターンというのはですね、若者の定着のために、これからますます重要になってくるのではないかという、こういうご指摘をいくつかいただくようになっております。これまでも努力はしているのでありますが、改めて、今風のこの若者気質からして、いったん故郷を離れてもですね、U・Iターンで戻るという、こういう流れというものは、かなり強くなってくるように感じておりますので、その対応が非常に大事だというように、第一に思います。この人口問題に関連して、外国人の対応を考えているということは、実は、あまりそうではありません。現実に政府が、ワーカーについても新たな基準を設けて、開放する方向に向かい始めておりますので、現実には日本のあちこちにですね、技能実習生に加えて、新たなワーカーが入ってくるわけであります。そしてまた、留学生も増えてくると期待をしたいと思います。そういう現象を前にしてですね、それをもって「本市の人口対策に」ということではなくて、そういう傾向がさらに強まっていく中で、本市に来られた方については、できるだけ快適に過ごしていただきたい。いい仕事をする、いい学業成績を修めてですね、できれば北九州で将来、働いてほしいと願いますし、そうした面での快適な生活ができるように一層、努力をしていこうという趣旨であります。これは時間がかかると思いますし、将来、それが北九州の人口にもいい影響が出るかもしれません。現実にワーカーが入ってまいりましてもですね、北九州でいったんここに入ってまいりまして、いろんなトレーニング、基本的なことを修了しますと、他県に出ていくというケースが非常に多いというふうに調査では出ております。そういった意味では、そういったワーカーが入って来るということによって、本市に非常に大きなプラス効果があるかどうかは分からないと思います。でも、マイナスではないように思います。従いまして、快適に過ごして、ウィンウィン(Win-Win)という言葉がありますが、迎え入れる地域社会、あるいは企業にとっても、大学にとっても、そしてまた、来られる方にとっても、両方ですね、満足のいくような形になるように、お手伝いをしっかりとさせていただきたい、それを本年度予算の1つの重点課題に入れたところです。今度もベトナムのハイフォン、姉妹都市で20億円の水道事業が、北九州の関係者が受注したこともありまして、5周年ということで行ってまいりました。ハノイのほうの日本語学校にも、いくつか回りましたけれども、そこで、これはベトナム人の中に、この日本に対する期待感、これが例えば「メイドインジャパン」に対する信頼感というのもありますし、日本の文化、日本の社会に対するですね、共鳴すると言いますか、シンパシーを感じている青年が増えてきているのではないかというふうに感じました。ベトナム以外の国においてどうかでありますけれども、オリンピックもあることですし、日本の魅力を最大限、それぞれの立場から発信をしていけば、相当程度の高度な人材を迎え入れることが可能ではないかというふうに感じる昨今であります。
記者
よろしいですか。個別的な話で恐縮なのですが、先週ですね、報道されていますけど、日本鋳鍛鋼というメーカーが「自主廃業を今年度末でします」ということで、従業員規模は数え方で500人から最大700人ぐらいと言われていますけれども、単純にスペースワールドの2、3倍あるという話ですが、行政として今、何か情報収集とかですね、何か業界構造が変わっているんじゃないかという対応策とかですね、何か検討されていますでしょうか。
市長
正式に報告がありましたのは、5月の15日の午前であります。日本鋳鍛鋼の永迫社長が市役所に来られまして、お話をお伺いしました。ただ、その前からですね、日本鋳鍛鋼は、日本を代表する鋳鍛鋼のですね、精密な、非常に高度な品質のタービン(部品)等をつくっておりまして、私もかつて一度、視察に行った時には、原子力発電所用の極めて高度な技術のものをつくっているところを視察させていただきました。原子力発電につきましては、その関連する設備をつくっている事業者も含めて、鋳鍛鋼もそうでありますが、福島の原発事故以来、大打撃を受けているやに聞いておりました。そして今回、改めて社長のほうから出ましたのは、火力発電ということでですね、活路を見出そうと思って、頑張ってこられたわけでありますが、2015年のパリ協定以来、世界的にですね、石炭に対する認識、石炭火力発電に対する認識が相当、変わってきてですね、日本はもとよりでありますが、海外におきましても、その受注する見通しが大変に厳しくなったと。6割が火力発電に依存する生産ラインを持っていて、その他、大型船舶など、いろんなことを、事業をされているのですが、このやっぱり低炭素化の大きな流れの中で、火力発電の受注がですね、激減をしてきたという、そういう中で、苦渋の選択をせざるを得ないという趣旨のお話でございました。私どもとしましては、大変厳しい状況ということは、聞いてはいましたものの、改めて社長からその報告を受けまして、「何とか事業が継続できないか」というお話に対しては、「もうそれは、いろいろ考えて困難である」と、「そういう判断に至った」と、そういうことであったわけです。そこで、私どもとしては、働いている方々の雇用の確保、それから取引先の企業への影響が最小限になるような配慮、それをですね、お願いを申し上げました。また、親会社の日本製鉄、三菱グループのほうにも、そういう方向でですね、雇用と取引先企業への対応につきまして、最善を尽くすように要請をしたところであります。雇用につきましては、これまで西日本車体(工業)、東芝、あるいはスペースワールドの経験があるわけでありますが、窓口を設けまして、いろんな相談に応じることを含めて、先方からのお話を今後、受けましてですね、精一杯、お手伝いをさせていただきたいと思っています。
記者
分かりました。
記者
よろしいでしょうか。先日、認可外保育園の暴力問題の関係で、市のほうに、該当の施設から「7月の19日を最後に、廃止をしたい」という報告があったとお聞きしているのですけども、その受け止めと、こういうことが起きたことの原因というか、背景にどういう問題があったのかというのも、市長はどういうふうに考えてらっしゃるのか伺わせていただきたいのですけど。
市長
この認可外保育所(認可外保育施設)につきましては、最初の通報以来、計3回の特別立ち入り調査を行って、1回目は残念ながら、施設長から「思い当たるところはありません」ということだったので、安全な保育についての口頭指導を行ったのが1回目。2回目、匿名での通報がありまして、それを受けて翌日、立ち入り調査を行いまして、この時は施設長が不適切な対応を認めましたので、改善指導を実施し、3回目、5月17日に重ねて立ち入り調査を行いまして、改善指導、そして、改善報告書提出の指示、そして、関係者への事実確認を行ったところであります。また、保護者9名の方と5月20日、会わせていただきまして、保護者の立場からの思いも承って、今日に至っております。本市としましては、この案件、大変残念なケースですけれども、法令に従って適切に対応してきたと考えておりますが、他の都市における同様の事案というものも研究をしてみたいと。そしてですね、今後、二度とこのようなことが起こらないように、何ができるかということを、しっかりと再発防止で努力をする必要があると考えております。今回、再発防止策の中に、監視カメラを中に設置するということ、また外国人講師については、英語版のマニュアルを作成すること、研修を行うこと、そういうことも指導しているところであります。7月20日をもって閉じるということでありますが、それまでの間、しっかりと指導・監督をしたいと思いますし、転園を希望する児童に対しては、可能な限りのフォローを行いたいと、こう思っております。背景についてどう考えるかでありますが、保育所については、認可保育所につきましては、この保育士の研修、そして、子どもたちをどう大事に育てるかということについて、日頃から非常に熱心にこの研修、意見交換を続けておられます。その努力に対しては、私ども大変、敬意を表しております。今回、認可外において起こりました。認可外につきましては、議会でも時折、「対応をどうするのか」という質問を受けたこともありまして、時々、他の都市におきましても認可外について、いろんな課題も浮上していましたので、関心は持っておりましたが、今回のことを受けまして、「安全保育」という面から、保育の資格を持つ職員がですね、ずっと、巡回の点検と指導を全施設に対して行うということを始めております。今回、小倉のこの施設に対して、監視カメラを設置とか、英語版マニュアルとか、そういうことを言いましたけれども、こういうことも参考になると思いますし、それから、公益通報制度と。今回もそういうことですよね、ああいう動画まで撮られていたということは、内部の方だと思いますが、やっぱり「公益通報制度もある」ということは、すでに市のマニュアルの中にも書いてありまして、保育の施設に対して、何か不都合なこと、不祥事があったことがあればですね、それはしっかりとやってほしいと。それが不利益な処遇になることは、あってはならないことなのだということで、公益通報制度についてもお知らせをしてきたわけであります。万全の策と言えるかどうか分かりませんが、今回の事案を教訓としてですね、認可外保育につきましてもできる限り、保護者の方々にも安心していただけるような努力を続けたいと思います。
記者
分かりました。
記者
すみません、今の点なのですけども、1回目に通報があって「1回、立ち入り調査したけども、向こうが認めなかった」と。そこから後の、この1ヶ月っていうところの中で、最初の通報者とのコミュニケーションを市が密に取っていたら、たぶんSNSにアップするとか、そういう話にならなかったのではないかなと思うのですけども、一応、向こうが認めなかったというところはあるにしても、今後の、どういう指導体制を取って、いつまた立ち入るつもりがあるのかどうかとか、そこら辺の、きちんと市の考え、方針というのを通報者に対して、やはり説明しておいたほうが、ここまでの話にならずに済んだのかなとも思うところはあるのですけども、その点については市長、どのようにお考えでしょうか。
市長
何事も最初の取っかかりが非常に、対応が、初動っていうのが大事だと思います。本件につきまして、通報が最初にあった時にですね、動画の一部を見ていたのではないかと、自分はそのように認識をしおります。しかし、その動画自身の提供はなかったようであります。ですから、「思い当たるところはない」という答えを聞いた時に、もう少し強く言えなかったのかなというのは、この問題の第一報を受けた時に、その担当者から、いろいろとそこを聞きました。全体でないにしてもですね、明らかに、やっぱり引っぱたいているわけですね。首を掴んで、引きずり倒したりしているわけです。それを見た時に、その現物はないにしてもですね、やはりもっと語気を荒げてですね、「そんなことはないはずだ」ということをですね、どこまで強く相手側に言ったのかということをですね、実は、市長としては、第一報を聞いた時に思ったわけであります。ただ、いろいろと聞いている限りですね、非常にこれは深刻な案件であると、担当課長、係長はじめ、みんな考えましてですね、相当強くですね、相手側にですね、絶対にあってはならんことがあったということでですね、繰り返し、相手に言っていたと、このように自分は思っております。従いまして、初動におきましてですね、「もう少し、やりようはなかったのか」という思いは当初、自分もしたわけでありますけれども、現場としては精一杯の対応をしたものと、このように自分としては今現在、受け止めております。ただ、今後のことを考えますと、初動においてですね、その事実関係を認めないというケースがあったわけであります。それを、どのようにして相手を説得してですね、正直に話してもらえるか、こういう対応については、よき教訓とすべきではないかと思います。情報提供者とのやり取りにつきましては、大変恐縮でございますが、相手側とのこともありますので、市側としての対応、その後の検討をどうしたかということにつきましては、どうぞ、そこはちょっとご了承賜りたいと思っています。
記者
すみません、先日、知事との面会がありまして、その場で北九州空港のさらなる活性化に向けて、市もこれまでの3年間を非常に評価というか、よかったと思っていて、「これからも頑張って支援していきたい」というような趣旨の発言がありまして、今回の予算も発表になりまして、いろいろと施策に含まれております。ちょっと大まかで恐縮なのですけれども、今回の予算等があって、知事の支援と言いますか、協力の話を併せて、今後のその期待感と言いますか、どのようにやっていきたいか教えていただきたいのですけれども。
市長
知事との、お互いに当選後、初めてのトップ会談となります。市側からは、空港の問題を第一に挙げまして、続いて豪雨対策、森林環境税、東アジア文化都市、それから子どもの医療費の問題、宿泊税について、こういう議題をさせていただき、知事のほうからは、スポーツ立県福岡、福岡の健康づくり県民運動、そして、下北道路の早期実現、こういうテーマでお話がありまして、広く意見交換をいたしました。市としましては、この中で当初から、空港の活性化というところが、最大級のテーマだと認識をしておりました。そこで、これまでの3年間の支援の強化期間というのは一応、終了するわけでありますので、新たに3年間、今後ですね、県・市一体となった緊密な連携をお願いしたところであります。それに対してですね、まず、推進強化期間を単に延長するというのではなくて、「ネットワーク充実強化期間」というふうにネーミングも変えてですね、「これから3年間は、新たにネットワークを充実強化するということにしてはどうか」という方針が知事から示されました。それは既存の路線の維持、そして、新たな路線の開拓に必要な支援ということが第一にありまして、「引き続き、県・市で連携したい」というお話がありまして、2番目にですね、福岡都市圏とのアクセスの維持であります。「このリムジンへの財政支援を維持したい」というお話があって、それから、滑走路の延伸という北九州側の悲願でありますけれども、これについてもですね、「滑走路延伸を重要な課題と受け止めて、機能強化に努める」というお話があって、それから「空港の大規模周辺災害への取組も大事だ」と。さらに、将来的な運営形態の検討についてもですね、北九州市と連携していきたいという知事の回答があったわけであります。そういう意味では、これまでの事務方の折衝におきまして、「とにかく3年終わってしまうので、これから向こう3年間、ぜひ延長を」という気持ちで要請していたわけでありますが、運営形態のほうも含めてですね、「全面的に北九州空港がさらに発展するように取り組もう」という、「そのためには名前も変えよう」というお話に加えて、既存の路線に対する財政支援についても、大変難しいような感触を得た時もあったわけでありますが、今回、「3年間の成果の維持と、新たなものも加える」という形で知事のほうからお話がありまして、大変、その点を私ども嬉しく受け止めたところであります。
記者
もう1つ、終わりのぶら下がりの時に、市長がお話しになっている時に、知事が「福岡空港との連携も1つ、重要なテーマだ」みたいなことを、ちょっと確認するような形でお話しにもなっていましたけれども、あの辺りについてのその真意と言いますか、どういった形なのかというのはありますか。
市長
「福岡空港に入りたい」という外国の航空会社は他にもあるだろうと思います。ところが、もういっぱいになってきているということで、1つの選択肢はですね、他の、近くの他県のところに入ると。というのは、観光客の場合、九州を周遊して行かれますので、どこかに入ってですね、ずっと回るということもあるでしょうから、そうなってしまっては、これから増えていく航空需要を福岡県で全部、受け止められないということになります。従いまして、北九州空港の認知度というのはまだ、外国にはまだまだでありますから、「北九州空港はある」ということ、それをやっぱり県としても、積極的に発信をしていきたいという趣旨だと、こう思っております。つまり、「福岡でいっぱいになった分は、北九州で受け止める」ということについて、知事のほうから「前向きに取り組んでいこう」というお話があったと理解しています。
記者
ありがとうございます。
記者
今の関連で、運営形態のお話が、県が一緒にやるということは、今後その民営化も含めて議論をしていく時に、そういった議論の中に県が一緒になって入ってくるということなのか、それとも一定の結論を得たあとに、またそれについて連携を考えていきましょうということなのでしょうか。
市長
運営形態につきましては、国のほうで今、さまざまな調査をされております。それが公表されて、市としましても経済界や関係方面と「果たして、どういう方向に進むか」ということを議論して、北九州市にとって一番いい形態を選んでいくという、そういう作業に入っていくわけであります。その中におきまして、県がどのように、「北九州空港を盛り上げよう」ということで、動いていただいているわけですから、県としてのお考えを聞かせていただくということは当然、大事な選択肢だと思っておりますので、これについては、県・市一体になってやっているわけですから、地元の経済界をはじめとして、皆さん方も異存はないだろうと思います。ただ、まだ国の調査というものが公表される今、前なのですね。その段階でありますので、今ここで明確なことは申し上げませんけれども、県と一緒になって検討を加えるということは、自分としてはいいことだと思います。
記者
すみません、空港の関係でもう1点なのですけど、以前、軌道系アクセスの調査については、軌道系アクセスの、そういう世論というか、世論を喚起する上では、「長い時間がかかるので、早々に着手してもいい」というようなお考えを述べられていたかと記憶しているのですけども、新年度予算のほうには、特にその調査費というところは盛り込まれてないわけですが、この軌道系アクセスの議論を始めるタイミングとしては、どのように今お考えなのか、その点をお聞かせください。
市長
4期目の政策大綱、公約の中に、その検討をあえて盛り込んでおります。従いまして、そのためには、かつて行ったその試算によりますと、現在の国の補助率でもって全体の仕事を考えますと、どうしても赤字になってしまうと。そうなるのが分かっていて、事業を進めるというのは大変厳しいと判断をしまして、中挫をした経緯が過去ありますので、やはり、例えば国の補助率についても、何らかの変化の可能性があるとか、あるいは、何と言っても、お客さんの数がどこまで増えていくかということもありますし、それから、途中で1つ駅をつくるとなると、「周辺の住宅から、マイカーではなくて、電車に乗って小倉へ」ということもあるでしょう。そうした、その社会状況のいろんな変化を踏まえて、採算がどの程度、取れていくのかと、こういうことがやっぱり、スタートする場合の重要な要素だと思います。それからもう1つはですね、東九州自動車道が一応、全線開通ということになりまして、まだ今の車線では、事故があった時に渋滞しますので、さらに補強が必要だとは思いますけれども、多くの関係者の間に、次は軌道系のですね、充実を求める声が出始めています。ですから、大分方面なんかに行くとですね、仮に新幹線とかが議論になった場合に、「博多と直結したら、どれぐらい速くなって、いくら財政負担ができるか」とか、そんな話も巷には出るような状況でありまして、これはやっぱり「北九州を抜きにして、そういうことはないだろう」という話もあります。従いまして、東九州自動車道が一段落をした時点におきまして、他県におきましても軌道系についての関心が高まってきているということが1つあります。それともう1つは、IRの議論が始まっていることです。関西方面でもですね、アクセスに相当の投資をするという計画があるやに伝えられておりまして、こういったIRのような事業を成功させるためには、アクセスが命だということだと思います。従いまして、1つの可能性として空港という、空港周辺ということに仮になるならば、アクセス鉄道という話は、話題にはなるかもしれませんが、そこで今、私どもはニュートラルでありますけれども、果たして、民間の事業者が「こういうのをやってみたい」というのがあるかどうかを待っている状況に今あるわけですけれども、いろいろとやっぱり、アクセス鉄道というのはいろんな面で話題に上ってくるということであります。従いまして、ちょっと長くなって恐縮でございますが、空港の利用者数200万(人)、さらに210万を目指すと、さらに新規路線を目指すということで、そこら辺の将来の先にですね、どれぐらいまで行けるか。それによって、採算性はどうなるのかということを軸にしてですね、勉強は必要ではないかと。市長としては、公約に書いたこともありますので、考えております。ただ、それをまだ具体的に予算化するには、まだ状況は熟していないように思います。
記者
前回もこの文脈の中でIRの話をされて、今もまたされたわけですけども、自民党のほうは、6月定例会でいろいろIRについて質問等も考えたり、6月定例会というのは1つのポイントとして見ていると思われますが、国のほうが詳細をまだ発表していないと。ただし、先行している自治体は、もうかなり先行している状況の中で、今、ニュートラルだったとしても、そのタイミングとしては、ニュートラルから「自らのタイミングをどうするのか」っていうのを表明するところは、そう遠くはないような気もするのですが、市長としてはどのくらいの、夏ぐらいをその態度表明の時期と考えられておられるのか、そこの周辺状況等の機を逸することなく、きちんと対応していくには、どのタイミングがベストと思われていらっしゃるのでしょうか。
市長
直近、国のですね、IRに関する具体的な方針についても、少し時間をかけて、ちょっと先延ばしをするという報道があったところであります。まず、国が具体的にどう考えるかということが大きいと思いますので、流動的であります。ただ一方におきまして、九州にはですね、ぜひ故郷を挙げてですね、官民挙げて誘致をしたいという動きもあるやに伝わってまいりますので、流動的でありながら、一方において、そういう議論もあるということです。いずれにしても、これは自治体が主導権を取ってやるということではないと思いますので、そういう巨額の投資をですね、考える事業者が現れるかどうかっていうのが大きいと思います。今のところ、具体的なそのお話を聞いておりませんので、何とも言えないということです。
記者
仮に現れたとして、そのタイムリミット、どこまで引っ張って、態度表明を引っ張れるものなのか、その辺については、時間軸はどう考えられておりますでしょう。
市長
国の方針がどうなるのかというのは、やっぱり気がかりでありますので、まだ今のところ「何月ぐらい」とは、まだ言える段階ではありません。やはり今のご質問に、さらに明確にお答えするということになりますと、やはりギャンブル依存症でありますとかですね、そうした地域への負の影響をですね、心配される声も、議員もいらっしゃいますので、そうした意味では、もう少し具体的なお話が目の前に来ないとですね、なかなか議論が進まないような気がします。従いまして、今のご質問に対しては、ちょっと保留をさせていただきます。
記者
他にご質問ないようでしたら、これで終わります。ありがとうございました。
市長
ありがとうございました。
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