沼田 賢一郎さん
7年前に70歳で認知症と診断された時「自分の人生は終わった」と思いました。認知症と気付かれはしないか…と思うと外出もできず、人にも会えない。そんな生活が3年近くも続きました。転機になったのは、当事者同士の交流会。その会で、認知症になっても前を向いて暮らす姿を発信する方々の存在を知り、「自分もやってみたい」と久しぶりに希望が湧いてきたのを覚えています。今は、自分の経験をお話しする講演活動を妻と一緒に行っています。
認知症になって、いや認知症になったからこそ人の優しさや温かさにたくさん触れることができました。そのことを、一足先に認知症になった者としてお伝えしたいです。
沼田 眞由美さん
よかれと思って、当初は夫のすること全てに手を出していました。きっとその時は私もつらい顔をしていたのでしょう。かえって本人の負担になっていたようです。
夫は今、週4回のデイサービスに通いお友達もできています。1日の予定表をこなすことも楽しみのようですね。慣れ親しんだこの小倉の街での生活が一日でも長く続いてくれればうれしいです。
市政だよりで定期的にお知らせしています
同じ立場の人たちと交流する場があります
- ●認知症・若年性認知症 介護家族交流会
- 認知症の人を介護している家族が集まり、ともに励まし合い、認知症や介護について学び合います。ご本人も参加できます。
- ●認知症ご本人の交流会
- 認知症の当事者同士が集まって交流を行う場です。家族や支援者も参加できます。
▲家族の会のメンバーやスタッフと
各回、専門のアドバイザーによるミニ講話もあります。ぜひご参加ください。
- 問い合わせ
- NPO法人 老いを支える北九州家族の会 電話093-882-5599
※9月の交流会については「お知らせ」ページでもご案内しています。
- ●認知症カフェ
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認知症の人や家族が、地域住民や専門職を交えておしゃべりを楽しんだり、情報を共有し合ったりする場です。現在、市内に33カ所あります。
各地域の認知症カフェについては認知症支援・介護予防センター(電話093-522-8765)へ問い合わせを。市のホームページでもご覧になれます。
市長からのメッセージ
私自身、22年間の厚生労働省勤務で介護・福祉政策に携わりましたが、認知症対応の在り方は飛躍的に変化してきました。
脳の認知症的変化は老化現象の一つでもあります。年を重ねると顔にシワのない人がいないのと同じで、誰にでも起き得るのです。80代では約3人に1人に認知症の症状が出ると言われています。
だから、予防には努めながらも、仮に発症しても前向きに暮らせる地域や社会づくりをしていきたいと考えます。
年を重ねる喜びを真に分かち合える北九州市へ、認知症の方、支える方、全ての方がつながり合い、支え合えるまちづくりを一緒に進めていきましょう。
北九州市長 武内 和久