北九州イクボス同盟

今こそイクボス

企業インタビュー

株式会社サニーライフ

■業種:冠婚葬祭
■従業員数:147名(うち女性90名)

■イクボス推進の取組

  • 「WOMANSプロジェクト」発足
    女性目線で企画考案し、モチベーションアップを図るとともに収益に繋げる。
  • 組織の見直しによる休みやすい環境整備
    人員配置を変えることで、少人数で回せる仕組みを作り、休みを取りやすい体制を整えた。

ワーク・ライフ・バランスを推進し、冠婚葬祭業のイメージを払拭

北九州市内7区全ての葬儀を担う、老舗の冠婚葬祭企業、株式会社サニーライフ。第16回北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰では、市長賞を受賞しました。2015年に就任した女性社長を中心に、これまでの冠婚葬祭業界のイメージを払拭する、働きやすく休みやすい環境づくりに努めています。

  • 代表取締役社長 大西 千里さん
  • 管理部 部長 松澤 裕巳さん

従業員のモチベーション向上が収益に繋がる

 2018年8月に「WOMANSプロジェクト」が発足しました。月に1回、企画会議を行い、女性目線の発想でお客様に喜んでいただけるようなサービスを考えています。1期生は各部署から役職や年齢を問わず7名が選ばれ、マスコットキャラクター「サニーライフォン」を考案しました。北九州の花である向日葵をたてがみに見立てたライオンのキャラクターで、365日24時間いつでも電話して欲しいという思いを込めて手には電話を持っています。2期では清掃に力を入れました。清潔感ある斎場であるために、男女問わず従業員一同で清掃しました。斎場内だけでなく斎場周りの地域清掃も行い、この活動は今も続けています。現在6期生までの間、サニーライフォンのエコバッグや、儀式の大切さや命の尊さを伝える絵本の作成などに取り組んできました。女性が自ら考えて形にし、全社に発信して行動することによって、一人ひとりのモチベーションが上がり、会社の収益にも繋がります。お客様からも喜ばれ、集客・収益にも繋がりました。

女性が葬儀の施行を担当できる葬儀場

八幡東斎場

 2021年12月に八幡東斎場を建て替えたのですが、そこでは、女性メンバーが中心になり、女性も働きやすい葬儀場を作りました。これまでは葬儀の施行は力仕事もあるので、女性が一人で担当するのが難しく、施行担当者はほぼ男性だけでした。この葬儀場は、1日1組の葬儀の実施で、短い距離で移動できるようにして、女性も担当しやすい動線にしました。今後も若い女性施行担当者が生まれる予定です。弊社の女性スタッフは、周りに気配りできる人が多いので、ぜひその強みを活かして欲しいと思います。

積極的に休みを取れる体制と風土を作る

 朝早く夜遅い仕事ですが、育児や介護、プライベートを充実させて欲しいと思い、短時間正社員制度やフレックスタイムの導入、公休数の増加に取り組みました。実施にあたり、お客様にご迷惑がかからないようにするために、人員配置を変え、各現場で事務員が電話を一括受電する等、組織や仕組みの見直しを行いました。ただし、仕組みだけでなく、従業員の意識も変える必要があります。せっかくお客様に選んでもらったから休んだら失礼に当たると考えている人が多く、休みを取りにくい雰囲気がありました。稼ぐためには休まないという風習もあったので、賃金制度もガラッと変えました。今後は、一部の職種ではリモート勤務の体制も整え、将来的には自宅で育児をしながらでも働けるようにしたいです。

全員が同じ方向に向かって前進

 働きやすい組織づくりのためには、全員が一丸となって同じ気持ちで前に進むことが重要です。給料だけではなく、働く環境や人と人との繋がりを重視している人も多いと思います。十分な賃金を貰うことができて、且つ応援体制がしっかり整っていることが大切です。そこで、今期のスローガンに「団結力」を掲げ、忙しい部署の応援体制を作りました。繁忙期に誰もが忙しい部署に応援に行けるようにしています。そのためにはスキルが必要ですので、皆さんの努力で成り立っています。応援体制のおかげで、業務がスムーズになるだけではなく、従業員同士の新たなコミュニケーションのきっかけにもなりました。

冠婚葬祭業のイメージを変える

 365日24時間稼働している冠婚葬祭業。業界自体に男性がガツガツ働くイメージを持たれているので、それを払拭したいです。わたしが社長に就任した当初、上位役職者に男性が多く、女性は補佐をする風習がいまだ残っていました。今、課長職は、女性が6人、男性が7人と、約半数が女性です。繊細な部分を取り扱う仕事なので、女性の強みを活かして細やかなサービスができると考えています。労働環境を変えて、冠婚葬祭業でもワーク・ライフ・バランスを踏まえた働き方ができることを示し、女性が働きやすい職場にしたいです。
 当社は、北九州市だけで展開している、地域に密着した老舗の葬儀社で、地域の人々に支えていただきながら成長させていただいた会社です。今後も地域清掃を継続し、地元の方々とのふれあいを大事に、地域に貢献していきたいです。

社員からのコメント

運営部 企画課 課長 藤原 香織さん

 入社して25年目になりますが、ここ数年、働きやすい環境に激変したと感じます。産休・育休を取得した当時は短時間正社員制度がなく、子どもが生まれてからもお盆や年末年始も休むことができませんでした。それが、北九州市の表彰をいただけるまでになったことが嬉しいです。
 現在は主に終活カウンセラーとして終活セミナーや個別相談の業務をしています。葬祭の仕事は一人の人生の最期を見送ることができる素晴らしい職業だと思います。
 最近まで、娘が吹奏楽の部活のために博多の高校に通っていて、学校の近くに一緒に住んでいました。個人の事情にも関わらず、社長含め周りの方がサポートしてくれました。わたし自身も吹奏楽を長く続けていて、親子で同じ目標に向かって挑戦することができました。働きながらここまで打ち込めることに感謝しています。
 2030年には、当社を「お客様への思いナンバーワンの企業」にするのが目標です。そのためにはスタッフが誇りを持って働けることが大切です。全国から「ここで葬儀をあげたい」、「ここで働きたい」と、魅力を感じてもらえる企業にしたいです。

【企業プロフィール】

企業名:株式会社サニーライフ
代表者:代表取締役 大西 千里
所在地:北九州市戸畑区初音町6-4
創業:昭和46年12月
企業HP:https://www.sunnylife.co.jp/