北九州イクボス同盟

今こそイクボス

企業インタビュー

富士通コミュニケーションサービス株式会社

ダイバーシティを推進し、多様な個性を認め合う組織風土を醸成する

 顧客企業の業務効率の向上を支え、PCテクニカルサポートなど多岐にわたるサービスを提供している富士通コミュニケーションサービス株式会社。今まで継続してきたワーク・ライフ・バランス支援に加え、2021年4月、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する組織をリニューアルし、施策強化の動きが始まりました。誰もが自分らしく活躍できる組織づくりを目指した取組が行われています。

(事業支援本部 ダイバーシティ推進室 シニアマネージャー 矢田 妃透美さん)

他拠点に先駆けたイクボス宣言

 私たちはお客さまのビジネスパートナーとして、テクニカルサポートやBPO業務など多様なサービスを提供しています。情報機器やシステムの問い合わせに対応するコンタクトセンターを中心に、法人から一般ユーザーまで幅広く対応しています。
業界の特性上、当社の中では定着率に対する課題を感じており、働きやすい職場づくりのために、社員のワーク・ライフ・バランスを支援していこうという強い思いを持って、これまでも様々な取組を実施してきました。
  全社的に育児・介護の支援制度を含めた活動を推進してきましたが、イクボスに関しては北九州サポートセンター(SC)が率先して行いました。「北九州イクボス同盟」ができたことを機に、2017年6月には北九州SCの幹部社員を対象に研修を行い、イクボス宣言を各部署に貼り出したことで、社員の意識の向上や活動も加速化してきたと思います。

ダイバーシティ推進室のリニューアルと施策強化

 現在私は、ダイバーシティ推進室のシニアマネージャーを務めています。北九州市に在住し、オンラインを活用して本社メンバーと一緒に全社のダイバーシティ&インクルージョンを推進する仕事をしています。以前からダイバーシティ推進室はありましたが、2021年4月から専任のメンバーを配置し、より求心力の強い施策を推進する取組が始まりました。まずは当社の方針を打ち出しトップメッセージを全社員に対して公表しました。世の中の流れも踏まえて当社が目指す姿を考え、10年先までの数値目標を含む計画を見える形にしたことで、ダイバーシティに本気で取り組む姿勢が社員に伝わったと思います。
  当社のダイバーシティ推進は、女性活躍の推進、仕事と育児・介護の両立支援、障がい者の定着支援、LGBT+、人権啓発という5つの大きな柱を設けています。今年度は特に女性活躍の推進に力を入れてきました。これからの当社の将来を担う幹部社員候補の女性社員が富士通グループ全体の研修に参加し、また社内のロールモデルとなる女性幹部の経験談を共有する機会や、学んだことを社内で意見交換する場を設け、一方通行な研修ではなく、より行動に移せる双方向の女性活躍推進を実践しています。

無意識の思い込みに気づいてリミットを外す

 以前より取り組んできた女性活躍について、今改めて力を入れている理由は、社員のリミット(限界)を外して可能性を広げていくためです。例えば、テクニカルサポートは男性の方が得意、子どもができたら女性にリーダーは難しいなど、無意識に限界をつくっている状態を認識することが大事だと考えています。
  今年2月には、全幹部社員が受講するアンコンシャス・バイアスのセミナーを開催しました。アンコンシャス・バイアスとは、無意識の思い込みや偏見のことです。限界や制限を生み出している自分の考え方の癖に気づき、リミットをなくしていくことによって、多様な人が共に活躍できる土壌が育っていくと思います。

誰もが自分らしく活躍できる組織に

 私たちは、富士通グループが掲げる「ダイバーシティ&インクルージョン」の目標とも連動し、誰もが自分らしく活躍できる企業文化の醸成を目指して取り組んでいます。
  新しい概念が根付くためには、説明を繰り返し、理解してもらうように根気強く伝える必要があります。
  私自身の役割は、組織風土を育てていくことです。会社にはいろいろな立場や状況の人がいます。育児や介護をしている人もしていない人も、障がいのある人もない人も、みんなが認め合える組織にしていきたいですね。こうした土壌が能力の発揮につながりますし、社会と共生する企業の責任でもあると思っています。

社員からのコメント

第二CXビジネス本部
第七事業部第一サービス部
黒田 幸子さん

 2008年に入社し、現在はアシスタントマネージャーを務めています。
 昨年、研修に参加したことで、キャリアアップに対する意識が変化しました。
 それまでは仕事をする上で性別は意識していませんでしたが、自分の中で無意識にストッパーをかけていたことに気づきました。
 実際に活躍している女性幹部社員の話を聞き、幹部になると仕事の決定に携わる楽しさがあることも知りました。
 オンとオフの切り替え方、仕事のコツなど具体的なアドバイスも役に立っています。
 ビジョンを考える機会になり、キャリア選択の幅が広がりました。

【企業プロフィール】

企業名:富士通コミュニケーションサービス株式会社
代表者:代表取締役社長 山本 享史
所在地:北九州市小倉北区浅野3-1-6
業種:サービス業
創業:1994年12月
従業員数:4550人
企業HP:https://www.fujitsu.com/jp/group/csl/