お客さまの「一生涯のパートナー」として、生命保険を通して安心を届ける第一生命保険株式会社。小倉にある北九州総合支社は、北九州、豊前、宗像、飯塚など約20カ所の営業拠点を統括する支社です。時代に先駆けてワーク・ライフ・バランスや柔軟な働き方を推進してきた全社方針をもとに、支社独自の取組で着実な成果を上げています。

女性が長く働き続けられる職場づくり

　生命保険という仕事の根幹は人との信頼関係であり、最も重要な経営資源は「人財」（※社員が会社にとって宝（財産）であると考えているため）と考えています。社員一人ひとりが力を発揮し、いきいきと働ける職場にするために、働き方改革やダイバーシティ＆インクリュージョンにもいち早く取り組んできました。
　全国のイクボス企業同盟には2015年に加盟し、第一生命のイクボス10カ条を発表。2018年には福岡県と包括連携協定を結び、北九州イクボス同盟に加盟するなど、地域と密着した取組も積極的に行っています。
　弊社は従業員の9割が女性という、業界ならではの特徴があります。女性は結婚や出産などのライフイベントによって働き方も変化するため、仕事と家庭の両立支援は欠かせません。階層別研修や支社内の勉強会も多く、キャリアップをサポートできる体制を整えてきましたが、特にこの数年で動きが加速し、会社が変わってきたことを実感しています。

北九州から全国を牽引する取組を進める

　私自身、全国各地を転勤してきて、北九州総合支社では7年目になります。他の地域と比べて女性の指導者層が多く、皆さん元気に活躍しています。情が厚くて熱心な人がたくさんいるんですよ。支社長が「北九州地域で女性活躍No.1を目指す」と宣言し、着実に成果を上げてきたのは、こうした支社の土壌もあると思います。
　取組の内容としては、毎週水曜を「ワークスマートデー」として定時退社を推奨し、月1回は明るいうちに帰る「ブルースカイデー」として15時退社を実施。水曜は行事や会議を入れず、一定の時間帯の電話連絡を制限するなど、スムーズに退社できる工夫をしています。他にも、パソコン20時強制シャットダウンや、役職ごとに毎月の総労働時間を目標設定して管理するなど、メリハリのある働き方を推進してきました。また、女性の発案により社会貢献につながる講座を支社内で企画開催し、社長特別賞を受賞したこともあります。
　働き方はかなり改善されてきましたが、中には部下のワーク・ライフ・バランスを気にするあまり、管理職自身が仕事を抱えてしまうケースもあります。まだ100％とはいえないので、さらに浸透していくよう努めたいと思います。

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集中力を高めて成果を出す働き方に

　上司と部下の個人面談を「１for１」と呼び、月一回、業績管理よりも対話を重視する面談をしています。一般的には上司×部下の1対1の対話を1on1と呼びますが、「on」ではなく「for」としたのは、部下のためにコミュニケーションを取る姿勢を大切にしたかったからです。男性の育休取得に関しては、累計1カ月以上の目標を掲げ、今年度は支社で100％を達成しました。
　実は、早帰りが導入された当初は、心配もありました。以前は営業拠点で夜遅くまで働いていたので、生産性が下がることを懸念し、上司に相談したこともあります。結果的には、短時間で成果を出すために集中して仕事をするようになり、みんなも同じ意識で協力することによって取組みが推進されています。
　退社後は新しい趣味を始めたり、ボランティアをしたり、自分磨きをする社員が増えましたね。私は温泉とサウナが好きなので温泉ソムリエなどの資格を取得し、会社以外のコミュニティが広がりました。心身の健康やプライベートの充実は、会社の活気も生んでいると思います。

抜本的な教育制度改革で人財を育てる

　第一生命では2022年4月に教育制度と給与制度の抜本改革を行い、7月から全国の支社にキャリアカレッジを新設しました。私はこの制度改革に合わせて営業拠点から異動し、小倉キャリアカレッジで新入社員の初期教育を主に担当しています。 　
　「一生涯のパートナー」として保険の販売にとどまらず、人々の幸せの実現をお手伝いすること。それが第一生命の存在意義です。そのために、お客さまの気持ちに寄り添い、お客さまがどのような接し方を望んでいるのか考え、実行できる力が大切だと私は考えています。これまで以上に金融リテラシーを高め、お客さまの役に立てるスキルを身につけられるよう、FP資格取得なども含めたきめ細やかな教育研修をしていますし、地域に密着するために、地域学習など取り入れています。採用方針も変わり、適性検査や複数回の面接を行うなど、選考基準が厳しくなりました。資質のある人財を丁寧に育成し、長く働き続けられるようにサポートしています。
　カレッジ長として私が大事にしているのは、一人ひとりとの対話です。授業内容は知識教育がほとんどですが、相手の考え方や価値観を理解し、みんなが気持ち良く働くためにはどうしたらいいのか、常に意識しながら接しています。営業で培ってきた経験も活かし、支社のみんなと力を合わせて育成に関わっていきたいと思っています。