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水質基準と検査項目の説明

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水道法第4条に基づく水質基準は「水質基準に関する省令」により定められており、水道水は、水質基準に適合するものでなければなりません。
水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、必要な情報・知見の収集に努めています。

厚生労働省ホームページ 水道水質基準について(外部リンク)

水質基準の説明の図

水質基準

水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合することが必要です。

水質基準と検査項目の説明
番号 基準値名 基準値 説明
1 一般細菌 100個/mL以下  水の清浄さを示す指標で、多数検出されると病原菌に汚染されている可能性があります。
2 大腸菌 検出されないこと  人や動物の腸内に存在し、糞便とともに排出される細菌であるため、糞便汚染を示す指標と して用いています。
3 カドミウム及びその化合物 0.003mg/L以下  肝臓や腎臓に蓄積され、過度に摂取するといわゆるイタイイタイ病を起こすとされています。
4 水銀及びその化合物 0.0005mg/L以下  極微量の水銀は自然環境中に普遍的に存在しています。 産業活動による汚染で、過度に摂取すると、特に有機水銀の場合、神経への障害(いわゆる水俣病の症状)をおこします。
5 セレン及びその化合物 0.01mg/L以下  生体必須元素で自然環境中に微量に存在します。鉱工業排水の影響で河川水等で検出されることがあります。
6 鉛及びその化合物 0.01mg/L以下  自然環境中にも広く存在しますが、鉱工業排水の影響で河川水等で検出されることがあります。
7 ヒ素及びその化合物 0.01mg/L以下  地質に由来し自然環境中に広く存在し、地下水に含まれることもあります。鉱工業排水の影響で河川水等で検出されることもありまが、凝集沈殿処理により除去されます。
8 六価クロム化合物 0.02mg/L以下  鉱工業排水などの影響で河川水等で検出されることがあります。
9 亜硝酸態窒素 0.04mg/L以下  (11)硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の項を参照下さい。
10 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01mg/L以下  シアン化カリウムは青酸カリとして知られています。工業排水などの影響で河川水等で検出されることがあります。
11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/L以下  窒素肥料、腐敗した動植物、生活排水、下水などの混入により検出されます。硝酸態窒素は体内で亜硝酸態窒素に変化し、赤血球と反応して血液中の酸素の運搬能力を低下させる危険があります。
12 フッ素及びその化合物 0.8mg/L以下  地質や工業排水の影響で河川で検出されることがあります。高濃度の摂取は斑状歯をおこすとされています。
13 ホウ素及びその化合物 1.0mg/L以下  遊離のホウ酸または塩の形で天然に広く分布しています。 動植物にも不可欠な元素ですが、多量に摂取した場合には、生殖器への影響があるといわれています。
14 四塩化炭素 0.002mg/L以下  自然界に存在するこれらの化合物は、その多くが人工的に合成された物質で、化学合成工業、金属の脱脂剤、塗料、ドライクリーニング等に使用されています。その一方で、地下水を汚染する物質として知られています。一部の物質には発ガン性が認められており、多量に摂取した場合、肝臓、腎臓、神経系統等に障害を起こすといわれています。
 また、1,4-ジオキサンは、主にオイル、ワックス等の溶剤に使われており、その化合物は発ガン性が疑われています。
15 1,4-ジオキサン 0.05mg/L以下
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下
17 ジクロロメタン 0.02mg/L以下
18 テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下
19 トリクロロエチレン 0.01mg/L以下
20 ベンゼン 0.01mg/L以下  各種化学製品の製造に用いられるが、揮発性が強く、河川水に流入しても、大気中にほとんど揮発します。しかし、人が摂取すると発ガン性があるといわれています。
21 塩素酸 0.6mg/L以下  消毒に用いられる次亜塩素酸ナトリウムに含まれる不純物です。
22 クロロ酢酸 0.02mg/L以下  (22)クロロ酢酸、(24)ジクロロ酢酸、(28)トリクロロ酢酸は、消毒に使用する塩素と原水中の有機物が反応することで生成される消毒副生成物で、発ガン性が指摘されています。
23 クロロホルム 0.06mg/L以下 (27)総トリハロメタンの項を参照下さい。
24 ジクロロ酢酸 0.03mg/L以下 (22)クロロ酢酸の項を参照下さい。
25 ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下 (27)総トリハロメタンの項を参照下さい。
26 臭素酸 0.01mg/L以下  原水中に含まれる臭素イオンが、酸化されてできる物質で、腎臓機能の低下や発ガン性があると言われています。
27 総トリハロメタン 0.1mg/L以下  総トリハロメタンは、メタンにハロゲン元素(塩素又は臭素)が結合した4種類の化合物 (クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム)の総和を示します。これらも、消毒に使用する塩素と原水中の有機物が反応することで生成される消毒副生成物で、発ガン性を考慮して基準が設けられています。これらの物質の対策として、北九州市水道局の浄水場では、水質悪化時に原水中のトリハロメタンの原因となる有機物を除去するため粉末活性炭や高度処理施設で対応しています。
28 トリクロロ酢酸 0.03mg/L以下 (22)クロロ酢酸の項を参照下さい。
29 ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下 (27)総トリハロメタンの項を参照下さい。
30 ブロモホルム 0.09mg/L以下
31 ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下  浄水処理過程での塩素処理で生成される消毒副生成物で、発ガン性が指摘されています。
32 亜鉛及びその化合物 1.0mg/L以下  生体の必須元素であり、欠乏すると味覚障害等が現われます。水道水中に多量に含まれると白く色を付けたり、渋味を付けたりします。
33 アルミニウム及びその化合物 0.2mg/L以下  水道では凝集剤として硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムなどが使用されますが、凝集沈殿で多くは除去されます。
34 鉄及びその化合物 0.3mg/L以下  生体必須元素で自然環境中に広く存在します。高濃度になると着色や異臭味(カナ気)の原因になります。
35 銅及びその化合物 1.0mg/L以下  自然環境中に微量に存在します。給水装置等に使用されている銅管から溶出することもあり、青く着色する原因になります。
36 ナトリウム及びその化合物 200mg/L以下  生体必須元素で自然環境中に広く存在します。原水や浄水処理の薬品に由来します。高濃度になると味に影響があることが知られています。
37 マンガン及びその化合物 0.05mg/L以下  生体必須元素で、鉄の次に広く世界に分布する重金属です。高濃度になると洗濯物の着色や黒水の原因になります。
38 塩化物イオン 200mg/L以下  地質、海水、生活排水、鉱山排水、工業排水等の影響で検出されます。高濃度になると味を損なうことがあります。
39 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300mg/L以下  カルシウムとマグネシウムの総和で表されます。低すぎると淡白な味になり、高すぎると硬い味になります。また、硬度の高い水は石鹸が泡立ちにくくなります。
40 蒸発残留物 500mg/L以下  水を蒸発させたときの残留物の量で、主にカルシウム、マグネシウム、ケイ酸等の塩類に由来します。高濃度になると味を損なうことがあります。
41 陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下  合成洗剤の主成分である。人体に対する毒性は低いとされていますが、低濃度で発泡します。
42 ジェオスミン 0.00001mg/L以下  放線菌や藍藻類が産出する臭気物質で、水道水の異臭味障害の原因物質として知られています。健康に影響を与えるものではありませんが、着臭防止の観点から設定されています。北九州市では、高度浄水処理を導入して対応しています。
43 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下
44 非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下  合成洗剤の成分の一種で、各種工業や一般家庭等で幅広く用いられており、その排水が河川水に流入し汚濁の原因となっています。
45 フェノール類 0.005mg/L以下  工業排水の影響で河川水等で検出されることがあります。水に臭いが付くことがあります。
46 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3mg/L以下  水に含まれる有機物の量で、有機物による汚濁指標として用いられます。水道水に多量に含まれると味を悪くします。
47 pH値 5.8以上8.6以下  酸性が強くなると水道管の腐食につながる可能性があります。
48 異常でないこと  水に付着する味を示します。味は、多くの場合、臭気と不可分で人に不快感を与えます。
49 臭気 異常でないこと  水に付着する臭いを示します。河川や貯水池で富栄養化により生物が異常繁殖すると水道水にカビ臭などの臭いがつくことがあります。
50 色度 5度以下  水の色の程度を数値に示したもの。一般にコップに水を入れて着色に気付くのは、約10度程度、浴槽等の大きな容器で5から6度程度と言われています。
51 濁度 2度以下  濁りの程度を数値にしたもので、水中に分散している微細な粒子の状態の程度を言います。

水質管理目標設定項目

水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目です。 

水質管理目標設定項目の説明
番号 項目名 目標値
1 アンチモン及びその化合物 0.02mg/L以下
2 ウラン及びその化合物 0.002mg/L以下(暫定)
3 ニッケル及びその化合物 0.02mg/L以下
4 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下
5 トルエン 0.4mg/L以下
6 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.08mg/L以下
7 亜塩素酸 0.6mg/L以下
8 二酸化塩素 0.6mg/L以下
9 ジクロロアセトニトリル 0.01mg/L以下(暫定)
10 抱水クロラール 0.02mg/L以下(暫定)
11 農薬類 検出値と目標値の比の和として、1以下
12 残留塩素 1mg/L以下
13 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 10mg/L以上100mg/L以下
14 マンガン及びその化合物 0.01mg/L以下
15 遊離炭酸 20mg/L以下
16 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下
17 メチル-t-ブチルエーテル 0.02mg/L以下
18 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 3mg/L以下
19 臭気強度(TON) 3以下
20 蒸発残留物 30mg/L以上200mg/L以下
21 濁度 1度以下
22 pH値 7.5程度
23 腐食性(ランゲリア指数) -1程度以上とし、極力0に近づける
24 従属栄養細菌  1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定)
25 1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/L以下
26 アルミニウム及びその化合物 0.1mg/L以下
27 ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA) ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の量の和として0.00005mg/L以下(暫定)

要検討項目

毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目、水質管理目標設定項目に分類できない項目です。 

要検討項目の説明
番号 項目名 目標値
1 銀及びその化合物 -
2 バリウム及びその化合物 0.7mg/L
3 ビスマス及びその化合物 -
4 モリブデン及びその化合物 0.07mg/L
5 アクリルアミド 0.0005mg/L
6 アクリル酸 -
7 17—Β—エストラジオール 0.00008mg/L(暫定)
8 エチニル—エストラジオール 0.00002mg/L(暫定)
9 エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5mg/L
10 エピクロロヒドリン 0.0004mg/L(暫定)
11 塩化ビニル 0.002mg/L
12 酢酸ビニル -
13 2,4—トルエンジアミン -
14 2,6—トルエンジアミン -
15 N,N—ジメチルアニリン -
16 スチレン 0.02mg/L
17 ダイオキシン類 1pgTEQ/L(暫定)
18 トリエチレンテトラミン -
19 ノニルフェノール 0.3mg/L(暫定)
20 ビスフェノールA 0.1mg/L(暫定)
21 ヒドラジン -
22 1,2—ブタジエン -
23 1,3—ブタジエン -
24 フタル酸ジ(n—ブチル) 0.01mg/L
25 フタル酸ブチルベンジル 0.5mg/L
26 ミクロキスチン—LR 0.0008mg/L(暫定)
27 有機すず化合物 0.0006mg/L(暫定)(TBTO)
28 ブロモクロロ酢酸 -
29 ブロモジクロロ酢酸 -
30 ジブロモクロロ酢酸 -
31 ブロモ酢酸 -
32 ジブロモ酢酸 -
33 トリブロモ酢酸 -
34 トリクロロアセトニトリル -
35 ブロモクロロアセトニトリル -
36 ジブロモアセトニトリル 0.06mg/L
37 アセトアルデヒド -
38 MX 0.001mg/L
39 キシレン 0.4mg/L
40 過塩素酸 0.025mg/L
41 N—ニトロソジメチルアミン(NDMA) 0.0001mg/L
42 アニリン 0.02mg/L
43 キノリン 0.0001mg/L
44 1,2,3—トリクロロベンゼン 0.02mg/L
45 ニトリロ三酢酸(NTA) 0.2mg/L
46 ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS) -

このページの作成者

上下水道局水道部水質試験所
〒806-0047 北九州市八幡西区鷹の巣三丁目10番16号
電話:093-641-5948 FAX:093-641-5998

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