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意見書・決議(議員提出議案第18~24号)

更新日 : 2024年6月14日
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議員提出議案第18号・少人数学級の推進、教職員定数の改善及び義務教育費国庫負担制度の拡充に係る意見書

 学校現場では、貧困、いじめ、不登校、教職員の長時間労働や未配置等、解決すべき課題が山積しており、子どもたちの豊かな学びを保障するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっています。豊かな学びや学校の働き方改革を実現するためには、加配教員の増員や少数職種の配置増等、教職員定数改善が不可欠です。

 2021年の法改正により、小学校の学級編制標準は段階的に35人に引き下げられ、計画通りに進捗すれば、2025年度に完了となります。今後は、小学校にとどまることなく、中学校及び高等学校での早期実施と、きめ細かい教育活動を進めるために、更なる学級編制標準の引下げ、少人数学級の実現が必要です。

 一方、厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている地方自治体もありますが、地方自治体間の教育格差が生じることは大きな問題です。義務教育費国庫負担制度については、小泉政権下の「三位一体改革」の中で国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられました。国の施策として定数改善にむけた財源保障をし、子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。豊かな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地方教育行政の実情を十分に認識され、地方自治体が計画的に教育行政を進めることができるように、次の措置を講じられるよう強く要請します。

1 中学校及び高等学校での35人学級を早急に実施すること。また、更なる学級編成標準の引下げ等、少人数学級について検討すること。

2 学校の働き方改革や長時間労働是正を実現するため、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。

3 地方自治体で国の標準を下回る「学級編制基準の弾力的運用」の実施ができるよう加配の削減は行わないこと。

4 教職員の処遇について、新規採用を持続的に確保し、専門性を発揮し意欲をもって働くことができるよう、改善に必要な財政措置を講じること。

5 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方財政を確保した上で義務教育費国庫負担制度の負担割合を引き上げること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第19号・聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求める意見書

 今日、社会の高齢化に比例して、難聴の方も年々増加しています。難聴は認知症の危険因子の一つと言われており、また難聴になると、人や社会とのコミュニケーションを避けがちになり、その後、社会的に孤立する可能性も懸念されます。

 この難聴対策として補聴器が知られていますが、一般的に補聴器と呼ばれているものは、収集した音を増幅して外耳道に送る気導補聴器です。一方で様々な原因で外耳道が閉鎖している方には、骨導聴力を活用する骨導補聴器が用いられてきました。

 近年、これらの2種類の補聴器に加えて、耳の軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導等の新しい技術を用いたイヤホンが開発されました。この聴覚補助機器は、従来の気導・骨導補聴器では十分な補聴効果が得られない方や、装用そのものが難しい方に対しての新たな選択肢となりました。これにより、様々な難聴者に適用できる聴覚補助機器等の選択肢が整いました。

 よって、本市議会は、政府に対し、我が国の更なる高齢化の進展を踏まえて、認知症の予防とともに、高齢者の積極的な社会参画を実現するために、聴覚補助機器等の積極的な活用への支援を求め、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言の下で、自分に合った補聴器を積極的に活用する環境を整えること。

2 耳が聞こえにくい高齢者や難聴者と円滑にコミュニケーションをとれる社会の構築を目指し、行政等の公的窓口などに、合理的配慮の一環として聴覚補助機器等の配備を推進すること。

3 地域の社会福祉協議会や福祉施設との連携の下、聴覚補助機器等を必要とする人々への情報提供の機会や場の創設等、補聴器を普及させる社会環境を整えること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。 

議員提出議案第20号・災害発生時における信頼性の高い情報連携体制の構築への支援を求める意見書

 現在、情報通信技術の進歩と、それに伴う様々なサービスの拡大により、私たちはいつでもどこでも、情報を入手したり、発信したりすることができるようになっています。そのため、インターネット上には膨大な情報やデータが流通していますが、その中には、事実とは異なる、偽情報や誤情報が流されることもあり、適切な対処が必要です。

 特に、災害発生時における情報は、多くの人々の命に直結する重要なものであり、現在、必死で復旧と復興を進めている能登半島地震においても、多くの偽情報が発信されました。具体的には、救援を求める情報を受けて現場に行っても、誰もいなかったというケースも多々あり、現場は大変混乱したとのことです。また、被災地の状況を知らせる画像情報においても、現場の実態とは全く違う合成されたと思われる画像も拡散されていました。

 いつどこで発生するかわからない災害に対して、特に発災直後に情報が大変に混乱する中で、被災者の命を救うためには、1分1秒も無駄にはできません。その活動を大きく阻害する偽情報の拡散防止は喫緊の課題であります。

 よって、本市議会は、政府に対し、災害発生時における信頼性の高い情報連携体制の構築への支援の積極的な推進を求めるために、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 情報発信者や情報発信機器の事前登録等により、情報の信頼性を担保し、現場からの正確な情報を収集し、活用する情報連携環境を整備すること。

2 IoTセンサーやドローンを活用して、リアルタイムでの国と地方自治体の災害情報共有体制を整備すると同時に、適切な情報分析と迅速な対策を促す気象防災アドバイザーの自治体への配置を支援すること。

3 正確な情報を発信する公的情報サイトや政府認定のアプリケーション等について国民への普及を強力に推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第21号・選挙運動を妨害する活動に対する法整備を求める意見書

 今般、つばさの党が衆議院議員補欠選挙における選挙活動を妨害するという事象が発生しました。

 選挙の際に、候補者が、街頭演説などで有権者に対し、自分の政策や訴えを行うことを妨害する行為は、国民の権利である有権者が候補者の声を聞いて判断する権利を奪うという大変卑劣なものであり、選挙に対する冒とく以外の何物でもありません。また、妨害行為には候補者個人の人格を否定し、これを毀損するような発言もあり、我々議員や議員を志す者は絶対に許してはなりません。

 このような団体による悪質な選挙運動の妨害については、その場で中止させることができなければ効果がありません。妨害行為と判断されたときは直ちに中止させることができるよう法整備が至急望まれるところです。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、こうした犯罪行為を厳重に取り締まるための法整備を行うよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第22号・地域における「こども誰でも通園制度」の拡充等を求める意見書

 子育て家庭の多くが孤立した育児の中で不安や悩みを抱えており、支援の強化を求める意見があります。「こども誰でも通園制度」は、全ての子どもの育ちを応援し、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付制度です。

 具体的な制度設計に当たっては、基盤整備を進めつつ、地域における提供体制の状況も見極めながら、令和7年度には法制度化し、令和8年度には法律に基づく新たな給付制度として全自治体で実施すべく、令和5年度から各地でモデル事業が行われています。

 よって、本市議会は、政府に対し、地域の実情に合わせた速やかな制度の導入に加え、育児と多様な働き方やライフスタイルの両立の推進のために、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 試行的事業の職員配置や設備基準は、一時預かり事業と同等の水準となっていますが、認可保育所等の実施事業所が不足している地域においては、制度の導入推進を図るためにも職員配置や設備基準を満たすための財政的措置を含む支援策を講じること。

2 試行的事業では、補助基準上の一人当たり利用時間の上限は月10時間となっていますが、それぞれの自治体における乳幼児数や地理的特性によって、利用時間のニーズにバラつきが生じることが想定されます。こうした中、全国の市町村で実施する給付制度とすることを前提としながら、自治体によって地域差が生じることについてどのように考えるのか、といった論点も含め、利用時間の在り方について検討すること。

3 障害児や医療的ケア児とその家族を支援するという観点や、保護者の事情により通園ができない乳幼児についても家庭とは異なる経験や家族以外と関わる機会を創出するという観点から、「こども誰でも通園制度」においても障害児や医療的ケア児の受入れを認めること。

4 「こども誰でも通園制度」を地域資源の一つとして整備し、同制度と合わせて、地域に多様な子育て支援サービスを整え、潜在的待機児童の解消も視野に入れた重層的な見守り機能が発揮されるような制度設計とすること。 

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第23号・地方財政の充実・強化に関する意見書

 今、地方公共団体には、急激な少子・高齢化に伴う、社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下における地域活性化対策はもとより、感染症対策、DX化、脱炭素化、物価高騰対策等、極めて多岐にわたる新たな役割が求められています。加えて、急激に進められている地方公共団体情報システムの標準化や多発する大規模災害への対応も迫られる中、地域公共サービスを担う人員は圧倒的に不足しており、職場における疲弊感は日々深刻化しています。

 政府はこれまで「骨太方針2021」に基づき、2021年度の地方一般財源水準を2024年度まで確保することとしてきました。しかし、増大する行政需要、また不足する人員体制に鑑みれば、今後はより積極的な財源確保が求められます。

 よって、本市議会は、政府に対し、2025年度政府予算と地方財政の検討に当たっては、現行の地方一般財源水準の確保から一歩踏みだし、日本全体として求められている賃上げ基調に相応する人件費の確保まで含めた地方財政を実現するため、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 社会保障の充実、地域活性化、DX化、脱炭素化、物価高騰対策、防災・減災、地域公共交通の再構築等、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、それを支える人件費を重視しつつ、現行の水準にとどまらない、より積極的な地方財源の確保・充実を図ること。

2 とりわけ、子育て対策、地域医療の確保、介護や生活困窮者の自立支援等、より高まりつつある社会保障ニーズが地方公共団体の一般行政経費を圧迫していることから、引き続き、地方単独事業分も含めた、十分な社会保障経費の拡充を図ること。特に、これらの分野を支える人材確保に向けた地方公共団体の取組を十分に支える財政措置を講じること。

3 地方交付税の法定率を引き上げるなど、臨時財政対策債に頼らない、より自律的な地方財政の確立に取り組むこと。また、地域間の税源偏在性の是正に向けては、所得税や偏在性がより小さい消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、より抜本的な改善を行うこと。

4 政府が減税政策を行う場合、地方財政に影響が出ないよう、その財源は必ず保障すること。その際は、「国と地方の協議の場」を活用するなどし、特段の配慮を行うこと。

5 「地方創生推進費」として確保されている1兆円については、現行の財政需要において不可欠な規模となっていることから、恒久的財源としてより明確に位置付けること。また、その一部において導入されている行革努力や取組の成果に応じた算定方法は、標準的な行政水準を保障するという地方交付税制度の趣旨に反することから、今後採用しないこと。

6 会計年度任用職員においては2024年度から勤勉手当の支給が可能となったものの、今後も当該職員の処遇改善や雇用確保が求められることから、引き続き、その財政需要を十分に満たすこと。

7 自治体情報システムの標準化・共通化に向けては、その移行に係る経費と移行の影響を受けるシステムの改修経費まで含め、デジタル基盤改革支援補助金を拡充するなど、引き続き必要な財源を保障すること。また、戸籍等への記載事項における「氏名の振り仮名」の追加など、DX化に伴い地方においてシステム改修や事務負担の増大が想定される際は、十分な財政支援を行うこと。

8 地域の活性化に向けて、その存在意義が改めて重視されている地域公共交通について、公共交通専任担当者の確保を支援するとともに、こども・子育て政策と同様、普通交付税の個別算定項目に位置付け、一層の施策充実を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第24号・下水道の維持管理・更新におけるウォーターPPP導入に向けての丁寧な対応を求める意見書

 公共インフラの適切な維持管理や更新は、地域住民の日常生活の安全と安心のために重要な課題です。地方公共団体が整備や維持管理を進めてきた下水道は、1990年代に建設されたものが多く、下水道管の耐用年数をおよそ35年と仮定すると2025年頃から大量に更新時期を迎えることが予想されます。

 地方公共団体の下水道事業においては、この施設の老朽化に加えて、人口減少による使用料収入の大幅な減少、職員数の減少による管理や運営状況の悪化に対し、広域化やDXをはじめとする効果的・効率的な取組が求められています。

 政府は、更新時期を迎える公共インフラの適切な維持管理や更新のために、PPP/PFI推進アクションプラン(令和5年改定版)を策定し、公共施設等運営事業へ移行する方針を示しました。下水道においては、公共施設等運営事業への段階的な移行を目指して、同事業及び官民連携方式(管理・更新一体マネジメント方式)とを併せたウォーターPPPを導入することとしました。

 更に政府は、社会資本整備総合交付金等の交付要件について、「汚水管の改築に係る国費支援に関して、緊急輸送道路等の下に埋設されている汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和9年度以降に要件化する」としました。

 しかしながら、交付金に関しウォーターPPP導入を決定済みであることが要件化されることにより、交付金の申請が困難となる場合があります。

 よって、本市議会は、政府に対し、地方公共団体が民間との連携の下で、安定的かつ持続的に下水道施設を機能させることができるよう、この要件化に関する政府の方針について、地方公共団体の取組状況に応じて弾力的な対応を検討するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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